今日のわたしは普段よりちょっとウキウキしている。久しぶりのデートだ。
最近は色々と忙しくて、なかなか二人の時間がとれなかった。普段はちょっと固いらしい表情も自然と緩む。どんな服にしようかな。
ふと服を見渡す。…どれも露出控えめな服だ。少し落ち込む。わたしは自分の体にあまり自信がない。
背も低いし、なんというか、その、胸も…無い…。付き合ってるわたしが言うのも何だが、あの人はカッコいい。
顔がとかではなく―もちろん顔も決して悪くはないと思うけれど―中身がだ。
刃物のような鋭さと、干したての布団のような柔らかい優しさをあわせ持つ、野性味を帯びたオトナの男の魅力がある。
何となく映画に出てくる裏世界のエージェントみたいな人だなぁって感じた。
まさか本当にエージェントだとは思わなかったけど。
そんなカッコいい人と、わたしが付き合ってていいのかなぁ、ってたまに思う。

せっかくのデートなのにこんなネガティブじゃダメだ。今日は目一杯楽しもう。

そう思い、頭から負の感情を振り払った。

待ち合わせ10分前に着いた。あの人はもういた。こっちな気づいたらしく、手を振っている。
「すいません、待たせちゃいました?」
「いや、今来たばかりだよ。…あれ?その服新しいやつ?良く似合ってて可愛いよ。」
「へぇ、良くわかりましたねー。こないだ安かったんで、ミルキー通りで買ったんですよ。
本当はかわいいじゃなくて綺麗って言われたいですけどね。」
「アハハ、ごめんごめん。―じゃあ、行こうか。」
「はい!」


わたしたちは手を繋ぎながら、遊園地に向かった。久しぶりだ。そういえば前来たとき
はジェットコースターで気絶しちゃったっけ。

入園券を買って、入り口に並ぶ。しばらくすると番が回ってきた。受付の人に券を見せると、ん?としている。

「お嬢ちゃん、これね、大人用のチケットよ。中学生の人は中学生用の
チケットがあるからそっちでお願いね。」

わたしがなにも言えないでいると、隣で彼が説明していた。
受付の人がしきりに謝っている。

何を言われたかをはっきり理解できたのは、彼に手を引かれて入園した後だった。


「ごめんね美空ちゃん、何だか来て早々嫌な気分にさせちゃって。」

「いや、まったく、気にしてませんから。」

表情が固い。
間違いなく怒ってるな…どうしたものか、そうだ。

「なぁ美空ちゃん、アイス食べないか?」

「え?買ってくれるんですか?わーい!」

…それでいいのか。

「どうかしましたか?何か言いたそうな顔して。」

「いや、なんでもないよ。次はあれ乗ろうか。」

そんなこんなで、俺たちは遊園地をたっぷり楽しんだ…楽しむはずだったのだが…
こういう日に限って不幸は重なるもので、

「お嬢ちゃん、迷子かしら?」

「今日はお兄さんとデート?いいわねぇ〜」

「申し訳ありませんがこちらの乗り物は十六歳以下の方はお断りさせていただいております…」

終いには

「アメあげるからこっちにおいで。」

なんてのまで、
彼女のコンプレックスを抉るような出来事が重なり、遊園地を出てご飯を食べにいく頃にはすっかりむすっとした美空ちゃんがいた。
ちなみに飴には若干惹かれていた。

「なぁ、気のせいかもしれないけれど、美空ちゃん、ものすごく不機嫌じゃないか?」

「そんなことないです!」

あぁ……


居酒屋に着いた。今日はいつもの女将さんの居酒屋とは違う店だ。
奥の方に二人で座り、注文をとる。

「じゃあ煮付けと冷奴とこれと…あと生ビール。美空ちゃんは何飲む?グレープフルーツジュース?」

「…いや、今日はわたしもお酒を飲みます。」

「えっ…えっと、ちなみに美空ちゃん、飲酒経験は?」

「馬鹿にしないでください!甘酒なら飲んだことあります!」

頭を抱えたくなった。美空ちゃんには悪いが、どう見てもお酒を飲めそうには見えない。
…まぁいいか。ここで駄目出ししたら当分機嫌を直してくれなさそうだ。―嫌な予感はするが。
「じゃあ、生二つで。」

