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自転車の写真です。去年の写真なんですが、夏らしく海をバックに。
でもやはりまだ使いこなせないな。。

サイクルモード'07(その9)

CYCLE MODE international 2007 その9

(パーツ-用品編 1/2)




■ Campagnolo


エルネスト・コルナゴ生誕75周年ということもあって、コルナゴのフロントフォークの肩には軒並み75のサインが踊っていましたが、カンパも来年で創立75周年を迎えます。しかし、コンポについては特にアニバーサリーモデルといったものもないようで、昨年のモデルチェンジが多岐に渡ったせいか、今年は大した動きがありませんでした。トップグレードのレコードも昨年はフルモデルチェンジに近かった反動でしょうか、今年「NEW」の文字が付されたのはフロントディレイラーだけでした。



パッと見どこがどう変わったのか解りにくいのですが、ガイドプレートの形状などが微妙に変わりました。これまでスタンダードクランクとコンパクトクランクで各々専用のディレイラーを使わなければならなかったのですが、これ一つで両方に対応できるようになったという点が最大のポイントです。ま、カンパユーザー以外にはどうでも良い情報かも知れませんけど。



■ SRAM


今シーズン、スラムのロード用コンポはサウニエル・ドゥバルへ供給され、クラシックでもグランツールでも活躍しました。殊にジロではエースのジルベルト・シモーニがリクイガスのダニーロ・ディルーカと終盤まで総合優勝争いを演じ、レオナルド・ピエポリはマリア・ヴェルデ(山岳賞)を獲得するなどの奮闘ぶりが光りましたね。

シーズン前、某女性ライターの土○志穂さんが自身のブログで「ミラーがTTTでチェーンを外さなきゃいいけど。」などとスラムの信頼性を疑うようなことを書いていたので、私は思わず「スラムはドイツのザックスを買収したわけですから、旧ザックス時代の経験からしてロード用コンポも素人というわけではありません。」とのコメントを書き込んでしまいました。

今にして思えばあの書き込みは少々小姑じみていたかも知れませんが、ザックスは過去にツールを経験しているメーカーですから、彼女の老婆心はスラムに対してむしろ失礼な部類に入るでしょう。1999年からツールを追いかけ始めた新参ライターには少々酷かも知れませんが、プロのライターがライフワークと定めたのなら、もう少し勉強して欲しいものですね。

トレックのところでも触れましたが、来シーズンはアスタナへの供給も決まったようです。選手もスタッフもフレームも、ツールの勝ち方を熟知していますし、来年のツールは優勝候補筆頭に挙げても良いくらいチーム力は強化されています。プロロード供給2年目でスラムはツールチャンピオンコンポとなれるのか? 大注目です。





さて、スラムのトピックはやはりロード用最高級コンポ「レッド」のリリースでしょう。昨年ラインナップされた「フォース」「ライバル」の上位に置かれる極めて贅沢なコンポです。スプロケットカセットが目玉になるコンポというのもあまり記憶にありませんが、兎に角、レッドで最も目を引くのはCNC切削で作られたこれですね。



以前にも1000kmを寿命と定めたヒルクライム向けの飛び道具としてアルミからCNCで切削された一体もののカセットをTNIが出したりしていましたので、金属の無垢から削り出しで作られたカセットの前例がなかったわけではありません。が、スラムのこれはスチール製で中をゴッソリくり抜き、オールチタンより軽いという極めてアグレッシブな構造を採用してきました。

ま、非常に思い切った構造ではありますが、評判を聞くとかなりノイジーだそうです。中が空洞になっているせいでチェーンの駆動音や変速時の音が共鳴し、カチャカチャと甲高い音が響くらしいです。約50gの軽量化と引き換えに耳障りな音を取るかという選択を迫られるのかも知れません。(中に発泡樹脂の吸音材でも仕込めば僅かな重量増で解決しそうな気もしますが。)



■ MAVIC




マヴィックは「第3世代ホイール」と称するなど、かなり鼻息の荒いR-SYSです。第1世代は木製のスポークが圧縮応力でリムを支持し、第2世代は金属のスポークが引張応力でリムを支持していたのに対し、これは中空カーボンのスポークで圧縮と引張双方の応力でリムを支持するということで第3世代なのだそうです。

しかし、ディスクホイールやバトンホイールは圧縮応力でリムを支持するコンプレッションホイールだといわれることもありますが、実際には引張応力も作用しています。ですから、このR-SYSが初めての第3世代といえるかは大いに疑問ですね。ま、スポークホイールの格好をしたものでは初めて圧縮/引張応力を受けるということで、画期的なのは間違いありませんが。

評判を聞いてみますと、横剛性の高さは従来のスポークホイールではありえないレベルだそうです。この高い横剛性で高速コーナリングが得意でしょうし、キシリウムESより前後で約75gほど(公称値同士の比較で)軽量化され、しかもトラクションのかかりも良いとのことですから、山での上り下りに強いキャラクターなのかも知れません。(ま、マヴィックの重量公称値はあまりアテになりませんが。)

気になるのは空力特性ですね。近年では当たり前になった扁平スポークとは比べるべくもない太い太い円断面のスポークで空気をかき混ぜることになります。しかも、R-SYSは横方向の荷重も圧縮応力で積極的に受けようとするためか、フランジ幅が限界まで広くとられています。このため、前面投影面積も大きくなり、空力特性はさらに不利になっているはずです。オールラウンドに使えるとの触れ込みですが、条件的に高速巡航は苦手な気がするのですが。

