最近の俺はとことん忙しい。ベルデンの街に浮かぶ飛行城が消失し、街に落ち着きが戻ったのとは反対に銀の盾からの俺宛ての依頼は増える一方だった。何でも先の件を、上が目を付けたらしく、担当だった俺の階級が昇格…して仕事も増えた、と。ありがた迷惑というか。

「…ふむ、コナミは少々働きすぎなのではないか?」
「仕事だ、仕方ないさ」
シズヤがある日俺の様子を気づかってくれたのか、相談に乗ってやろう、と持ちかけてきたので話してみた。カウンセリングみたいだ。
「…よし、私がそなたに疲労回復の術をかけてやろう!」
「本当か?」
「うむ。よし、目をつぶってくれ。むむ…」
言われるがままに目を瞑る。


「…よし、終わったぞ!」
「…あれ、何か変わったかな」
見たところ、自分の体に変化が感じられない。シズヤの術は信頼してよかったはず。……かつて一回だけ失敗したことがあるが。あの時は素材の半数近くが御釈迦にされてしまった。
「一晩経つと術が発動するようにしておいた。睡眠との相乗効果でより効率よく疲労回復できるであろう」
「そうか、ありがとうシズヤ」
「うむ。では私は失礼するぞ」





――――あれ、ここは…どこだ?

辺りを見渡す。俺の家ではなかった。床は畳が敷き詰められ、壁は障子や襖に囲まれている、所謂倭国の様式になっている。確か俺はいつも通りに眠っていて……


――――夢、か?
しかし、これが夢ならば、俺が見ている夢は明晰夢…意図的に操れる光景のはずだ。しかし、意識がやたらはっきりしている。現実とほとんど変わらない感覚だ。それと、体が動かない。起き上がることができない。

ここでようやく下半身の異変に気づく。何やら股間がムズムズ…ムズムズ?


「ッ!イ、イ、イーベル!?」
「ん…コナミ、起きたか…」

バッと掛け布団を引き剥がすと紫色の結った髪をたなびかせ、一糸纏わぬ姿で俺の肉棒を口で弄るイーベルが。一体全体何がどうなってるんだ。

「お、お前何やってるんだ!」
「何って…コナミが喜ぶと思ってだな…」

いやまぁ確かに嬉しいのだが。しかし状況が状況なだけに今は俺が理解し、納得できる情報が欲しい。

「いいじゃないか、コナミ。これは夢なんだ。せめて今だけは楽しもうじゃないか。っ汁が滲み出てるぞ…そんなにいいのか」
「夢って、くうっ」


…おかしい。これは夢なのか。自ら知覚する感覚は明らかに現実なのだ。しかし、今いる風景、イーベルの発言からやはりこの状況は夢としか成り得ない。

「…ほら、どうした?震えているぞ、出そうなのか?」
「うっ…」

やたらとリアルな口内の温かく、ねっとりとした粘性の感覚。恐ろしいぐらい、現実的な刺激。艶めかしい舌使いで俺の肉棒は徹底的に舐めあげられ、いとも簡単にオルガスムスを迎えようとしている。

「くっ……出るっ……!」

腰を浮かせ、イーベルの喉奥深くで射精した。

「んんっ……凄く濃いぞ……」
「…最近、処理もできなかったからな」
「そうらしいな。まだまだここは元気そうだ」

萎えることなく自己主張し続ける肉棒。久方ぶりの刺激にやる気に満ち溢れてしまっているようだ。
「私も限界だ…挿れるぞ?」
イーベルが俺の腰の上に跨り、肉棒の先に秘所をあてがう。そして、
「ちょっとイーベル、うぐ!」
「ああ、あああ……」
ゆっくりと沈んでいった。

「んっんっ…どう、だ?コナミ…」
「ああ…いいよ、イーベル、くうっ」

ひたすらに俺の上で体を動かし、跳ねるイーベル。そのダイナミックな動きに俺はなすすべもなく蹂躙されてしまう。


「な、なぁ、イーベル、これは、夢、なのか?」
「ああ、そうだ、んん…そしてこれは、コナミの深層意識の世界だ、こうしてるのも、君の欲望の表れだ、あ、ああ、いいよ…」
「俺の、深層意識…?俺は、こんな関係になることは、望んでなかった、がな、ぐっ」
「そうか、私は望んでいたんだがな…」