「あのー、お客様。」

やめてくれ。あんたがなにを言いたいのかは良くわかる。わかるが、もうこれ以上美空ちゃんの機嫌を悪くさせないでくれ。

「当店では、未成年の方には飲酒をお断りさせていただいております…。」

終わった。俺の内なる願いも虚しく、店員から言葉が吐き出された。

「わ、わたしは24ですよ!」

バン!っという音と共に、美空ちゃんの怒声が響く。机を見ると、運転免許証。俺のサポートのためにこないだとったやつだ。

店員が急いで確認している。

「ももも申し訳ありませんお客様!」

「お詫びはいいですからさっさとビールと焼酎とワインと…この辺の適当に10杯ほど持って来て下さい!」


ちょっと待て。10杯だと?

「み、美空ちゃん…流石に10杯はのみす」

「何か言いましたか!?」

「いや…なんでもありません。」

どうやら覚悟するしかないようだ。けっこう頑固なとこあるからなぁ…


「まったくよってたかってわらしのころこどもあつかいして。これれもりっぱなおとなれすのに!」

目の前には髪と同じくらい顔を赤くして、もはや呂律も回ってない美空ちゃんが、今にも眠りそうに突っ伏していた。
…あ、寝た。

「すいません、お勘定お願いします。」

程なくして店員がやってくる。
さっきの店員だ。机に突っ伏している美空ちゃんを見て申し訳なさそうな顔をしている。

「ごちそうさま。」

苦笑しながら金を払う。さて…おぶって帰るか。

外に出ると思いの外寒く、もうすぐ冬なんだなぁと思っていると、背中に小さい体の震えが伝わってきた。残念ながらそれ以上のもの
―例えば、柔らかい二つの感触など―
は望むべくもなかったが。
少し急ぐか。そう思って歩を早めた。ここからなら俺の家の方が近い。


家に着き、とりあえずベッドに美空ちゃんを寝かして、風呂をいれることにした。
起きてたら一緒に入ってもよかったのに。


風呂から出てもまだ、美空ちゃんは寝ていた。穏やかにすぅすぅ寝ている。
…このところオオガミの件が忙しくてゆっくりできてなかったからなぁ。
まるで子供みたいなあどけない笑顔を見ていると、日々の危険な生活が嘘のように思えてくる。
そのほっぺたはぷにぷにして柔らかそうで、その髪の毛は絹よりもさらさらで、確かに胸は無いけれど、
美空ちゃんにも魅力はタッブリあるから普段そんなに気にしなくていいのになぁ。

そんなこと思っていると、美空ちゃんがもぞもぞし始めた。どうやら、お目覚めらしい。
「んん…あれ?ここは…?」

「俺の家だよ。寝ちゃったからおぶって来た。」

「…すいません。迷惑をかけちゃいましたね。」

「そんなことないよ。それより、大丈夫?かなりの量飲んでたけど。」

「ぅう…頭が痛いです…?!」

まぁそうだろう。水を持ってこようとして台所に行こうとした時、

「あ、あ、あの…」

「どうした?気持ち悪い?」

「いえ…そうじゃないんですけど……」

何か言いたそうな、でも躊躇している、そんな顔だ。

「あ、とりあえず水持ってくるよ。」

再び台所に向かおうとした時に、

「あの、と…トイレ借して下さい!」

ああなるほど。そういや今日は昼から一回も行って無かった気がする。
なんてのんきに考えてたが、どうやら美空ちゃんはあんまり余裕がないらしく、
急いでベッドから立ち上がって歩こうとした。



