世界の特殊文字ウィキ - 発音表記用小書き仮名
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ここでは小書きで表現される発音用拡張仮名文字を取り上げます。

カタカナ小文字 - Katakana Small Letter

横書きでは下付き、縦書きでは右上付きになる小文字のカタカナ。
ユニコード3.2にアイヌ語用の《ㇰ, ㇱ, ㇲ, ㇳ, ㇴ, ㇵ, ㇶ, ㇷ, ㇸ, ㇹ, ㇺ, ㇻ, ㇼ, ㇽ, ㇾ, ㇿ》(但し、JIS X 0213に登録されている[p]音の《ㇷ゚》は合成可能の半濁点との合成で表される)、同12.0に中古漢語用の《𛅤, 𛅥, 𛅦》と日本語諸方言用の《𛅧》が採用され、同15.0で《𛅕》が採用された。
和田研細丸ゴシック・にしき的フォント・Xim Sansの最新版で使用可能となっている。

ア行小文字

SMALL A【ァ】

基本的に〈ファ〉[ɸa, fa],〈ヴァ〉[βa, va],〈クァ〉[kʷa],〈グァ〉[ɡʷa]など合拗音を示す。
日本方言学では津軽弁などのアイ・アエが変化した音〈エァ〉を[ɛ]又は[æ]に当てたり、新潟弁などの〈オァ〉を[ɔ]に当てる。
  • 『世界大百科事典』(平凡社)などで、ラテン語〈VA〉[wa]を示すカタカナ表記はワではなく〈ウァ〉と当てられる。俗ラテン語で[w]音が[v]音に変化した経緯に影響を受け〈ヴァ〉[va]に似せた表記になっている。
  • 『リトルスター英絵辞典』(小学館)などで、無強勢の[ə]音を示す。
  • 『デイリーフォニックス英和辞典』(三省堂)では、〈オァ〉という表記でイギリス英語の[ɒ]音を示す。
  • 東映動画(現:東映アニメーション)から発売されたファミコン用ゲーム『ブラッディウァリアーズ』では〈ウァ〉は英語のウォ[wɔ]が転じたアメリカの方言式発音であるワ[wɑ]の表記となっている。

SMALL I【ィ】

〈ティ〉[ti]と〈ディ〉[di]及び〈スィ〉[si]と〈ズィ〉[zi]などの外来音用。基本的に語末の[j]音や二重母音の[i]音を表し、ウ段の仮名文字に付加して[-wi]を示す。
ロシア語やポーランド語、琉球語の一部方言など〈ウィ〉は中舌母音[ɨ]を示す。
  • 1930年の『八重山語彙』(東洋文庫)では八重山語の中舌子音表記で〈イ゙ィ〉[jï]*1などイ段字母との連字で示す。

SMALL U【ゥ】

〈トゥ〉[tu, -t-]や〈ドゥ〉[du, -d-]などの外来音用で、実際の日本語標準発音は[tɯ]と[dɯ]であるが西日本では[tu]と[du]である。基本的に語末の[w]音や二重母音の[u, ɯ]音を示す。
奄美語の諸方言では〈エゥ〉を /ë/[ɘ]音に当てる。
  • 『リトルスター英絵辞典』などのアメリカ英語をカタカナ緻密に示す方法では、ラ行の先頭に付けて〈ゥラ〉などで/r/[ɹ]音を示したり、ワの先頭に付加して[wʌ]音を示す。

SMALL E【ェ】

〈イェ〉[je]や〈シェ〉[ʃe]などの拗音系、〈ウェ〉[we]や〈フェ〉[ɸe, fe]などの合拗音系を示す。
インド諸言語の発音ガナでは、AI《ऐ, ਐ》の広いエの長音を〈アェー〉[ɛː]で表記するのが慣用となっている。
日本方言学ではオイ・オエが変化した音〈オェ〉を[ø]に当てる。
  • 『リトルスター英絵辞典』では、《ア》の前に置いて〈ェア〉で[æ]音を示すが、『デイリーフォニックス英和辞典』(三省堂)では〈アェ〉で[æ]音を示す。

