このウィキの読者になる
更新情報がメールで届きます。
このウィキの読者になる
カテゴリー
最近更新したページ
最新コメント
Menu
自転車の写真です。去年の写真なんですが、夏らしく海をバックに。
でもやはりまだ使いこなせないな。。

サイクルモード'07(その2)

CYCLE MODE international 2007 その2

(ヨーロピアンバイク編 2/3)



■SCOTT


スコットが何でヨーロピアンなんだ? と思われるかもしれません。創業者のエド・スコットはアメリカ人ですし、創業の地もアイダホ州サンバレーでしたし、「SCOTT USA」というブランドも使われてきましたし。でも、スコットは現在アメリカ籍の企業ではないんですね。業界関係者でも専門誌でもアメリカンブランドに分類しているケースはメチャメチャ沢山ありますが。(実は、私もCR1を買った当時はアメリカンバイクのつもりでいましたから、人のことを言える立場ではありません。)

来年で創業50周年となるスコットは、本社をスイスのフリブール(マニュアル等に記載されている所在地からすると、たぶんこのへんです)に移転して30周年でもあります。ま、ロードの開発拠点こそ本社ですが、MTBの拠点はアメリカ・コロラド州ですし、作っているのは台湾だったりしますので、こうした括りにあまり意味はないかも知れませんが。

今年のスコットはサウニエル・ドゥバルのエースであるジルベルト・シモーニと元気な若手リカルド・リッコのアディクトを展示していました。



もはやヌードカーボンでカーボンフレームであることを殊更アピールする必要もないという時代の流れにカーボンの老舗スコットも逆らわないといったところでしょう。これはシモーニ仕様で一部マリア・ローザがらみのカスタムカラーやスポンサーロゴが入っていますが、市販フレームでもこのベースになっているホワイトを選べます。

フィジークのアリオネといえば「シモーニがジロを制したときに使用していた」が謳い文句でしたが、当時所属していたサエコから離れたら、彼も移籍先のチームサポートメーカー製を使っていました(好みのサドルの表皮だけ張り替えてカムフラージュしたものを使う選手も少なからずいますが)。サウニエル・ドゥバルへのサドル供給メーカーは今年からフィジークに変わりましたので、シモーニも再びアリオネを使うことになったわけですね。



それにしても、今年のサウニエル・ドゥバルはフレームがCR1チームイシューからアディクトに変わりましたが、コンポもカンパニョーロからスラムに変わり、ホイールもフルクラムからマヴィックに変わり、サドルもセライタリアからフィジークに変わり、ウェアもサンティーニからカステリに変わりました。選手やメカニックはフィッティングが大変だったんじゃないでしょうか? 特にコンポは一昨年までシマノでしたから、2年連続の変更です。メカニックはかなり煩わしかったと思います。



リッコのバイクのBB付近ですが、やはり白は汚れが目に付きます。私が中学生のとき初めて買ったロードも白でしたが、大体こんな風でした。ヌードカーボンのように黒かったら汚れが付かないわけではなく、単に目立たないだけなので、いつもキレイにしておきたいと思う潔癖症の人はむしろ汚れが目立つ色のほうが良いかも知れません。

で、アディクトは小改良され、ホローテックIIなどスルーアクスル式クランクのベアリングカップがフレームに一体化されました。



リッコのバイクのBB付近と見比べて頂けば解かりやすいと思いますが、BBにベアリングカップが作り込まれ、そこへベアリングを直接装着する格好になります。要するに、ノーマルヘッドがインテグラルヘッドになったのと全く同じ発想です。情報誌などでもこうしたBBの名称を見かけたことはありませんが、「インテグラルBB」とでもいうべきでしょうか?

更なる剛性アップや軽量化につながるとされるこの方式は後述のトレックも新型マドンで採用してきました。が、気になるのはFSAのTT用エアロクランク、ネオプロのようにクランク側にベアリングカップをめり込ませる方式もあることです。



FSAの十八番である鮮やかなレッドアルマイトのベアリングカップがクランクにほとんど呑まれているのがお解りになると思いますが、このクランクとベアリングカップ一体BBの互換性はかなり微妙な感じがします。

こうしてみると、またぞろ面倒くさいことになってきた感じです。互換性を維持しようと思えば構造が制限されて新機軸が生まれにくくなるでしょうし、かといって野放図でもマーケットの混乱が懸念されます。上手い落としどころはどこになるのか、その判断は非常に難しいでしょう。

一方、セカンドグレードへ降格したCR1はここ数年派手目でレーシーな色遣いになっていましたが、ホビーレーサーの需要を重視するようになったのか、かなり落ち着いた雰囲気に様変わりしました。



