ぴゅあの部屋ライブドア版Wiki - 裁かるるジャンヌ
「裁かるるジャンヌ」1928年(S)
監督:カール・テオドア・ドライヤー
出演:ルネ・ファルコネッティ

やっと、長年探し求めたこの作品がみれました!
DVDだとすごく画質がキレイ!
アップが多いから肌の質感がすごいです。
この映画は、風景や人の全体像はほとんどでてきません。
人間のアップだけでみせるカメラ、
表情だけで全てを表現する手法が素晴らしいです。

非情で卑劣な理不尽な宗教裁判にかけられたジャンヌ。
誘導尋問によって不神信者にさせられ
神の使いから悪魔の使いにすりかえられてしまう。
本当の神はなんなのかということは別にして
体裁だけの教会こそが正義という論法です。
「どうあっても普通の死に方で死なせたくない」なんて・・

ジャンヌの生き血を採るシーンは惨いです。
ジャンヌの指輪を取る老人。
拷問で無理矢理言う事を聞かせようとする。
嘲り笑う裁判官と僧侶たち。
フランス王の手紙を偽造してサインさせようとする。
ジャンヌは動揺する。困惑する。涙する。絶望する。
髪を切られるのは、みていて痛々しいです。

「私は神の子供です」

一度は死の恐怖から助かりたいとウソをついたものの
己の信じる神への想いを裏切らない為に前言撤回する。
そして、はりつけにされて火あぶりの刑を受ける。
土を掘り起こして出てきた骸骨に虫がうじうじとうねっている・・
苦痛に歪むジャンヌの顔。
そして、起こる民衆の大暴動。
自らの命を失うことよりも、神を信じる心に正直に生きたジャンヌ。
彼女の心はフランスの永遠の心となったのです。



2021/8/21

【映画】裁かるるジャンヌ【感想】



1928年。
勇ましい英雄としてでなく、
一人の女性としての素顔。
神に告げられ、髪を切り戦場に赴く覚悟。

鎖に繋がれ、冷酷な裁判の尋問に涙する。
神の子から悪魔の子へ。死への恐怖。

最後まで信仰と誇りを持ったジャンヌ。
火あぶりにされる彼女の苦痛の表情!
言葉以上の魂の叫びが伝わってきます!

サイレントだけに、心の描写が素晴らしいです。
宗教なんて、争いしか生まないのに…。

舞台女優で映画出演は今作だけでしたが、
主演のルネ・ファルコネッティの演技には称賛!