ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

ASCIIのみで表現する特殊文字】カテゴリです、
ASCII文字コードで表現する音声記号を取り上げます。


SAMPAとその派生

SAMPA - Speech Assessment Methods Phonetic Alphabet

http://www.phon.ucl.ac.uk/home/sampa/
http://ja.wikipedia.org/wiki/SAMPA
http://www.let.rug.nl/~kleiweg/sampa/
1987年から欧州共同体が開発し、1989年に基本表記が完成した。
ASCII文字コードのみで発音を表記する方法だが、キルシェンバウム音声記号とは異なる箇所も多い。
小文字はIPAと同じ意味となり、大文字やキルシェンバウム音声記号では使用されない数字も活用している。
当初は英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・オランダ語・デンマーク語の6種類の表記法が考案され、やがて26種類の言語に対応するようになったが、一部言語ではアクセント表記などが異なっている。
アットマーク《@》や疑問符《?》、中カッコ《{》など本来文字ではないものも字母扱いになっている。
  • ロシア語SAMPA表記では他のSAMPAやX-SAMPAと異なり、強勢アクセントを示すASCII引用符《"》が力点を持つ母音字の前に置かれる。

X-SAMPA - Extended SAM Phonetic Alphabet

http://www.phon.ucl.ac.uk/home/sampa/x-sampa.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/X-SAMPA
http://www.let.rug.nl/~kleiweg/xsampa/
・作成者: ジョン・C・ウェルズ
SAMPAを改良したASCII文字コードのみを使用した音声記号。
本来のSAMPAは26種の言語のみ対応していたが、のちにIPAのようにほとんどの音声を表記可能にしたX-SAMPAとなった。
それぞれの表記がIPAに対応し、小文字はIPAと同じ意味となり、大文字やキルシェンバウム音声記号では使用されない数字も活用している。
・X-SAMPAでは、バックスラッシュ(日本語フォントでは円マークで代用)で派生音を表記する。
コンラングX-SAMPA/CXS - Conlang X-SAMPA
http://en.wikipedia.org/wiki/Conlang_X-SAMPA
http://www.theiling.de/ipa/
X-SAMPAを一部修正した音声記号。人工言語関連のメーリングリストで使用される。
キルシェンバウム音声記号から一部字母を借用するなど、字形の変更が8種類に及ぶ。
・IPAの[æ]を示す字母は、X-SAMPAでは《{》だが、CXSでは《&》に変更されている。
コラギア音声記号/KPA - Kolagian Phonetic Alphabet
http://www.io.com/~hmiller/lang/kpa.html
X-SAMPAに一部修正を加えた音声表記法。
IPA以外のラテン文字を翻字できるように、特殊な表記法も案出している。

その他のアスキー系音声記号

キルシェンバウム音声記号 - Kirshenbaum

http://en.wikipedia.org/wiki/Kirshenbaum
http://alt-usage-english.org/ipa/ascii_ipa_combine...
http://faculty.washington.edu/dillon/PhonResources...
・作成者: エヴァン・キルシェンバウム
ASCII文字コードのみで発音を表記する方法で、SAMPA系統とは別の源流のアスキーIPAの代表格。
小文字は基本的にIPAと発音が同じで、大文字も活用している。
一部字母は《<trl>》などの注釈略語付きの括弧代わり不等号を字母の後に付ける (例:IPAの[r]は《r<trl>》)。
アンパサンド《&》とアットマーク《@》を母音、疑問符《?》とアステリスク《*》を子音の拡張文字としている。
・そり舌音表記には右側にピリオド《.》との連字となり、吸着音表記には感嘆符《!》との連字、歯音表記は左側の角カッコ《[》との連字となる。

ワールドベット - Worldbet

http://cslu.cse.ogi.edu/tutordemos/SpectrogramRead...
基本的にASCII文字コードで世界中の発音を表記する方法。
ASCIIコードの記号や大文字を取り入れている他、連字方式を取り入れている。
拡張記号としてASCII外の《¡》と《¿》が特殊表記で使用される。

アスキーIPA - ASCII IPA

http://www.blahedo.org/ascii-ipa.html
ASCII文字コードのみで表現する音声記号は他に、CB式, カラスケル式, ブラナー式がある。
厳密にはキルシェンバウム音声記号も含まれる。
それぞれ記号や括弧類を駆使しているのが特徴。
CB式アスキーIPA - Coutts-Barrett System
IPAの形状に合わせて、ラテン文字の前に記号を置いて表現するシステム。
例えば、カール付き字母や《γ》由来の字母にはアンパサンド《&》、縦棒《|》をBの前に置いてでベータ[β]を示している。
・IPAでは上下逆或いは左右逆の字母に相当するものを示すには、セミコロン《;》を由来となったラテン文字の前に置く。
カラスケル式アスキーIPA - Carrasquer's System
引用符《"》やアステリスク《*》を字母の後に付加する形式が多い。
他のアスキーIPA系統とは異なり、ダイアクリティカルマークの代替記号があまりない。
ブラナー式アスキーIPA - Branner's System
http://www.linguistlist.org/issues/5/5-806.html
連字の後に閉じ丸括弧《)》を置いて、本来のIPAではリガチャとなる発音を示している。
そり舌音はラテン文字と〈r)〉との連字となる。
・IPAでは上下逆或いは左右逆の字母に相当するものを示すには、アンパサンド《&》を由来となったラテン文字の後ろに置く。
・声調表記はチャオ式数字表記法と同じ方式である。
・IPAでは未公認及び廃字となった中国語やチェコ語などの発音を示す特殊な音声記号の翻字もある。
アレクシエフ式アスキーIPA - Alexiev's Notation
http://www.travelphrases.info/languages/englishusi...
表記法はブラナー式アスキーIPAと共通しているものが多いが、ASCIIコードのサーカムフレックス《^》を母音字としているのが最大の違い。
Rsynth式アスキーIPA
http://faculty.washington.edu/dillon/PhonResources...
音声合成シンセサイザソフトの記法に使用される。キルシェンバウム音声記号に近いが、一部異なる。

アンチムーン式アスキー音声字母 - Antimoon's ASCII Phonetic Alphabet

http://www.antimoon.com/how/pronunc-ascii.htm
英語教育用のため、英語のみに対応している。
一般のアスキーIPA系統の音声記号と発音が異なる母音字が多い。
子音字に追加字母は無く全て小文字と大文字の組み合わせによる連字で、母音字のみアスキー文字で補っている。

モービー・プロナンシエーターの音声表記 - Moby Pronunciator's Phonetic Notation

http://icon.shef.ac.uk/Moby/
http://en.wikipedia.org/wiki/Moby_Project
・作成者: グレイディ・ウォード
語彙シソーラス用のパブリックドメイン・リソースである Moby Projectのひとつである、Moby Pronunciatorという発音表記リソースで使用されているアスキー文字コード使用の発音記号。
qを除くラテン文字の大小文字、そして《&》と《@》で発音を表現する。
音声単位はスラッシュ《/》で区切る。
・ラテン文字と拡張文字2字の他、ハイフンマイナス《-》をIPAの[ə]音の字母として使用している。
・《@r》[ɚ]という連字の特殊表記として《(@)r》[ɛɚ]や《[@]r》[ɝ]が見られる。

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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