が、

「あれ…?あ、歩けない…」

数歩してがくっと崩れた。急に立ち上がったからだろう。

「大丈夫?肩借すからとりあえずトイレまで…」

「ぅぁ…今立ったら…で、出ちゃいます…」

涙目で、上目遣いで両手でスカートの上から押さえている。非常にヤバそうだ。

「ぇええ!?でも…せめてお風呂場で…ほら!」

だが、もはや手遅れだったらしく…

「ぅう…も、もうだめ…ごめんなさい…ぁああああああ…」

一瞬だった。微かな音と共に、床に液体が広がっていき、押さえていたスカートの色が濃くなっていった。
やっちゃったか…

「ゃぁああああ…み、みないで、下さい…ひっく…ふぇぇぇぇぇん!」

「だ、大丈夫だから、とりあえず風呂場に行こう!」

「うわああああん!」
ダメだ、完全にパニックに陥っている。無理もないが。仕方ない。こうなったら…

「よいしょっと!」

泣きじゃくっている美空ちゃんの体を両手で抱き抱え、風呂場に連れていく。所謂、お姫様抱っこと言うやつだ。腕が少し冷たい。
ぽた…ぽた…、と液体が腕から滴っている。

「ひっく…ぐすっ…汚いですよ…ごめんなさい…」

「そんなことないさ。」
よっぽど恥ずかしいのか顔を真っ赤に染めて、しゃくりあげながら呟いている。

「ほら、着いたよ。とりあえずシャワーで体を洗って。向こうは俺がやっとくから。」

「すいません…」

「いいからいいから。バスタオルはその辺にあるし。着替えは…とりあえず俺のシャツでも適当に着ていてくれ。下着は…一晩あれば乾くと思うから。」



雑巾とバケツを持って後始末をする。下がフローリングだったのは不幸中の幸いだ。染み込まない分、処理が格段に楽だ。
まぁ、床のことはいいとしても、美空ちゃんが心配だ。思い詰めすぎてなければいいんだけれど…。




今日は久しぶりのデートのはずだった。目一杯遊んで楽しむはずだった。なのに、やたらと子ども扱いされて、イライラしてお酒を飲みすぎて…
その結果がこれだ。

水を張ったタライの中の汚れたスカートが目に入る。
何を着ていこうかと悩んだ末に決めた服だ。
…今となっては、なんの意味もない。
わたしのしちゃったことは、子ども以下のことだ。きっと彼は幻滅しただろう。嫌われただろう。

「ぐすっ…わぁぁぁ…」

…悲しくて、情けなくて、恥ずかしくて、涙が止まらない。
すぐ帰ろう。これ以上彼に迷惑をかけちゃいけない。
…それに、わたしなんかが彼といる資格はない。もっとふさわしい人がいる。
帰ろう。




「あの…」

気付くと美空ちゃんが風呂から上がっていた。俺のだぼだぼのシャツに、バスタオルを巻いていて、妙な色気がある。
が、何とか泣き止んでいるものの、目を真っ赤にして俯いている美空ちゃんを見ると、何だかいたたまれなくなってくる。


「美空ちゃん、大丈夫?」

「…ごめんなさい、わたし、いろいろ迷惑かけちゃって…」

「いいよいいよ、お酒のせいだし仕方ないさ。」

「でも、幻滅…しましたよね。こんな年になって、その…お、おもらしなんて…ひっく
…嫌われちゃいましたよね…」

「……!いや、そんなことはない。確かにちょっとびっくりしたけど、俺はそんなことで
君を嫌いになったりはしないさ。」

「…やっぱり…あなたは、優しいです。でも、いいんです。ほ…本当のことを言ってくれて。呆れたよって。信じられないって。
わ、わたしだって、時々あなたとわたしなんかが付き合ってていいのかなって思いますもん…
こんな、背が小さくて、童顔で、色気もなくて、胸もない、子供っぽい女じゃなくて、もっとふさわしい人がいるんじゃないかな、って。
あの銀髪の女の人みたいな。…だから、が、我慢しなくてもっ、いいんです、よっ、…」