なお、初期ロットではハブ側のスポークヘッドを支持する「トラコンプリング」と呼ばれる部品(スポークの圧縮応力を受ける部品)が浮きやすいというトラブルが発生しているようです。これが浮いてしまうとハブのキャップと干渉し、ダンシングなど横方向の加重移動が大きくなるときなどに異音が発生するそうで、対策部品が配布されているようです。ま、新機軸にマイナートラブルはつきものですから、この程度は仕方ないところでしょう。



■ ROVAL WHEELS


トレックグループのコンプリートバイクにはボントレガーのコンプリートホイールが組まれますが、スペシャライズドも今後はこのロヴァールのホイールを中心に展開していくことになるかも知れません。既にMTB世界選手権マラソンを制したクリストファー・サウザー、スペシャライズド・ジャパンの契約選手で日本チャンピオンの竹中賢二らをサポートしています。



サウザーのエピックFSRも展示されていましたが、もちろんロヴァールのホイールが装着されていました。



ひときわ目を引くのは左下のエアロホイール、ラピッドスター・カーボンでしょう。まるでヒトデのように肥大したハブフランジは「ラージフランジ・スターハブ」と称していますが、スポーク長を大幅に短縮できるため、空力と剛性アップに繋がっているそうです。クリンチャー用のディープリムエアロホイールというと、あのクソ重いマヴィックのコスミックカーボンが定番になっていますが、こういうアプローチも面白いかも知れませんね。

数ヶ月前、某情報誌にタイムの技術顧問であるジャン-マルク・グニョー氏のインタビュー記事が掲載されていました。「2年前、将来はホイールとフレームの関係が濃くなるだろうって予測していた。今も変わりない?」という質問に対して同氏は「方向性は正しいと思うよ。(中略)モーターサイクルを買うときに、フレームとホイールを別々に買う人はいないでしょ。みんな完成車を買う。将来的には自転車も、そうなっていくと思う。」と答えていました。

この発言を深読みすれば、いずれタイムもフレームに最適設計されたコンプリートホイールを手掛けるようになっていくのではないか? という風にも受け取れます。また、それがロードバイクのカーボンテクノロジーを牽引するキーマンの口から発せられたということから、軽視できないトレンドとなっていくようにも思えます。

そう考えてみると、トレックやスペシャライズドといったアメリカのビッグブランドはフレームとホイールの関連を重視した方向へ着実に準備を始めているといえるのかも知れません。今後の動向が気になります。



■ MICHELIN




クリンチャータイヤのレーシングスタンダードとしてすっかり定番になったPRO2レースの後継モデル、PRO3レースです。既にツールなどでテストされていました。が、ミシュランのようにチューブラーを市販していなくても、クリンチャータイヤのロゴを印刷して外観からはほとんど区別が付かないようにカムフラージュし、プロ用に特別あつらえのチューブラーを供給するなんてフェイクはよくある話ですから、実際に何人のプロが本物のPRO3レースを試していたのかは未知数です。

そこまでやるならミシュランもチューブラーを市販しろよと言いたくもなりますが、プロのチューブラー使用率は90%以上、アマチュアはその比率が逆転してもまだまだ足りないくらいの猛烈なギャップがありますから、ビジネス的には仕方ないのかも知れません。(でも、東京の飲食店に星を付けてる暇があるならチューブラータイヤの1本も出して欲しいところです。)



■ IRC




これまで、ユッチンソンのみだったロード用チューブレスタイヤですが、日本の井上ゴムも参入してきました。そういえば、ホイールのほうもこれまでシマノの1モデルのみでしたが、コリマもディープリムでチューブレスに参入してくるようです。ま、日仏のみ先行状態という状況は変わりませんが、選択肢が増えるのは良いことです。今後の動向が楽しみですね。

それにしても、これ見よがしに掲げられていますが、このタイヤは今年のグッドデザイン賞を受賞したそうです。これの何処がグッドデザインなのかよく解りませんが、グッドデザイン賞の選考委員はよく特殊なデムパを感じてしまう人達のようなので、凡人の私には理解できなくても仕方ありませんね。



■ LOOK


ルックといえば1984年にビンディングペダルで自転車界へ参入してきたのはご存知の通りです。あのベルナール・イノー(といっても若い人は解らないかも知れませんが、ツールで5回総合優勝している偉人で、今のところフランス人最後のツール覇者です。つまり、彼以来22年間、地元フランス人はツールで総合優勝していません)が逸早くこれを導入し、今でもルックの技術アドバイザーを務めるなど、蜜月状態が続いています。





サイクルスポーツにおけるルックの原点というべきビンディングペダルですが、長らくロード用オンリーでやってきた彼らもいよいよMTB用に参入です。見た目は極めて常識的でかなり大人しい印象ですが、ロード用のKEOと同じくスプリングが外から見えない構造で(スプリングを一切使用していないという情報もありますが、本当?)泥詰まりのしにくさや耐久性、メンテナンス性などの点で有効な感じです。

ビンディングペダルほど見た目で使用感、殊に着脱のフィールが想像しにくく、実際に使ってみないと評価しづらいアイテムはなかなかありませんので、特にコメントはありません。強いて言うなら、客に対してロゴが逆になるような向きでショーケースへ入れたユーロスポーツインテグレーションのスタッフのセンスが理解できないといったところでしょうか。



その10・パーツ-用品編 2/2へ続く)


(C)石墨
2007年12月24日(月) 00:44:50 Modified by ishi_zumi

添付ファイル一覧(全9件)
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