世界の特殊文字ウィキ - 発音仮名
拡張仮名文字】のサブページです。
発音表記用に小文字カタカナおよび濁点など独自のダイアクリティカルマークを使用している仮名文字を取り上げます。

小書き仮名文字

濁点付き仮名文字

半濁点付き仮名文字

丸囲みカタカナ

CIRCLED KATAKANA A-GROPE - 丸囲みア段【㋐, ㋕, ㋚, ㋟, ㋤, ㋩, ㋮, ㋳, ㋶, ㋻】

『マレーシア語会話練習帳』(大学書林)で採用されているア段のカタカナを丸《◯》で囲んでマレー語の《A》の発音の弱音を示すもので、ジャウィ文字アリフ《ا》で表記されない箇所がわかりやすくなっている。
ユニコードでは丸囲みの濁音及び半濁音、拗音は採用されていない。

CIRCLED KATAKANA G - 丸囲みガ行【〓】(※ユニコード未登録)

日本におけるペルシア語の初級者向け学習書における発音表記で《غ》[ɣ]音と《ق》[ɢ]音の双方を示す。

CIRCLED KATAKANA H - 丸囲みハ行【㋩, ㋪, ㋫, ㋬, ㋭】

日本におけるペルシア語の初級者向け学習書における発音表記で《خ》[x]音を示す。

CIRCLED KATAKANA SMALL YA - 丸囲み小書き片仮名ヤ【〓】(※ユニコード未登録)

マレー語の《A》の弱音表記で、SYAを示す〈シ㋳〉やNYAを示す〈ニ㋳〉などの丸囲みヤの箇所を小文字である拗音《ャ》に置き換えて囲んで示す。
ユニコードには丸囲みカタカナ小文字は採用されていない。

CIRCLED KATAKANA R - 丸囲みラ行【㋶, ㋷, ㋸, ㋹, ㋺】

『スペイン語会話「決まり文句」600』(語研)で採用されているスペイン語巻き舌音[r] (語頭の《R》及び連字〈RR〉と書かれる)を示す方法。

CIRCLED KATAKANA N - 丸囲みン【〓】(※ユニコード未登録)

日本の方言学で音節主音の《ン》を示す。
ユニコードのU+32FFはカタカナの《ン》を丸で囲んだものの将来的に追加されることを想定して空けていたが、現在は2019年の和暦における新元号元年のための合字のための予約領域となっている。

ダイアクリティカルマーク

BREVE - ブリーブ【˘】

短音符。
  • かなつき英米会話』(太陽堂書店)では、ア段の字母に付加して短音《A》[æ]音を示す。

CILCUMFLEX - サーカムフレックス【ˆ】

主に声調記号として使用される。
  • 『エスペラント四週間』(大学書林)では、カタカナのハ行にサーカムフレックスを付加して《Ĥ》[x]音を示す。

WHITE TRIANGLE - 三角形【〓】(※ユニコード未登録)

《シ》[ʃi̥]や《ス》[sɯ̥̈]など無声化した子音の上(縦書きでは左圏点)に付加される《△》。
1944年の『文部省制定発音符号』に見られる。

全角連字 - SQUARE DIGRAPH

大学書林の語学書などで見られる、全角文字1字分の枠に《チェ》などの字母を2字分に収めるもの。
このように一字一音であることをわかりやすく表現する。

『基礎ロシヤ語』における全角連字

  • 八杉貞利氏は著書『基礎ロシヤ語』(大学書林)で、子音《シャ》などを一字に収める方法として、ハングル形式の音節文字に仕立てている。この書籍での字母並び順は、子音表示の場合は〈(子音)→(母音)〉となっている。
    • 但し、《Ы》の場合はウィの連字とヌゥイのように /〈上(子音)→下(母音)〉+イ/ という順になっている。
    • 《Е》音の場合は、/上付小文字《ィ》+下付小文字《ェ》/ と リガチャの《イェ》の2種類が使われる。八杉氏の創作による人工拡張カタカナである。

その他

GLOTTAL STOP【ˀ】

IPA由来の発音ガナ用特殊記号で下部のセリフは付かない。声門閉鎖音[ʔ]を示す。
  • 『エクスプレス・フィリピノ語』(白水社)で見られ、仮名文字の左側に付加。

WAVE DASH【〜】

アメリカ英語〈ER〉[ɚ~ɚ]のRの音色《˞》を示し《ア〜》と表記。近年、『リトルスター英絵辞典』(小学館)や『ニュープロシード英和辞典』(ベネッセ)といった初級用英語辞書で採用されつつある。両辞典の編集者である島岡丘氏の考案と思われるが、戦前にも『かなつき英米会話』でこの用法が使用されていた。