世界の特殊文字ウィキ - ミドルチルド付き【D】
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ここでは、ラテン文字ミドルチルド付きD LATIN LETTER D WITH MIDDLE TILDE を取り上げます。

LATIN SMALL LETTER D WITH MIDDLE TILDE - ミドルチルド付きD小文字【ᵭ】

文字名称不明
大文字ユニコード未登録
小文字
文字部首D部
ユニコード(小)U+1D6D
文字参照(小)ᵭ
仮名転写ドゥ[dˠ, dˤ], デ[de], デル[der]
IPA点字DOTS-145+5+12456《⠙⠐⠻》
ASCII翻字X-SAMPA《d_e》, キルシェン《d<H>》
代替字形dˠ dˤ (1989年以降のIPA)

由来

解説

IPAの補助記号であるチルドオーバレイ TILDE OVERLAY を付加した字母。
軟口蓋化した[d]、又は、咽頭化した[d] (アラビア語DAD《ﺽ》の音) を示す。
1989年以降、上付きラテン文字ガンマ?《ˠ》と上付きラテン文字有声咽頭摩擦音?《ˤ》がIPAに追加されてからは、前者は上付きガンマ、後者は上付き有声咽頭摩擦音で代用することが許容されるようになった。
CanIPAでは軟口蓋化したもののみを示す。
ユニコードでは、4.1で採用された。

中世ヨーロッパ略字

中世ヨーロッパ略字では、チルド及びチルドオーバレイ付き字母は略記を示す。
単独では denarius「銀貨」や dies「日」、di「神々 (複数形主格)」を示す。
他にも〈DE-, DER-〉を表す。
古英語で書かれた土地台帳『ドゥームズディ・ブック Domesday Book』(1089年)では、〈DE-〉の他に〈DEDIT〉を示す。

カストレン文字

ウラル諸語やチュルク諸語・ツングース諸語の発音表記用として19世紀中頃に使用されていたカストレン文字では、カラガス語及びハカス語コイバル方言の表記などで大文字が使用される*1
大文字の形状はストローク付きDの左側の横線に対して、右側のボウル部分中央にチルドオーバレイが付加されている。
なお、カストレン文字のアルファベット表では、小文字のみが例示されている。

使用言語・文字

特殊文字

  • IPA[dˠ, dˤ]、カストレン、CanIPA[dˠ]、中世ヨーロッパ略字[de-, der-, denarius, dies, diː]、中世ヨーロッパ略字(古英)[de-, dedit]

異体字

  • ボウル部分にチルドオーバレイが付加されているもの。主にカストレン文字で見られる。

関連項目

親字

チルドオーバレイ付き字母

近似字

参考HP

ラテン文字

【LATIN SMALL LETTER D WITH MIDDLE TILDE - fileformat.info】
http://www.fileformat.info/info/unicode/char/1d6d/...
【LATIN SMALL LETTER D WITH MIDDLE TILDE - decodeunicode.org】
http://www.decodeunicode.org/en/u+1d6d/properties
【N2632 - Proposal to Encode Phonetic Symbols with Middle Tilde in the UCS】
http://std.dkuug.dk/JTC1/sc2/WG2/docs/n2632.pdf
【Scribal abbreviation - Wikipedia】
http://en.wikipedia.org/wiki/Scribal_abbreviation
【A dictionary of the art of printing】
http://books.google.com/books?id=QLXukDnn4PMC&hl=j...
【Typographia, or the Printers' instructor】
http://books.google.com/books?id=_zgWAAAAYAAJ&hl=j...
【M. Alexander Castrén’s Versuch einer koibalischen und karagassischen sprachlehre】
http://books.google.com/books?id=xuUUAAAAYAAJ&hl=j...