SMALL O【ォ】

〈ウォ〉[wo]や〈グォ〉[ɡʷo]などの合拗音や〈フォ〉[(日) ɸo, (英) fo]などの外来音用。ドイツ語でAU、中国語普通話でAOと表記される[aʊ]音における〈アォ〉の後半部を示すが、英語の発音表記では〈アゥ〉と表記される。
インド諸言語の発音ガナでは、AU《औ, ਔ》の広いオの長音を〈アォー〉[ɔː]で表記するのが慣用となっている。

カ行小文字

SMALL KI【〓】(※ユニコード未登録)

『ロシヤ語四週間』(大学書林)におけるロシア語〈КЕ〉[kʲe]におけるカタカナ連字〈キエ〉で《キ》が小文字として使われる。

SMALL KU【ㇰ】

ほとんどの発音ガナ表記を採用しているものでは[k]音。アラビア語などの[q]音もこの表記。

SMALL KO【𛅕】

http://std.dkuug.dk/jtc1/sc2/wg2/docs/n3987.pdf
本来は《個》の略記として使用されている小文字。最初にN3987で、アドビ文字コードにあるひらがな・カタカナの両字形がUCSで登録申請され、数回却下されたが、ユニコード15.0で対になるひらがな小文字と共に採用された。
『ニューエクスプレススペシャル日本語の隣人たちII』(白水社)の“シベ語”のカタカナ表記では、語末の[q]音を示すために使用されている。
  • 『青森県百科事典』(東奥日報社)では、津軽弁の指小辞《コ》を示すために用いられ、ひらがなによる見出し語の読み仮名表記も常にカタカナ小文字で表記される。

サ行小文字

SMALL SA【〓】(※ユニコード未登録)

『津軽弁の世界――その音韻・語源をさぐる』(北方新社)及びその続編『津軽弁の世界II』(北方新社)では助詞の《サ》「〜に」を小文字で表記していて、これらの津軽弁表記用仮名文字で小文字で表記される字母《ァ, キャン, サ, ㇱ, ジ, テ, ナ, ネ, バ, ャン, ョ》は“半音節”とされている。著者の小笠原功さんによる表記と思われる。

SMALL SI【ㇱ】

アイヌ語のI音の後の語末[s]音。ロシア語などで子音の[ʃ]音として使われる。
  • 『ロシヤ語四週間』(大学書林)でロシア語軟音〈СЬ〉[sʲ]の発音ガナ表記で見られる。

SMALL SU【ㇲ】

ほとんどの発音ガナ表記を採用しているものでは[s]音。英語などの[θ]音もこの表記。

SMALL SE【〓】(※ユニコード未登録)

  • 『リトルスター英絵辞典』では《ア》の前に小文字の《セ》を置いて[θæ]音を示す。

タ行小文字

SMALL TI【〓】(※ユニコード未登録)

主に英語などの[ʧ]音に使用される。
  • 『公教聖歌集』(光明社)では〈チエ〉の《チ》が小文字になっていて、バチカン・ラテン語の[ʧɛ]音を示す*2
  • 『露西亜語基礎1500語』(1935年・大学書林)ではロシア語シチャー《Щ》の[ʃʲʧʲ]を表すためのカタカナ連字〈シチ〉の《チ》の部分を小書きとして使用*3
  • 『ロシヤ語四週間』(大学書林)ではロシア語軟音〈ТЬ〉[tʲ]の発音ガナ表記で見られる。

SMALL TU【ッ】

促音を表す小文字の《ツ》で、〈ック〉[-kk-]やなど破裂音や〈ッフ〉[-ff-]などの摩擦音、〈ッチ〉[-ʧː-, -ʨː-]などの破擦音などといった重子音を表すが、〈-ッル-〉[-rr-, -ll-]などの流音の重子音表記も見られる。アラビア語発音ガナでは〈-ッワ〉[-wwa ウワ]という接近音の重子音表記も見られる。
沖縄語のカタカナ表記では〈ッヤ〉[ʔʲa]や〈ッワ〉[ʔʷa]のように声門閉鎖音を含む拗音・合拗音や合成子音〈ッン〉[ʔɴ, ʔn-, ʔm-]を示す。
ビルマ語などの声門閉鎖音[ʔ]の語尾を示す表記に見られ、アイヌ語やハングル転写発音表記では語末の子音[-t ット]として使用される。

SMALL TE【〓】(※ユニコード未登録)

