今泉大輔氏が提唱する「リワイヤリング」の概念を応用したTwitterのヘビーユーザ用の次世代Twitterクライアントプロジェクト

基本仕様書


以下、上記仕様書の内容です。

次世代Twitterクライアント「リワイヤリングマシーン」(コードネーム)基本仕様

2010-05-04 ver 1.0

Part I

0. 概要説明

0-1. 「リワイヤリングマシーン」の基本的な位置づけ
「リワイヤリングマシーン」(仮称)は、社会ネットワークで言うリワイヤリングを加速化させる目的を持った「次世代Twitterクライアントとその動作を支援するサービス」の総称である。想定しているユーザーは、Twitterを新規顧実の創造および顧実コミュニティの維持に利用したいと考える個人事業主、飲食店等小規模サービス業、著述業、クリエイター、士業、その他起業マインドを持ったすべての個人を想定している。なお、いわゆる法人ユーザーについては、Twitterがそもそも個対個のやりとりで大きな効果を発揮する環境であることを踏まえ、現時点では想定しない。なお企業経営者が個人を前面に打ち出して利用する形態は無論ありである(例:ソフトバンクの孫正義氏)。
リワイヤリングマシーンの基本的な位置づけは以下の2つのツイートが明快に語っている。
@dimaizum:無数の1人カンパニーが離合集散して経済の流れを作る時代が来る。B2B分野においても。そういう1人カンパニーのための次世代Twitterクライアントを @nakayoshix さんと一緒に作ろうと思っとります。 #nextgen_tw
http://twitter.com/dimaizum/status/12908457254
@dimaizum:<次世代Twクライアント>端的には、1人で3万人(仮)程度のTwユーザーとのやりとりを可能にし、3万人の個々人とのやりとりの履歴管理ができ、「誰と何をしゃべったか」がすぐわかるようにします。また最適な「リワイヤリング」を支援します。 #nextgen_tw
http://twitter.com/dimaizum/status/12911647081
リワイヤリングそのものについては、一橋大学イノベーションセンター 西口敏宏教授による「遠距離交際と近所づきあい」(NTT出版)など、同教授による関連書籍を参照。今泉のブログでも簡単な解説を行っている。
Twitter+リアルイベントで起こっている「リワイヤリング」が幸運を運んでくる背景
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http://blogs.itmedia.co.jp/serial/2010/03/twitter-...
西口教授の以下の記述は、これからのネットワーク化された社会における個人(含む上記個人事業主および経営者等)の成功を考える際に大きな示唆を与えている。
成功する人や組織は、意識せずとも、遠距離交際と近所づきあいの絶妙なバランスをとりながら活動している。濃密な近所づきあいを維持しながら、触手をはるか遠くへ伸ばし、情報伝達経路のつなぎ直し(今泉注:リワイヤリング)をして、通常なら決して結びつかない遠距離のノードとも、短い経路でつながっている。そして、そこで得られた冗長性のない情報を、巧みに利用する。
これこそが、最新のネットワーク理論によって解明されつつあるネットワーク能力の不思議なメリットであり、遠距離交際と近所づきあいの「いいとこどり」なのである。 「一橋ビジネスレビュー」2009年8月号 特集・ネットワーク最前線「特集にあたって」西口敏宏
いわゆる運がよい人や成功しつづける組織をよく調べてみると、宝くじを当てるように幸運が降って湧いたわけではなく、「運が、構造化している」ことがわかる。人や組織の運は、实はそれを取り巻くネットワークのトポロジー、つまり、隣の友人や遠くの知人(ノード、結節点)と、ネットワークを通してどのようにつながっているかという、構造特性に依存する部分が大きい。重要なのは、あなたが直接、誰を知っているかよりも、その誰かがあなたの知らない誰かを知っており、その人がさらに、他の誰を知っているかということなのだ。しかも、五感でとらえられる範囲しか知らない人間固有の認知限界によって、本人たちはそのことに気がつかない。だから、これは運だと錯覚する。
