2ちゃんねるオカルト板「心霊ちょっといい話」のまとめwiki

685 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 03/01/07 21:15
実家は俺の父親が継いでいるが、実は本来の長男が居た。
俺の伯父に当たるわけだが、戦前に幼くして亡くなった。
今で言うインフルエンザだと聞いたように記憶しているが、
ともあれ、貧しい我が家では医者にも診せられなかった。
祖母にとっては、それが心残りでならなかったらしい。

戦後、昭和30年代らしいが評判の良い降霊師がいたので
自宅に呼び、伯父を呼び出してもらった。
祖母としては一言詫びたかったそうだ。

伯父が降りたとたん、降霊師は土下座せんばかりになり
親よりも早く死んだ自分はとんでもない親不孝者ですと
言い、ひたすら泣き続けた。
祖母は詫びるどころか言葉を失い、絶句してしまったが
一緒に居た近所のばあさんが降霊師に声をかけた。
「お前さんが亡くなって、食い扶持が減ったから、他の
兄弟は病気にもならずに大きくなれたんだよ」

降霊師は顔を上げ、祖母に本当にそうなのかと尋ねた。
祖母は、子供を一人養子にでも出さないと食っていけないと
本気で考えていたと打ち明け、申し訳ないと泣き出した。
当時、祖母は2人の子持ち。その頃としてはむしろ
子供が少ない状況だったが、貧しさはそれ以上だった。

降霊師は、兄弟が養子に出ないで済んだのなら自分の
命など惜しくありませんと告げ、祖母と抱き合って
おいおい泣いていたそうだ。
祖母は、伯父に対する後ろ暗さがこれで消えたと言っていた。

降霊師などというとインチキ臭いものだが、この話を
聞いて以来、インチキだから悪いとか
そんな気はすっかり無くなってしまった。
無論、この降霊師がインチキだったなどと言うつもりはない。

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