始まりは、小学生の頃だった。

チームメイトの無田君に一目惚れしたとかいう女の子が
無田君とデートをするという話になって、
その時一番仲の良かった僕がアドバイスをすることになって、
適当なアドバイスをしたら無田君が振られて、

僕はそんな彼女と遊んでいた。

今思うと、どう考えても最低な男だと思う。
だって、その女の子は、

僕の実の妹だったんだから。

あれから色々とあって、僕は高校生になった。

チームメイトだった真薄君が甲子園で優勝したということで同窓会を開いたとき、
久しぶりに彼女に出会った。
第一印象は、「変わらない」だった。
もちろん、見た目や背の高さ、顔立ちも結構変わってはいたが、
口癖である「うにゅー」という言葉と、
なにより、あんな別れ方をした僕を怒ることもほとんどなく許してくれた性格から、
「変わっていない」と思ったんだ。

同窓会が終わって、家に帰るとき、
彼女がついてきて、
「小波くんの家、見てみたいな!」
というので、とりあえず今は自分の部屋にいる。

「ねえ、小波くん?」
「うん?なに、さくらちゃん。」
あの時と変わらない呼び名。
僕の気持ちは小学生のあの頃に戻っていた。
「あの時のこと…覚えてる?
 一緒に遊んだり、
 チョコを食べたり、
 それから…」
「うん、覚えてる。」
「じゃあ、なんであの時駅で写真を破ったりしたの?
 何か事情があったんでしょう?」
「ああ、うん…実は…」
そこまで言って、僕は少し躊躇した。
あの事を言ってもいいのか。
今の、あの時と変わらない関係が、
崩れてもいいのか。

だけど、あの時のようにはなりたくない。
そう考えて、僕は決心した。

全てを言い終わった後、彼女は少し驚いているようだった。
それはそうだ。
今までただのボーイフレンドだと思っていた僕が、
実の兄だっただなんて、考えもしなかったろう。
それでも彼女は、
「うん、信じるよ。
 だって、小波くんの言うことだもん!」
と、言ってくれた。

それからは1時間ほど、昔話に花を咲かせた。
ガンバーズのこと。
ライバルであり親友の、才葉のこと。
そして、2人の近況など。


「ねえ、小波くん。」
「なに?」
「兄弟愛って知ってる?」
えっ、と彼女の方を見る。
彼女はいつもは考えられないような大人びた表情で、
顔を赤く染めながら、再びしゃべり始めた。
「えっとね、お兄ちゃんが持ってる本の中に、そんなのがあったの。
 だからさ、その…」
いやいや、おちつけ僕。
とりあえず才葉がシスコンだということは解ったけど、
この流れはヤバいのでは?
でも、可愛い妹の頼みだし…
そんなことを考えていると。
「えっへへ〜。んっ!」
「んむぅっ!?」
キスされた。
どうやらぼくはピンチ×のようだ。

僕はキスをされているうちに、だんだんと乗り気になっていった。
「んん…ふ…ん…」
彼女の甘い唇を堪能しながら、角度を何度も変えてキスをする。
さらに、彼女の少し開いていた口に舌を入れ、彼女の口内を犯していく。
2人で舌を絡ませ合う。ぴちゃぴちゃという水音が、部屋に響いていた。

しばらくキスを堪能していたところで、口を離す。
2人の唾液が橋のようになり、身長差から彼女の口の中に。
これ以上は危険だと思うのは彼女も同じようで、
ここで行為は終わった。

僕は彼女を家まで送って行った。
彼女は、
「これからは、妹でよろしくね!おにーちゃんっ!」
と言って、帰って行った。

僕の住んでいる所まで行く電車の中、僕は、ドキドキが止まらなかった。

管理人/副管理人のみ編集できます