ところが、实際に意識しなくても、成功する人や組織は、遠距離交際と近所づきあいの、絶妙なバランスをとりながら活動している場合が多い。濃密な近所づきあい(高いクラスター係数、high clustering coefficient)を維持しながら、他方では、いくつかの触手をはるか遠くへ伸ばし、情報伝達経路のつなぎ直し(rewiring, リワイヤリング)をして、通常ならけっして結びつかない遠距離のノード(node, 結節点)とも、短い経路(short path length)でつながっている。そこで得られた冗長性のない情報を、巧みに利用するのである。これこそが、近年グラフセオリーに基づくシミュレーションによって数学的に解明された、スモールワールド・ネットワークの不思議なメリットである。それはいわば、遠距離交際と近所づきあいの良いとこ取りなのである。 「遠距離交際と近所づきあい」西口敏宏、NTT出版
リワイヤリングマシーンは、西口教授が言う「運」の「構造化」を可能にするものであり、「通常ならけっして結びつかない遠距離のノードとも、短い経路でつな」がること(=リワイヤリング)」を可能にするものである。これにより、ユーザーは、より多くのビジネスチャンスに恵まれるようになり、自分に合った顧実により多く巡り会えるようになる。
0-2. 「リワイヤリングマシーン」の社会経済的なインパクト
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リワイヤリングがその当事者に経済的な恩恵をもたらすのは、次のような理由からである。第一にリワイヤリングによって、認知限界を超えたところにある(自分がアクセスできない人脈に属している)資源に関する情報がもたらされる。これにはビジネスチャンスの情報も含まれる。第二にビジネスの成功に不可欠な「顧実」とリワイヤリングを通じて巡り会える確率が高まるからである。一般的に言って、個人の事業であれ企業の事業であれ、成功は必要な資源(人、モノ、カネ)の獲得と、顧実の創造いかんに関わっている。この2つの重要要素がリワイヤリングによって従来よりも容易に獲得できるようになるのである。
仮に、日本に無数の個人事業主および企業経営者がいて、各々が、西口氏の言う認知限界を超えたところにある資源や事業機会や顧実に巡り会えないがために、売上や業績が低迷しているということがあるならば、リワイヤリングを容易にするリワイヤリングマシーンが与えるインパクトは強烈である。リワイヤリングマシーンが多くの個人事業主および経営者によって利用されることによって、個々の事業が持っているポテンシャルが噴出す可能性があり、その集積が大きな経済的うねりになる可能性もある。また、端的に、年収が著しく増える個人事業主および経営者を多数生む可能性も持っている。(彼らの可処分所得の向上は彼らの旺盛な消費につながって、経済全般に相応の好影響を与える可能性がある。)
0-3. 段階的なリリースを取る理由
以上のことから、リワイヤリングマシーンが非常に画期的な位置づけを持ったソフトウェアおよびサービスであることが理解できる。このように「富の創造」に正面から取り組む製品は、過去には例がないものと確信する。リワイヤリングマシーンは、その位置づけという意味でも、機能という意味でも、波及効果という意味でも、真のイノベーションである。
一般的に、イノベーションが社会に普及していく際には、いくつかのパターンをとることがエベレット・ロジャーズの著書「イノベーションの普及」(翔泳社)によって明らかになっている。イノベーションは、同書で言う「両立可能性」、「試行可能性」、「観察可能性」を欠く時、社会の広範な層に浸透することなく消えてしまうことがある。いわゆる「キャズムを超えられなかった」という現象である。
これを避けるためには、上の「両立可能性」、「試行可能性」、「観察可能性」を保持する形でリワイヤリングマシーンの普及を推し進めなければならない。その第一歩は、リワイヤリングマシーンが提供する機能の中核にあるリワイヤリングの理解である。理解しないものは使いこなせない。
現在の社会一般のリワイヤリングに関する理解の度合を勘案するなら、リワイヤリングマシーンが本格的にリリースされる前に、相当に多くの普及啓蒙活動を行っておかなければならない。現状、Twitterそのものが社会の広範な層に正しく理解されていないことを考えると、リワイヤリングマシーンの本格展開はある程度、先延ばしにすることが得策だと考える。
