魔法少女が好きなんです! - ストライク・ザ・ブラッド
作者:三雲岳斗
イラスト:マニャ子
出版社:アスキー・メディアワークス 電撃文庫

聖者の右腕
戦王の使者
天使炎上
蒼き魔女の迷宮
観測者たちの宴
錬金術師の帰還
焔光の夜伯
愚者と暴君
黒の剣巫
冥き神王の花嫁
逃亡の第四真祖
咎神の騎士
タルタロスの薔薇
黄金の日
真相大戦
陽炎の聖騎士
折れた聖槍
真説・ヴァルキュリアの王国
終わらない夜の宴
再会の吸血姫
十二眷獣と血の従者たち
暁の凱旋

あらすじ

第一部 聖殲篇
伝説の中にしか存在しないとされていた最強の吸血鬼「第四真祖」。 十二体もの眷獣を従え、災厄を撒き散らすといわれる幻の吸血鬼が、日本に出現したという。その“第四真祖”を監視と抹殺のため、政府・獅子王機関は“剣巫”と呼ばれる攻魔師の派遣を決定。政府の獅子王機関が選んだのは、何故か見習い「剣巫」の姫柊雪菜であった。分不相応な任務とその具体的な内容に戸惑いつつも、魔族特区「絃神島」を訪れる雪菜の監視対象の名は、暁古城。古城は絃神島内の私立高校に通う学生であるが、3ヶ月前に先代から能力を受け継いだばかりの元人間でもあり、言わば新米の第四真祖であった。暁家の隣へ引っ越した雪菜は古城を警戒しつつもそのひととなりに触れていく中、彼と共に様々な相手との戦いの中で第四真祖という存在の意味、失われた過去、その核心である聖殲を知っていく。

第二部 終焉篇
聖殲を巡る大事件から約1か月後の絃神島改め絃神市国で、古城が行方不明になる。瀕死の姿で、極東の「魔族特区」恩莱島の浜辺に流れ着いた古城だったが記憶喪失の彼を迎えに来た修女騎士の少女 香菅谷雫梨は、古城の正体が世界最強の吸血鬼「第四真祖」であり、自分はその監視者だと告げ、吸血鬼の能力をほとんど使えない不完全な状態のまま、恩莱島内の攻魔師養成機関「攻魔高専」に編入することになった。攻魔師としての過酷な修行を強要されつつも、全寮制の攻魔高専で、雫梨やチームの仲間たちとともに平穏な日々を送る古城だったがそんなある日、古城と雫梨は、恩莱島の地下迷宮に棲息する怪物「破獣」と、攻魔高専の敷地内で遭遇する。窮地の古城たちを救ったのは、生徒たちの間で存在を噂されていた、黒髪の幽霊の少女だったがその正体は雪菜。現代から飛躍し過ぎた技術を持つ終焉の真祖、そして 未来からの介入者。それは新たな動乱の序章に過ぎなかった。

登場人物

絃神島
彩海学園
南宮那月
彩海学園の女性教師。高等部1年B組担任。担当科目は英語。国家攻魔官の資格を持つ、自称26歳。公称だが年齢不相応に幼女と見紛うほど若く小柄であるため、生徒たちからはよく「那月ちゃん」と呼ばれるが、その際は「教師を『ちゃん』付けで呼ぶな!」と言い、閉じた扇や傘で頭を殴ったりデコピンをする。性格は傲岸不遜で、ヴァトラーやラ・フォリアなどの権力者に対しても態度を崩さず、ヴァトラーを「蛇遣い」、ラ・フォリアを「腹黒王女」と侮蔑を込めて呼ぶ。周囲の気温や湿度に一切関係なく、常にフリルまみれのドレスを平然と着ている。絃神島の住宅街に高級マンションを構えているうえ、自身やアスタルテの分のドレスやメイド服を大量に所持しているなど、資産家としての面も持つ。空間制御魔術の使い手であり、“空隙の魔女”の異名を持つ。かつて、15年前に師である千賀から教えられた魔術を駆使し、激情のままに欧州の魔族たちを虐殺したことから、今でも多くの魔族から畏怖されている。獅子王機関とは商売敵に当たるため、折り合いが悪い。監獄結界の番人でもあり、古城たちと接している日頃の那月は自らの作った結界の中で眠り続けている彼女が生み出した、「質量を持った幻」である。幻ではあるが一般人と同様に他人との物理的接触が可能であり、物理的な攻撃や魔術の干渉を受けても本体が無事である限り、依り代である人形を修復させれば行動を再開できる。また、第四真祖であることを隠している古城が魔族特区で自由に行動できるのは那月が監獄結界に収容する力を持っているからである。

