前回軽く報告の概要を書きました。いよいよ中身について書いていこうと思います。以下は同じくゼミ生のnoddyさんが書いてくれた報告から抜粋させていただきました。(twin)
ガザやイスラエルで撮影した映像と共に、土井氏が私たち聴衆に伝えようとしたもの。(3点)
�．僖譽好船別簑蠅鮃佑┐觝檗∪衫硫爾砲△襯僖譽好船覆慮従�や被害だけでなく、
占領する側のイスラエル社会にも目を向けなければならないということ。
- 兵士のモラル破壊、一般市民の他人の痛みに対する想像力の欠如、メディアによる「誘導」など。
- こうしたイスラエル社会の問題も合わせ鏡のように見ていく必要があると訴える土井氏は、今回の停戦後の現地取材において、ガザ入りする前の２週間エルサレムに滞在し、攻撃に対するイスラエル市民の反応を追っている。また、過去に元イスラエル将兵による証言グループ「沈黙を破る」を取り上げたのも、そうした問題意識からだ。
�▲僖譽好船別簑蠅鬚瓩阿辰討痢∋笋燭舛�普段目にするメディアの問題について。
- 土井氏はこれを「客観報道」のトリックと言う。
- 例えば、「報復」や「暴力の応酬」といった「客観性」を装った言葉は、占領という問題の根源をなすものを削ぎ落とす。メディアは可視化されやすい事件は報道しても、「絵」になりにくい占領は伝えない。しかし、「攻撃」が終結すれば「終わり」とする報道の影で、人間の生きる基盤を奪う占領が続けられている。この可視化されにくい部分こそ世界にしつこく伝えていかなければならない、と土井氏は講演のなかで繰り返し訴えた。
��私たちはパレスチナ問題を考えるにあたってどのような視点を持つべきかということ。
- これに関してまず土井氏は、ミクロの視点の重要性を指摘している。つまり、パレスチナ問題を何か漠然とした総体としてではなく、一人ひとり人間の具体的な生の問題として考える視点である。もちろん、パレスチナ問題の構造を捉えるマクロの視点も必要だが、それを「勉強」するだけではだめだ。一人ひとりの夢がつぶされているということを感じ、他人の痛みを想像する。そうした視点を持ち合わせなければならない。そうでなければ、結局のところ、パレスチナで起きていることは「遠い出来事」で終わってしまう。土井氏は言う。国際感覚が豊かであるとは、あらゆる違いを超え、同じ人間として他人の痛みを感じる感性を持っていることである、と。
- 視点に関しては更に、パレスチナ問題を特殊な問題としてまなざすのではなく、普遍的な問題として捉えるということについて述べた。例えば、モラル破壊や痛覚の鈍磨といった問題は、実はイスラエル軍兵士の特殊な問題で終わらせられない。これらはベトナムにおけるアメリカ軍兵士や、中国における日本軍兵士にも認められる。つまり、占領、侵略を行う兵士の問題なのである。このように、今パレスチナで起こっている問題を普遍的問題として考えることは、地理的に遠く離れた出来事を自分に繋がる問題として引きつけて考えるということに向かうのではないだろうか。
以上がnoddyさんによる講演の要点です。読みやすくする為多少の編集を行いました。次回は具体的なお話についてもう少し詳しく報告しようと思います。(twin)