平成21年1月2日
岡一族の歴史
ミクシー友達のお子様ランチさんに「岡一族」と言われて、一念奮起、我が家のルーツを書いておこうと思う。実は大学時代、「ルーツ」というアメリカのテレビドラマに刺激されて、ルーツ探しをしたことがある。倉敷市西阿知にある墓碑銘を調べたのである。
おつし （１７３７〜１８２５）
↓
岡長太郎 （１７６７〜１８３８）
長三郎 （？？？？〜１８３８）弟か、同年死亡は疫病かも
↓
岡長七 （１７９０〜１８３８）子も同年死亡
妻 みき（？？？？〜１８７１）
↓
岡柳太郎
↓
岡春太郎 （１８５９−１９２４）醤油醸造業・岡春商店
妻 満志（１８６４〜１９４５）船穂町小野亀次女
弟 杉松 岡山市・玩具商・岡杉商店
弟 金三 岡山市・化粧品商・岡金商店
弟 柳八（１８８５〜１８９９）
妹 繁子（１９０２〜１９０５）
↓
岡杢一 （１８８９〜１９７７）
妻 吉恵（１８９３〜１９６２）中島・大橋新太郎娘
弟
↓
岡篤司
妻
弟 哲男（１９１７〜２００２）中国食品工業�蠎卍�
弟
弟 正康（１９２４〜 ）中国食品工業�蠕賁�
とまあ、そこまでは調べられた。本当は菩提寺に行って調べればいいのだけど。墓地は大正時代に、いまの高梁川の中にあったのを、河川改修で移動させられたと聞いた。長太郎の生まれたのは１７６７年といえば、江戸時代中期、アメリカ独立のころ。それにしても武士でもないのに、苗字があるのは不思議だなと思っていた。
ところが１９９７年の岡山城築城４００年祭を我々の仲間の佐野さんが提案して、僕自身岡山城主の宇喜多家や池田家の歴史も調べ、岡山市の記念事業のソフト事業委員長という大役も務め、あちこち講演してまわっていた。そしたらある講演のあと、会場にいた人がやってきて、「あなたは岡一族の末裔である。」というのである。どうも中世には岡山市東部から備前市にかけて岡一族というのがあって、隠然たる力を持っていたらしい。それを研究している人だった。
戦国大名で、梟雄ともいわれる宇喜多直家は、もともと岡山市東部の乙子城主であり、その後沼城（新幹線沿いにある）にいたころ、調略によって龍ノ口山城を落とした。
１５６１年（永禄４年）金川城主松田元輝配下の龍ノ口城主穝所元常が男色に目がないのにつけこみ、笛の名手であった岡清三郎を龍ノ口城の直下の旭川河畔で毎晩笛を吹かせた。うまく城主に取り入った清三郎は隙を見て城主を暗殺し、落城させた。これが岡一族の一人である。
宇喜多直家はその後毛利と戦い、さらに毛利と組み、ついには秀吉に調略されて織田方についた。１５８１年（天正９年）直家は妻お福に秀吉を頼れと遺言して亡くなり、嫡子宇喜多秀家が家督を相続。その翌年には本能寺の変がおこり、秀吉はお福の元から天下取りに向かう。お福は大名の妻であり、秀吉の愛人というかパートナーであった。淀君などの側室たちとは違って、一目おかれていた。秀吉は天下を取らしてもらった感謝の心で、秀家を猶子（相続権のない子）としてかわいがり、岡山城も子のために作ったお城。また秀吉とねねはは前田利家の娘・豪姫を育て、秀家の妻にしている。関ヶ原で敗れて八丈島に流された宇喜多秀家一族を明治まで豪姫の実家の前田家が支援した話はちょっと有名。
そのお福のお墓が、私の通った三勲小学校の裏山にある。宇喜多時代、私の会社のあったところは森下町でも御堂町といった区域で、そこにはもともと岡山の蓮昌寺があり、その一角、といっても数百メーター離れた三勲の裏山までが寺域だった。私はお福をなんとかＮＨＫの大河ドラマに取り上げてもらいよう努力したこともあり、築城４００年の時には、お福の解説掲示板をお墓のそばにたててもらった。銘文は私が考え、作家の松本幸子さんに添削してもらった。松本さんには小説も書いてもらい、山陽新聞連載や出版もしてもらった。あるときなど、松本さん急病のおり、ピンチヒッターで講演もしたよな。
