「 素数の夢 」
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shiryuhoshi 2011年12月13日(火) 13:15:41履歴
ドビュッシー「夢」羽田健太郎
「 素数の夢 」
☆
shiryu 星
白月３つに 雪蛍
停車駅に
１００年の迷子が 微笑っているよ
もうしばらく 口を開けたまま
花びらの 毀れてくるのを待っている
お昼のおべんとうに 夢を一つ買う
僕らは 皆で同じ夢をみたので
踝をさすりながら 蝉の音を真似てみせる
僕らは 互いに置き換えるので
夢の構文法も忘れちまった
冬の蝉の音に
言葉が透けてみえるので
向かいの列車から
こちらをみつめる流れのなかに
白髪のアリス
時間の停止したホームに 突っ立ったまま
ガラスのジャングルで 素数の夢をみる
走る列車の 落ち葉に
イワシミズノセセラギニ沈ム 無数ノ眼球ノ実
光ノ渦ニ浮カンデハ 消エル
車窓カラ
白月３ツニ 雪蛍
街一面ニ拡ガル レモングラスノ樹海ノ上ヲ
水没列車ガ走ル
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