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K-027

デスティニープランについて……またもや


本編だけ見ると、デスティニープランはホントに私が必死にこじつけたプランだと考えても、それほど問題ない……と思うのです、多分。

だって、そのプランが説明された48話で……「一卵性双生児らしき8歳程度の子供と、その父親?」が、「それぞれ色の違う紙を持っている」という描写があります。これって、「生まれた時の遺伝子は完全に同じ二人」だが、「それまでの経験を加味すると、違うことに向いている」というのを示してるんじゃないのでしょうか?
遺伝子調べただけで、そんなことわかるかというのは……うーん、脳内ホルモンとかそういうのは、成長するにつれて一人一人違ってくるわけなので、そういうのが、それまでの経験によって変化してるから、それを加味して……るんじゃないかと…………。

そもそも、一卵性双生児の場合……「生まれた時の遺伝子情報は同じ」です。遺伝子情報だけで仕事を決めるというならば、その二人が「世界でたった一人の人しか就けない地位」に向いていた場合、どうするんでしょうか? 普通は、それまでの経験や実績も加味されて、どちらかに決定されると考えられます。つまり、遺伝子情報だけって事はないはずなんです。

だいたい、「議長がおまえを選んだのは『遺伝子的に最適だったからだ』」なんてレイは言わなかったですよね?
「おまえが誰よりも強く、誰よりもその世界を望んだものだからだ」……「強く」という点は、種割れ能力とかそういうことを意味してると考えても良いが、その後に続く言葉は、「それまでの経験」で違うことなので、つまり遺伝子だけを問題にしてる訳じゃない。「強くあろうとした努力」をレイは認めているし、それを議長に伝えているはず。
そんなのはレイがシンを丸め込む為の方便だという解釈は、「レイ側に悪意を持ってる人間」が見ればそうなるんだろうけど…………自分は、そんなこと思わないので。
だいたい、遺伝子的な資質だけ見れば、アスランをダメだと切り捨てるよりも最適な方法があるだろうし。でもあれだけねじ曲がった考えを持った人物だと判明したら、遺伝子的資質云々ではなくて「最適な地位」が違ってくるだろう。

「本編だけ見ていれば」…………実は、「クローンはオリジナルと同じコピーである」と「本人が思っている」という印象を視聴者に植え付ける話ではなく、「たとえ遺伝子が同じでも、全く違う人間であるという当たり前のこと」が十分読み取れる話のはず、だったりするのですが。
(ま、この論は種死50話で破綻したものの、それでも種の50話+種死49話までは……少なくとも、キラに悪意を抱いていた描写もなく、クルーゼと同じような事を語るわけでもなかったし、49話までのレイは)
しかし何故か、雑誌やらムックやら小説やら設定部の戯言やら……そういう媒体でそういうことにされたから、そういう論理なファンばっかりになるんです……。メディアでの情報操作、偏向報道が酷すぎるというか……レイがシンを操っていたなんていう印象、「アニメ記事などを全く見ず、単に本編だけ見ていた人間」が持ったのでしょうか? しかも、それが今現在まで延々と続いているというのは嫌すぎる。

…………クローンは「(一卵性双生児とは違い)遺伝子的に『完全な』コピーではありません」けど……まぁ、基本的には同じなので、アル・ダ・フラガのことを考えてみましょう。
アル・ダ・フラガがたとえCE74年時点に25歳程度の若者として存在していたとしても、DPで「MSパイロットが最適」とされたかどうかといえば、されてないと思います。
……それまでの経験を全く考慮に入れないプランなんて、成り立たないと思われるので。アル(に限らず、あの一族)は経済界で成功する為に能力を活用していたらしいけど、それも正しい能力の使い方であると言えるだろう。特定の資質がこれだけにしか役に立たない、ってのはおかしいから。
種割れ能力にしても、あれは「膨大な情報を瞬時に処理出来る能力」の一種だと考えれば、別に戦闘じゃなくても役立つ。というより、ラクスの種割れはそう考えないと全く意味ないしw まぁ、総合的に考えて兵士として最適だと言えるんだろうけど、キラ、アス、シンは。

……しかし、そういう「今までの経験」+「元々の資質」によって可能性が沢山あるはずなのに、それを無視して「職業を一人一人強制的に決める、完全管理社会」プランだったら…………それによって「ラクスすら劇中で認めている『争いがなくなり、平和になる世界』」になるわけがないと思う。

…………やっぱり、単なるハローワーク&最適な努力をする為の資質検査プラン、としか思えません。それによって、人々の感情の格差がなくなれば、憎み合いが解消される方向に進めば、平和の方向に進むと思ってもいいじゃないか……?

元々「コーディネイターも努力しなければ資質が発揮されない」という設定なんだから、「DPでは遺伝子で完全に決まるから余地はない」とか設定部が言ったらしい戯言は考慮する必要なんかないんです。本編描写やそれまでの設定と矛盾する言い訳なんか、あり得ない。


現実として今の社会が、職業選択の自由が保障されているかを考えてみれば……もちろん、表面的には法によって保証されているのが、今の日本です。

ただ……「やりたいと思った所で無理だという職業」はいくらでもあって…………「それまでの経験」「今の肉体的、精神的な資質」とかを考慮すると、つける職業の幅は極端に狭いのが「通常の人」です。

で、運命プランは……「色々な経験をしていて、金も地位も総合的な資質も段違いに高い」っていう人にとっては、「選択の幅を狭められる危険性がある」から別なのでしょうけど……「通常の人」にとっては害にならないはずです。

「今、もうすでに大人」と「今は、まだ子供」とは、それぞれわけて考えないとダメなプランですけど……これを論じるのに「すでに大人」しか考慮しないで語るのが多いから、おかしい結論になるんじゃないかな。

「すでに大人」にとっては、「ハローワークプラン」としか思えません。適職だと判断された職場に移った方が為になりますよ、という程度の。
但し、ある一定以上の地位に就いている人は別。「それにふさわしくない」と判断されるならば、引きずりおろして別の人間を据える。そこは、強制力があると言えます。
例えば、「政治家、一国の元首として『今現在は』相応しくないカガリ」なんかは、その地位からおろされるでしょう。「厳しい教育をして、経験を積めば別だ」と判断されれば、「経験を積む為の職場」に移動させます。
あと……働いてない人には、教育訓練の上で強制就職、もあるのかなぁ…………キラはニート三昧しちゃいけません。世界最高レベルの能力があるのに、それを活用しないのは害悪です。
……まぁ「理由なく働かない自由」は認めないプラン、かもしれない。

で、「努力の差」「それまでの実績、経験」ってのは、そういうシミュレートをする土台になってるので、高性能なコンピューターでそこまで解析出来るのでしょう、と。「努力が無駄だプラン」って解釈は変だろう、と。

要するに、「遺伝子だけですべてを決定する社会」というデスティニープランの解釈のされ方が変だ、と言いたいだけです。

(2006/09/28)

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2006年10月03日(火) 20:28:01 Modified by reyz




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