銭湯wiki - 船橋湯
 東京都世田谷区桜丘の銭湯、船橋湯です。
平成19年4月30日をもって営業終了・廃業となりました

船橋湯は東京都公衆浴場組合のホームページでは駅から0分となっていますが、実際は入口には駅から回り込む為に0分ではありません。
付近は再開発で歯抜け状態になっていて駅から同湯のレトロな建物の裏側が見えます。

同湯は小田急線の千歳船橋駅北口を出て駅前の商店街を左に行きます。
すぐに次の角、洋菓子「ナポリ」の角を右に曲がると右側に少し入った所に船橋湯があります。
廻りは順次リニューアルされて新らしめの店が多い商店街ですが、同湯の前に到着すると、そこだけ奇跡のように昔のままの空間が広がっています。



建物の感じから大正か昭和初期に建てられた銭湯と思われます。
暖簾をくぐると狭いめの下足スペース、右が男湯です。

中戸を開けて脱衣場に入ると低い番台に座る女将に料金を支払います。
脱衣場は横長のスペースで外壁側にロッカーがあり、脱衣カゴも積まれています。
天井は高く格子になっていて、男女とも真ん中に菱形に木枠の装飾で男湯側は照明の電源が中央から出されています。

浴室は奥壁に中島師の富士山のペンキ絵があり、その下に広告枠、さらに下側にタイル絵、池と灯篭、池に鯉の2枚があります。
その下は浴槽、左に深浴槽、右に浅浴槽でいずれも仕掛けの無い澄んだ湯が満たされています。
男女境壁にもタイル絵があり、脱衣場側から雉、鷹、鹿に五重塔の図柄のものが並んでいます。
カランは両壁側と島カラン1基、島カランは鏡の無いシンプルなものです。
カランの上の台は狭く、茶色の細かいタイルが貼られたレトロなものです。

湯は熱いですが、薪で炊かれた気持ちの良い湯でした。
ご常連の方々はみな名残を惜しむように入浴されていました。



同湯跡地はマンションになるとか。
駅前の立地を考えれば、よく今まで残っていたと思います。
付近は以前は下町っぽい街並みでしたが、千歳船橋駅も近年リニューアルされて町の雰囲気も少しずつ変わっています。
時代の流れで仕方ないのでしょうが、こんな銭湯が無くなってしまうのはとても残念です。


正面屋根部分・なにも手を入れていない昔のままがある。


傘を引き取りに来る人ももういない。


もうすぐ同湯最後の営業の灯も消える。


ライブドア地図船橋湯