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自転車の写真です。去年の写真なんですが、夏らしく海をバックに。
でもやはりまだ使いこなせないな。。

サイクルモード(まとめ)

CYCLE MODE internatonal 2006 (まとめ)



さて、今回取り上げたバイクやパーツ等にはかなり偏りがあったと思います。「何であのメーカーを省くんだ?」とか「ロードバイクばっかじゃん!」といった声も聞こえてきそうです。

取り上げなかったメーカーというと、例えば世界最大の自転車メーカーであるジャイアントを紹介していませんね。何故? 同じブースにあったスラムのロード用コンポに夢中になってしまったため、画像のネタがほとんどないからです(そのスラムも撮影は二の次になってしまい、こちらには1枚しかアップできませんでした)。イタリアの老舗、ビアンキもありませんね。これはどういうわけか、すっかり忘れていました。会場を出て、京葉線に乗り込むときに「あ、ビアンキを見るの忘れてた!」と気づいたボケっぷりです。(ファンやユーザーの皆さん、ご免なさい。)

素人がろくにメモも取らず、無計画に見て回るとこういうことになってしまうんですねぇ。写真を撮り忘れたり、撮れていてもパッとしないものを省いていったら、結果的にこんな感じになってしまったのでした。さらに、ここではかなり好き勝手なことを書かせて頂きましたが、個人的な興味主体で纏めたものなので、これも大目に見てやって下さい。





これは帰り際に出口付近から撮った会場の全景です。昨年より広くなり、来場者数も増えたようですね。

実は、私は数年前まで自動車業界の人間でした。幕張メッセには東京モーターショーで何度も来ていますし、出展者サイドで説明員をやったこともあります。ですので、結びに東京モーターショーを表からも裏からも関わった経験を踏まえながら展示会としてのサイクルモードを東京モーターショーと比較しながら総括させて頂きたいと思います。

まず、全般的な雰囲気ですが、東京モーターショーとは比べものにならないくらい規模が小さく、来場者数も桁違いに少ないので当然のことですが、遥かに落ち着いてます。何より、サイクルモードは東京モーターショーより展示会としてずっと本質に忠実で、非常に好感が持てます。逆に、最近の東京モーターショーは展示会というにはあまりにも浮き足立っており、単なるお祭りというか、莫迦騒ぎの場と化している気がします。

例えば、コンセプトカー。本来はデザインやユーティリティなどを提案してユーザーの反応を見るのが目的だったはずです。しかし、近年はそうした本質的な部分が置き去りになり、単なる物珍しさで気を引くものの、中身は何もないといったものが沢山見られます。そうしたクルマの周りには製品について全く無知、カメラに向かってポーズをとるしか能のないコンパニオンが出しゃばり、そんな彼女たちを目当てに(自動車には大して興味もなさそうな)カメラ小僧たちが集まって来ます。つくづくウンザリですね。(女の子の写真を撮りたいのなら、それを目的とした撮影会に行けば良いんです。)

このサイクルモードには無意味なコンセプトカーに相当するような子供騙しのデモンストレーションもなく、実際に取り扱っている商品をビシッと主軸に据え、真っ向から勝負しています。それでこれだけ盛り上がっているのですから、東京モーターショーに参加している自動車メーカーや関連企業も少しは考え直したほうが良いでしょう。また、サイクルモードにもコンパニオンが全くいないわけではありませんが、今のところカメラ小僧を呼び込むほどではないレベルですので、これは大いに結構なことだと思います。私の場合、それだけでも随分と気分良く見て回れました。

ただ、このイベントをプロモーションしている広告代理店のワイズインテグレーションが『CycleStyle.net』なるサイトを運営、ここまでは良いのですが、サイスタガールなどというステレオタイプの軽薄なキャンペーンガールを仕込んでいたのは非常に気になりました。レースクィーンのごとき露出の多いコスチュームを着せた莫迦っぽさは頂けません。百万歩譲って、彼女たちに真っ当なサイクルウェアでも着せていたなら、まだマシだったかもしれません。いずれにしても、彼女たちには東京モーターショーがまんまとはまってしまったドツボの臭いがプンプン漂っています。こうしたところから軟派路線・乱痴気騒ぎ方面へほころび始めてしまうものなのです。

