DS ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 光と影の英雄 攻略wiki - アストリアとジョルジュ

アストリアとジョルジュ1


【アストリア】
 すまんな、ジョルジュ。
 先の戦いでは
 手間をとらせてしまった。

【ジョルジュ】
 いや、構わん。
 お前の行動は、
 アカネイアの騎士として
 正しいものだった。
 …しかし、何年振りだろうか。
 お前とこうして
 ゆっくり話すのは。

【アストリア】
 そうだな。
 昔を思い出すよ。
 オレは、ただの傭兵隊長で
 お前も、一人の弓騎士で…。

【ジョルジュ】
 ふふ、懐かしいな。
 でも、
 もう一人いるだろ。

【アストリア】
 ミディアの事か。

【ジョルジュ】
 ああ。
 お前がパレスに来てからと言うもの、
 彼女はいつも不機嫌だった。

【アストリア】
 ミディアは、
 アカネイア騎士団の力を
 信じていたからな。
 オレたち、傭兵隊の力など…。
 不要だと思っていたのだろう。

【ジョルジュ】
 おいおい、
 まるで他人事のような
 物言いだな。
 その、女隊長と
 何かに付けて衝突していたのは
 どこの男だ。

【アストリア】
 むっ、あれは…。

【ジョルジュ】
 よく響いていたぞ。
 彼女の声と、
 時折反論する、お前の声が…。

【アストリア】
 …帰れと言われて、
 腹を立てぬ傭兵が
 いると思うか?

【ジョルジュ】
 傭兵なら、他にも
 多数いたと思うがな。
 ……もしや。
 当時のミディアを、男と間違えて
 大変な目に遭った者が
 いたという話だが…
 お前の事だったのか?

【アストリア】
 ふっ、何を言うかと思えば…。
 ありえない話だ。
 あの流れる水を思わせる髪、
 気高き志を宿した表情……。
 ミディアを男と違えるなど、
 随分と、人を見る目が無い者も
 いたものだな。

【ジョルジュ】
 アストリアよ…。
 オレはそこまで
 聞いてはいないぞ。

【アストリア】
 はっ!

【ジョルジュ】
 まったく…。
 相変わらず
 面白い奴だな、お前は。

【アストリア】
 くっ。
 …帰らせてもらう。

【ジョルジュ】
 ふっ。
 少し、言い過ぎたか。


アストリアとジョルジュ2


【アストリア】
 …そうだ、ジョルジュ。
 覚えてるか?

【ジョルジュ】
 何だ?
 アストリア。

【アストリア】
 お前が、オレとの演習で
 最後に放った…
 あの、振り向きざまの一撃を。

【ジョルジュ】
 ああ、覚えてるよ。

【アストリア】
 あの技には驚いた……。
 狙ってやったのか?

【ジョルジュ】
 当然だ。
 あれは本来、
 馬上から行うものだからな。
 見た目ほど、難しい技ではない。

【アストリア】
 何!?
 …と言うことは、
 当時の弓騎士たちには
 それ程の技術が…。

【ジョルジュ】
 …冗談だ。
 実戦で成功したのは
 あれが初めてさ。

【アストリア】
 またか、ジョルジュ!
 一時でもお前を敬った、
 オレの気持ちを返せ!

【ジョルジュ】
 はは、すまない。

【アストリア】
 その演習の後、
 オレがどれだけ…

【ジョルジュ】
 ミディアに絞られたか、
 お前に分かるか!?
 …だろ。

【アストリア】
 なっ、なぜ
 それを…。

【ジョルジュ】
 言っただろう、アストリア。
 響くんだよ、
 お前とミディアの声は。
 「なぜ、あの状況で
 攻撃に転じなかったのか」
 …だったか。
 彼女、いちいち言う事が
 正論だよな。
 周りの奴らも、
 お前には同情していたよ。

【アストリア】
 くっ…!

【ジョルジ】
 おっと、また
 調子に乗ってしまったな。
 すまない。

【アストリア】
 い、いや…
 構わん。

【ジョルジュ】
 …さて、
 アストリアよ。
 今日こそは、
 話してもらうぞ。

【アストリア】
 ハーディンの件…
 だな。

【ジョルジュ】
 その通りだ。
 メリクルを受けたお前が
 何も気づかなかったとは
 思えない。

【アストリア】
 ……。

【ジョルジュ】
 話してくれるな、
 アストリアよ。

【アストリア】
 ああ、ジョルジュ。
 オレも、お前に
 聞いて欲しい。

      

アストリアとジョルジュ3


【アストリア】
 …という訳で、
 オレはマルス王子を
 狙う事となった。

【ジョルジュ】
 主君である
 ハーディンの命は絶対…
 だからか。

【アストリア】
 そうだ。

【ジョルジュ】
 ……ふーっ。
 相変わらず固い奴だな、
 お前は。

【アストリア】
 むっ、固くて何が悪い。

【ジョルジュ】
 そういう所だよ。
 一人だけで
 抱え込んで、考えて…
 その結論に固まって。

【アストリア】
 ………。

【ジョルジュ】
 もちろん、
 お前の出した結論は
 正しいと思う。
 騎士としてはな。
 だが……
 一人の友としては
 どうだろうか。

【アストリア】
 友として……か。

【ジョルジュ】
 なあ、アストリアよ。
 もっと、
 周りを頼ってくれ。
 お前の真っ直ぐな所は、
 アカネイアの騎士ならば
 皆も知るところ。
 もちろん、オレとて…
 その中の一人だ。

【アストリア】
 …ジョルジュ。

【ジョルジュ】
 オレは、お前の力になりたい。

【アストリア】
 ああ…。
 わかったよ。
 全く、
 お前の言うとおりだ。
 …感謝するぞ、
 ジョルジュ。

【ジョルジュ】
 ふふ、
 今日は珍しく
 素直じゃないか。

【アストリア】
 当然だ。
 お前が、
 他人のいない所で
 真剣な態度を取るなど…。
 気を遣わせているのだと、
 オレにでも分かる。

【ジョルジュ】
 はは、全くだ。
 分かってるじゃないか
 アストリア。

【アストリア】
 ふん、いったい
 何年の付き合いだと
 思ってる。
 ……さて。
 過去の話は
 ここまでとしよう。

【ジョルジュ】
 そうだな。

【アストリア】
 …死ぬなよ、ジョルジュ。

【ジョルジュ】
 ああ。
 お前もな。