ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

拡張ラテン文字辞典】カテゴリです。
基本ラテン文字I i】を取り上げます。
文字名称アイ / I
大文字(半)I、(全)I
小文字(半)i、(全)i
ラテン語名イー / I
IPANo.301 非円唇前舌狭母音/第1基本母音
NATO式呼称インディア / INDIA
セム系文字原義手, 腕
源流フェニキア文字ヨード, ヨッド / YODH, YOD《𐤉》
源流ギリシャ文字イオタ / IOTA《Ι ι》
源流古イタリア文字イー / I《𐌉》
ユニコード(半角)(大)U+0049、(小)U+0069
ユニコード(全角)(大)U+FF29、(小)U+FF49
文字参照(半角)(大)I、(小)i
文字参照(全角)(大)I、(小)i
画数(大)〈セリフ有〉"3画";〈セリフ無〉1画、(小)"2画"
仮名転写イ[i / ɪ]、(半母音の)イ[j]、アイ[a#618;]
ローマ数字数価1《Ⅰ ⅰ》
モールス信号・・[トントン]
点字DOTS-24《⠊》(U+280A)
母音調和前舌母音グループ(トルコ/ハンガリー)、中舌母音グループ(フィンランド)
スモールキャップɪ (U+026A)
上付き文字ᴵ (U+1D35)、ⁱ (U+2071)
下付き文字ᵢ (U+1D62)
イタリックI i 《𝐼 𝑖》(U+1D43C , U+1D456)
ドイツ文字イー / I《ℑ 𝔦》(U+2111 , U+1D526)
フレイザーイ / I《ꓲ》[i]
リガチャIJ[IJ]、ij[ij]
異体字I WITH DOT ABOVE《İ》(U+0130), DOTLESS I《ı》(U+0131), I LONGA《ꟾ》

解説

ラテン文字第9字母で、ギリシャ文字イオタ《Ι ι》とは大文字が共通で小文字も点がないことを除いては近い。
キリル文字のベラルーシ語=ウクライナ語イー《І і》は大小共に共通である。
ラテン語ではIは子音と半母音の両方を表記し、のちに《J》が別字として独立した。

名称

スペイン語では《Y》の名称であるイ・グリエガ I GRIEGA「ギリシャ語のI (=Υ)」と区別する別称として、イ・ラティーナ I LATINA「ラテン語のI」がある。

上点

ティットル TITTLE 或いは ジョット JOT という小文字の上点は、線状字形の紛らわしさの解消のため、11世紀頃に考案され、当初はアキュートに似ていた。
小文字の上にダイアクリティカルマークを付加する場合や《f》及び長いS《ſ》とのリガチャを形成する場合、ティットル TITTLE 或いは ジョット JOT という小文字の上点を取り外した《ı》に付加するが、リトアニア語の音韻表記など上点の上に付加する例外がある。
チュルク諸語のドットなしI
1928年に制定されたトルコ語ラテン文字では《I》と《i》が別の字母として分離し、大文字に小文字の点を付加したもの(→上ドット付きI《İ》)が本来の[i]音で、《i》の点を抜いたもの、すなわちドットなしIがウ[ɯ]音となる(対応する大文字が本来の《I》)。1990年代にチュルク諸語各正書法がキリル文字からラテン文字に切り替えた際に、トルコ語の2つの《I》を採用する言語が多くなった (アゼルバイジャン語、カラカルパク語など)。

発音

基本的な発音はイ[i]であるが、ラテン語同様に半母音を示す言語もある。
オランダ語の連字《IJ》は、ユニコードでは1字扱いの連字《IJ ij》として登録されている。
母音調和ではトルコ語とハンガリー語では《e》や《ö》,《ü》などと同じ前舌母音で、フィンランド語では《i》と同じく中舌母音に属するが、トルコ語の点無し小文字《ı》は後舌母音に属する。
スウェーデン語では《e》や《y》、ダイエレシス付き字母と同じ軟母音に属し、GやKに続く場合に影響する。
マダガスカル語ではキリル文字の《Ь》のように軟音変化が見られる。

字形

サンセリフ体小文字では小文字L《l》と同型であるフォントが多いため、セリフを付加して区別が施されるフォントがある。
筆記体
筆記体大文字ではラテン大文字とかなりかけ離れているものが多く、アメリカ式では小文字Lにほぼ似た字形、コロンビア式では英語大文字T筆記体に似た形状、チェコ式は上部がフック状になっている。

点字

DOTS-24《⠊》が基本字形。世界各国の諸言語のラテン翻字は一部を除き、これに沿っている。
中国式では語中の〈I〉の他、語頭の〈YI〉もこれ一字で表記される。

派生文字

  • ルーン文字ISAZ IS ISS I《ᛁ》。
  • チェロキー文字では小文字から変形した字母である母音字V《Ꭵ》がある。
  • ポラード文字では、ラテン大文字《I》から字形のみ借用した字母HX[ɣ]が使われる。
  • フォックス=ホチャック文字では、ラテン小文字《i》を改造した字母が本来と同じく[i(ː)]音を表す。

特殊用法

スモールキャピタル

  • スモールキャピタル【I】?を参照。

フレイザー文字

用法はラテン文字と共通。

備考

  • 英語では大文字《I》単独で「私」の意味を示し、文中でも大文字のままである。
  • 会社名や商品名の名付け判断では、ブロック体におけるセリフの画数を含まず、縦線のみの1画として扱われている。
  • 商品名などでは上点付き大文字《İ》が付けられる場合がある。

Wiki内検索

メニューバーA

記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

管理人/副管理人のみ編集できます