ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

拡張文字編】カテゴリです。
特殊な仮名文字を取り上げます。

拡張ひらがな

新沖縄文字 - New Okinawan Hiragana

http://www.wwq.jp/q/
http://en.wikipedia.org/wiki/Okinawan_writing_syst...
  • 作成者: 船津好明
船津さんが琉球方言表記用に作成した特殊ひらがな。初出は『美しい沖縄の方言』(技興社, 1988)。
『月刊言語』(大修館書店)の琉球語関連連載でも使用されたことがある。
  • 《を》にテールを付加して[wu]音を表記。
  • 《い/え》に濁点を付加して /j/(仮名文字ではヤ行)音を表記。
  • ひらがなの下部に小文字を合成して特殊字母を作成。
    • {て+ぃ}の合成で[ti]音。
  • ウヮ[ʔɰ]行音では、{う+わ} の合成字母と、《う》の上部を《ゐ》と《ゑ》の上に付加した字母からなる。
  • 《ん》字に点を付加して[ʼn]を表示。

ケセン文字 - Kesen Script

http://www.epix.co.jp/kesen.html
  • 作成者: 山浦玄嗣
初出は山浦さんの著書『ケセン語入門』(共和印刷企画センター, 1986)で、『ケセン語の世界』(明治書院, 2007)にも収録されている。
東北弁の一種・ケセン語を表すために作成された表記法。
  • 《す》の横棒を消去して、新字母を作成。
  • ラ行に半濁点が付加される字母。
  • ひらがなとカタカナ小文字の組み合わせが使用される。
  • 上昇/下降/高音を表記する記号がある。

アイヌ文字 - Ainu Script

  • 作成者: 山本多助
山本さんがカタカナを変形させてアイヌ語用の文字として作成したもの。
1950年代に『アイヌ・モシリ』で発表された。

島口表記法 - Shimaguchi Script

  • 作成者: 岡村隆博 (作成年: 2001)
カタカナを使って鹿児島県の琉球語奄美方言を表記するために作成された。
2001年に考案し、岡村さんの著書『奄美方言―カナ文字での書き方―』(南方新社, 2007)で詳細がまとめられている。
カタカナの左肩に付加する軟音符《‘》と硬音符《’》が追加されている。
  • 《ヰ》と《ヱ》を小文字にして、それぞれ中舌母音[ï]と[ë]を示す。
  • 無声音を示すために《テ》の下に《。》を付加する。

その他

  • 手紙などで、への右側に“〃”が付加されるものがある (漢字の《様》のしたみず部分の右下のはらいにも付加される例もある)。

変体仮名

拡張カタカナ

ひらがな・カタカナ混淆

スピード・メモ法 - Speed Memorandum Notation

http://sokki.syuriken.jp/t21/
http://dac.gijodai.ac.jp/gifu-cm/h14/sakuhin/kou/8...
  • 作成者: 中根正雄, 中根康雄 (作成年: 1958)
仮名文字を使った特殊な速記法で、1958年は中根式即席速記法、’72年は簡易速記法と呼ばれ、現在の名称になったのは’78年である。
カタカナが短音、ひらがなが長音あるいは拗音([-j-]音)を示す。
中根正雄氏が考案し、孫の中根康雄氏らが改良し、現在のバージョンは『絶妙な速メモ〈速記〉の技術』(2005年・明日香出版社)に詳しく掲載されている。
  • ひらがなのア段が[-ja], イ段が[-juː], ウ段が[-uː], エ段が[-jou], オ段が[-ou]音になっている。
  • 拗音単音を表記する下付ブリーブをひらがなに付加して、イ段のものを[-ju], エ段のものを[-jo]と表す。
  • 撥音[-n]は上付、促音(重子音)は下付の仮名文字で表記。
  • 郵便は《〒》と簡略記号を使用したり、電話は《℡》と表記したりする。
  • ツキイチクンと呼ばれる漢字音特殊表記法を示すために、スラッシュ《/》や点《・》など速記符号が使われる。
  • 改良版では簡易な漢字やラテン文字の頭文字による略語との交ぜ書きも行われる。

人工拡張仮名文字

サヂロ声音記線

http://plaza.rakuten.co.jp/wawiwuwewo/diary/?ctgy=...
ひらがな・カタカナの字形を変化させて、音声記号として使用するもの。
YIやYEなど廃字となった字形も採用されている。
濁点・半濁点だけでなくダイアクリティカルマークも含まれている