  • 『津軽弁の世界』では助詞の《テ》を小文字で表記していて、1巻目ではひらがな小文字の《て》も見られる。

SMALL TO【ㇳ】

ほとんどの発音ガナ表記を採用しているものでは[t]音。アイヌ語でもまれに使用される。

ナ行小文字

SMALL NA【〓】(※ユニコード未登録)

  • 『津軽弁の世界』シリーズでは助詞の《ナ》を小文字で表記している。

SMALL NI【〓】(※ユニコード未登録)

『ロシヤ語四週間』(大学書林)ではロシア語軟音〈НЬ〉[nʲ]の発音ガナ表記で見られる。

SMALL NU【ㇴ】

一部のフランス語表記や中国語発音ガナ表記では[n]音。アイヌ語でもまれに使用される。
フランス語のものでは鼻音は大文字或いは小文字の《ン》で示される。
  • 『ヴィスタ英和辞典』(三省堂)では小文字の《ン》との連字で語末の[-n]音を示す。

SMALL NE【〓】(※ユニコード未登録)

  • 『津軽弁の世界』シリーズでは助詞の《ネ》「〜に」を小文字で表記している。

ハ行小文字

SMALL HA【ㇵ】

ドイツ語発音ガナ表記ではではAの後の〈CH〉[x]音。樺太アイヌ語ではAの後の語末[x]音。
ヘブライ語発音ガナ表記では[h, ħ, x]音。
  • 『ラテン語四週間』(大学書林)などではCHA〈クㇵ〉[kʰa]のような有気音表記で見られる。

SMALL HI【ㇶ】

ドイツ語発音ガナ表記ではIの後の〈CH〉[ç]音。樺太アイヌ語ではIの後の語末[ç]音。
  • 『ラテン語四週間』(大学書林)などではPHI〈プㇶ〉[pʰi]のような有気音表記で見られる。
    • 有気音のティ[tʰi]は〈ティㇶ〉又は〈テㇶ〉が主流だが、稀に〈トㇶ〉表記も見られる。『入門サンスクリット』(三笠書房)では"vṛddhi"の発音カナ表記に〈ヴリッドㇶ〉*4が見られる。

SMALL HU【ㇷ】

基本的に[f]音だが、[h]音にも当てられる。ドイツ語発音ガナ表記におけるUの後の〈CH〉とロシア語発音ガナ表記における《Х》の[x]音。
樺太アイヌ語ではUの後の語末[x]音。
しまくとぅば表記法では[f]音を示す。
  • 『ラテン語四週間』(大学書林)などではRHU〈ルㇷ〉[rʰu]のようなギリシャ語由来の借用語における有気音表記で見られる。
    • 有気音のトゥ[tʰu]は〈トゥㇷ〉又は〈トㇷ〉。
  • 『ランダムハウス英和大辞典(第2版)』(小学館)では〈ㇷル〉で[ɬ]音を表記。

SMALL PU【ㇷ゚】

ほとんどの発音ガナ表記を採用しているものでは[p]音。
アイヌ語で使用されるため、JIS X 0213に登録済みだが、ユニコードでは〈U+31F7,U+309A〉という合成で表現することになる。

SMALL HE【ㇸ】

樺太アイヌ語のEの後の語末[x]音。ドイツ語発音ガナ表記ではEの後の〈CH〉[ç]音。
  • 『ラテン語四週間』(大学書林)などではKHE〈クㇸ〉[kʰe]のような有気音表記で見られる。

SMALL HO【ㇹ】

樺太アイヌ語のOの後の語末[x]音。ドイツ語発音ガナ表記ではOの後の〈CH〉[x]音。
  • 『ラテン語四週間』(大学書林)などではTHO〈トㇹ〉[tʰo]のような有気音表記で見られる。

マ行小文字

SMALL MI【〓】(※ユニコード未登録)

『ロシヤ語四週間』(大学書林)でロシア語軟音〈МЬ〉[mʲ]の発音ガナ表記で見られる。

SMALL MU【ㇺ】

ほとんどの発音ガナ表記を採用しているものでは[m]音。

ヤ行小文字/拗音

SMALL YA【ャ】

基本的に[ja]及びその類似音。カ行における英語の[æ]音でも見られ、〈CA〉[kæ]では《キャ》と表記され〈GA〉[ɡæ]では《ギャ》と表記される。

SMALL YU【ュ】

基本的に[ju]及びその類似音。ドイツ語やフランス語などで[y]音を示す。
表記上イ段以外に置かれることがあり、《テュ》は[tʲu]又は[ty]、《ヴュ》は[vʲu]又は[vy]を示す。