写真はCR1の中間モデルCR1プロですが、2007年モデルでは105で組まれた廉価モデルのCR1チームが大変な人気だったそうです。正規代理店ゴールドウィンの希望小売価格で291,900円(税込み)という恐るべき破格で、飛ぶように売れたそうです。情報誌などでも「30万円以下で選ぶロードバイク」みたいな企画ではかなりの高評価でした。2008年モデルではやはり値上げされてしまいましたが、とりあえず31万2900円以下で高性能なカーボンフレームの完成車が欲しいという向きにはCR1チームがイチオシです(クォータ・カルマより数万円割高になりますが、軽さでは数段勝ってます)。

金型製作コストの償却が済めば、必然的に価格を抑えることが出来ますし、カーボンのグレードや積層方法を変更すれば若干の重量増と引き換えにさらなるコストダウンが可能です。また、カーボンクロスのプライ数や樹脂の厚みが増せば耐久性も向上させられますし、とんがった性能を必要としないホビーレーサーにはむしろ好都合な廉価モデルが出来上がるわけですね。こうしたマーケットには街乗りにも浮かないカラーリングが好まれる傾向があると思いますから、マーケットリサーチでその辺を汲み取ったのかもしれません。

なお、CR1にはチームやプロのほかにSLという上位グレードがあり、これは昨年までのプロ供給モデルだったチームイシューと同じフレームです。2007年モデルのSLはメインコンポをデュラエースとする一方、クランクをコンパクトのFC-R700にしたり、ホイールをキシリウム・エリートとするなど、後々交換しやすいパーツのグレードを抑えてコストを整えた完成車が525,000円でした。廉価モデルのチームと20万円を超える価格差はパーツだけの問題ではなく、カーボンのグレードなども異なるため、フレームそのものの価格設定が異なっているからです(フレーム重量も100gほど違いますし)。

キャノンデールなどもそうですが、つい数年前までトップモデルとして君臨してきたフレームがホビーレーサーの乗りやすさも考慮したアレンジを受けながら、非常にリーズナブルなプライスを付けるというパターンが多くなってきたように思います。確かにこれは買い得感が高く、こうしたバックグラウンドが所有する喜びにも繋がったりします。プロ供給モデルを持つメーカーの間ではこうした傾向がどんどん拡大していくのではないでしょうか?



■ BMC


BMCは昨年のフォナック、今年のアスタナと機材供給先のエースが相次いでドーピングスキャンダルで去り、2年連続で貧乏くじを引いてしまいました。今年8月1日付のプレスリリースでアスタナとの契約解除を伝え、その後プロツアーへの機材供給については現段階で何も公表されていませんが、実力あるメーカーだけに良縁に恵まれることを祈るばかりです。

ちなみに、すぐにでも空中分解すると思われたアスタナですが、私の予測は見事に外れました。思った以上に彼らはしぶとく、今年限りでの解散が決まっているディスカバリーチャンネルの受け皿となりそうな状況なんですね。すでに監督のヨハン・ブリュイネルや今年のツール覇者アルベルト・コンタドールをはじめ、リーバイ・ライプハイマーら複数の有力選手もアスタナへの移籍が決まっています(しかも、供給機材もトレックになるだろうと噂されています)。欧米人のクールさにはいつも驚かされますね。





このSLC01は世界で初めてカーボンナノチューブが採用されたフレームになります。カーボンナノチューブというと、先駆者であるイーストンが既にハンドルバーなどに採用してきましたが、このフレームはそのイーストンとのコラボレーションによるものだそうです。

現在のところ、カーボンナノチューブの使い道はカーボンファイバーを固める樹脂(SLC01の場合はエポキシ樹脂)に練り込まれるかたちで、イーストンのハンドルバーと全く同じ用いられ方をしていますが、BMCによれば「SLC01ではエポキシ樹脂の部分までストレスメンバーとして生かすことに成功した」といいます。

しかし、カーボンの老舗タイムなどは同様のフレームを試作したものの、カーボンナノチューブを樹脂に仕込む分のコストでカーボンファイバーのグレードを上げたほうがより効果的と結論づけており、こうした見解には懐疑的のようです。恐らく、BMCやイーストンよりタイムのほうがカーボンファイバーの特性を生かす研究は進んでいると思います。が、逆にタイムはカーボンナノチューブを応用する研究がイーストンほどには進んでいないように思いますので、それぞれの見解にはそれぞれの理があるのかも知れません。

なお、現在の炭素繊維はポリアクリロニトリルなどの合成樹脂繊維を窒素気流内(無酸素状態)で高温加熱して炭化させたもので、分子構造は「グラファイト」になります。将来、このグラファイトの繊維に替わってカーボンナノチューブの繊維が採用されるようになれば、さらに軽く強くすることが可能になります。もし、それが実現できるようになった場合、分子構造が異なる従来の炭素繊維を「グラファイト繊維」、カーボンナノチューブの繊維に対しては「ナノカーボン繊維」といった感じで呼び分ける必要があるでしょう。