そうまでした「いい女、お福」が、先祖が仕えた宇喜多直家の嫁さんだったとはな、知らなかった。因果はめぐるのである。
さてさてなぜ倉敷に岡一族が移ったか。宇喜多秀家は五大老のひとりとして、若いのに秀吉に信頼されていたが、それはお福の存在が大きい。しかし五大老としては比較的身代の小さい宇喜多家が他家と交際していくのは経済的に厳しい。
まして前田家の豪姫までいる。経済的な問題、税の取り方をめぐって家臣団対立がおこり、秀吉の死後、前田家から来た文吏派の中村次郎兵衛に対して、譜代の武闘派の戸川達安、宇喜多忠家、宇喜多詮家、岡越前守、花房志摩守らがクーデターをおこして家康を頼った。結局武闘派は離反して、関ヶ原では多く家康につき、花房、戸川らは戦後大名のはしくれになった。宇喜多詮家はのちに坂崎出羽守といい、千姫を大阪城落城のおり、助けたことで有名。
ところが岡越前守は関ヶ原に参戦せず、のちに倉敷の西阿知に住むようになったらしい。ここでようやく、私の調べた墓碑銘につながっていくのである。
ルーツさがし、これは結構面白かった。別にうちは大した家柄というのではないが、こうやって調べてみると、先祖というものを考えてしまう。だから名門に生まれた人々の誇り、というのも類推できるし、逆にいえば名門ほど先祖の業績に縛られて不自由だとも思えるのである。
岡一族の歴史
ミクシー友達のお子様ランチさんに「岡一族」と言われて、一念奮起、我が家のルーツを書いておこうと思う。実は大学時代、「ルーツ」というアメリカのテレビドラマに刺激されて、ルーツ探しをしたことがある。倉敷市西阿知にある墓碑銘を調べたのである。
おつし （１７３７〜１８２５）
↓
岡長太郎 （１７６７〜１８３８）
長三郎 （？？？？〜１８３８）弟か、同年死亡は疫病かも
↓
岡長七 （１７９０〜１８３８）子も同年死亡
妻 みき（？？？？〜１８７１）
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岡柳太郎
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岡春太郎 （１８５９−１９２４）醤油醸造業・岡春商店
妻 満志（１８６４〜１９４５）船穂町小野亀次女
弟 杉松 岡山市・玩具商・岡杉商店
弟 金三 岡山市・化粧品商・岡金商店
弟 柳八（１８８５〜１８９９）
妹 繁子（１９０２〜１９０５）
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岡杢一 （１８８９〜１９７７）
妻 吉恵（１８９３〜１９６２）中島・大橋新太郎娘
弟
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岡篤司
妻
弟 哲男（１９１７〜２００２）中国食品工業�蠎卍�
弟
弟 正康（１９２４〜 ）中国食品工業�蠕賁�
とまあ、そこまでは調べられた。本当は菩提寺に行って調べればいいのだけど。墓地は大正時代に、いまの高梁川の中にあったのを、河川改修で移動させられたと聞いた。長太郎の生まれたのは１７６７年といえば、江戸時代中期、アメリカ独立のころ。それにしても武士でもないのに、苗字があるのは不思議だなと思っていた。
