「さて、今日はアイツのところにでも行きましょうか」
今一人の何の変哲も無い一人の女性がいる。彼女の名は白瀬芙喜子。
しかし彼女は人間の姿をした強化人間。所謂ガイノイドというやつだ。彼氏――小波――
もその事を前回の行為の際に気がついた。元々CCRのメンバーだった彼は
違反サイボーグやガイノイド達を狩っていた。その事から自分を嫌うのでは
ないかという心配が、あったが彼は
「でも、ガイノイドと人間の子一体どんな子が授かれるのだろうな?」
などと言っていた。こいつはどうやら孕ませる気満々のようだ。しかし
「まあ、孕んでも普通の子を授かるでしょうね」
とぼやいた。普通の子が生まれるという確信が芙喜子にはあった。
なぜなら・・・



先週立ち寄ったヴギウギ商店街でモバイルレディと漢方屋であった。
相変わらずの性格をしていた。少し話していると後ろから自分の彼氏に似た
――自分達に似た匂いのする――男が出てきた。
芙喜子は少し警戒したが彼は普通に話してきた。
「どうも、波羽ですっていつか奈津姫さんのカレー屋で会いませんでしたか?」
「ああ、貴方あの時の。白瀬芙喜子よ。よろしく」
「じゃあ、自分は練習があるのでこれで」
「ええ」
何者だろう。だが気にせずモバイルレディと雑談する。
「ところでモバイルレディ。アンタここで何やってるのよ」
「元々あの人と旅をしてたんだけどね。波羽さんがあたしを孕ませちゃって
急ぎでここへ戻って出産して、今は育児と漢方屋と頑張っています。
・・・あのさフッキー。モバイルレディって呼ぶの止めてくれないかな。
あの時の事を思い出しそう。それに今は広川じゃなくて波羽武美って
名前があるんだよ。」


どうやら、モバイルr(ryじゃなくて武美はガイノイドでありながら
あの男との間に子供を授かり育てているようだ。
ふと、思った疑問を芙喜子は口に出す。
「普通の子?」
「うん。あたしの性格を受け継いだ人間の子が生まれたよ」
「へぇー。という事はあたしも大丈夫ね」
「そうだね。大丈夫だと思うよフッキーは体の中は人間で、筋力だけだしね」
武美はケラケラ笑いながら言った。釣られて芙喜子も笑う。
「希望が生まれたわ。それじゃああの人とお幸せに」
「うんっ。でもあたしは・・・」
「何か言った?」
「ううん何も。あっ、でも今は大神よりジャジメントの神条紫杏に気をつけたほうがいいよ。
あの子誰からも愛されなかったからたぶんチェスの達人になってるよ」
「そうなの・・・気をつけとくわ」
「あと、これあげる」
「?なによこれ」
妙な粉薬を渡される。追うように武美が説明する。
「ええっとね。あたしが作った幸せになれる薬だよ。彼氏と一緒に飲んでね」
「まさか、あの草を使っているんじゃないでしょうね」
鋭く突っ込む。しかし、武美は普通に
「使ってないよ。本当に、幸せになれる薬だよ」
「そう。じゃあありがたく貰っておくわ。それじゃ」
「うん。バイバイ。フッキー」
芙喜子は手を振りながら何処かへ行った。多分彼の元へ行くのだろう。
武美はため息をつき。
「さて・・・洗濯物取り込んで、お昼ご飯でも作ろうかな
・・・今も大変なのに二人目が生まれたらもっと大変なんだろうなぁ」
家へ戻りながらお腹をゆっくり撫でた。