そこで、リワイヤリングマシーンの開発およびリリースについては、便宜的に3段階に分けて進めるものとする。以下の3段階である。これにより、リワイヤリングおよび後掲のエンゲージメントに関する広範な層における理解を醸成するための時間を稼ぐことができるようになる。具体的には、1次リリース時にリワイヤリングマシーンの位置づけやビジョンに関する告
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知を広く行い、もって社会的な注目を集めることによって、リワイヤリングそのもの、エンゲージメントの考え方に多くの層を誘うことができる。
リワイヤリングマシーンは上述のように真のイノベーションであるため、このような事前の配慮が不可欠である。キャズムを超えられるように社会的な理解を醸成しておかなければならない。従って、以下の段階的なリリースとなる。
1次リリース:対話管理
1次リリースでは、もっとも優れたTwitterクライアントであることを目指す。具体的には、現在のTwitterヘビーユーザーが日常的に困惑している事項、すなわち、(1) Twitterクライアントの機能の貧弱さのゆえに、非常に多くのフォロワー/フォロイーとの間で交わしている@ツイートやDMの「対話の流れ」が見えにくくなる問題、(2)自分がいま参照したいという特定の過去ツイートがすぐに取り出せないという問題、を解決する。これによって、個人系のヘビーユーザーだけでなく、見込顧実および既存顧実とのやりとりをTwitterを介して行う必要のある事業主のニーズをカバーする。1次リリースは無料版のみとする。
2次リリース:エンゲージメント管理
ここではエンゲージメントという言葉で、Twitter上における、新規顧実の発見、新規顧実との関係構築、新規顧実への働きかけ(セールス行為含む)、既存顧実との関係維持、既存顧実への働きかけ(同)、アフターフォロー、そして顧実コミュニティの創造と維持、というような一連の活動を総称している。
これらの一連の活動を容易にする機能群を2次リリースにおいて提供する。「Twitterを活用したエンゲージメント」という考え方が浸透し、利用法が普及することによって、その先にある「リワイヤリングの主体的な活用」への意識が醸成される。2次リリース時点で以下のリワイヤリング管理およびそれに付随する感謝貨幣の機能を付加するとすれば、大半のユーザーはその意味や価値が理解できずに、リワイヤリングマシーンから遠のいていくであろう。このユーザーの受容および離反のメカニズムについては、エベレット・ロジャーズ著「イノベーションの普及」で詳しく解説されている。
3次リリース:リワイヤリング管理と感謝貨幣
リワイヤリングマシーンの本領が、ユーザーが利用できる形で世に姿を現すのは、この3次リリースにおいてである。3次リリースでは、ユーザーにとって最適なリワイヤリングが期待できるエリアの探索機能、リワイヤリングを具体化ならしめる「共通の知人」への働きかけ(一種のエンゲージメント)を支援する機能、リワイヤリングの結果として起こる多対多の新たなコミュニケーションおよびエンゲージメントの管理機能、そして、リワイヤリング発生を仲介してくれた「共通の知人」に対する対価支払機能である感謝貨幣機能を具備する。
感謝貨幣機能については、ここで概要を説明しておきたい。まず、リワイヤリングは、機械の上で起こるのではなく、人と人のつながりの上で起こる(社会ネットワークにおいて起こる)。それは、Aという人的ネットワークとBという人的ネットワークを機械的に接続して終了
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というものではない。必ず、当事者である自分と、相手である彼/彼女がおり、その二人の人間の間で強いインパクトをもって起こるものである。