SMALL YO【ョ】

基本的に[jo]及びその類似音。広東語や北欧諸言語などのカタカナ表記では[ø]又は[œ]を示す。
《テョ》は[tʲo]を示す。

ラ行小文字

SMALL RA【ㇻ】

アイヌ語のAの後の語末[ɾ]音。

SMALL RI【ㇼ】

アイヌ語のIの後の語末[ɾ]音。
しまくとぅば表記法では、宮古語多良間方言や八重山語の語末[l]音を示す。
  • 『ロシヤ語四週間』(大学書林)でロシア語軟音〈РЬ〉[rʲ]の発音ガナ表記で見られる。

SMALL RU【ㇽ】

ほとんどの外国語発音ガナ表記では[l]や[r]系統の音。韓国語/朝鮮語の発音ガナ表記で[l~ɭ]音に使用される用法が代表的。
スペイン語RRの発音ガナ表記では〈ㇽル〉[r]表記が多い。
アイヌ語のUの後の語末[ɾ]音。
  • 『現代フランス語辞典』(白水社)では〈(ㇽ)ラ〉[(l)la]のような用法が見られる。

SMALL RE【ㇾ】

アイヌ語のEの後の語末[ɾ]音。

SMALL RO【ㇿ】

アイヌ語のOの後の語末[ɾ]音。

ワ行小文字/合拗音

SMALL WA【ヮ】

基本的に[wa]及びその類似音であるが、現在は円唇化した[-ʷa]を示す発音カナは《ァ》が多く使用される。

SMALL WI【𛅤】

島口表記法における琉球語奄美方言の中舌母音[ï]。『奄美方言』(南方新社)に見られる。

SMALL WE【𛅥】

島口表記法における琉球語奄美方言の中舌母音[ë]。『奄美方言』(南方新社)に見られる。

SMALL WO【𛅦】

台湾語仮名表記*5では《ヲ》[ə, o](注音符号ではE《ㄜ》、教会ローマ字では《O》に対応)の小文字が声門閉鎖音で終わる[-əʔ]を示し、連字〈ヲヲ〉の末尾が小文字になっているものでは[əʔ]を示す。
中国語ピンインの〈E〉[ɤ]を《ヲ》で当てたときに、その小文字が該当母音であることを示す表記が昭和時代の中国語学習書に多く見られたが、平成時代の語学書でも『辞書なしでも学べる入門 中国語の最初歩』(三修社)などでまれに見られる。
例えば中国語の〈KE〉[kʰɤ コヲ]を〈くヲ〉(『中国語の最初歩』の発音表記では[kʻɤ])で示すときに用いられる。

その他

SMALL N【𛅧】

日本語の方言関連書籍やフランス語の文法書や辞書で鼻音を示す。
日本語方言学では前鼻音の〈ンド〉[n̆d](日本語学では日本音声学記号の[ⁿd]が多く使われる)や〈ンブ〉[m̆b](日本音声学記号では[ᵐb])の《ン》を上付き文字として表記する慣用があり、他の外国語学にもこの表記が使われることがある。
韓国語の入門書では終声のNIEUN《ㄴ》[-n]を示し、終声のEUNG《ㅇ》[-ŋ]を大文字の《ン》又はひらがな小文字の《ん》で区別する方式が見られる。

ひらがな小文字 - Hiragana Small Letter

横書きでは下付き、縦書きでは右上付きになる小文字のひらがな。
ユニコード12.0で小文字の《ヰ・ヱ・ヲ》と対になるものが採用され、ユニコード15.0で小文字の《コ》と対になる《こ》の小文字が採用された。
にしき的フォントのバージョン4.40以降のU+F7C00番台ではひらがな・カタカナの外字が収録されている。

SMALL HIRAGANA KO【𛄲】

  • 津軽弁の名詞の接尾語である《コ・こ》を表す。

SMALL HIRAGANA SU【〓】(※ユニコード未登録)

