カズ「くっくくくククククッ、朱里どうやらここまでの様やな」
朱里「うっ、まだよ! まだ負けた訳じゃないわ!」
カズ「何を言ってるんや〜? どう考えてもオマエの負けやろ? はよ降参し」
朱里「だって! 野球は9回の裏2アウトからだって」
実況『ザー、さあ、9回の裏2アウト1塁、ホームランならサヨナラのチャンス、
   しかしバッター波野、2ストライクと追い込まれてしまいました』
朱里「あー!」
カズ「これが、運命や! はよ諦め」
実況『ザー 2ストライクノーボール、ピッチャー小波、第3球を投げました。・・・
   波野選手打ったぁぁぁぁ! ボールは高々と舞い上がったぁぁぁ!』
カズ「えっ?」
朱里「嘘・・・」
実況『ザー センターの頭を越えて、入った!! バックスクリーンに飛び込む第33号
   サヨナラホームラン!』
カズ「あぁぁぁっ、嘘や〜」
朱里「やった〜! これで賞味期限の切れていないお菓子は、私のものね」
カズ「あの〜 朱里、やっぱりそれ、2人で分けよう、なっ!」
朱里「だ〜め、そっちが言い出した賭けでしょうが」
カズ「うぅぅぅ、何でや」
朱里「どうしたの?」
カズ「何で、アイツ最近勝てへんのやろ?」
朱里「あんたが、厄病神なんじゃない」
カズ「何を言ってんねん。ウチのおかげで、小波は甲子園で優勝したんや!」
朱里「あんた、最後まで居なかったじゃない」
カズ「シーズン中おらへん間に、日本一なられたサゲマンに言われとうない」
朱里「・・・」
実況『ザー 小波選手、未だにマウンドの上でうずくまっています』
カズ「うぅぅぅ、可哀そうな小波、今すぐ飛んで行って抱きしめてあげたい」
朱里「本当にやっちゃダメよ」
実況『ザー 小波選手、今日はスタンドに彼女が応援に来ているのに、最後に良いところを見せられませんでしたね』
カズ「あれ〜、朱里くん、今何かおかしなこと言ってへんか?」
朱里「私達・・・ 今アジトに居るわよね・・・?」
実況『最近付き合い始めた。高校時代の同級生だそうですが、恐らくスタンドで残念がってることでしょう』
カズ「うわ〜ん! 小波の裏切りもん!」
朱里「しょうがないわよ。理由はどうあれ三年間ほったらかしにしただし」
カズ「ちゃう! きっとそいつが、厄病神のサゲマンなんや!」
朱里「えぇぇぇ! それはさすがにムチャクチャよ」
カズ「こうなったら、その女の正体を意地でも突き止めたる!」
朱里「あれ? ちょっとまって?」
実況『ただいま、その彼女からコメントが取れました。「9回まで我慢したが、持たなかった許せ」
   とのことですが、どういうことでしょうか? まったく意味が解りません』
朱里「え〜と、まさか・・・」
カズ「五十鈴・・・」
ひゅ〜
真央「バリバリバリ、このお菓子おいしい」

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