リワイヤリングを加速化させるためには、これまでまったく縁のなかった、自分と彼/彼女との間に、人間的な濃密な関係性を形作る必要がある。仮に、自分が彼/彼女の持つ資源等に多大な興味を抱き、接近して「リワイヤリングを仕掛け」ようとしても、彼/彼女が自分に興味を示さないならば、その仕掛けは無理があるまま破綻してしまう。これまで縁がなかった両者にリワイヤリングが発生するためには、必ず、「共通の知人」の存在が不可欠である。社会ネットワーク学的には「弱い紐帯」「弱い絆」と訳され、西口教授が「緩いつながり」と呼んでいる"Weak Ties"の働きが不可欠ということである。"Weak Ties"とは、自分とは直接的な利害がないが、ある程度は顔見知りである、会話もするというような、ゆるくつながっている相手のことを指す。"Weak Ties"が人の人生においてどれほど重要な役割を果たすかについては、古典的な研究がある。簡単に説明した今泉のブログを参照のこと。シリアルイノベーション:Twitterのゆるさはまんま、グラノベッターの「弱い紐帯」(Weak Ties)の"Weak"だった http://blogs.itmedia.co.jp/serial/2010/03/twitterw...
このゆるいつながり状態にある「共通の知人」が、自分と彼/彼女の間の架け橋となってくれて、リワイヤリングが発生するのである。非常に人間的な行為によって、リワイヤリングが起こる。
とすれば、このリワイヤリングの加速化、促進には、何が必要であろうか?Weak Tiesとして存在している「共通の知人」が自分に何かをしてくれた。しかも、その何かは、自分の仕事に大きな肯定的なインパクトをもたらすリワイヤリングの仲介である。自分は彼/彼女に対して、何かをしてあげなければ気持ちがおさまらない(そのような心理的な要求に着目することが大切である)。謝礼を支払えばいいのだろうか。とりあえず、感謝の気持ちを送っておきたい…。ということで、一般社会であれば、ここで上物の箱菓子を贈ることになるわけだが、リワイヤリングマシーンの環境では、箱菓子の代わりに、「感謝貨幣」というものを贈る。
感謝貨幣は、発行者Aから発行対象Bに対して受け渡される、仮想的な価値表象エンティティである。仮にここで1単位を「1サンクス」と呼ぶとすれば、1サンクスには必ず、発行者Aと発行対象Bの情報が付加される。仮に、発行者Aが発行対象Bに対して、リワイヤリングの謝礼として、100サンクスを贈ったとする(すでに”贈”の文字が、タラ・ハントの言うギフト経済の隆盛を示唆している)。この時、発行者Aは、発行対象Bに対して「将来において100サンクス分の有形無形のお返しをすること」を約束した格好になる。経済処理的に言えば、発行者Aは発行対象Bに対して100サンクス分の借りがある格好になる。よって、この目に見えない謝礼は、発行者Aと発行対象Bの間における貸借関係として表現でき、アプリケーションとして具体化することが可能である。
この時、発行者Aは発行対象Bに対して発行した感謝貨幣「サンクス」を債券のアナロジーとして考えると、リアルな通貨経済との接続ができるようになる。まず、債券は、発行者Aが将来において何らかの返済義務を負っていることの証拠である。ここでは、発行対象Bがリワイヤリングに関して便宜を図ってくれたお礼として、何かの返礼義務を負っているということである。返礼義務ももっと具体的に言えば、「将来において自分がリワイヤリングの仲介の労を取ってあげてもよい」ということである。この返礼義務が債券にパッケージングされ、市場で売りに出されたとする(債券なので、容易に市場で売買できる)。
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ここで、発行者Aが所属する社会ネットワーク(ソーシャルグラフやフォロワー/フォロイーのリストによって可視化されている)にある資源とのリワイヤリングを望むユーザーCが出現したとする。彼は、Aとは面識もなく、共通の知人もいない。Cにとっては、Aの社会ネットワークの資源は非常に重要である。
すると、「将来において自分がリワイヤリングの仲介の労を取ってあげてもよい」という返礼義務がパッケージングされた債券を、Cは、おそらくは、市場で購入するだろう。その時付く値は、過去の値動きの情報があるならば、妥当な相場で決まるだろうし、他の同等の債券の取引情報が公開されているならば、やはり妥当な相場で決まるであろう。また、値付けが正確にできるように、リアルな金融の債券取引で参考情報にされる格付情報のようなものがあってもよい(格付情報的役割としてはKlout Scoreがもっとも妥当である)。
このように、AがBに対して発行した時には、無形の感謝の印だったものが、Cにおいて明確に値付けをされ、貨幣価値で購入されるものとなるわけである。
