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第七十九景 死桜(しざくら)

あらすじ

九月二十三日、江戸。千代田城内の一室に、徳川幕府の執政の座に列する三名が鼎坐していた。大奥を支配する春日局、若き将軍家光の補佐役酒井雅楽頭忠世、そして徳川幕府の最高権威、土井大炊頭利勝。三名は忠長の乱行に関して話していたが、その話は大炊頭が忠長と密書を交わしているのではないかと、他二名からの問い詰めへと変化していた。笑いながら話を避けながら、席を立つ大炊頭だったが、その密通は真実であった。自分の屋敷に戻り、正面の男に、渡しは忠長に謀反を進めていると話す大炊頭。その男柳生宗矩は、剣に打ち込んだ若き頃から、現在は政治上の顧問的地位をも占め、多くの門弟を諸侯に推薦して、それらを通じて諸家の事情を絶えず探知している切れ者であった。宗矩は大炊頭さえ大納言の味方をすると知れれば、密かに家光に異図を抱くものは駿河に集まるだろと進言した。心のなかで、忠長に許しを乞う利勝。全ては徳川幕府を大盤石の重きに導くためだった。将軍家光の実弟、徳川忠長の存在はあまりに大きく、天下大乱の因子となっていたため、不満分子を一挙に殲滅する手段として、利勝は忠長を要していた。明日の駿府御前試合のことを聞いた利勝は、死桜が咲くと一言漏らすのみであった。
同じ頃、駿府の岡倉邸では、清玄が湯に入っていた。そして源之助が親に捨てられた過去をいくから聞かされる。そのとき、どうしても会いたい当道座の者が尋ねていると呼びにきた。玄関に向かうとあの蔦の市がひとり座っていた。自分のことをしゃべろうとする蔦の市だったが、清玄はすでにその正体を分かっていた。何用かと尋ねる清玄に、蔦の市はどうしても話したいことがあるといった。その内容は、清玄が蔦の市や当道者から見てのひとつの灯(ともしび)であると説明し、お天道さんも照らしてくれなかった胸の中を、初めて照らしてくれた方だと、涙を流し感謝した。泣きながら伏せたままの蔦の市に、面を上げよと清玄が言い放つ。そして、お前も俺も、武士も夜鷹も、駿河大納言も当道者も何も変わりもせず、己の剣はその証だと伝えた。それは、清玄自身が思いもよらぬ言葉であった。

野心を満たすために昇ってきたのではない。人間に優劣をつける階級社会を否定するために昇ってきたのだ。
登場人物
春日局酒井忠世土井利勝徳川忠長(名前のみ)、徳川家康(名前のみ)、朝倉宣正(名前のみ)、柳生宗矩
伊良子清玄いく藤木源之助(名前、回想)、蔦の市、ほか岡倉邸用人
舞台
江戸千代田城、土井大炊頭上屋敷、岡倉邸、駿府城
道具
蝋燭、囲炉裏?、杖
主要単語
執政、大奥、雅楽頭、大炊頭、落胤、謀反、天下大乱、死桜、当道座、灯、夜鷹、階級社会
詳細

掲載ページコマ文字
チャンピオンRED 2010年4月号
単行本15巻
26ページ97コマ文字

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最終15巻

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