輪環王(ラインゴルト)
黄金の鎧に身を包んだ騎士の姿をした“守護者”。あまりもの強力さは、解き放てば絃神島に甚大な被害をもたらしかねないため、普段は封印して不完全な状態にさせている。

サナ
那月が阿夜によって固有堆積時間を奪われ、幼児化した姿。記憶と魔力を喪失しており、最初に出会った浅葱を刷り込みによって「ママ」と認識している。名前は「幼い那月」という外見から浅葱に付けられた便宜上のもの。主人格が眠ると那月が記憶を失った場合に備え組み込んでいるバックアップ・プログラムの人格が代わりに目覚めるが、こちらは軽い性格をしており、語尾に「きゅん」が付いたりする。

アスタルテ
青い髪を持つ少女の姿をした人工生命体(ホムンクルス)。無表情で、極めて機械的な口調で会話する。オイスタッハの目的を果たすために眷獣を身に宿しており、それゆえに余命2週間足らずという状態にまで陥っていたが、古城が負担を肩代わりすることによって延命した。事件解決後は保護観察処分を受け、身元引受人の那月の下でメイドとして働いているほか、所々で古城の手助けをしている。那月に引き取られてからは表情や口調は変わってないながらも感情を表現するようになり、古城に対しても爆弾発言などをたびたび発している。本来は医療用の人工生命体として製薬会社で作られていたため、医師免許保有者と同等程度の医療知識を持つ。

薔薇の指先(ロドダクテュロス)
アスタルテが行使する人工眷獣。半透明の身体を持つ巨人の姿で、内部にアスタルテを取り込み行動するほか、腕のみをアスタルテの肩から生やして攻撃することも可能。魔力を吸収して成長する能力を持つほか、雪菜との戦闘データから神格振動波駆動術式をも獲得した。事件解決後は古城の魔力によって活動している。

LCO
仙都木優麻
古城の10年来の幼馴染。ボーイッシュなボク少女。波朧院フェスタの見物に絃神島を訪れるが、実は仙都木阿夜の娘にして空間制御の力を持つ魔女であり、阿夜が自身の脱獄のために単為生殖によって生み出した複製体であり、肉体の成長を制御され6歳の外見で誕生した(つまり実年齢は10歳)。母の目論見のためだけに生きることを定められていたが、古城と凪沙に偶然出会い一緒に遊んだ思い出を持ち、それを唯一自分の持ち物であると大切にしている。阿夜の複製体であるため、阿夜と同様に魔導書の複製と記載が可能。本来は絃神島の住人約10万人を生贄にして監獄結界への道を開くための魔力を調達する予定だったが、古城が第四真祖になったことを知ったLCO上層部の意向で彼の魔力を利用することになり、魔術で自分と古城の身体を入れ替えて持ち去る(優麻自身は10万人を生贄にする必要が無くなったため、古城に感謝している)。監獄結界に侵入後、追ってきた古城に肉体を奪還されて説得に応じ、脱獄幇助を断念したところで阿夜から用済みと見なされて切り捨てられたうえ、“蒼”を無理矢理引き剥がされて瀕死に陥り、MARに収容される。しかし、意識を取り戻すと負傷した古城を助けるためにMARから脱走し、紗矢華と共に吸血されて眷獣の覚醒を手伝う。事件解決後にはLCOの幹部であったことから公社の取り調べを受けることになるが、第四真祖の幼馴染という立場に沿った待遇が保障されている。那月に連行される前には古城へ再会の約束を兼ねたキスを行い、雪菜への宣戦布告を果たす。その後、自分が魔女になる際に結んだ「阿夜を監獄結界から解放する」という契約を合法的に履行するため、攻魔官としてLCOの残党を追っている。領主選争の際には契約の関係で終焉教団とは表立って対峙できず、人工島管理公社の主要メンバーを安全な場所に逃したり、斥候役を努めたりしていた。キイの策略によって「吸血王」の黒い眷獣を移植された古城の暴走を止めるべく他のヒロインたちと共に活躍。その後、ラ・フォリアがザナの作った「契約の指輪」の話をするのを聞きつけ、「余ってるならいただいておこうか」というノリで指輪を入手。12人の古城の「血の伴侶」の1人となった。

