「こちらでございます、シアン様」
 依頼主であるカイが私の目の前に大きな棺を持ってきた。
 私は棺を開け、中を確認する。中には”報酬”がきちんと入ってきた
「……… 確かに」
 私は棺の回りに蟲を配置し私の隠れ家に運び込んだ。

 事の発端は魔族のカイ・カモーミの依頼であった。
 近いうちに大規模な魔族狩りがあるからその首謀者を暗殺してくれ、と。
 途中で魔物ハンターであるコナミに邪魔をされたが当然のように依頼は成功。
 しかし…まさかこんな物をくれるとは…
「はぁ、はぁ、はぁ…」
 私は震える手で棺をそっとあける。
 中には私の愛する人、トーノのゾンビが入っていた。
 そしてゾンビが目を開く。
「うー、あー?」
 ゾンビは私を見るとゆっくりと起き上がり私のほうに手を伸ばしてきた。
「……こんなにもなって…」
 あまりのひどさに私は唇を噛み締めた。
 私は震える手で彼の顔に触れる。
 顔には酷い火傷の跡と、胸には無数の刺し傷と切り傷、右足は無く睾丸は破れて一つしかない。
 腕は生きたまま皮を剥がされたのか真っ赤になっており、背中には鞭を打たれたのか多数の裂傷があった。
 手足の指は力任せの折られた上に爪まで剥がされている。
 ゾンビ、いやトーノは肩を掴み私を食べようと身を乗り出すが足がないためそのまま転んでしまった。
 私は思わず彼に近寄る。
「うううああああ…」
 地面を這いながら私を掴もうとしてくる。
 あまりの惨めさに私は涙が零れ落ちそうになる。
 私が生きたまま蟲に食われたのに対し、彼はずっと生きたまま拷問を受けたのだろう。死を待ち焦がれるほどの…
 トーノ…今、助けてやるからな…
 私は彼に一匹の蟲を彼の脳に寄生させる。
「う?うぐぐぐ…」
 彼は唸り声を上げながら暴れまわる。
 恐らく蟲が脳に達し動かそうとする際五感が一時的に復活し苦しみを与えているのだろう
「耐えてくれ、トーノ!」
 私は彼にこんな事を願うしかなかった。
 うめき声は徐々に小さくなっていき彼は辺りを見渡す。
「うっ・・・ここは?」
「トーノ! ああ、良かった…良かったよぉ…」
 私は思わず彼に抱きついた。
「おい、シアン! 何でくっ付くんだよ!」
 彼は突然の事に目を白黒させている。
「トーノ!」
 私は感情に任せて彼にキスをする。
「んっ!」
 トーノは少し驚いた顔をするがすぐさまキスを返してきた。
 私は唾液を彼に目いっぱい送りつけるがこちらも同じように唾液を送りつけられた。
「んんんっ、ちゅ、じゅる!」
 唾液の水音が部屋の中に広まり私たちはお互いの下を口の中で暴れさせる。

 すごい…こんなキス、久しぶり…
 お互いを求めるキスは私の人生の中でほんの数回しかない。しかも相手は全部目の前にいる彼だけ。
 唇を離すとよっぽど激しかったのか唾液の糸を煌めいていた。
 あたし…こんなにスケベだったんだ。
「まったく、突然キスするなんて何を考えてるんだよ」
「ごめんね…」
 急にキスをしたことに彼は腹を立てている。
 だが私は彼に好意を伝えたかった。今まで抑えていた感情があふれ出してくる。
「お前のせいでこんなんになったぞ、どうしてくれるんだ?」
 彼はニヤケながら傷だらけのペニスを見せる。ペニスは大きく肥大しており私の指3本くらい太かった。
「じゃあ、気持ち良くしてあげる」
 私は彼のペニスを口に含み、ペロペロと舐め始める。
 前に一度やってあげたらうっかり噛み付いてしまったことがあったな。
 竿を中心に唾液まみれにさせていく。
「シアン、そんなにがっつかないでくれ」
 彼は私の頭をなでながら私の見つめる。
「トーノのが一番好きなんだ、だから他の子に奪われないようにしたいだけよ」
 私は彼のをしごきながら上目遣いで見つめる。
 こういうのが良いらしいが・・・私にはどこがいいのかさっぱり分からん。
 チロチロと先端に舌を這わせながら彼の味を楽しむ。
 この味・・・覚えてる・・・
 私は彼との情事を忘れていなかった。昔、同じ村のタエに見つかってえらい目に会ったな。
 そして私は彼にプロポーズされた。嬉しくて暫くの間夜も眠れなかったな。
 私が昔の事を思い出しながら彼のペニスを愛撫していく
「ううぅ!」
 彼の声を聞くと私は口をつぼめ一気に吸い込もうとする。
 しかし突然彼のペニスから黄色の液体が噴出してきた。
 これは…尿か?
 どうやらペニスに夢中になるあまり蟲のコントロールを誤ってしまったようだ。
 少し苦い水が口の中に広まる。しかし私はそれを吐き出そうとせずそのままゴクゴクと飲み始める。
 愛しい…生きてる間は何も思わなかったがここまで愛しいとは…
 彼の尿が私の胃の中に満たされていく。こんなに嬉しい事はない!
 そして尿の勢いが止まると舌で彼のペニスを掃除する。
「んんっ、むぅ・・・んもう!」
 少し苦かったがあまり気にならない。
 そして尿を出し尽くしたペニスはとても固くまだまだし足りないといった形をしていた。
 良いだろう、私の全てを使って君の子種を搾り出してやろう。
 私は自分の性器を人差し指と中指でそっと開く。
 ぬちゃあという音と共にツンと鼻に来る臭いが広まる。
 トーノの舌が私の花弁にそっと触れる。
「ひゃぁ!」
 思わず声が出てしまう。
 だがトーノはそんな私を優しい瞳で見ながら舌を動かす。
 いやらしい水音がする度に私のは歓喜の声をあげ、彼の頭を股間に押し付ける。 
 もっとして欲しい、もっと私を知って欲しい。もっと私を愛して欲しい。
 真っ赤な舌がクリをコリコリと動かす。
「きゃう!」
 そこは反則だぞ、トーノ!