「我慢なんてしていない。」

「嘘です!」

「嘘なんかじゃないさ。」

「ひっく…嘘ですよ!」

よっぽど落ち込んでいるのか、言葉では説得できそうにない。こういう時は…

「美空ちゃん。」

名前を呼ばれる声と同時に、わたしは彼の腕の中にいた。

抱きしめられたのだと気付いたのは、しばらくしてからだった。


落ち着いてよく聞いてほしい。ショックだったのはわかる。自暴自棄になっちゃうのもわかる。辛かっただろうから。
恥ずかしかっただろうから。でも、自分を卑下するような、悲しいことは言わないでくれ。
俺は美空ちゃんのことが大好きだ。…大切な人だ。大事な人が自分で自分を傷つけるとこなんて、俺は見たくないし、してほしくない。
それに、俺は美空ちゃんしか持ってない、他の誰とも比べられない魅力をいっぱい知ってるし、そこに惹かれる。
誰にも君の代わりはできないし、俺の愛する人は君しかいない。
柔らかな髪、心地よい肌、天真爛漫で優しい心は、一緒に居るだけで俺を癒してくれる。
それに、君のおかげで、俺は1つの後悔をせずに済んだし、こうして今でも笑っていられる。
もしあの時君が居居なかったら、俺はきっと白瀬を、長年の相棒で友人を殺していただろう。
バケモノの仮面をかぶって、裏の世界に生きているって自分に言い訳して、心を殺して。
もしそうなっていたら、俺はきっと笑みを失って、一生後悔していたと思う。
君が居たから、そうならずに済んだんだ。
―君は俺の恩人だ。
だからこそ、俺は訊きたい。本当に君は俺に嫌ってほしいのか?自分の心をだまして…仮面をかぶっているんじゃないのか?」

途中から、目の前が滲んではっきりと見えなかった。堪えきれない感情が止め処無く溢れてきた。

「あ…あああああ…イヤです…絶対にイヤですよぉ……ひっく…嫌われたくありません…大好きです…!
離れたくないですよ…うわあああああああん!!」



…目が覚めたら、ベッドの中だった。どうやら泣き疲れて眠ってしまったみたいだ。
―すぐ隣に、彼が居た。添い寝してくれたらしい。
ぎゅっと抱きつくと声が返ってきた。

「おはよう。…もう、大丈夫だよな?」

「はい…落ち着きました。」

「よかった。美空ちゃんには、やっぱり笑顔が似合うからな。笑っていてほしい。」

「…ありがとうございます。…今日は、何だかスッキリしました。いっぱい泣いて、悩み事を洗いざらい出して、
そしたらとても晴れやかな気分になれました。」

「そりゃよかった。
一人で解決できなくても、二人ならどうにでもなることだって一杯ある。」

「はい…」



何分経っただろうか、
手が伸びてきた。その手はわたしの服越しに、胸を撫でてきた。



「あっ…んっ…や、やめ」

「ん…いや?」

尋ねながらも手は休めない。

「いやっ…じゃっ…ないです、けどっ、いきなり…」

「不意打ちさ。…えい。」

いきなり口づける。柔らかい門の間に舌で割って入る。最初は驚きで固まっていた門の主も、次第に応じてくれる。
ぴちゃ…くちゃ…と、卑猥な音を奏でる。

「ふう。」

名残惜しいが口を離す。美空ちゃんはもうとろん、としている。

服をはだける。明るいオレンジの下着が、彼女の持つ子どもっぽさによく似合っている。こんなこといったら怒るだろうけど。
それをずらすと、やはり顔に似合うごく控えめな胸が露になる。
全く無いわけではない。が、膨らみ、と呼ぶにはいくらか足りないそれ。俗に言う、まな板とか、ぺったんこ、とか、そんな感じだ。
…白瀬も大きくはなかったけど、これはもうひとつ…いや、もうみっつぐらい小さいよなぁ。

「相変わらずちっちゃくてかわいいよな。」

「ぅう…小さいって言わないでくださいよ…」

「誉めてるんだよ。…それに、こうやって揉んでるとそのうち大きくなるかもしれないし。」

「あんっ…そうなら、イイ…んですけど、ね…」

そう言いつつ胸を弄る。 吸って、摘まんで、揉んで…、小さくても、それでもやっぱり柔らかい胸を存分に味わう。
体積的に揉む、というよりは撫でる、と言う方が近いのかもしれないのだけれど。