回想終了。そして、芙喜子は今彼の元へ向かっている。
「着いたわね」
遂に彼の家に着いた。なぜ、寮では無いかと言うと小波曰く
どうせ芙喜子と暮らすんだから家を買っても問題ない。だそうだ。
――二人なら生きていけるとか、今の言葉といい。よく言えたもんだ。あの男は。
インターホンを押す。
「はい。何方ですか」
「あたし。芙喜子よ」
「おお、芙喜子かちょっと待っててくれ」
インターホンが切れる。少しして玄関が開いた。
「さあ、あがれよ」
「ええ」
「相変わらず地味な部屋ね・・・」
「そうだろ。でも、お前と暮らすようになれば多少は派手になるぞ」
また恥ずかしい台詞を吐く。芙喜子は半目で一言――小波から目を逸らして――
「バカ」
「だって本当の事じゃないか」
「はぁ・・・とりあえず何処か出掛けましょう。プロは時間が少ないでしょう」
「そうだな」
出掛ける寸前になって先週、武美からもらった物を思い出す。
「あと、これ飲んどいて」
「?何だこれは」
「漢方屋を営業している旧友から貰った物よ。毒じゃないから安心して
今すぐ飲みなさい」
旧友・・・正確には三世代サイボーグのプロトタイプ、
小野映子を基盤に作られた同胞だが。
「ふ〜ん。じゃあ飲んでくるからちょっと待っててくれ」
「ええ。待ってるわ」
台所へ小波は走っていた。
「さて、あたしも飲んでみますか」
さっと口の中に薬を入れる・・・マズイ何を混ぜたらこんな味になるのか
知りたいぐらいマズイ。
「ん?何この感じ、体が熱い・・・」
嫌な予感がする。これは所謂媚薬と言う奴ではないかという考えが浮かび
そして、その考えは確信に変わった。何故かというと、小波が
血相変えてこっちに来るからだ。
「芙〜喜子ぉ〜」
いつもと呼び方が違う。間違いなくこの薬に毒されている。
しかし、理性を失った芙喜子も本能のままに
小波の方に走って抱きついた。
一方その薬を渡した本人は・・・


「フッキー。そろそろあの薬使ってくれたかな?」
娘に授乳をしながら武美はぼやく。
「ん?何か言ったか武美?」
そっぽ向いている夫が聞く
「いやさ。この前会ったあの人にあの薬を渡したんだ」
「・・・本当か?あの白瀬さんという人に劇薬に指定したほうが
いいくらい危険なあの薬を渡したのか?」
「うん。でもさフッキーさぁ効能を聞かなかったんだ」
「・・・白瀬さん・・・ご愁傷様です」
「だね。でもあたし達の時も凄かったよね〜」
武美があの薬を二人で飲んだ日の行為を思い出す。
「ああ・・・そうだな」
「だってさあたしなんかアソコ手が触られただけでイッちゃたもんね。
それに、あなたもチョット挿れただけで爆発させちゃってさ」
「ああ・・・あれは恥ずかしかったな」
「しかも爆発させたばっかなのにビンビンで、あたしの中に
連続で三回ぐらい出してやっとおさまったもんねぇ」
「・・・」
もはや、反応すらしない波羽。しかし、後ろにいる妻は喋り続ける。
「それに、あの日は危険日・・・まぁ危険日じゃなくてもあれだけ出されれば
子供も授かれちゃうよね」
「あ、もう出ないや。はぁい友子終わりですよ。お寝んねしましょうか」
娘の友子を寝かせた武美に夫が言った。
「なぁ。名前どうするか・・・」
「ね。どうしようかねこの子の名前」
武美が下腹部を撫でる。
「そうだ!映子何てどう?」
「いや。真央だろう。あと・・・胸しまえ」
「え?ああごめん・・・えっち」
第二子の名前で喧嘩をするバカ夫婦であった。