蒼(ル・ブルー)
優麻の“守護者”。青い甲冑を身にまとった顔のない騎士。

仙都木阿夜
優麻の母親にして、LCOを統べる“書記(ノタリア)の魔女”。魔術や魔族の存在そのものを疑問視している。娘の優麻を道具として使い捨て、自分の組織であるLCOや同じ脱獄囚をも利用して切り捨てるなど性格は狡猾で残忍。那月とは同じ魔女として唯一心を許した友人であったが、魔女を蔑む人間への復讐から闇誓書を使い世界の書き換えを行おうとし、那月と決別。決闘の末監獄結界に収容される。そのことから那月の裏切りに対し憎悪を抱くも、同時に彼女への友情を捨てきれずにおり、脱獄の際にも那月の時間を奪うのみで、最後まで那月と戦うことを避けようとしていた。那月の一瞬の隙を突いて監獄結界から脱獄を果たす。那月を囮に彩海学園で闇誓書を使い、絃神島での自分以外の異能の力を消し去り、新しい世界を創りだそうとしたが、記憶を取り戻した那月と古城たちとの激闘の末に再び監獄結界へ戻された。

影(ル・オンブル)
支配権を無理やり阿夜に奪われた優麻の“蒼”が変質した姿。漆黒の鎧を纏う顔のない騎士。

メイヤー姉妹
北欧のある森林を消し去り周辺の町を全滅させた事件「アッシュダウンの惨劇」の首謀者である魔女で、黒いドレスを纏う姉のエマ・メイヤー、赤いドレスを纏う妹のオクタヴィア・メイヤーの姉妹。どちらも残虐な性格。絃神島へ潜入した後は破壊と暗躍を経て紗矢華とラ・フォリアを苦戦させるが、守護者を無力化されたことで逆転の憂き目に遭い、特区警備隊に捕縛された。守護者は前述の森林を悪魔の眷族に変えた無数の木の蔦で、一部を破壊してもほぼ無限に出現するためにきりがないが、仕組みを見抜いた紗矢華の呪術攻撃で元の樹木へ戻された。『彩昴祭りの昼と夜』では、紗矢華とラ・フォリアに復讐すべく脱獄し、手に入れた「No.014」を使って2人と雪菜の時間を奪って幼くしたが、霊力が暴走した雪菜と紗矢華に呼び寄せられた悪霊やその他諸々の前にあえなく捕まり、再び投獄された。

用語

第四真祖
12体の眷獣を従え、災厄をもたらすという、世界最強の吸血鬼。伝説中の存在とされていたが、獅子王機関により日本・絃神市でその存在が確認された実体は、3人の真祖が“天部”と共に“聖殲”のために設計した、世界最強の吸血鬼という生体兵器。本体である“呪われた魂”と12体の眷獣の器である12人の“焔光の夜伯”に分割され、封印されていた。3人の真祖は固有堆積時間を圧倒的に有しているが、活動と休眠を繰り返してきた第四真祖にはそれがなく、他者から固有堆積時間を搾取することで力を得ている。この記憶搾取能力によって第四真祖に会った者たちから記憶を搾取しているため、記録にはほとんど残らず伝説の存在となっている。以前は“焔光の夜伯”の名称で知られていたが、本編の約3か月前に絃神島で起きた焔光の宴により原初が目覚めたところ、12番目により上書きされる。その12番目が古城の手により倒され、12番目の名称だったアヴローラが先代・第四真祖を指し示す名称となった。現在は古城が第四真祖の能力等を受け継いでいることから、古城を指し示す名称となっている。アヴローラと古城を区別するため、前第四真祖はアヴローラ、現第四真祖は古城か第四真祖と呼び分けられている。

攻魔師
呪術・魔術・仙術などを用い、魔導犯罪者や魔獣の捕縛・殺傷を行う職業。資格取得が必要である。資格証は「Cカード」と呼ばれる。

剣巫(けんなぎ)
獅子王機関に属する攻魔師に与えられる肩書きの1つで、「剣と持つ巫女」の意。優れた霊視能力と戦闘能力により、魔族や魔獣と単独で渡り合える実力を持つ。