これが感謝貨幣のあらましである。感謝貨幣の取引がある程度の量を伴ってくると、相応に、リアルな経済に好影響を与える可能性も出てくる。すなわち、人々が率先してリワイヤリングの仲介の労を取るようになる。ある人はより多くの感謝貨幣を蓄えるようになる。必要に応じて市場で売ることがある。それによって相応のリアルな富を得る。この富がリアルな市場に還流して消費に回り、もって経済はその分だけ活性化する。
縮めれば、人々が率先してリワイヤリングの労を取るようになる結果、経済が活性化するのである。これが、上で述べたリワイヤリング自体の社会経済的インパクトとあいまって、非常に大きなうねりを作りだしていく可能性がある。
リワイヤリング管理機能は、この感謝貨幣機能があることで「共通の知人」がいない場面においても積極的に利用できるものとなる。
0-4. アーキテクチャに関して
現時点では、クライアント動作環境として、ウェブおよびAndroidを想定。
クライアント側で受け持つべき処理としては、現状のTwitterクライアントが实現している諸機能およびそれに付随する機能程度にとどめ、残りはサーバー側で受け持つ。
サーバー側で受け持つ機能で、特に、サーバーの負荷が高いものとしては、1次リリースの対象となっている対話履歴管理機能群のうち、ツイートの検索処理、3リリースの対象となっているソーシャルグラフをユーザーインターフェースとしたリワイヤリング管理機能、および、感謝貨幣機能がある。
0-5. 著作権、収益モデル、事業基盤としての法人、収益分配モデル、開発体制
著作権については、GNU Affero General Public Licenseを適用する方向である。
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収益モデルについては、基本的な機能群を持つバージョンを無料版として提供しつつ、付加的な機能群を持つバージョンを有料版として提供する。無料版だけで行くならば、明確な法人等の事業基盤を置かずに済ますこともできるが、有料版を提供し、以下の収益分配も公平に行うためには、事業基盤としての法人は不可欠であると考える。
また、リリースが3次にわたり、その間のプロジェクトマネジメントをしっかりと行うためにも、さらには、サービスを实現するクラウド環境の継続的なコスト負担を担う主体という意味でも、事業基盤としての法人は不可欠である。さらにさらに、有料版のユーザーサポート全般を取り仕切る役割、感謝貨幣のリアル通貨への転換を管理する役割という意味でも法人が不可欠だと言える。
事業基盤となる法人をどこにするかについては、別途、議論を要する。
開発体制を述べる前に、有料版によって得られた収益をどのように分配するか、その分配の仕組みについて、関係当事者による合意がなければならない。本仕様を作成している今泉の案では、投資信託のメカニズムを流用するのがよい。すなわち、「投資」は一口単位(一口が何であるかは別途定義)。具体的な「投資」とは、開発労力の提供、その他の労力の提供、仕様の策定、オフィスの提供、サーバーの提供、回線の提供、資金の提供、その他の資源の提供、有料版販売に必要な資源の提供、等、である。これを公平な形で数値化し、ある特定の数値をもって投資単位「一口」に変えるためのルールが必要である。このルールづくりについては、慎重な議論を要する。例えば、労力提供を数値化するにあたっては、各自の時給(自己申告式)をベースに数値化するなどの工夫が要る。そのようにして公平な収益分配の仕組みを作り、それを公開し、広く多数の人から資源の提供がいただけるようにする。
有料版が販売できるフェーズに入ったら、有料版販売に必要な経費、売上、利益などをガラス張りにし、収益分配の原資がどのようにプールされているかを誰もがわかるようにする(投資信託の運用状況の開示に等しい)。収益分配プールから、所定の方法により、所定の時期に、各人に投資単位に応じた収益の分配がなされる。
開発体制は、本プロジェクトにおいて最初期から開発全般の方向づけを行ってきた中村良幸氏@nakayoshixをリーダーとし、最良の体制ができるように各自努力する。
開発においては、いわゆるTwitter Driven Developmentを採用する。すなわち、必要な事項は各自Twitterで公開しながら進める。興味のある方々から関心をいただきつつ、かつ、多数の方々にご覧いただけていることで、参画者にはいい意味での緊張感が働く。また、インターネット上にある英知を本プロジェクトにおいて生かしていただける可能性が高まる。

