ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

拡張アラビア文字辞典】カテゴリです。
ラー系の派生字を使用する言語をまとめます。
拡張アラビア【DAL】 | 拡張アラビア【SEEN】

※上部に2種類の点が付いている場合、日本語表記では〈(上部)と(下部)〉、英語表記では〈(BELOW) AND (ABOVE)〉(一部例外有り)になっております。


基本字母

REH - ラー【ﺭ ﺮ】

基本発音ル[r]
数価200
属性太陽文字
ユニコードU+0631
数値参照ر
表示形(独立形)U+FEA9
数値参照(独立形)ﺭ
表示形(語尾形)U+FEAA
数値参照(語尾形)ﺮ
【発音が異なる字母】
・中国(小児経)[ɹ, ɚ]、モプラ[ɾ]
【解説】
アラビア文字第10字母。ラー系の字母は独立形と語尾形のみ。
当初はザーイと同型の字母だった。
ル[r]音及びその近似音を表記する。
中国語小児経ではピンインのアル〈ER〉(注音字母では《儿》)に対応。

ZAIN - ザーイ【ﺯ ﺰ】

基本発音ズ[z]
数価7
属性太陽文字
ユニコードU+0632
数値参照ز
表示形(独立形)U+FEA9
数値参照(独立形)ﺯ
表示形(語尾形)U+FEAA
数値参照(語尾形)ﺰ
【発音が異なる字母】
・ベラルーシ[ʑ]、モサラベ/モリスコ[θ]
【未使用言語】
・マンディンカ
【解説】
アラビア文字第10字母。
当初はザーイと同型の字母だった。
基本的にズ[z]音及びその近似音を表記する。
中世スペインのモリスコ語 Morisco language のラテン文字翻字では、現代スペイン語カスティーリャ方言のセータ《Z》が対応する(Omniglotの Morisco alphabet の項目の翻字より)。

拡張字母

RREH - レー【ﮌ ﮍ】

ユニコードU+0691
数値参照ڑ
表示形(独立形)U+FB8C
数値参照(独立形)ﮌ
表示形(語尾形)U+FB8D
数値参照(語尾形)ﮍ
【使用言語・文字】
・ウルドゥー[ɽ]、ガウリー[ɽ]、カシミール[ɽ]、サラーエキー[ɽ]、シーナー[ɽ]、パトワーリー[ɽ]、バルティ[ɽ]、パンジャブ[ɽ]、ブラーフイー[ɽ]
【解説】
ウルドゥー語の拡張アラビア文字で、ヒンディーのラー HINDI REH という異称がある。
かつてはラーの上に上4点のヌクタ記号が使用されていたが、18世紀後半にそり舌音を示す上付きの(強勢子音の)TAH小文字《ﻁ》に置き換えたもの。
【異体字】
・旧字体はター小文字の代わりに四つの点《ڙ》。

REH WITH SMALL V - 上付小文字V付きラー【ڒ】

ユニコードU+0692
数値参照ڒ
【使用言語・文字】
・クルド[r]
【解説】
クルド語特有の拡張文字。後述の《ڕ》の異体字。

REH WITH RING - リング付きラー【ړ】

ユニコードU+0693
数値参照ړ
【使用言語・文字】
・オルムーリー[ɽ]、パシュトー[ɽ]

REH WITH DOT BELOW - 下1点付きラー【ڔ】

ユニコードU+0694
数値参照ڔ
【使用言語・文字】
・アルウィー[ɾ]、‡クルド[r]、ホラズム[r]、モプラ[r]
【解説】
アルウィー語やマラヤーラム語モプラ方言などドラビダ諸言語に見られる字母。
タミール文字RA《ர》に対応。

REH WITH SMALL V BELOW - 下付小文字V付きラー【ڕ】

ユニコードU+0695
数値参照ڕ
【使用言語・文字】
・AIPA[ɾ]、クルド[r]、シルハ[ᵲ]、トゥアレグ[ᵲ]
【解説】
クルド語やベルベル諸語で使用される拡張文字。
クルド語ではスペイン語の〈RR〉と同じ[r]音を示す。
ベルベル諸語では咽頭化したR音を示す。
【異体字】
・クルド語ではキャロンが移動した《ڒ》ものが異体字として使用される。

REH WITH DOT BELOW AND DOT ABOVE - 上点と下点付きラー【ږ】

ユニコードU+0696
数値参照ږ
【使用言語・文字】
・パシュトー[ʐ]、パシュトー(ギルザイ)[ʝ]、パシュトー(パキスタン)[ɡ]、ベルベル[ᵶ]
【解説】
パシュトー語特有の字母。ラーに隣接した左上と右下のヌクタ記号が特徴。
パシュトー語の各方言によって発音が極端に異なる。
【異体字】
・ベルベル諸語に見られるザーイの下に1点ヌクタを付加したもの。