飲まされた方
短く言うなら芙喜子は今かなりやばい状態である。なぜなら、
芙喜子は理性失いかけていて、小波は見た感じ理性は残ってなく
本能で動いているし押し倒されている。しかもあの薬は今も芙喜子の
理性を確実に蝕んでいるからだ。
「さぁ、芙喜子、早速だがお前も欲しがっているし挿れさせてもらうぞ」
「え?い、いやとりあえずあたし達人間だし前戯ぐらいしようよ
・・・あと服、脱ごうよ」
小波はハッと気づく襲いたい衝動が大きすぎて服を脱ぐことすら忘れていた。
さっさと服を脱ぎ捨て再び芙喜子に覆い被さろうとしたが既に芙喜子は
自分の唇へ唇を重ねていた。
「!」
芙喜子は自らの唾液を小波へ渡す。小波も負けじと芙喜子へ
流し込む。無音の部屋に卑猥な音がこだまする。
「ぷはぁ・・・相変わらずね・・・上手いわ」
「どうも・・・はむ」
「ひゃぁ、ひぃ」
小波が胸の攻略へ入る。いつもならこの程度で喘ぎ声など出ない筈だが
今日は異常なほど体が敏感だった。
「あぁ、もうダメ、あたしイクッ」
芙喜子の体が弓なりになり硬直する。少し時間が経って元に戻る。
落ち着いた芙喜子に小波は感想を聞く。
「どうだった?」
「はぁ、聞くまでも無いでしょ。とても気持ち良かったわ」
「そうか、良かった」
「でも、アンタも辛そうね。そうだ、口で葬ってあげようか」
内心バンザイな事を言ってくれた。無論返答は一つしかない。
「ああ。頼む」
「そうそう。正直じゃないとね。はむ」
「うは・・・」
「とお?うはいへほ。あはひほ」
「ああ。うま過ぎてもってかれそうだ。くっ」
思わず小波は快楽で顔を歪めた。その姿に気を良くしたのか芙喜子は
喉の奥まで使って小波の逸物を葬り始めた。
「くっ、ふ、芙喜子、出るぞ」
「ふ?ふぉぉぉ」
小波は芙喜子の頭を持ち逃げ出せないようにした。もっとも
芙喜子も離れる気は無かったようだが。
「ふぅ。あ、ティッシュ使うか?」
芙喜子は首を横へ振る。どうやら飲む気らしい。
そして、喉を何度も動かし
「はぁ、やっと飲み込めた。相変わらず濃いし、喉に残る味ね
でも、アンタのだから嫌いじゃないわ。それよりもう体が・・・」
「わかった」
小波は芙喜子の言葉を察し自分の逸物を芙喜子の興奮でドロドロになった
秘所にあてた。微妙に芙喜子の体が強張ったがすぐに戻った。


「いいか?」
「ええ、来て」
擬音を使うならズンと言うぐらい一気に小波は貫いた。
「あっ、入ってきたアンタのが入って・・・」
「だめだ。芙喜子、動くぞ」
「え?」
小波の腰が動き始める。それに合わせて芙喜子が喘ぐ。
「あっ、はっ、ひっ、ふぁ」
「くっ、相変わらずの名器だ」
喘いでるだけの芙喜子だが、芙喜子はこの時が一番好きだった。
最近まで逃げて戦うだけの日々を送っていたのだから。
「あっ、ダメっあたしまたイッちゃう」
その言葉を放った瞬間、芙喜子の膣がきつく締め付けた。
その締め付けに耐切れず小波は芙喜子の中に欲望を吐き出した。
「あぁ、アンタのがあたしの中に入ってる。・・・中に?」
小波は何も言わず逸物を抜いた。
「ねぇ。アンタ、さっき中に出したでしょ。許可なしに」
「ああ。スマンでも・・・いや、スマン」
謝る小波。しかし、芙喜子は追い討ちを掛ける。
「今日ね危険日なのよ。あと、あの薬、排卵誘発剤入ってたのよ。
デキちゃったらどうするのよ」
「その時は、責任取る。何といっても・・・」
「二人なら生きて行けるって言いたいの?」
「ああ。・・・さて、疲れたからもう寝よう」
「そうね」
軽い会話を交わし二人はゆっくり眠りに着いた。



「それじゃ行って来る」
「ええ。行ってらっしゃい。甲斐の為にも試合頑張るのよ」
「もちろんさ」
あの後、芙喜子は見事に授かっていた。まあ、元々
結婚する気だった小波にはいい起爆剤になった。
因みに甲斐というのは子供の名前だ。
・・・昔は自分をライバル視している気の強い女だった。
でも今は自分の妻となり支えてくれている。
こんな、幸せを手にしている人間はこの世に十人といないだろう。
子供は人間だった。
後は人生の墓場まで二人で歩いていけばいいそれだけだ。


フッキーから手紙が届いた。どうやら、あの薬で幸せに
なってくれたらしい。
「よかった」
と、よろこんでいると190cmある童顔の女性が来た。
「すんまへん。ちょっと風邪ぽいんで薬貰えませんかなぁ」
「ああハイハイ。どうぞ。・・・すみません」
「?なんです急に謝ったりして」
たぶん、力つよいんだろうなぁと場違いな考えをしながら質問する。
「いや・・・失礼かと思いますが。彼氏はいますか?」
「いますけど・・・それがどうかしたんですか?」
「じゃあ、これあげます。お代はいりません」
「これなんです?」
「幸せになれる薬ですよ。彼氏と一緒に飲んで下さい」
「はあ・・・それじゃあおおきに」
女性が去った後小声で武美は
「よしっ。これでまた幸せになれる人が増えた」
二次の母、波羽武美の陰謀はまだまだ続く・・・

おまけ

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