世界の特殊文字ウィキ - 大文字が小文字と別の意味となるもの
拡張ラテン文字辞典】カテゴリです。
小文字のみで表記される発音記号や一部の正書法で、大文字の特殊用法の意味を取り上げます。

主な例


●アメリカ音声学記号や北米のクラマス語正書法では、大文字表記は無声を示す。
●IPAではスモールキャピタルが使用できない場合、代用される。
センコテン語正書法では基本的に全て大文字で表記され、小文字は語末の《s》のみ。
●リス語のフレイザー文字は全て大文字で、通常のラテン文字と用法が大幅に異なる。ユニコードでもラテン文字とは別扱いとして5.2に追加された。
●ホチャック語のフォックス文字は、ラテン文字筆記体の小文字と大文字の組み合わせで表記されるが、使えない場合は小文字と大文字を活字体に置き換えている。

基本ラテン

【A】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ḁ]、インド系転写(K-H式)[aː]、X-SAMPA[ɑ]、キルシェンバウム[ɑ]、クラマース[ḁ]、bRitic[æ, a]、ホチャック[h]、ワールドベット[ɑ]

【B】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[β]、キルシェンバウム[β]、ワールドベット[ʙ]

【C】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[ç]、音韻学[子音]、キルシェンバウム[ç]、ワールドベット[ç]

【D】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɾ]、アラブ・チャット[ḍ]、インド系転写(K-H式)[ɖ]、X-SAMPA[ð]、広東[di]、キルシェンバウム[ð]、クリンゴン[ɖ]、ビルマ翻字(澤田式)[d]、マラヤーラム転写(MOZHI式)[ɖ]、ワールドベット[ð]
備考
  • 広東語では方言字《啲》の略字として使用。

【E】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[e̥]、X-SAMPA[ɛ]、キルシェンバウム[ɛ]、クラマース[ɛ̥]、マラヤーラム翻字(MOZHI式)[eː]、ワールドベット[ɛ]

【F】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[ɱ]、ワールドベット[ɸ]

【G】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学、インド系転写(K-H式)[ŋ]、X-SAMPA[ɣ]、キルシェンバウム[ɢ]、クラマース[q]、デネ=コーカサス祖語[ɢ]、ワールドベット[ɢ]

【H】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アラブ・チャット[ˤ]、印欧語学[咽頭音]、インド系転写(K-H式)[-h]、X-SAMPA[ɥ]、キルシェンバウム[ħ]、クリンゴン[x]、フォックス[ɣ]、ホチャック[ɣ]、マラヤーラム翻字[-h]、ワールドベット[ħ]
備考
  • アラブ・チャット・アルファベットでは、THという組み合わせで《ﻁ》[ṭ]或いは《ﻅ》[ẓ]の音を示す。

【I】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[i̥]、インド系転写(K-H式)[iː]、※英語[aɪ]、X-SAMPA[ɪ]、キルシェンバウム[ɪ]、クラマース[i̥]、パンジャブ翻字(カラムジット式)[i]、ワールドベット[ɪ]
備考
  • 英語では「私」の意味の場合、必ず大文字で表記。

【J】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • インド系転写(K-H式)[ɲ]、X-SAMPA[ɲ]、キルシェンバウム[ɟ]、ワールドベット[ɟ]

【K】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[ɬ]、ホチャック[k, ɡ]、ワールドベット[ʁ]

【L】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[l̥]、インド系転写(K-H式)[li]、X-SAMPA[ʎ]、キルシェンバウム[ɬ, ɫ, ʟ]、クラマース[l̥]、デネ=コーカサス祖語[ɮ]、ビルマ翻字(澤田式)[l]、マラヤーラム転写(MOZHI式)[ɭ]、ワールドベット[ʎ]

【M】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[m̥]、インド系転写(K-H式)[鼻音]、X-SAMPA[ɯ]、キルシェンバウム[ɱ]、クラマース[m̥]、ビルマ翻字(澤田式)[ɴ]、ワールドベット[ɱ]