 私の気持ちを知ってか知らずかわからないが彼はお返しとばかり私の花弁をズズズと音を立てて吸い付いた。
「ふああぁぁぁぁぁぁ!」
 狂ったような声をあげこの快楽から逃げようとするが彼に足を押さえつけられ逃げようにも逃げられない。
 あたしのお汁吸われちゃう、全部トーノに飲まれちゃう。
「あぁぁぁぁ!」
 私は腰を痙攣させると花弁から勢い良く愛液が噴出してきた。その時の液がトーノにかかる。
 腰に力が入らない私にトーノがペニスを立てて私に迫ってくる。  
 待ち焦がれていた、トーノとの…
「トーノ、来て…」
 トーノは私の性器にペニスをくっつけるとゆっくりと体重をかけて来た。
 にゅるにゅると熱く固いゴムの棒が私の中に進入してくる。
「ひぃぃぃ!」
 彼に初めてをあげたときの事を思い出す。
 あの頃はお互い右も左も分からなかったがいまはもうセックスはかなりなれたものだ。
 もっとも彼以外でこんなにも感じる何て事は絶対想像できないな。
 トーノの腰が私の肉ヒダを味わうかのようにゆっくりと動き出す。
 激しく腰を振っていいのだが流石にそんな事をすれば彼の身体はあっという間に崩壊してだろう。
 それにこのゆっくりとしたセックスも味わい深くて私は好きだ。
「ウゥゥゥ…」
 トーノが私の肩に軽く噛み付いてきた。これはゾンビの習性らしい。
 だが、彼の歯が私の柔肌に食い込んだ瞬間、想像を絶する快楽が襲い掛かってきた。
「くぁあぁぁあああ!」
 何これ!? 気持ち良過ぎる!
 ”あたし”の目の前には生前の彼と同じように優しく、そしていやらしく攻め立ててきた。
 噛み付かれた痛みは甘い刺激となりおま×この汁をより噴き出させてくる。
 ペニスが動く度に虫たちが過剰とも言えるフェロモンを噴出させる。
「トーノ!トーノォ!」
 彼の名を叫びながらより貪欲に精を求めた。
 まるで自身がサキュバスになってしまったかのように彼のペニスを受け入れる。
「うぅぅぅぅぅ〜」
 彼もまた快楽の声を出し、あたしを孕ませるかのように深く深く、そして激しく強く腰を打ちつけてくる。
 彼の腰が動くたびにあたしはザム団の幹部ではなくあの頃のシアンに、
 ただトーノの事を愛していた一人の女の子になっていく。
 唇を重ねる。子供の頃にしたあの甘いキスが甦る。
 足を絡ませ逃げられないようにする。蜘蛛のようにかんじがらめに。
 愛液が彼の股間を濡らしていく。フェロモンをこれ以上無い位に振り掛ける。
 彼の腰が痙攣をを始めたのを感じ取るとあたしは足に力を入れ奥に突っ込ませる。
 彼の子種は誰にも渡さない、彼の愛も誰にも渡すつもりは無い!
「シアァァァァァァァァン!」
「トォォォォォノォォォォ!」
 お互いの名前を叫びながら絶頂に達する私たち。
 血の混じった精液が私の子宮に叩き込まれ卵を目指していく。
 これは・・・確実に妊娠(できた)な・・・
 私は幸せすぎる余韻に浸りながら彼のペニスを入れたまま再び腰を振り始めた。
 彼が二度と動かなくなるまで…

 事が終わった後、私は彼の遺体を全て平らげた。血も骨も皮も内臓も全て私の蟲が喰らった。
 数年経っているというのに彼の肉はとても柔らかく美味であった。
 私だけのトーノ。これが私たちの愛の証。そういっても差し支えはなかった。
「トーノ、これで私達へ永遠に一緒だ。さて、そろそろ行かなくては」
 私はお腹を擦りながら隠れ家を出て行く。
「魔王が復活したらあの村で二人で暮らそう。永遠にな!」
 私は笑いが止まらなかった。今死んだとしても後悔はしない。
 なぜならこれで永遠に彼と一緒だからだ。

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