おしらさまはカナンのバール女神だった?
http://home10.highway.ne.jp/ikko/Japanese/3_J.html 中国の神話が、ほぼそっくり日本に伝承されていることが分かる。つまり、オシラ様とは韓半島の白山信仰の”しろ”とは関係がない。富士山東麓、甲州の郡内、府中、秩父など「おしらさま」、「おひらさま」といっている。「おシラさま」とは蚕の神(女性神)であった。(柳田国男「西はどっち」) この方言があった富士山東麓、甲州の郡内、府中、秩父はいずれも秦氏族の居住した地盤である。このあたりで「オシラ」が残っているということは、「オシラ」が帰化した外来語だと考えられるのである。養蚕の起源伝承が中国から伝わったことは確かである。そして、「おしらさま」が女神であることは明瞭でなのである。”おしらさま”が、養蚕の女神であり、虫となった”娘”を指していることに疑問はないだろう。しかし、この固有名詞が、かいこが白い虫だからなのか、シェバが訛ったものなのか、あるいは伝来の中国名なのかはいまのところよく分からない。しかし、有力な説として、カナンの地で信仰されたバール神の一柱、オシラー女神ではないかと見られている。カナン人は木立の中で、この乱_オシラーを拝していた。オシラーは神々を生む女神とされていた。アシュラーは、太女神オシラーのセム族の名である。アシュラーは天界の雌牛で、夫はエルで牡牛であった。Ashaが語源でAthも同じ。エジプトのIsisの古名はAshesh(アシェシュ)で、”Ash”の語源を含んでいる。Asheshは、「あふれでる」、とか「養育する」といった意味を持っていた。(古代インドの神、仏教の守護神Asuraではない。)ところで、Athrは、MaーAthrと綴れば、Mataraになって、摩多羅神につながってしまう。大酒神社の本社である木島社の「養蚕神社」から探っていくと、秦一族が、ペルシャ人も含む西域種族であったとしたら、カナンの神名オシラー女神を拝していた可能性は高いのである。オシラーは雌牛であるので、牛祭と摩多羅神を説明しやすい。日本での秦一族の主要な養蚕発展地では、カナンの神名オシラーが「おしらさま」として広く信仰されていた。日本にカナンのバール神オシラーが、そのままの音で崇拝されている。今も、東北地方に「おしら祭り」として生きている。加えるに、オシラー女神は”雌牛”であるので、牛祭の”牛と摩多羅神”の関係をすっきりとさせる。この場合、”牛祭”は、”蚕の祭”の変形とみることになる。