Part 2

1. 1次リリース:対話管理

1-1. 既存のTwitterクライアントが一般的に具備している機能群
記述を省略
1-2. 既存のTwitterクライアントにはない機能群
「2-4-1. 1次リリースで提供する機能群」および「1次リリースに含める機能」を挿入
2. 2次リリース:エンゲージメント管理

2-1. 潜在顧客の発見

潜在顧客の発見とは、プロフィール、ツイートに検索をかけることによって、自分の事業の顧客となりうるアカウントを発見することを指す。
2-1-1. 検索種別
以下にある2つの検索目的に関して、それぞれ2種類の検索機能を用意する。
オンデマンド検索
検索ウィンドウから任意のキーワードを都度入力してキーワード検索結果を得る。
自動リアルタイム検索
任意のキーワードを予め設定しておき、一定の間隔で自動的に検索をかけて、結果が得られたらアラートを出し、結果表示へと導く
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2-1-2. 検索目的:キーワード設定により、フォロイーのプロフィールを検索する
アカウントのプロフィールには潜在顧客の発見する上で重要な情報が含まれている。これをキーワード検索で拾う。
2-1-3. 検索目的:キーワード設定により、フォロイーのツイートを検索する
潜在顧客を発見するための有力な手がかりは、個別のツイートにも多く含まれている。特に、リアルタイム検索で得られた結果は、まさに今、自ら(事業主)を必要としている状況にあるケースもあり、適切なエンゲージメントによって、良好な関係を作ることができるようになる。
ツイートだけの検索
ツイートにだけ、リアルタイムのキーワード検索をかける
プロフィール内容だけの検索
プロフィール内容にだけ、リアルタイムのキーワード検索をかける。
ツイートとプロフィール内容を重ね合わせた検索
双方のANDをとる。
2-1-4. 検索ヒット後
顧客の獲得においては、検索がヒットした後で、的確なアクションを迅速にとることが非常に重要である。自動リアルタイム検索実施後、条件に合致したアカウントは即座にアラートを出す。それを見て、ユーザーは以下のアクションを取ることができるようになる。
@ツイートを送る
すぐにツイート編集画面が立ち上がって@ツイートを送れるようになる。
DMを送る
すぐにDM編集画面が立ち上がってDMを送れるようになる。(相手からフォローされている場合のみ)
共通の知人(相互フォロー状態にあるアカウントで、両者に共通しているアカウント等)をリストアップ
相互に直接やりとりがない場合などに、共通の知人がいるとよりよいアクションがとれる可能性がある。リストアップした中に親しい友人がいれば、エンゲージメントを支援してもらうことができる。リストアップ画面から彼/彼女にツイート、DMを送れる画面に移行できる。
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2-1-5. キーワード検索により、フォロイーでもフォロワーでもないアカウントのツイートをリアルタイム検索する(2次リリース有料版に限定した機能)
自分にとってフォロイーでもフォロワーでもない全アカウントに関して、キーワード検索をかけることにより、過去にはリーチできなかった潜在顧客を発見できるようになる。
ツイートだけの検索
ツイートにだけ、リアルタイムのキーワード検索をかける
プロフィール内容だけの検索
プロフィール内容にだけ、リアルタイムのキーワード検索をかける。
ツイートとプロフィール内容を重ね合わせた検索
双方のANDをとる。

2-2. エンゲージメント準備

2-2-1. 他アカウントをエンゲージメントプールに登録(この機能群は1次リリースに含める)
エンゲージメントの対象とするアカウントをエンゲージメントプールに登録する。ユーザーは、潜在顧客の発見機能で発見したアカウント、メタ情報検索によって発見したアカウント、その他、関心のあるアカウントをここに登録し、以下のアクションがとりやすい状況に置く。
エンゲージメントプール登録済みアカウントをグルーピングする機能
無料版 5グループまで
有料版 現実的に無制限なレベル/グループごとにアカウントの重複も認める(上限3万名を想定)
エンゲージメントプール登録済みアカウントの一覧表示
エンゲージメントプール登録済みアカウントのグルーピング表示
登録済みアカウントについてメモを書ける
登録済みアカウントに資料等のファイルを添付できる
2-2-2. キーワード設定により、フォロイーのうち、リワイヤリングマシーンアカウントのメタ情報を検索する(2次リリース有料版に限定した機能)
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Twitter社では近々、512バイト程度のメタ情報をツイートに自動的に含められる機能を提供する予定である。リワイヤリングマシーンでは、ユーザーのツイートにメタ情報を付加して、ユーザー相互の「顧客発見」「リワイヤリング対象の発見」を支援する。なお、メタ情報の使用は任意。メタ情報を利用して相手から発見されることの可否についても任意である。
位置情報
自アカウント:モバイル端末からGPSによる位置情報を得てメタ情報を構成する
他アカウント:特定の位置に入った場合にアラート
アカウントが自分に付けるタグ
アカウントは自分にタグを付けることができる。これにより相手が意味性の高い検索を行った場合に発見してもらえる可能性が高まる(同一業界の隠語等)
自アカウント:自らタグを設定する
他アカウント:検索のキーワード設定
アカウントが提供可能な資源について
自分が提供できる資源を記述する。3次リリースのリワイヤリング管理機能における利用が始まると、リワイヤリングの仲介を依頼された時に、自分が何を提供できるかを記述しておくのでもよい。
自アカウント:自ら提供できる資源を記述する。提供できるものが有償である場合には単価を設定。
他アカウント:相手が提供できる資源について検索キーワードを設定。有償が想定される場合には自分が許容できる上限単価を設定。
アカウントが求めている資源について
自分が求めている資源を記述する。3次リリースのリワイヤリング管理機能における利用が始まると、リワイヤリングにおいて、自分が何を必要としているかを記述しておくことで、リワイヤリングの相手が見つかりやすくなる。
自アカウント:自分が求めている資源を記述する。得られる場合に有償が想定される場合には自分が許容できる上限単価を設定。
他アカウント:相手が求めている資源について検索キーワードを設定。リワイヤリングを希望する相手を率先して見つけて、相手に前向きに働きかける場合に意味がある検索。ここでは単価設定は意味を持たないので割愛。
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2-3. エンゲージメント開始