【N】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[n̥]、インド系転写(K-H式)[ɳ]、X-SAMPA[ŋ]、キルシェンバウム[ŋ]、クラマース[n̥]、ビルマ翻字(澤田式)[n]、bRitic[ŋ]、マラヤーラム転写(MOZHI式)[ɳ]、ワールドベット[ŋ]
備考
  • 澤田式ビルマ翻字ではチルドを右に付けた〈N~〉で[ɲ]音を示す。

【O】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[o̥]、X-SAMPA[ɔ]、キルシェンバウム[ɔ]、クラマース[o̥]、マラヤーラム転写(MOZHI式)[oː]

【P】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[ʋ]、キルシェンバウム[ɸ]

【Q】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[ɒ]、キルシェンバウム[ɣ]、クリンゴン[qχ]

【R】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学、インド系転写(K-H式)[ri]、X-SAMPA[ʁ]、キルシェンバウム[ʀ, ɚ]、bRitic[r, ɹ]、マラヤーラム転写(MOZHI式)[ʈ]、ロシア・チャット[ja]、ワールドベット[ʀ]

【S】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アラブ・チャット[ṣ]、インド系転写(K-H式)[ʂ]、X-SAMPA[ʃ]、キルシェンバウム[ʃ]、クリンゴン[ʂ]、ワールドベット[ʃ]

【T】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アラブ・チャット[ṭ]、インド系転写(K-H式)[ɳ]、X-SAMPA[θ]、キルシェンバウム[θ]、ビルマ翻字(澤田式)[t]、マラヤーラム転写(MOZHI式)[ɳ]、ワールドベット[θ]

【U】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • インド系転写(K-H式)[uː]、X-SAMPA[ʊ]、キルシェンバウム[ʊ]、ワールドベット[ʊ]

【V】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[ʌ]、音韻学[母音]、キルシェンバウム[ʌ]、ワールドベット[β]

【W】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ʍ]、X-SAMPA[ʍ]、キルシェンバウム[œ]、クラマース[ʍ]、bRitic[w]、ワールドベット[ʍ]

【X】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • X-SAMPA[χ]、キルシェンバウム[χ]、ワールドベット[χ]

【Y】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学、X-SAMPA[ʏ]、キルシェンバウム[ø]、クラマース[ç]、ビルマ翻字(澤田式)[ὲ]、bRitic[y]、ワールドベット[ʏ]

【Z】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アラブ・チャット[ẓ]、X-SAMPA[ʒ]、キルシェンバウム[ʒ]、ワールドベット[ʒ]

ダイアクリティカルマーク付きラテン文字

N WITH TILDE【Ñ】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɲ̊]

拡張ラテン文字

AE【Æ】

拡張ラテン【AE】
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[æ̥]

L WITH STROKE【Ł】

ストローク付き【L】
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • デネ=コーカサス祖語[dɮ]

ENG【Ŋ】

拡張ラテン【ENG】?
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ŋ̊]

OPEN O【Ɔ】

オープン【O】
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɔ̥]

OPEN E【Ɛ】

オープン【E】?
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɛ̥]

SCHWA【Ə】

拡張ラテン【シュワー】?
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ə̥]

I WITH STROKE【Ɨ】

ストローク付き【I】?
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɨ̥]

U BAR【Ʉ】

バー付き【U】?
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ʉ̥]

TURNED V【Ʌ】

ターンド【V】?
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ʌ̥]

ALPHA【Ɑ】

拡張ラテン【アルファ】
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɑ̥]

M WITH HOOK【Ɱ】

フック付き【M】
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɱ̊]

TURNED ALPHA【Ɒ】

ターンド【アルファ】
特殊な用法で用いる言語・表記法
  • アメリカ音声学[ɒ̥]

ギリシャ文字及びキリル文字

GREEK LAMDA【Λ】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • 音声記号(英辞郎式)[ʌ]

GREEK PHI【Φ】/CYRILLIC EF【Ф】

特殊な用法で用いる言語・表記法
  • 日本音声学[ɸ]
備考
  • 日本の音声学関連書籍のほとんどは、IPAのフィー《ɸ》の代替表記として、ギリシャ文字及びキリル文字の大文字を使用している。