REH WITH TWO DOTS ABOVE - 上2点付きラー【ڗ】

ユニコードU+0697
数値参照ڗ
【使用言語・文字】
・ダルグヮ[tsʼ]、チェチェン[tsʼ]、モプラ[ɖ]、バルティ、ラック、レズギ
【解説】
カフカズ諸言語のアラビア文字旧正書法で、TSの放出音として使用される。

JEH - ジェー【ﮊ ﮋ】

ユニコードU+0698
数値参照ژ
表示形(独立形)U+FB8A
数値参照(独立形)ﮊ
表示形(語尾形)U+FB8B
数値参照(語尾形)ﮋ
【使用言語・文字】
・アゼルバイジャン[ʒ]、アルバニア[ʒ]、ウイグル[ʒ]、ウズベク[ʒ]、ウルドゥー[ʒ]、オスマン・トルコ[ʒ]、オルムリー[ʒ]、ガウリー[ts]、カシミール[ts]、カバルダ[ʒ]、サラーエキー[ʒ]、シンディー[ʒ]、タジク[ʒ]、ダリー[ʒ]、ダルグヮ[ʒ]、チェチェン[ts]、中国(小児経)[ʐ]、ノガイ[ʒ]、パシュトー[ʒ]、パシュトー(パキスタン)[ʤ]、パトワーリー[ʒ]、バルティ[ts]、バローチー[ʒ]、ブラーフイー[ʒ]、ブルシャスキー、ベラルーシ[ʒ]、ペルシア[ʒ]、ボスニア[ʒ]、モプラ[ɹ]、ラック、レズギ
【解説】
ペルシア語でジュ[ʒ]音を示すため、摩擦音へ変化することを示す上3点のヌクタ記号《∴》を付加したもの。
カシミール語ではツ[ts]音を示す字母として使用され、チェチェン語旧正書法などが同じ発音となっている。

REH WITH FOUR DOTS ABOVE - 上4点付きラー【ڙ】

ユニコードU+0699
数値参照ڣ
【使用言語・文字】
・†ウルドゥー[ɽ]、シーナー[ɖʐ]、シンディー[ɽ]、トルワーリー[ʐ]、パルカリ[ɽ]
【備考】
・ウルドゥー語《ﮌ》の旧字体。

REH WITH INVERTED V - 逆V字付きラー【ۯ】

ユニコードU+06EF
数値参照ۯ
【使用言語・文字】
・AIPA[ɽ]、カシミール[ri]、パルカリ[ɭ]、†ペルシア、モプラ[ri]
【解説】
アラビア国際音声記号 AIPA では、そり舌音のRを示すためにサーカムフレックスを付加したもの。
カシミール語ではデーヴァナーガリー文字VOCALIC R《ऋ》に対応している。

REH WITH STROKE - ストローク付ラー【ݛ】

ユニコードU+075B
数値参照ݛ
【使用言語・文字】
・カヌリ[ɽ]、‡パシュトー[ʐ]
【解説】
カヌリ語特有の拡張アラビア文字。そり舌のR音を表す。
【備考】
・『世界の文字』(松香堂)ではパシュトー語《ږ》をこの字形で紹介していたが、異体字と思われる。

REH WITH TWO DOTS VERTICALLY ABOVE - 上付垂直2点付きラー【ݫ】

ユニコードU+076B
数値参照ݫ
【使用言語・文字】
・オルムリー[ʑ]、トルワーリー
【解説】
オルムリー語 Ormuri language で、そり舌のZ音を示すために垂直に並んだ2点ヌクタ《:》(ザーイの上にヌクタを加点したもの)を付加したもの。

REH WITH HAMZA ABOVE - ハムザ付きラー【ݬ】

ユニコードU+076C
数値参照ݬ
【使用言語・文字】
・オルムリー[r̝]
【解説】
オルムリー語特有の字母で、チェコ語の《Ř》(1989年までのIPAで[ɼ]と表記されていた音)と同じ発音を示すため、ラーの上部にハムザを付加したもの。

REH WITH SMALL ARABIC LETTER TAH AND TWO DOTS - 上付小文字ターと上2点付きラー【ݱ】

ユニコードU+0771
数値参照ݱ
【使用言語・文字】
・コワール[ʂ]
【解説】
コワール語特有の字母。そり舌のS音を示すために、そり舌音を表す小文字TAHの下に2点ヌクタ《¨》を加えた読み分け記号をラーの上に付加したもの。

Wiki内検索

メニューバーA

記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

管理人/副管理人のみ編集できます