最近はカーボンナノチューブを紡糸する技術も確立されてきましたが、まだコスト的に一般への普及が見込めるレベルとは程遠い状況のようです。が、この素材の技術開発は日進月歩で目が離せません。殊に、日本は従来のグラファイト繊維でも最先進国ですが、カーボンナノチューブは殆ど独壇場といった感じです。この分子構造を発見したのも日本人ですし。

ちなみに、その人物はNEC研究開発グループ特別主席研究員兼、名城大学教授の飯島澄男さんです。稀代のポテンシャルを秘めたこの新素材の発見で、彼はノーベル化学賞の有力候補と見られています。この機会に覚えておくと良いかも知れませんね。



■ commencal




数年前まではデザイン性の部分で応用されることが多かったアルミチューブのハイドロフォーミングですが、断面形状やチューブの厚さ調整など、力学的な最適設計に応用されることがもはや当たり前となってきました。アルミで定評のあるコメンサルではサスペンションアームにもハイドロフォーミングを多用して剛性アップと重量の軽減を同時に狙っています。



このメタ5.5のブーメラン型サスペンションアームはデザインのためのデザインではないのでしょうが、美しい造形には惚れ惚れしますねぇ。ハイドロフォーミングによる機能美ここに極まれりといったところでしょうか。構造的にはプッシュロッド+ロッキングアームという構成でトラベル量5.5インチを稼いでいますが、アームの取り付けそのものはシンプルなシングルピボットです。



■ LOOK




ルックのニューモデル586は旗艦モデルの595で逸早く導入されたインテグラルシートポストが継承されたヒルクライム向け軽量モデルで、価格帯は595と585の間になります。ヘッドも595で導入されていた上下異径ベアリングになりますが、「ヘッドフィット」と呼ばれる新システムでベアリングの玉当たりとステムの締め付けが独立して行える方式になりました。

まず、コラムには溝が切られており、そこにOリングが装着されます。このOリングを足掛かりとして、ネジ山が切られたアルミ製のスリーブが固定されます。このスリーブのオスネジにかますメスネジが下の写真にあるセレーションの設けられたカーボン製コラムナットです。ま、要するにアヘッドとスレッドのあいのこみたいな感じと考えて良さそうです。



スレッドコラムのコラムナットはノーマルサイズが二面幅32mm、オーバーサイズが36mm、スーパーオーバーサイズは40mmで、それぞれに合ったヘッドスパナを用いますが、このヘッドフィットはシマノのTL-FC32などBBのベアリングカップ取付工具を用います。

アンカープラグ(カーボンコラムはスターファングルナットではなく、アンカープラグを用いますが、こちらのほうが重くなります)が不要となり、またコラムを非芯円形状にすることでステム締め付け時のストレスが緩和されるため、その分だけシェイプアップでき、約40g軽量化できたとルックは謳っています。が、アーレンキーだけで扱える従来のアヘッドに対し、専用工具を要するヘッドフィットは出先で緩んできたときに対応しにくいといえるでしょう。

無頓着で少々緩んでいても気付かないような人はこのクラスのレーシングフレームに乗る意味がないと思いますが、振動や落車などで緩むこともあり得るでしょう。そうしたとき素手でコラムナットを締めるだけでどの程度対応できるのか少し心配ではあります。果たして他社にも追随される方式となるのか? 冷静に今後を見守りたいところですね。



その3・ヨーロピアンバイク編 3/3へ続く)


(C)石墨
2007年12月12日(水) 00:19:28 Modified by ishi_zumi

添付ファイル一覧(全11件)
237ef55c491f7abf.jpg (88.84KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:38:48
784cad2f21a08abf.jpg (121.19KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:38:31
ff75a57fafa2ab47.jpg (107.70KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:38:31
f6ddd0cc8125dcb2.jpg (117.65KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:38:31
7bf829ed532c104e.jpg (104.93KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:38:31
fc862e6ffa01f7f8.jpg (113.26KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:38:30
c9e9eb44448a8fd0.jpg (32.97KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:37:21
39653dd1d5b7201f.jpg (85.92KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:37:21
bd08da0e7e510541.jpg (87.04KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:37:21
51acbdae8d3ea5f0.jpg (109.44KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:37:20
258695af46c1c710.jpg (113.11KB)
Uploaded by ishi_zumi 2007年12月09日(日) 21:37:20



スマートフォン版で見る

×

この広告は60日間更新がないwikiに表示されております。