ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

人工文字・改良文字編】カテゴリです。
ラテン・ギリシャ・キリル系統の文字を改造した人工文字をまとめます。

大文字のみ

ティボーディン文字 - Thibaudin’s Proposed Original System

http://www.believermag.com/issues/200809/?read=art...
  • 作成者: オーギュスト・ティボーディン Auguste Thibaudin (発表年: 1842)
  • 出典:『A. Thibaudin's proposed original system for a radical, universal & philosophical reform in the spelling of languages』(1842)
ラテン文字の大文字と算用数字に、角形の拡張文字(サンセリフ書体)と左右逆の《3》(英語[ə]又は[ʌ]音, フランス語[œ]音)を加えた人工文字。
英・フランス・スペイン・イタリア・ポルトガル・ギリシャ・ドイツの6ヵ国語を表記できる。
  • 数字の音価は、1[y], 2[u], 3[ø], 4[o], 5[ɔ], 6[i], 7[e], 8[ɛ], 9[a, ɑ, æ]。
  • フランス語鼻音表記は、UN《ᒥ》[œ̃], ON《ᒣ》[ɔ̃], IN《ᒪ》[ɛ̃], AN《ᒧ》[ɑ̃]。
  • 逆コンマ《ʻ》は無音を示し、〈CH〉や〈GN〉などの連字にインバーテッドブリーブ《◌͡◌》を付加する。
  • 節記号《§》を横倒しにしたダイアクリティカルマークを〈TH〉の上に付加して、[θ]音を表す。

クラヴィグラフィー - Clavigraphy

ラテン文字の大文字だけを使用した人工文字で、スペース調整文字 (《´》[a]や《`》[ɛ]など)や速記文字で母音を示したり、OU《Ȣ》[j] などの拡張字母を採用している。
フランス語と英語に対応している。

フレイザー文字 - Fraser Alphabet / Lisu Alphabet

http://www.omniglot.com/writing/fraser.htm
http://www.unicode.org/charts/PDF/UA4D0.pdf
  • 作成者: ジェームズ・オストラム・フレイザー (発表年: 1915)
中国やミャンマーのリス語を表記する文字で、ラテン改造文字としては最も有名。
基本書体はサンセリフ体。1992年、中国におけるリス語の公式文字に定められた。
ラテン文字の向きを逆転させて新字母を作成し、リス語に適応させている。
通常の欧文句読点を声調記号に転用している。
ユニコード5.2で採用されたが、2010年2月現在、対応フォントはQuivira (3.2以降)などごくわずかしかない。

ルシ文字 - Luci Alphabet

http://www.tuvalkin.web.pt/unicode/
  • 作成者: アントーニオ・カティータ
ラテン文字とカナダ音節文字の影響を受けた人工文字。
字母の向きを変えて発音を変化させている。
母音は《I》[i]を除いて、クリー文字のように《Δ》の向きを変化させて発音を示す。
《S》[s]や《Z》[z]はラテン文字をそのまま取り入れている。
字母の中央部に点や斜線を付加したり、ダイアクリティカルマークで近似音を表記する。
数字は独自の数字を採用している。

小文字のみ

シングルサウンド・パー・シンボルアルファベット - Single Sound Per Symbol Alphabet

http://www.anarchytm.com/alphabet/
改造ラテン文字で、IPAのように小文字のみだが、一部大文字も使用される。基本書体はサンセリフ体。
英語以外にもマオリ語表記法も存在。
英語のアルファベットの連字をリガチャ化したり、文字の改造を施している。
アジア・アフリカ各国の識字教育用として使用されている。
キリル文字のバージョンもある。

w.i.t.a. - World Initial Teaching Alphabet

  • 出典:『Using w.i.t.a. and standard orthography in teaching English reading in Nigeria』(1969)
イニシャル・ティーチング・アルファベットを世界各国の言語に対応できるようにした人工文字。
ヨルバ語の初等教育などで使用されていたらしい。

大文字・小文字とも

グランドアルファベット - Grand Alphabet

http://uk.geocities.com/mattwhitaker03/alphabet/al...
http://www.omniglot.com/writing/grandalphabet.htm
英語・ドイツ語・ロシア語表記用に作成された疑似ラテン・キリル系人工文字。
英語・ドイツ語表記用はゲルマティック Germatik と呼ばれ、ロシア語表記用はシリレニック Cyrillenic と呼ばれる。
筆記体もあり、大文字は原型にほぼ近い。
フォントが2種ダウンロード可能。
  • V音は《В》を逆向きにしたもの。
  • 《Ш》がキリル文字そのままの発音で借用されている。

インターベット - INTERBET

http://www.astrolingua.spb.ru/ENGLISH/inter_eng.ht...
・作成者: Vitaly Vetash
ラテン文字やキリル文字を改造した人工文字。
異体字が豊富に存在し、正書法が数年ごとに変更されている(現在は2008年版)。
Omniglotでフォントのダウンロードが可能。

タリーヘ・アラビーヤ文字 - Tarikh-e-3arabiyya

http://www.langmaker.com/db/Tarikh-e-3arabiyya
  • 作成者: Mattias Persson
アラビア文字をラテン文字風に字形を変化させたもので、左から右に書かれる。
アラビア文字と同じくドットやハムザなどのダイアクリティカルマークで字母を識別。
母音字も作られている。

アフリカ文字/バンツー文字 - Afrikanische Schrift / Bantu Alphabet

http://www.africancultur.com/index-Dateien/Page331...
古代エジプト文字(ヒエログリフ・ヒエラティック・デモティック)をラテン文字風に改造した文字。
バンツー諸言語を表記するために考案された。
字形は古代エジプト文字に似たキリル文字・IPA・コプト文字などから採用しているが、発音は著しく異なる。

音節文字化

アルファングル - ALfANGuL

http://www.m-net.ne.jp/~fujimori/
ラテン文字をハングル文字のように並べて音節文字化して表記するもの。
英語とエスペラント語の2種類の表記法がある。

筆記体改造系

ユニバーサル・シラビックス - Universal Syllabics

http://books.google.com/books?id=GogIAAAAQAAJ&hl=j...
  • 作成者: ロバート・ハント Robert Hunt
1870年代に考案されたラテン文字筆記体をもとに、ヘブライ文字などの変化させたものを含んだ人工文字。
ラテン系由来のものは、フォノタイプの影響が強い。
無声音や短母音は細字、有声音やアクセントの強い母音は一部箇所が太字になるところが、速記文字の要素を取り入れている。
摩擦音は破裂音字母が基線から下へ少し伸ばすことで表現する。
MやNなどに語末形が存在し、基本字からカール箇所を抜いたものとなっている。
二重母音は母音字2種の合成による。又、二重子音字も見られる。
声調記号は4種類あり、上付きは高音調、下付きは低音調となる。

語原暗号文字 - Etymologic Cipher Alphabet

http://www.archive.org/details/etymologiccipher00k...
  • 作成者: John M. Kluh (発表年: 1922)
1922年に作成されたラテン文字とヘブライ文字の筆記体をベースにした人工文字。
子音字はのちに作成されたシェイヴィアン文字の用に文字の向きを変えて表現する。
母音字のほとんどはフォノタイプ系から取り入れられている。
60文字あり、数値はそれぞれ1から60に対応している。

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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