「じゃぁ出ていけばいいじゃないか!!!!」
「ああ、出て行ってやるわよ!じゃぁね!」

バタン!!!!夜の住宅街に怒声とすざましい音が響き渡る。
芙喜子が出ていった後の部屋は、瓶やらナイフやら銃などでめちゃめちゃになっていた。泥棒が入ったかのようだ。

俺の名前は小波。ホッパーズの1番セカンド。去年の盗塁王&首位打者だ。
昔はCCRという組織の一員だったが、裏の実態を知った俺は組織を抜けた。
その後、CCRは解体され、残った残党は後にファーレンガールズ(大江&浜野)
にボコされたらしいが、今は関係ない。

今出ていった女は、白瀬 芙喜子。CCRの時の同僚でもあり、二人なら何でもできる、優れた彼女でもある。
その「優れた彼女」がなぜ、部屋から出て行ったか。そのわけは喧嘩。
今やプロ野球のヒーローの俺は、毎日毎日が忙しい。そのため、芙喜子と一緒にデートする時間や、Hしたりする時間も当然短くなる。
そのことでもめてしまったわけだ。


カレンダーをちらっと確認する。9月4日。明日は俺の誕生日だ。

どかっ。ソファーに座り直してビールを一本空ける。
プシュッ。泡を立てるビールをぐびぐびと飲む。これは芙喜子とのむはずだったビールだ。


「・・・・・・少しあいつの気持ちも考えれば良かったかな・・・」
今更ながら少し後悔した・・・・・・。





・・・・・・ジリジリジリ!


・・・・・・・・・ジリジリジリジリ!!


・・・・・・・・・・・・ジリジリジリジリジリ!!

「う〜ん・・・・はっ!!!!・・・・いたっ!!」
俺はソファから落ちていた。どうやら昨日あのまま寝てしまったようだ。
部屋はまだ散らかりっぱなし。

時計を確認する。10時。うん、10時。




・・・・・・・・・・・・・・え?10時?





「やっべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
今日は今年からプロに入ってきたキングコブラーズとのデーゲームがある。
優勝争いのまっただ中のこの試合は落とせない。

顔を洗って大急ぎでホッパーズのユニフォームを着て、朝食もほどほどに家を飛び出す。

「芙喜子がいればこんなはずじゃぁなかったのに・・・」
またまた昨日のことを後悔してしまった。





「ゲームセット!!」
市民球場にアンパイアの声が響き渡る。

Kコブラーズ020000131  6 13 1
Oホッパーズ000101000  2 6 3

勝バルソー
敗荷田
S新井


「・・・・・はぁ〜・・・」
今日は惨敗だった。俺の成績は4-0。
練習に遅れて水木コーチに怒られ、荷田君たちに馬鹿にされて、
今日の試合ではチャンスにことごとく凡退。エラーもしてしまった。
「小波どうした?今日は調子が悪かったのか?」
「小波君、なんか会ったんでやんすか?」
監督や荷田君が心配して声をかけてくる。
「いや・・・なんでもないよ・・・それより監督。今日は気分が優れないので練習休んでいいですか・・・?」


「あ・・・あぁ・・」
こんな様子の小波を見たのは初めてだったので、みんな完全に驚いてしまった。
「では・・・」

とぼとぼと小波は帰道についた。


家に着くと、家の前に一人の男性がいるのが見えた。警察官?
彼は俺に気づいたようで、駆け寄ってきた。

「あ、小波さんですか?」
彼は俺にそういってきた。
「あ・・はい・・・なにか?」
彼は懐から警察手帳をだすっとこういった。

「あ、私は並木巡査という者ですが、いや、この家にいる白瀬さんが、死体で発見されたんですよ。あまりにひどいので、死体はお見せすることができませんが・・・。」











             「え?」

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