  • 英語の無声の〈TH〉[θ]を示す。カタカナの小文字《ス》が[s]音を示すことから、その区別のために使用される。

SMALL HIRAGANA HU【〓】(※ユニコード未登録)

英語のF音[f]に当てる初等教育用英和及び和英辞典で見られる。
  • 『ロシヤ語四週間』(大学書林)ではХ[x]音を示す。

SMALL HIRAGANA RU【〓】(※ユニコード未登録)

ほとんどの外国語発音ガナ表記では[l]音。
フランス語辞書では[ʁ]音、ドイツ語辞書では[ʀ]音など英語以外の《R》の発音カナ表記に使用される場合があるので注意。
  • 『ロシヤ語四週間』(大学書林)ではЛ[l]音を示す。

SMALL HIRAGANA WI【𛅐】

SMALL HIRAGANA WE【𛅑】

SMALL HIRAGANA WO【𛅒】

SMALL HIRAGANA N【〓】(※ユニコード未登録)

日本語の方言関連書籍で鼻音を示す。
日本語の諸方言表記では前鼻音の〈んど〉/ⁿd/ [n̆d]や〈んぶ〉/ᵐb/ [m̆b]の《ん》を示す。
近年は『図解でわかる韓国語』(アルク)などの韓国語発音仮名でIEUNGの終声《ㅇ》[-ŋ]を示すために用いられるようになってきている。
方言表記での使用頻度がかなり高いにもかかわらず、ユニコードコンソーシアムの追加申請で却下されてしまった。

上付きカタカナ - Modifier letter Katakana

http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1040437/142
子音のみを示すカタカナとしては、『解説梵文観音経』(名古屋新聞社出版部)、『カナで引く外国語辞典』(三省堂)で採用されている。
カタカナ小文字と同じ用法で、ユニコードには採用されていない。

MODIFIER LETTER KATAKANA A【〓】

『カナで引く外国語辞典』ではドイツ語〈-ER〉における〈R〉の[ɐ]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA I【〓】

小文字同様、基本的に[j]音や二重母音の[i]音を示す。
  • 『初等露西亜語文法』(大倉書店)では〈イエ〉のイが上付きで《Е》[je イェ]の音を示す*6。。

MODIFIER LETTER KATAKANA U【〓】

小文字同様、基本的に[w]音や二重母音の[u]音を示す。
  • 『初等露西亜語文法』では〈ウイ〉のウが上付きで《Ы》[ɨ ウィ]の音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA KU【〓】

小文字同様、[k]音及び[q]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA SI【〓】

小文字同様、[ʃ]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA SU【〓】

小文字同様、[s]音及び[θ]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA TI【〓】

小文字同様、[ʧ]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA TU【〓】

小文字同様、[ts]音を示す。ハングルを仮名文字で翻字した場合の[t]音もこの字を使う。

MODIFIER LETTER KATAKANA TO【〓】

小文字同様、[t]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA NI【〓】

スラブ諸語に限り、[ɲ]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA NU【〓】

フランス語の語末〈-NE〉に限り、[n]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA HA【〓】

樺太アイヌ語の〈-AH〉の語末やドイツ語の〈-CH〉における[x]音を示す。又、[h]音を示すことも。

MODIFIER LETTER KATAKANA HI【〓】

樺太アイヌ語の〈-IH〉の語末やドイツ語の〈-CH〉における[ç]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA HU【〓】

小文字同様、[f]音, [h]音, [x]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA HE【〓】

樺太アイヌ語の〈-EH〉の語末やドイツ語の〈-CH〉における[ç]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA HO【〓】

樺太アイヌ語の〈-OH〉の語末やドイツ語の〈-CH〉における[ç]音を示す。
『カナで引く外国語辞典』では、英語〈WH-〉[hw-~ʍ-]を表す際の〈ホワ〉の先頭のホを上付きで表記。

