368からすの数霊

行司（ぎょうじ）とは、相撲において、取組の有利・不利を判断し、勝者を判定する役目の者である。
勝負が決まった段階で、どちら側が勝ったかを軍配によって示さなければならない。力士同様各相撲部屋に所属する。
大相撲においては、取組中にも掛け声をかける、はずれたさがりを土俵の外にのける、観戦の邪魔にならないように移動する、緩んだ廻しを締め直す、水入りの場合、両者の立ち位置や組み手などを決めるなど、様々なことをこなさなければならない。
行司の判定に対して勝負審判が異議を申し立てた場合には、物言いとなり、協議がなされる。
行司にはほかにも番付を書く、決まり手をアナウンスするなどの仕事がある。
上下の差が顕著な相撲界においては行司も例外ではなく、裁く階級によって行司の装束も大きく変わる。 行司の定員は45人、定年は65歳。
立行司はかならず短刀を指している。昔、行司が軍配を差し違えてしまった場合、切腹するという規則があったからである。現在、切腹することはなく（ただし、進退伺いを出すのが慣例）、古来からの習わしとして装着している。
行司の階級
立行司 - 木村庄之助、式守伊之助を参照
三役格 - 軍配の房・菊綴…朱、足袋・草履・印籠を着用、夏用装束と冬用装束
幕内格 - 軍配の房・菊綴…紅白、足袋を着用、夏用装束と冬用装束
十両格 - 軍配の房・菊綴…青白、足袋を着用　
幕下格以下 - 軍配の房・菊綴…青または黒、素足
行司家と行司名
　江戸時代までは、木村家・式守家以外に岩井家・吉岡司家・吉田司家などが存在したが、現在は木村・式守両家に統合されている。なお、入門時に木村（式守）家を名乗った場合、途中から式守（木村）家を名乗ることも可能である。入門するとまず自分の本名を名乗ることが多いが、経験を積んでいくにつれて先輩の行司名や以下にあげるような由緒ある行司名を名乗って三役格まで進み、立行司の之助、庄之助へと昇進していく。
主要な由緒ある行司名
木村玉之助木村朝之助木村庄九郎木村庄三郎木村庄二郎木村庄太郎木村玉治郎木村誠道木村玉光木村正直式守伊三郎式守勘太夫式守錦太夫
式守錦之助式守与太夫式守與之吉
行司をめぐる主な出来事
1927年 - 大阪相撲との合併で大阪相撲の立行司・木村玉之助が加わり立行司は3人になる。
1951年 - 副立行司を新設、木村玉之助は副立行司に降格。
1958年 - 各部屋に所属していた行司は「行司部屋」として独自の部屋に所属となる。
1960年 - 行司定年制実施、行司の年寄襲名も不可能になる。副立行司を廃止。
1971年 - 25代木村庄之助以下行司全員が初のストライキを起こす。直後の1972年初場所で差し違いした25代庄之助は出場停止となるが、3月に定年を待たずして退職した。
1973年 - 行司部屋が廃止され、再び各相撲部屋の所属になる。
1993年 - 木村庄之助、式守伊之助が相次いで定年退職し、史上初の立行司不在となる。結びの一番を三役格の3人が交互で担当し伊之助を争った結果、式守錦太夫が昇格（後の29代庄之助）。