舞威姫(まいひめ)
獅子王機関に属する攻魔師のうち、呪詛と暗殺の技術を修めた者に与えられる肩書き。

過適応能力者(ハイパーアダプター)
魔力に頼らない天然の異能を先天的に得た者。矢瀬や深森が該当する。

魔女
己の魂を代償に悪魔と契約し、強大な魔力を得た女性のこと。守護者を介して魔力供給を受けたり魔力の演算補助を受けることで、通常の魔術師を上回る能力を使用できるようになるが、守護者とのつながりが絶たれると魔力供給を受けられなくなり、生命活動に支障が発生する。なお、契約は雪霞狼により無効化できることが、阿夜による襲撃の際に実証されている。

守護者
魔女と契約した悪魔の眷族。戦闘能力は並の吸血鬼の眷獣と互角で、魔導書の支援により高位の吸血鬼とも対抗可能。

堕魂(ロスト)
魔女の最終形態。悪魔に自らの魂を喰わせて絶大な力を得る。古城の眷獣に匹敵する魔力を獲得するが、二度と元に戻れない。

絃神島(いとがみじま)
本作の主な舞台。東京の南方海上330キロメートル付近に浮かぶ人工島。東西南北の4方角と中央に存在するギガフロートから構成されており東が港や空港、西が商業地区、南が住宅街、北がビジネス街としての特徴を持ち、中央のキーストーンゲートには官公庁が密集している。「魔族特区」の1つであり、絶滅の危機に瀕した魔族の保護とともに彼らの肉体組織や特殊能力に関する研究が行われている。人工島ゆえに土地代が非常に高く、一軒家を買うことが富裕層のステータスとなっている。食料自給率も限りなく低く、生活物資なども船上輸送でコストがかかるため、物価が高い。「聖殲」の発動を危惧した聖域条約機構の採決を受けて破壊されそうになるが、島を守ることを望んだ古城により、第四真祖である彼の「夜の帝国」として日本から独立する。20年後の世界では開発が進み、島自体の面積も“方舟”の影響で現在よりはるかに拡張されている。さらに第四の夜の帝国として認知された結果、「暁の帝国(ライヒ・デア・モルゲンロート)」と呼称されるようになっている。

咎の方舟(カインズアーク)
グレンダが秘めていた“遺産”の空間座標を辿り、魔術「聖殲」を利用する形でヴァトラーと浅葱の手により出現した城塞都市の人工島。絃神島のギガフロート1基に相当する規模のモジュールが600以上あり、海面に露出した部分のみを計算しても絃神島本島の120倍から150倍に相当する。カインの武器庫であり、大量のナラクヴェーラが配備されている。古城とヴァトラーの決戦に巻き込まれる形で兵器の類は破壊されたが、方舟自体は聖殲以前の技術が眠る遺跡としての側面を持ち、絃神市国の成立後は「絃神新島」として併合され、観光や研究のための移住が相次いでいる。

私立彩海学園
古城たちが通う絃神島の中高一貫校。中高一貫のため中等部の宿泊研修は3年次の冬にあり、官庁街や工場などを中心に日本本土を回る。11月には学園祭の「彩昂祭」が催される。生徒用の扉から校舎へ入ろうとした零菜が手で開けようとせずに頭をぶつけていたことから、20年後の世界では生徒用の扉にも自動ドアが導入されている模様。

監獄結界
絃神島に存在する極秘施設で、那月が10年前から眠り続けることで維持している異空間に存在する監獄。他施設では手に負えない凶悪な魔導犯罪者が収容されている。那月の夢の中という仮想世界に構築されているため、被収容者はごく限られた手段を除いて外部への干渉が一切不可能になり、協力者が外部から突破するためには膨大な魔力で空間の境界を破る必要がある。そのため、一般市民の目に触れることはなく、都市伝説としてわずかに噂されているのみに留まる。

ブルーエリジウム
通称「ブルエリ」。絃神島に建設された増設人工島(サブフロート)の1つ。全体が巨大なテーマパークとして作られており、プールなどのメジャー施設やショッピングモール、魔獣の保護を目的とした水族館「魔獣庭園」のほか、宿泊用のリゾートホテルも複数存在する。

