『犬は鎖につなぐべからず』開演

青山円形劇場で『犬は鎖につなぐべからず』が5月10日から開演した。
岸田國士幕劇コレクションの名の通り、岸田の原作7編を織り交ぜた岸田の世界にひたることができる。
「日常を楽しむ」そんなゆるりとした作品だ。その意味では岸田の世界というよりは、演出・校正のケラリーノ・サンドロヴィッチワールドともいえる。
話は70年前のこと。「君は」といった何気ない日常会話が、演じていると思わせない役者の自然さにその時代へと導いてくれる。ケラリーノ・サンドロヴィッチがブログで書いている。
「潤色とは、演出とは、つまりは原作を誤読することなのだとも思う。」
時には現代的にアレンジして、300名近い観客を隣近所の一員に巻き込んでいく。
着物を豆千代がセレクトしたことも、前時代的な和装という違和感もなく、斬新な色とデザインの新しさが馴染みやすさになっている。

さて犬は鎖につなぐべきなのでしょうか。
それともつながなくてもいいのでしょうか。
そんな問題意識も昭和の初めという時代ならではのもの。
答えは「つながない方がいいでしょう」
なぜなら、犬が巻き起こすトラブルも人間の勝手さも見えないから。
2007年05月12日(土) 14:29:21 Modified by sora_and_monet




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