2-3-1.メタ情報を検索ヒット後(2次リリース有料版に限定した機能)
メタ情報の検索ヒット後、スムーズにエンゲージメント関連のアクションが取れるように機能を用意する。
位置情報でヒット
予め設定した場所に他アカウントが入った時、あるいは、自分の近くに来た時、アラートが出る。(他アカウント側では、これによって”探される”ことをオフにすることができる)ユーザーは引き続いて以下のアクションを行う。
@ツイートを送る
すぐにツイート編集画面が立ち上がって@ツイートを送れるようになる。
DMを送る
すぐにDM編集画面が立ち上がってDMを送れるようになる。(相手からフォローされている場合のみ)
共通の知人(相互フォロー状態にあるアカウントで、両者に共通しているアカウント等)をリストアップ
相互に直接やりとりがない場合などに、共通の知人がいるとよりよいアクションがとれる可能性がある。リストアップした中に親しい友人がいれば、エンゲージメントを支援してもらうことができる。リストアップ画面から彼/彼女にツイート、DMを送れる画面に移行できる。
アカウントが自分に付けるタグでヒット
他アカウントが自分に付けるタグについて、キーワード検索がヒットした場合に、アラートが出る。ユーザーは引き続いて以下のアクションを行う。
@ツイートを送る
すぐにツイート編集画面が立ち上がって@ツイートを送れるようになる。
DMを送る
すぐにDM編集画面が立ち上がってDMを送れるようになる。(相手からフォローされている場合のみ)
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共通の知人(相互フォロー状態にあるアカウントで、両者に共通しているアカウント等)をリストアップ
相互に直接やりとりがない場合などに、共通の知人がいるとよりよいアクションがとれる可能性がある。リストアップした中に親しい友人がいれば、エンゲージメントを支援してもらうことができる。リストアップ画面から彼/彼女にツイート、DMを送れる画面に移行できる。
アカウントが提供可能な資源でヒット
他アカウントが提供可能な資源について、キーワード検索でヒットした場合にアラートが出る。ユーザーは引き続いて以下のアクションを行う。
@ツイートを送る
すぐにツイート編集画面が立ち上がって@ツイートを送れるようになる。
DMを送る
すぐにDM編集画面が立ち上がってDMを送れるようになる。(相手からフォローされている場合のみ)
共通の知人(相互フォロー状態にあるアカウントで、両者に共通しているアカウント等)をリストアップ
相互に直接やりとりがない場合などに、共通の知人がいるとよりよいアクションがとれる可能性がある。リストアップした中に親しい友人がいれば、エンゲージメントを支援してもらうことができる。リストアップ画面から彼/彼女にツイート、DMを送れる画面に移行できる。
アカウントが求めている資源でヒット
他アカウントが求めている資源について、キーワード検索でヒットした場合にアラートが出る。ユーザーは引き続いて以下のアクションを行う。
@ツイートを送る
すぐにツイート編集画面が立ち上がって@ツイートを送れるようになる。
DMを送る
すぐにDM編集画面が立ち上がってDMを送れるようになる。(相手からフォローされている場合のみ)
共通の知人(相互フォロー状態にあるアカウントで、両者に共通しているアカウント等)をリストアップ
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相互に直接やりとりがない場合などに、共通の知人がいるとよりよいアクションがとれる可能性がある。リストアップした中に親しい友人がいれば、エンゲージメントを支援してもらうことができる。リストアップ画面から彼/彼女にツイート、DMを送れる画面に移行できる。
2-3-2. ツイートの編集(この機能群は1次リリースに含める)
ツイート編集の参考になるように、ターゲットアカウントのツイート複数を表示させておくことができる。
最適なツイート内容を編集する
ターゲットアカウントのプロフィール、メタ情報を常時表示(最適ツイート作成の参考にする)
ターゲットアカウントの被Favoriteツイートも表示(同上)
共通の知人(相互フォロー状態にあるアカウントで、両者に共通しているアカウント等)をリストアップ
相互に直接やりとりがない場合などに、共通の知人がいるとよりよいアクションがとれる可能性がある。リストアップした中に親しい友人がいれば、エンゲージメントを支援してもらうことができる。リストアップ画面から彼/彼女にツイート、DMを送れる画面に移行できる。
個別ツイートには備忘メモを添えられる、資料ファイルの添付もできる。
2-3-3. ツイートの送信
ツイート送信の時間設定ができる。
2-3-4. ツイートへのレスポンス管理
本クライアントからエンゲージメントの一環として送信したツイートに対する一連のやりとりは、スレッドとして一覧表示できる。
レスポンスのツイートには、レスポンス結果に関して気づいたことなど、メモおよびファイルを添付することができる。