焔光の宴
第四真祖の完全なる復活の儀式。選帝者と呼ばれる儀式を執り行う者が、自らの領地の人間たちを生贄に捧げて彼らから得た魔力を得た、本来の第四真祖が復活するための儀式。アヴローラたちは、本来の主である原初の力である眷獣の器でしかない。古城が第四真祖となるきっかけであった焔光の宴では、古城とアヴローラが原初から離反した眷獣や戦王領域の管轄であった器たちから助力を得て、原初を下した。この出来事で、六番目と十番目以外の器たちは原初に取り込まれたことと力の完全な開放で消滅し、アヴローラはその身に封じた原初ごと自らを古城に殺害させて死亡し、六番目と十番目とアヴローラ以外の眷獣たちが古城へ譲渡させられ、彼が第四真祖となった。そのため、新たなる宴を執り行う必要は本来は無いはずだが、ヴァトラーは自らが管轄している六番目、アヴローラを宿している凪沙、そして古城と自らをもって新たなる宴を始めようとしている。そちらはヴァトラーが“聖殲”の力を得たことにより、結局実行されなかった。しかし、今度は「吸血王(ザ・ブラッド)」ことケノンが宴を起こそうと領主選争を仕掛けることになる。

“聖殲”
世界各地に大量破壊と大量の虐殺が痕跡として遺され、第四真祖が引き起こしたと伝えられている出来事。原初の罪人にしてすべての魔族の祖である彼の者との戦いであり、これによってかつて地上は幾度も滅んでいるとされている。それだけではなく、第四真祖自体にも“聖殲”のことを知ろうとすれば即座に抹殺する論理爆弾が仕掛けられているため、外部から真相を知るのは困難を極める。カインの巫女である浅葱が引き金になると言われている。「“聖殲”の遺産」と呼ばれるものは複数存在する。その1つが第四真祖であり、遺産は主に人間の始祖を滅ぼすためのものと、魔族の始祖を滅ぼすためのものの2種に分類される。“聖殲”は研究者である牙城によれば、主に2つの定義で大別される。1つ目は殺害不可能であった神々を殺害可能な魔族へ引きずり降ろすカインによって作られた世界を変容させる魔術の名前、2つ目はカインによって魔術と知識を与えられた異境から侵攻してきた人類たちにより、魔術の“聖殲”をもって神から引きずり降ろされた魔族たちへの大虐殺という歴史上の出来事である。実際の聖殲は世界そのものを変質させる能力であり、強い魔力を帯びた赤い光の帯が当たると、「物質を変化させるのではなく、聖殲で変化した物質がもともとその場にあったように世界を変える」ものであった。冥駕はその能力でビルや人間を塩に変質させ、浅葱は金に変えるなどした。

組織・団体
獅子王機関
政府の国家公安委員会内に設置された特務機関。大規模な魔導災害や魔導テロを阻止するための情報収集や工作を行っており、“メトセラの末裔”を主に集めて育てていることから一部では有名である。絃神島にはホテル街として有名な西地区の六号坂に出張所があるが、厳重な人払いの結界が張られてあるため、気づかれることはほぼない。

高神の杜(たかがみのもり)
獅子王機関の下部組織。京都府の大江山にある。各地から集めた霊能者の素質を持つ子供たちを攻魔師として育成する養成機関であり、表向きは全寮制の女子校として運営されている。

黒死皇派(こくしこうは)
獣人優位主義を唱える過激派グループ。聖域条約の完全破棄と、戦王領域の支配権を第一真祖から奪うことを目的としている。目的達成のためには多大な犠牲もいとわず、4年前に起きた12番目のアヴローラ発掘現場でのテロにも関わっている。ヴァトラーによって指導者である黒死皇を暗殺されたが、残党が新たな主導者としてガルドシュを雇い入れている。

メイガスクラフト
産業用の機械人形(オートマタ)製造で知られる企業。経営状況が悪化し、社運をかけて模造天使(エンジェル・フォウ)の兵器化を画策する。

LCO(ライブラリ・オブ・クリミナル・オーガニゼーション)/ “図書館“
数千人規模の高位魔導師や魔女で構成される巨大犯罪組織。無数の魔導書を収集・封印・分類・利用することのみを目的としている。

