最終更新: pawapokeeroparo 2007年11月30日(金) 21:55:02履歴
そして1月1日、新年。
何度もデートで足を運んだ場所へ、俺は急いだ。
見送りに来なかった時点で、俺には全てわかっていた。
「奇跡などはめったに起きないから奇跡」とは誰の言葉だったか。
・・・少なくとも、そんなことを言った奴を、好きにはなれない。
「あ」
俺を見つけた武美の顔は一瞬驚きに、そして幸福そうな満面の笑みになった。
あたかも、春に日差しで解ける前の淡雪のごとく。
「あれね、初めてだったんだよ」
「・・・・・・・・・そうか。」
「一生分愛してもらったから、笑ってサヨナラできるね。」
「・・・・・・・・・。」
「あ、最後に質問。
あたしのこと、好き?」
わかっていた。
わかっていたからこそ、最後に悪役を、俺は演じなくてはならない。
心とはうらはらの、その台詞を血を吐く思いで投げつけなくてはならない。
「俺は・・・」
何度もデートで足を運んだ場所へ、俺は急いだ。
見送りに来なかった時点で、俺には全てわかっていた。
「奇跡などはめったに起きないから奇跡」とは誰の言葉だったか。
・・・少なくとも、そんなことを言った奴を、好きにはなれない。
「あ」
俺を見つけた武美の顔は一瞬驚きに、そして幸福そうな満面の笑みになった。
あたかも、春に日差しで解ける前の淡雪のごとく。
「あれね、初めてだったんだよ」
「・・・・・・・・・そうか。」
「一生分愛してもらったから、笑ってサヨナラできるね。」
「・・・・・・・・・。」
「あ、最後に質問。
あたしのこと、好き?」
わかっていた。
わかっていたからこそ、最後に悪役を、俺は演じなくてはならない。
心とはうらはらの、その台詞を血を吐く思いで投げつけなくてはならない。
「俺は・・・」