ボロボロの体にムチをうち石中は地面を虫のように這いながらホッパーズの寮へと向かっていた。
石中は先ほどCCRの手先である小波に負けた。あと一ヶ月足らずで日本シリーズだと言うのに。
いずれはばれる事だったとは言え未練があまりにも多い。
日本一になりたい、あの思い出すだけで身震いがするあの工場を壊さなければいけない、野球をしたい。
そして――――。
「お……の……」
サイボーグ同盟のリーダーとして、いつも近くに居た小野に伝えなければいけない。
もうやめても構わない、と。南の島にでもどこでもいいから逃げろ、と。
そのためにもここで死ぬわけにはいかなかった。やらなければいけないのだから。
だが、段々と視界が狭くなり真冬に裸でいるように寒くなってくる。
「石中……さん?」
駐車場を出た時、タイミングよく買い物に出ていた小野に出会った。
小野は一瞬目を丸くし、状況が理解できたのかダンボールを手放し全速力で駆け寄ってくる。
その様子に小野がCCRに殺されていないことに安堵し、飛びかけている意識に喝をいれ口をゆっくりと開く。
「お……の……もう、い、いい……に………」
逃げろ、と続けようとする口が塞がれる。
視界が狭まり殆ど何も見えないが、唇に当たる柔らかさと頬に流れる冷たい水滴で何が起こってるのかは理解できる。
それは石中が大神と戦い続けた時、常に隣にあった女の温もりだ。
石中はゆっくりと瞼を下ろし、小野の胸の中で眠った。


小野は石中の唇に口づけをした後、ゆっくりと立ち上がる。
その目は真っ赤に充血しており未だに涙が止む事もない。
石中の体を持ち上げ寮へと向かう。石中の体は重かったが小野は持ち上げることが出来る。
自分がアンドロイドなのだと思い知るが、今はそれで良かった。
ホッパーズの寮へと向かい、直ぐに逃げる準備をする。その際に必要なものはお金と石中さんの体が入る大きな袋でいい。
逃げた先で丁寧に埋めてあげればいい。石中さんが残していた逃走用の車を使う。
そうだ、南の島に行こう。武美も誘って、平和に――――。
バン!
「……え?」
胸が突然燃え始めたのかと思うほど熱くなる。
そこに触るとヌチュリと手に温い液体らしきものがあることがわかる。
その後に襲ってくる強烈な痛みに小野はようやく自分が撃たれたことに気がついた。
「傷を塞げ、死ななければ構わん」
「どうしてまたサイボーグを?」
「上が調べたいことがあるそうだ……真偽の程は知らんがな」
男たちの声が耳に入る。が、その内容を考える間もなく小野は意識を失った。


目が覚めると見知った天井だった。
そこは小野がサイボーグ同盟の仲間と初めてあった場所で、嫌な思い出しかない場所。
――――戻って、来ちゃったんだ。
逃げることなんて出来なかった。結局ここに戻ってきてしまった。
「やあ、久しぶり」
小野がここでやることなんて一つしかなった。
「じゃあまずは邪魔な服を除けようか」
眼鏡の男がニヤりと薄気味悪く顔を歪めてメスを取り出す。
小野は当然のことながら手足がベットに固定されているので何も出来ない。
「ああ、動いちゃ駄目だよ。肌に傷がついちゃうからね」
動きにもなれない、メスで胸の部分と股の部分が切り取られ下着が露出する。
男はそれを見てまた嬉しそうに笑いながら胸へと手を伸ばす。
その豊満な胸は下着越しでも感じ取れ、男は子供が粘土で遊ぶように揉む。
そして我慢できなくなったのかメスでブラジャーを切り取り、直接揉み始める。
「あ……ん、ぅ……」
小野はせめてもの抵抗として喘ぎ声は出さないようにするものの、生まれてからずっと眼鏡の男に開発されてきた体はその命令を拒む。
長い間、男日照りだった事もあり簡単にこらえれる快感ではなかった。
「いや、やっぱり君の胸は気持ちいいね。あの二人もよかったけど一番は君だよ。君は最高だ」
全く嬉しくもない台詞を耳元で囁かれ、耳を甘噛みされる。
ビクン、と全身に快感が走りまるで男にねだるように腰が浮かび上がってしまう。
その姿を嬉しそうに見つめ、持っていたメスで今度はパンツを股間の部分だけ切り取る。
「ふふ、扇情的だね。まだあんまり濡れてないけど、君は素直だからね。そのうち自然と濡れてくるさ」
たいした前戯も行わず、まだ潤っていない小野の恥ずかしい部分に肉棒を突っ込む。
「はあ! ……い、いたぁ……」
目を潤ませながら歯を食いしばって痛みに耐える。
男はそんな小野の表情を無視するように、いや楽しみながら腰を振っていく。
ズブ、ヌチュ、グチュ……
「あ、ああ、ん、んんん……」
胸を遊びながら、小野の弱いところを知り尽くした眼鏡の男はその体を堪能する。
時には尻の穴を攻め、時には剥き出しになっているクリトリスを弄り。
そして唇を奪い小野の口内を犯していく。
「ああ! ……は、はあぁ! んんぅ!!」
小野は口づけをされたことに激しく傷ついた。
口づけなんて前に工場に居たときに何度もやられた行為だが石中との口づけが馬鹿にされたような気がして涙を流す。
その顔に嗜虐癖をくすぐられたのか、男は腰の動きを激しくしていく。
パンパンパンパン!
肌と肌がぶつかり合い甲高い音が狭い部屋に響く。
「く……イク! イクぞ! 受け止めろ……!」
「はあ! あ、ああ! あああああああ!!!」
ビュ……ビュ……
小野は中に注ぎ込まれる液体を感じる。右を向くと、石中が解剖されている映像が流れていた。
そこで確信したのだ、戻ってきてしまったのだと。

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