こうした、渡来人の多くが日本に大陸の高度な技術をもたらしたのは紛れもない事実であり、こうしてむしろ日本はもともと移住民で進歩発展してきた国であった。日本人が古来から単一人種であったとし、これを疑わない有名学者もいるが、これは単純な錯覚であろう。NHKスペシャル「遺伝子」第三集 「日本人のルーツを探る」では、興味深いレポートがあった。ミトコンドリアDNA*によって、日本人のルーツを探ろうという研究が取材された。鹿児島大学の宝来 聡博士が紹介するデータによると、本州人のDNAによるルーツの構成は、以下の通り。
日本人固有のDNA 4.8% 韓国人固有の・・・ 24.2% 中国人・・・・・・ 25.8% アイヌ人・・・・・・ 8.1% 沖縄人 ・・・・・・16.1% その他・・・・・・・24.0% シェアーを特徴的にとらまえると、韓国、中国がほぼ四分の一を占めている。そして、縄文人を構成していたとされるアイヌ人と沖縄人をあわせるとやはり、ほぼ、四分の一である。しかし、5集団に属さないDNAが21%あるという。しかし、4.8%という日本人固有のDNAとは、日本でしか見つからないということなのか、なにゆえに日本人固有なのか放送からは伺い知ることができない。とにもかくも、日本列島に渡ってきた遺伝子は均一ではないことを示している。韓国では、韓国固有の遺伝子をもつ人口は、40.6%、中国では、60.6%が同一のDNAを持っている。比べると、日本には遺伝的に均一な支配的集団*が存在しないのである。こうした複合的集団のなかで古代の権力の集中化がなされたきたことを踏まえなければならないだろう。想像するにそれが聖徳太子の言った「和」であったのだろう。縄文人は複数の種族からなり、また、弥生人も複数の種族を予想しなくてはならない。