於多福の徒然草紙 - 二匹の蛙
お日さまは頭の上でギラギラ輝いていました
雨が降らなくなって、もう何日もたっています
住んでいた古池も水が減ってきました
二匹のカエルは連れだって旅に出ました
住み心地の好い大きな池がどこかにないかなあ
そんなことを言いながら旅をつづけました
何日もなんにちも歩きました
そうしたある日、井戸を見つけました
それは深い井戸で水は枯れそうにありませんでした
ここに住むことにしよう
そう言って、一匹の蛙は飛びこみました
確かに水は枯れませんでした
暗い井戸の底で蛙は鳴き続けました
広い明るい古池にいたら好かったと鳴きました
深い井戸に入ったら出られなくなってしまう
もう一匹の蛙はそう言って旅を続けました
お日さまは前よりももっと照りつけました
喉が渇いて水が欲しくてたまりません
蛙は湿り気の残った水たまりを見つけました
蛙は水たまりの土に潜りました
そこで休んで少しだけ元気が出ました
故里の古池に戻りたいなあ
そう思って、蛙はいつまでも鳴きました
(このお話は「イソップのお話」を少しアレンジしています。)