ピタリとイーベルが動きを止める。

「別に、そういう目で見てたわけじゃない、ってことさ」
「…わかってる」
「ただ、君の望みというなら」
今度は自分から腰を上に突き出す。どうやらここだけは動いてくれるらしい。都合のいい夢だ。
「応えないわけにはいかないな」
「ん、んん、ああん!」
汗が飛び散り、髪を激しく揺らす。ぐちゅぐちゅと鳴り響く、結合部からの水音。お互いに燃え尽きることがない色欲。

「んはぁ、コナ、ミ、イきそうだ、ああっ!」
「くっ、俺も出そうだ…」
限界が近づくのを感じ、水分を気化させんとばかりに激しく腰を動かす。

「んあああああっ!!」

イーベルが絶頂を迎えると同時に膣が蠢き、肉棒を締め上げる。それに連動するかのように、精を吐き出した。

――――はぁ、はぁ、あれ、意識が、遠のい、て……




――――ん、今度は、俺の部屋、か?これは夢なのか、しかしまたもや体の自由が効かない。さらに悪いことに、眼が開かない。瞼が開かない。まだ、俺の脳は無意識下にあるのか。

「あ、先生起きたみたいよ」
「コ、コナミさん、お、おはよう、ございますっ!」
「サラ、無理だよ返事できないよきっと」

――――この声は、トモにサラ、マルチナ…か?この3人、一体何を…

「あー先生はね、ここが弱いのよ」
「ん、コナミさん、気持ちいいのか…な?」
「ビクビクしちゃって、可愛いな」

――――もしかして、こいつらも…ダメだ、言葉が出ない。口が開かない。今度はなんて融通の効かない夢なんだ。3人は…俺の肉棒に奉仕しているのか、色んな方面から攻めあげられる。

「先生、気持ちいい?って聴こえてても答えられないんだよね、残念」
「んんっコナミさん…コナミさん…」
「コナミさんの大きい…私にこれ、挿いるかなぁ」

――――ああ、なんなんだ俺は。年端も行かない娘達に無抵抗になすがままにされているなんて。体が動けば、こいつらなんて簡単に…

――――なんて言ってる間に、ヤバい、限界、かも

「先生、そろそろ出そうかな?体震わしちゃって」
「んんっ…はぁっ…」
「…ん!うわっ、いっぱいでたぁ…」
「もう、顔中ベトベトだわ」
「これが、コナミさんの、味…」
「ん、もう私限界だし、挿れちゃうよ?」
「あ、ちょっと!私が先に先生の貰おうと思ったのに!」
「あ、じゃ、じゃあ私次で…」

――――何やってんだこいつら。…うっ何だ、また…意識が…朦朧と…





――――あれ、今度は…現実?夢じゃ、ない…朝日が昇ってるし、ようやく夢から覚めたみたいだ。さて、起きて朝食の支度を…

「先生、おはようございます。そして…失礼します!」

――――は?この声は、トレロ?おい、何やってんだこいつは!まさか、俺の、俺の、があああああああああ!!





「…うわああああああああ!!」
「うわっ!先生、いきなりどうしたでやんすか?」
「は、カイダ!?ちょっと俺の頬をつねってくれ、思いっきりだ!」
「こ、こうでやんすか?」
「いたたっ、これは夢じゃない、夢じゃないよな!?」
「先生どうしたでやんすか本当に…悪い夢でも見てたでやんすか?」


「天国と、地獄を見てきた…」
「はあ?」





「おお、コナミ。どうだ、疲れはとれたか?」
「シズヤ……」
げっそりと、肉体的にも精神的にも優れぬ状態に俺はなっていた。しかも何故か腰が痛いのだが…

「は、はて…その様子は…」
「…あの夢は、シズヤの術か…?」
「う、うむむ…コナミ、夢に何がでてきた…」
「…女4人と、男…」
ああ。思い出すだけでも酷い光景だ。後者が。生々しい絵が脳にこびりついて離れない…
「…私はイーベルだけが出るようにしたつもりだったんだがのう…その、すまぬ」
「…はあ」

より一層疲れが増した今日の俺は仕事中にミスを多発。さらに…

「ね、マルチナ」
「何、トモ?」
「先生、なんか私やトレロと顔合わせようとしないんだけど、何かあったのかしら」
「…さあ?」

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