確かに、出展者サイドやプロモーターサイドからしてみれば、イベントを華やかに盛り上げたいと思うのは当然ですし、その気持ちは良くわかります。が、展示物を真面目に見たい人間にとって、展示物にはさほど関心を示さず、女の子目当てにやってくる軟派な人間が何人もいると、思いっきりシラケてしまうものなのです。本旨と真面目に向き合いたい人間がシラケてしまい、そうでない人間が盛り上がってしまうと、会場の雰囲気はどうなってしまうか。その結末は小学生でも想像が付くでしょう。

かつて晴海で開催されていた頃の東京モーターショーはコンパニオンも控えめで、衣装も露出が少ない常識的な範疇でした。来場者はカーマニアの比率が高く、もっと硬派な内容が好まれる傾向があり、メーカーも真面目な技術展示を数多く扱っていました。ところが、幕張に引っ越して会場が拡大され、来場者数もウナギ登りに増大していってあの体たらくです。数の増加は質の低下に繋がりやすいのは様々な事例に当てはまるでしょう。





これは昨年の東京モーターショーの一コマ(日産のブース)ですが、こうなってしまうと、もう来場者の質がどうこう等と言っていられません。

今後、サイクルモードも規模の拡大は充分にあり得るでしょう。しかし、東京モーターショーの轍を踏まないよう、下らないキャンギャルの起用は即刻やめ、適切な規模と今のような健全路線を何としても死守してもらいたいと心から願っています。




《おまけの雑記》

自動車業界人だった頃、私は東京モーターショーのプレスデー(一般公開の前にマスコミ向けに先行公開するスケジュールです)にも何度か会場に行ったことがあります。プレスデーはさすがにあそこまでの騒ぎにはなっていません。東京モーターショーにはもう一つの顔があるんですね。

一般公開とマスコミ向けの公開では各メーカーの対応がまるで違うのは言うまでもありません。例えば、高級車や輸入車などのフロア展示ですが、一般公開日には鍵がかかっていて乗り込めないようにしてあることが多いと思います。が、プレスデーはオープンになっていることが多く、私もポルシェのドライバーズシートに座らせてもらったりしました(今もそうなっているのか解りませんが)。ま、何にしても来場者が非常に少なく、全般にゆったりしているのは当然で、ステージに近づくにも人混みをかき分けていくようなことはまずありません。

では、ゆっくり見て回れるか? う〜ん、これが少し微妙なんですね。一般公開日と違って、プレスデーは知り合いに出くわす確率が非常に高く、例えば取引のあるメーカーのブースに行ったりなんかすると、「やあ、どうも、ご無沙汰してます。折角ですからどうぞ、こちらでコーヒーでも飲みながら…」てな感じで奥のレセプションルームに通され、20〜30分、場合によっては1時間近く話し込んでしまうこともあるんですねぇ。これが仕事にかかわる話ならまだ良いんですが、下らない世間話に終始する人も時々いるんですよ。お祭り気分で盛り上がっていて、面倒な話は別の機会に、みたいな感覚の人も中にはいます。そんなこんなで、意外に時間を浪費してしまうことがあるんですね。

で、カメラ小僧がいない代わり、たまに鼻につく人が来てたりするんですよ。例えば、イベント企画会社か何か派手目の仕事をやっていて、学生時代の後輩か誰かがマスコミ関係者だったりして、そのツテでプレスデーのチケットを入手して、「どうだい、オレの人脈って凄いだろ?」みたいな顔をして、派手なお姉ちゃんと取り巻きみたいな数人を引き連れて、妙に高いテンションで闊歩しているチャラチャラした雰囲気の人。その鬱陶しさはカメラ小僧と優劣付け難いところです。ま、数が圧倒的に少ない分、マシですけど。

アシスタントを怒鳴り散らしているカメラマンとか、モロ体育会系の人なんかが多々いますが、全般的に日本のプレスは育ちが悪いというか、品がないんですよね。取材対象が人間じゃないだけに、彼等の本性が如実に表れるシーンにもよく出くわす感じです。

ま、こういうヒューマン・ウオッチングなんかも出来たりするほど、プレスデーは落ち着いているということですね。でも、一般公開日では人気の展示車両に近づくのも一苦労です。上の写真にあるGT-Rコンセプトのステージ付近にも行きましたが、あそこではほとんど身動きがとれず、どっちに行けば良いんだ? てな感じで展示をまともに見ている余裕がありませんでした。いつか人海をコントロールしきれずに事故が起こるのではないか? などと危惧してしまうような現状は、やはり異常なことですよ。


(おしまい)


(C)石墨
2006年11月17日(金) 00:08:59 Modified by ishi_zumi

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2bb01d3e8e60efb3.jpg (108.56KB)
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