MODIFIER LETTER KATAKANA MU【〓】

小文字同様、[m]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA YU【〓】

『カナで引く外国語辞典』ではフランス語〈-ILLE〉[-j~-ʝ]音を示す。

MODIFIER LETTER KATAKANA RA【〓】

『カナで引く外国語辞典』の方式ではアイヌ語のア段[-a-]の後の《-R》[-ɾ]音を表す。

MODIFIER LETTER KATAKANA RI【〓】

『カナで引く外国語辞典』の方式ではアイヌ語のイ段[-i-]の後の《-R》[-ɾ]音を表す。

MODIFIER LETTER KATAKANA RU【〓】

小文字同様、[r]音や[ɾ]音などラテン文字《R》で表現される音や側面音[l]音を示す。
『カナで引く外国語辞典』の方式ではアイヌ語のウ段[-u-]の後の《-R》[-ɾ]音を表す。

MODIFIER LETTER KATAKANA RE【〓】

『カナで引く外国語辞典』の方式ではアイヌ語のエ段[-e-]の後の《-R》[-ɾ]音を表す。

MODIFIER LETTER KATAKANA RO【〓】

『カナで引く外国語辞典』の方式ではアイヌ語のオ段[-o-]の後の《-R》[-ɾ]音を表す。

MODIFIER LETTER KATAKANA N【〓】

原則的に[n]音であるが、アジア系言語における[ŋ]音や[ã]などの鼻母音を示す。又、[-mp]などの先頭の[m]音を表す。
『カナで引く外国語辞典』では、ビルマ語[ŋ]の語頭を表す際に〈ンガ〉などの先頭のンを上付きで表記する。
『世界の文字』(松香堂)では、発音表記の《ṅ》[ŋ]の発音を示す際に先頭のンが上付きの〈ング〉などので表記する。

上付きひらがな - Modifier letter Hiragana

https://shimakutuba.jp/ctladmin/wp-content/uploads...
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/bunka-sports/b...
琉球諸語の共通仮名文字表記である“しまくとぅば表記法”で使用される上付きひらがなで、対になる上付きカタカナも存在。
ユニコード未登録。

MODIFIER LETTER HIRAGANA A【〓】

沖縄語に見られる“緩やかな声立て”を示すために〈ぁあ・ァア〉[ʼa]の小文字《ぁ・ァ》を上付き文字にして示す。

MODIFIER LETTER HIRAGANA I【〓】

緩やかな声立ての〈ぃい・ィイ〉[ʼi]の小文字《ぃ・ィ》を上付き文字にして示す。

MODIFIER LETTER HIRAGANA U【〓】

緩やかな声立ての〈ぅう・ゥウ〉[ʼu]の小文字《ぅ・ゥ》を上付き文字にして示す。

MODIFIER LETTER HIRAGANA E【〓】

緩やかな声立ての〈ぇえ・ェエ〉[ʼe]の小文字《ぇ・ェ》を上付き文字にして示す。

MODIFIER LETTER HIRAGANA O【〓】

緩やかな声立ての〈ぉお・ォオ〉[ʼo]の小文字《ぉ・ォ》を上付き文字にして示す。

MODIFIER LETTER HIRAGANA TU【〓】

琉球諸語の喉頭化音[ʔ◌]及び放出音[ʼ]を示す。〈っわ・ッワ〉[ʔwa]や〈っとゎ〉[tʼwa]などの小文字《っ・ッ》を上付き文字にして示す。

MODIFIER LETTER HIRAGANA HU【〓】

八重山語の[f]音を示すために、ア行音大文字及びヤ行音大文字の左肩に付加する。

MODIFIER LETTER HIRAGANA N【〓】

緩やかな声立ての撥音を示すために《ン》の左肩に付加する。

スピードメモ法の小書き仮名文字

http://dac.gijodai.ac.jp/gifu-cm/h14/sakuhin/kou/8...
中根式簡易速記法では、上付きカタカナは撥音の《ン》[-ɴ, -ŋ-, -ɲ-, -n-, -m-]を含む特殊文字として使用し、仮名文字全種類分が存在する。
カタカナ小文字は促音の《ッ》[-kk-, -ss-, -tt-, -pp-他]を、小文字のツと同じ幅になったカタカナで示す。例えば《ッ》は[ʦɯk-, ʦɯt-, ʦɯp-他]と〈ツッ〉の音を示す。

関連サイト

【Kana Proposal - GitHub】
mandel55さんが中心となってユニコードに登録されていない仮名文字の小文字をユニコードコンソーシアムに追加提案を出すプロジェクトのサイト。