銭湯wiki - 快哉湯
東京都東台東区の銭湯、快哉湯



昭和通りから1本裏手の路地に建つレトロ銭湯。
黒瓦の載った千鳥破風屋根の入口には屋号入りのオリジナル暖簾が風邪にはためいている。
外観を眺めるとその上の脱衣所棟には小型の千鳥破風がふたつ並んでいる少し特徴的な装飾になっている。
入口には今時珍しく自動販売機が無いのがいい。
人や車の通りの少ない路地から眺めると、昔ながらの銭湯がそこにある。



男湯は左手、下足箱に靴をしまい中へ。
番台の女将に料金を支払う。

高い天井は少し簡易的な格天井になっていて、そこから天井扇が下がっている。
ロッカーは島ロッカーと外壁側のロッカーがある。
入口側にはガラス戸、その外には欄干付きの濡縁。
その外は坪庭スペースで岩を積んだ築山に池がある。
池には水が入れられていないのがちょっと残念。
男女境壁は背の高い大きな鏡が二枚。
大黒柱には古い柱時計が現役で、振り子のガラス戸には金文字で屋号が入れられている。
番台近くの通路横には古い注意書き看板があり、「坂本警察署・坂本浴場組合」と昔の名称が書かれていた。

浴室との境はガラス戸、開けて入ると奥行きが若干短いからなのか、湯気抜きの二段天井がとても高く感じる。
奥壁には早川絵師の『西伊豆 20.10.2』駿河湾越しの富士山が健在だ。
その下は深浅の2浴槽となっている。

カランは両壁側とシャワー無しの島カラン1基、男女境壁から7.5.5.6の配列となっている。

外壁側には木枠の古い窓がある。
向かって左右は上下段の大きな木枠窓、真ん中は少し引っ込んだ造りになっていて少し小さめの、これも木枠の窓が付いている。
引っ込んだ部分には台の様な小スペースがあり、古いマジョリカタイルが貼られた凝った造りになっていた。

夕方の5時近く、相客は5人ほど。
落ち着いた昔ながらの銭湯を充分に味わう事が出来た。

快哉湯は古いままをそのままに手入れされており、余計なものはほとんど置いていないのがいい。
昔ながらの銭湯の姿をよく留めた素晴らしき銭湯であった。




住所・東京都台東区下谷2-17-11 営業は16:00〜24:00

お休みは木曜日
ライブドア地図快哉湯



*銭湯の情報については掲載時と変わっている可能性もありますので、ご利用の際はご自身にて確かめる事をお勧めします。
また、銭湯は近所の人の生活の場です。けして近所の人に迷惑をかけないようにしましょう。

平成26年3月30日取材撮影