ところが１９９７年の岡山城築城４００年祭を我々の仲間の佐野さんが提案して、僕自身岡山城主の宇喜多家や池田家の歴史も調べ、岡山市の記念事業のソフト事業委員長という大役も務め、あちこち講演してまわっていた。そしたらある講演のあと、会場にいた人がやってきて、「あなたは岡一族の末裔である。」というのである。どうも中世には岡山市東部から備前市にかけて岡一族というのがあって、隠然たる力を持っていたらしい。それを研究している人だった。
戦国大名で、梟雄ともいわれる宇喜多直家は、もともと岡山市東部の乙子城主であり、その後沼城（新幹線沿いにある）にいたころ、調略によって龍ノ口山城を落とした。
１５６１年（永禄４年）金川城主松田元輝配下の龍ノ口城主穝所元常が男色に目がないのにつけこみ、笛の名手であった岡清三郎を龍ノ口城の直下の旭川河畔で毎晩笛を吹かせた。うまく城主に取り入った清三郎は隙を見て城主を暗殺し、落城させた。これが岡一族の一人である。
宇喜多直家はその後毛利と戦い、さらに毛利と組み、ついには秀吉に調略されて織田方についた。１５８１年（天正９年）直家は妻お福に秀吉を頼れと遺言して亡くなり、嫡子宇喜多秀家が家督を相続。その翌年には本能寺の変がおこり、秀吉はお福の元から天下取りに向かう。お福は大名の妻であり、秀吉の愛人というかパートナーであった。淀君などの側室たちとは違って、一目おかれていた。秀吉は天下を取らしてもらった感謝の心で、秀家を猶子（相続権のない子）としてかわいがり、岡山城も子のために作ったお城。また秀吉とねねはは前田利家の娘・豪姫を育て、秀家の妻にしている。関ヶ原で敗れて八丈島に流された宇喜多秀家一族を明治まで豪姫の実家の前田家が支援した話はちょっと有名。
そのお福のお墓が、私の通った三勲小学校の裏山にある。宇喜多時代、私の会社のあったところは森下町でも御堂町といった区域で、そこにはもともと岡山の蓮昌寺があり、その一角、といっても数百メーター離れた三勲の裏山までが寺域だった。私はお福をなんとかＮＨＫの大河ドラマに取り上げてもらいよう努力したこともあり、築城４００年の時には、お福の解説掲示板をお墓のそばにたててもらった。銘文は私が考え、作家の松本幸子さんに添削してもらった。松本さんには小説も書いてもらい、山陽新聞連載や出版もしてもらった。あるときなど、松本さん急病のおり、ピンチヒッターで講演もしたよな。
そうまでした「いい女、お福」が、先祖が仕えた宇喜多直家の嫁さんだったとはな、知らなかった。因果はめぐるのである。
さてさてなぜ倉敷に岡一族が移ったか。宇喜多秀家は五大老のひとりとして、若いのに秀吉に信頼されていたが、それはお福の存在が大きい。しかし五大老としては比較的身代の小さい宇喜多家が他家と交際していくのは経済的に厳しい。
まして前田家の豪姫までいる。経済的な問題、税の取り方をめぐって家臣団対立がおこり、秀吉の死後、前田家から来た文吏派の中村次郎兵衛に対して、譜代の武闘派の戸川達安、宇喜多忠家、宇喜多詮家、岡越前守、花房志摩守らがクーデターをおこして家康を頼った。結局武闘派は離反して、関ヶ原では多く家康につき、花房、戸川らは戦後大名のはしくれになった。宇喜多詮家はのちに坂崎出羽守といい、千姫を大阪城落城のおり、助けたことで有名。
ところが岡越前守は関ヶ原に参戦せず、のちに倉敷の西阿知に住むようになったらしい。ここでようやく、私の調べた墓碑銘につながっていくのである。
ルーツさがし、これは結構面白かった。別にうちは大した家柄というのではないが、こうやって調べてみると、先祖というものを考えてしまう。だから名門に生まれた人々の誇り、というのも類推できるし、逆にいえば名門ほど先祖の業績に縛られて不自由だとも思えるのである。
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岡家の歴史、面白く拝読しました。