「あっ、そっちは、だ、だめです!」

空いた手で下の方を探る。バスタオルで閉じた彼女の秘所は、もうすっかり濡れそぼっており、準備万端のようだ。
彼女も気づいていたみたいで、顔を真っ赤に染めている。
カワイイ。ちょっといじめたくなる。いじめよう。うんそれがイイ。

「もうびしょびしょになってる。…美空ちゃんって、結構いやらしいよね。」

「ひゃっ、ちがいますっ…いやらしくなんかっ…」

「あれ、違うの?じゃあ、何でこんなにぐしょ濡れなのかな?…もしかして…またやっちゃった、とか?」

さっきの恥体を思い出したのだろう。恥ずかしさに震える体。だが揺れない胸。

「…!?や、やってませんよ!」

「ホントにぃ〜?じゃあ、これはなんなのかなぁ?」

一掬い、蜜を彼女に見せる。

「ぅうう…」

「答えたくない?やっぱり…」

「…ちがいます!わかりましたよ…い、いやらしいわたしが、気持ちよすぎて、いっぱいだしちゃった…いやらしいお汁です!
…ひっく…ひどいですよ…さっき…泣かないで欲しいって言ってたのに…」
ああ、ちょっとやり過ぎたかもしれない。

「ごめんごめん、泣かないで、ほら。」

「…ひっく…誰のせいだと…ぐす…思ってるんですか…」

「ごめん。ごめんのおわびに…えいっ!」


バスタオルをといて、無防備にさらけ出された彼女の秘所をじっくりと見る。
そこには一本の毛もなく、ぴっとひかれた一本の筋が、僅かに開き、蜜を溢れさせていた。

「あんまり見ないでくださいよぅ…恥ずかしいです…ひゃぁあっ!?」

コンプレックスなのだろう。いいと思うんだがなぁ。ぴちゃっと一舐め。いい反応。

「綺麗だよ。つるつるしてて、余計なものが何もない。」

「気にしてるんですから…」

「いや、これは正真正銘の誉め言葉だ。…もういいよな?」

「はい…」

「いくぞ…」

ズプ…と挿入していく。片手の指に余る程度は経験しているのだが、相変わらずかなりキツい。やはり体が小さいからなのか。
それでも、初めての時に比べれば、大分慣れては来ている。

散々弄ったせいか、彼女はすでに辛そうだが、実は俺も同じたった。

久しぶりと言うこともあって、溜まってるのもある。だが、ここで我慢しなければ男の名が廃る。
何とか堪えて、壁に擦り付けるように出し入れを繰り返す。が、お互いもうあまり我慢は効かないようで、

「ぁあっ…わた…わたしっ…もう…」

「ああ…!俺もだ…」

腰を入れて、よりいっそう深く突いた。

「あっ…あっ…もう…だめっ…ぁあああああ!」

「くっ…いくぞ…美空ちゃん…!美空…!」


俺と美空ちゃんはほぼ同時にピークに達した。
久しぶりの愛する器に、白い奔流をたっぷりと注ぎ込む。
それも止み、とてつもない疲労に襲われた俺の意識は、落ちていった。



目を覚ます。時計を見ると、朝の9時。隣には、あどけない顔で眠る美空ちゃん。
お互いそのまま寝てしまったらしい。
しばらくその寝顔を眺める。それだけで、俺の心は洗われるようだ。
不安定な生活、危険と隣り合わせな毎日だが、絶対に生き延びてやろう。また幸せなひとときを味わうために。
この子を悲しませないために。

名残惜しいが、起こさなければいけない。

「美空ちゃん、起きて。」

ふにゃ…と目を擦る美空ちゃん。ああもういちいちカワイイ。抱き締めたい。

「そのまま寝ちゃったからさ…とりあえずシャワー浴びないと。あ、一緒に入ろうか?」

起床早々、彼女の顔は朱に染まった。

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