AE字母

  • 作成者: 岩崎民平
英語の発音[æ]を示すために作成された特殊文字で、{エ+ア〈⿱丅ア〉}のリガチャ。
昭和20〜30年代の英語発音の書籍用に作成された。
『図解英語小発音学』(小川芳男著/有精堂, 1955)に活字体の字形が掲載されている。
近年は『ローマ字学』(稲葉茂勝著/今人舎, 2019)で、英語の《A》の発音表記に使用された。

なべぶた状のYE字母

http://staff.aist.go.jp/t-tsujino/doc/aikitu/web/w...
辻野匠さんが“日本式ローマ字翻字の推薦”での古文翻字用の字母として提案している。
〈衣〉の字から上部を取って新カタカナ《亠》を作り出し、[je]音に当てている。

新しいラ行

http://www.geocities.co.jp/Milano-Killer/1459/page...
ラ行カタカナに線を加えてL音を表記する人工カタカナ。

田尻式フォニックス仮名

https://sc.benesse-gtec.com/tajiri/consult/answer0...
http://yeemar.seesaa.net/article/11728890.html
島根県の中学校教師・田尻悟郎氏が考案した発音用のカタカナ。
2004年11月3日放送のNHK教育(現・NHK Eテレ)『わくわく授業―わたしの教え方―』で紹介された。
前述の岩崎民平氏考案のAE字母(英語の短音《a》を示す[æ]音)、拡張カタカナYE字母(英語の短音《i》を示す[ɪ]音)の他、田尻氏創作の[ɔ, ɒ]音用字母が使用される。他にも語末の子音はカタカナにラテン小文字が交ぜ書きされる。
ベネッセの本人サイトではフォニックス仮名の改良版が質問ページに記載され、発音の指示のために《舌》や《皿》の太字や白抜き書体―手書きの場合は丸囲み漢字―が使用される。

新しい日本語を作る会のひらがな

http://www.tackns.net/word/new/index.html
日本語の発音をわかりやすくする為に創作された新仮名文字。
ひらがなの〈てぃ〉[ti]と〈とぅ〉[tu]表記を新字母《γ》と《λ》に変更し、〈チ〉[ʧi]と〈ツ〉[tsu]を別のCA行として独立させたり、P音専用の仮名文字を作成して半濁点《゜》を廃止する案や、《わ》を廃字にして〈うぁ〉と連字表記に変更する案がある。
カタカナと紛らわしい漢字の字形はカタカナの字形に統一する提案もある。
  • 創作ひらがなのPI字は、変体仮名YEに《ね》などにあるカールが付加されている。

フランス語カタカナ

https://twitter.com/ncmr460/status/104957575519206...
  • 作成者: ナカムラ
ツイッターのツイートで発表された拡張カタカナ。実用性の高いデザインとなっている。
〈ン〉と〈ヌ〉の合成で〈-NNE〉[-n]音や〈ル〉と〈フ〉の合成で《R》[ʁ]音を示すなど合成が中心となっている。
〈ウ〉と〈オ〉の合成から〈EU〉[ø, œ]や〈OU〉[u]の2種が生み出されている。

仮名文字とその他の文字との混交

YN式ハイブリッド表記

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007228388
http://opac.lib.yamanashi.ac.jp/metadb/up/honkan/1...
  • 作成者: 山田雄一郎, 長瀬慶來
日本・広島県の小学校で使用される英語学習用にひらがな・カタカナとIPAを混交した特殊音声記号
原則としてIPAの母音の発音に近いカタカナが当てられている(例:《オ》[ɔ])。
仮名文字の発音に存在しないものはIPAで表記し、IPAの小文字を大文字化したもの(例:《Ʌ》[ˈʌ])で強勢を示す。
音節末は《ッ》や《ン》と上付きラテン文字の組み合わせで示すものが多く、《ッᵖ》[-p̚],《ッᵗ》[-t̚],《ッᵏ》[-k̚],《ッᵇ》[-b],《ッᵈ》[-d],《ッᵍ》[-ɡ],《ッᵗᶴ》[-ʧ],《ンⁿ》[-n],《ンᵑ》[-ŋ],《nᵏˡ》[-nkl̩]などの表記がある。

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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