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- 352 本当にあった怖い名無し 2009/11/13(金) 19:04:09
- 私が小学入学の頃、一人でのお留守番は寂しかろうと母親が犬を飼ってくれました。
鼻のつぶれたその犬は、カールと名付けられて私の父親にとても可愛がられ、いつしか小学校低学年の私を下
に見るようになりました。
散歩に連れて行ってもぐいぐい引っ張られ私が転ぶ有様。
寒いからと私がコタツに足を入れれば足を咬まれ、私が席を外せば私の食べ物を盗み食べして、なんて生意気
な犬なのだろうと思っておりました。
ある日カールとお散歩に行くと、大きな(中型犬位)野良犬が牙をむき出しにして走って私に向かってきました。
怖くて足がすくみ動けなくなっていると、小さな体のカールがその犬にかかっていったのです。
どう見てもカールが勝てる訳が無く、普段意地悪なカールでしたが「カールが怪我しちゃう!殺されちゃう!止め
て!カール!」と泣き叫び続けました。
幸いに近所の方が声を聞きつけ追い払ってくれましたが、カールは首に傷をおいました。
抱いて帰る私の胸で小さく唸ったり、撫でている手を咬もうとするカール。
看病しようとする私の手を咬み続け、美味しいものを食べてる時と散歩のリードを持った時だけ寄ってきたカール
。何故か寝る時だけ私のベッドに上り私の足元で寝るカール。
そんなカールは私が高校生の時、私が不在の時に亡くなりました。
生意気だったカールでも私には可愛い弟でした。
挨拶ができなかった事、見とれなかった事、いろいろと悔やまれ、涙が止まりませんでした。
そしてカールが亡くなった翌日
まだ涙が止まらないでいた私の部屋の前の廊下で カチャカチャとカールの足音が聞こえてきました。
え?っと思っている間に その音は部屋に入り、ぼすんっ と私のベッドに上ってきました。
そして すぽんっ と布団に腰を下ろした重さ。
カール と呼んでも返事はしませんでしたが、私はありがとうと言えました。
毎晩カールは私のベッドで寝てくれました。こんな日がずっと続くのかと思っておりましたが6日程で来なくなってし
まいました。
そして カールが来なくなった晩、私はカールの死をようやく認められました。
寂しがり屋のお姉ちゃんでごめんね。
ありがとうカール
又会おうね
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