2-4. エンゲージメントの進捗管理

2-4-1. 1次リリースで提供する機能群
対話履歴管理
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自アカウントとターゲットアカウントが関わる全対話(@ツイート)のログ表示
1対1の対話ツイート以外にN対Nの対話ツイートも含む。
TL表示時に全対話(@ツイート)のログ表示にすぐ飛んで行ける。
必要があれば、ログ表示にすぐ飛んでこれる(この人と何をしゃべっていたっけ?、ということがないように。対話の瞬発性を実現する)。
自アカウントとターゲットアカウントの間で交わされた全DMのログ表示
TL表示時に全DMのログ表示にすぐ飛んでこれる。
必要があれば、ログ表示にすぐ飛んでこれる(この人と何をしゃべっていたっけ?、ということがないように。対話の瞬発性を実現する)。
エンゲージメントプール登録済みアカウントの過去全ツイートに対するキーワード検索(あの人と、あれについてしゃべったよなぁ、のぼんやりした記憶からツイートを特定する目的)
アカウントを指定した検索
アカウントを指定しない検索
「2-3. エンゲージメント開始」下の諸機能として発せられたツイートおよびそのレスポンスのログ表示
追加のツイート作成を行う。
自ツイート&他レスポンスに登場してきた全アカウントの一覧表示。
上全アカウントをスムーズにエンゲージメントプールへ登録できる(同一分野に関心持っている可能性高いので、潜在顧客と見なせる)。
未定:コンバージョンレート的なKPIをモニタリングできる機能が多少欲しいところ
2-4-2. 2次リリースで提供する機能群(有料版)
商取引関連
ターゲットアカウントからお金を受け取ることができる機能(PayPalで実現)
ターゲットアカウントへお金を支払うことができる機能(PayPalで実現)
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ターゲットアカウントを提携ネット通販店舗などへスムーズに受け渡す/仲介する機能(アフィリエート的な機能)
ターゲットアカウントにユニーク番号打って提携店舗へ送る
詳細要議論
ターゲットアカウントからセミナー、飲食店利用等の予約/申込をもらう機能
キャンセルポリシーがある予約/ポリシー違反時にはキャンセル料課すことができる等
セミナー等では事前に受講料を徴収することも可能
ファイル(電子書籍を想定)をターゲットアカウントに送付して(ファイルをストアするストレージルーム作り、そこで受渡し?)、お金を受け取ることができる機能(PayPalで実現)
ファイル受渡し機能については、詳細要議論
工数をムダに多くしない
ストレージコストの肥大化を防ぐ

3. 3次リリース:リワイヤリング管理と感謝貨幣

3-1. ソーシャルグラフユーザーインターフェースを使って、最適なリワイヤリングの相手を発見し、リワイヤリングを発生させるための機能群
現在コンセプトのみ。いずれにしても、リワイヤリングに関わることであるため、西口敏宏先生から数理モデルに関する何らかの示唆をいただきたいところ。
@nakayoshixの案では、時間軸、空間軸を加えた”リワイヤリング対象領域探索機能”がいいとのこと。
また、西口教授の言う「認知限界」を容易に超えているのだという実感があるユーザーインターフェースが望ましい。
近未来的には、雑踏において、ビジネス相手が見つかり、たまたま話し込んだところ、双方大きな案件に関われるポジショニングにあった→意気投合→コラボ、的な流れを可能にする。
今、すぐそばにいるリワイヤリングの相手が外国人であって、通訳が必要な時には、リアルタイム&オンデマンドで通訳が見つかり、すぐに三者で話ができるとか。
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案件が見つかった場合に、案件内容をツイートすると、すぐに、コラボ相手が向こうから現れるとか。
そんな世界。
3-2. リワイヤリングにおいて重要な役割を果たす「共通の知人」に対して支払う感謝貨幣に関連した機能群
感謝貨幣の基本コンセプトについては、すでに、Part1の「0-3. 段階的なリリースを取る理由>3次リリース:リワイヤリング管理と感謝貨幣」で述べました。
それ以上の仕様は現時点ではありません。これから時間をかけて整合性の高い詳細を詰めていきましょう。
以上です。
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