MAR(マグナ・アタラクシア・リサーチ)
世界有数の魔導産業複合体。食品から軍用兵器まで幅広く研究・開発を行っている絃神島有数の企業。医薬品も取り扱っており、不認可新薬を使った治療や最先端治療を行う付属病院と医療研究所がある。主任は深森が務めている。ジャーダにアヴローラの姿で襲撃されて多大な損害を受けたが、深森の研究でお釣りが来るほどの利益を上げている。氷漬けにされたアヴローラを人工島管理公社からの依頼で預かり、管理している。

“天部”(てんぶ)
有史以前の遠い過去に滅びた亜神種族。「古代超人類」とも呼ばれる。3人の真祖と共に“焔光の夜伯”を作り上げたとされる。カインによる魔術“聖殲”が行われるまで、実際には今の魔族と呼ばれる者たちも“天部”の一員であったとされている。

太史局(たいしきょく)
獅子王機関と同じく、政府の国家公安委員会内に設置された特務機関。人為的な魔導災害や魔導テロなどを専門とする獅子王機関に対し、こちらは自然発生的な魔導災害を専門としている。

六刃(りくじん)
剣巫とルーツが同様の技能者。対魔獣戦闘のエキスパート。

ゼンフォース
アメリカ連合国(CSA)の特殊部隊。CSAの軍事介入の主力を担っており、構成員は国家への強い忠誠心を持つ。全身を機械化した兵士「魔義化歩兵(ソーサリスソルジャー)」で構成される。

聖殲派
魔族の創造主と呼ばれる咎神カインを奉じる集団。「世界を真にあるべき姿に戻す」を信条とし、魔族を一掃するとされるカインの復活を目論む。戦闘時には魔力を無効化する異郷の魔具を使い、その効果は吸血鬼の真祖も免れられない。

国家・夜の帝国(ドミニオン)
夜の帝国は真祖が名目上の統治者になっているが、直接国を治めているわけではなく、普通に議員選挙や官僚試験が行われている。第一真祖と第二真祖は何十年も国民の前に姿を現していない。
戦王領域
第一真祖「忘却の戦王(ロストウォーロード)」が支配する東欧の夜の帝国。ニンニクの臭いを嫌うなど、一般的な吸血鬼のイメージに類似した特徴を持つ。

滅びの王朝
第二真祖「滅びの瞳(フォーゲイザー)」が支配する中東の夜の帝国。

混沌界域
第三真祖「混沌の皇女(ケイオスブライド)」のジャーダ・ククルカンが支配する中央アメリカの夜の帝国。北米大陸の3つの大国の1つである。

アルディギア王国
現国王のルーカス・リハヴァインが治める国家。精霊炉を利用した疑似聖剣(ヴェルンドシステム)の技術を持つ。王族の女性は強い霊媒体質を持つ。

アメリカ連合国(CSA)
北米大陸にある3つの大国の1つ。欧州北海帝国への独立戦争や北米連合への武力衝突によって成立した。人類純血政策を掲げ、魔族を淘汰されるべき下等な種族と見なした戦争を行っており、“聖域条約”にも調印していない。そのため、国際的には孤立しているという立場から、国家存続の目的で軍備力の整備と各国への紛争へ常に介入し、軍事パワーバランスを取り続けている。

北米連合(NAU)
北米大陸にある3つの大国の1つ。

北海帝国
欧州の北海を中心に構成されている帝国。リディアーヌの出身国であるネウストリアも北海帝国に属している。

モスクワ皇国
ユーラシア大陸北部に広大な領土を持つ大国。聖域条約に非加盟であるため、経済制裁の対象になっており、日本との交流も多少の人道支援を除いてほぼない。

魔族
吸血鬼や獣人、精霊などの種族の総称。現在では自然破壊や人類との戦いにより絶滅の危機に瀕している。
吸血鬼
”負の生命力”により不老不死の肉体を持つ種族。本作では吸血鬼の不死性や再生能力に特化されており、強烈な直射日光は避けるだけで浴びても死亡するわけではなく、霧になる能力が阻害されるだけで流水に弱いわけでもない。また、何百年生きていても外見年齢は精神年齢に比例する。吸血欲求は性欲によって起こり、吸血する際には相手も強い性的快感を感じる。そのため、食欲が湧いた時には吸血せず、常人と同じく食べ物や飲み物を摂取する。

真祖
最も古く最も強大な魔力を備えた、始まりの吸血鬼。数千数万もの闇の軍勢を従え、各大陸にそれぞれの自治領である「夜の帝国(ドミニオン)」を築いている。存在が公認されている真祖は3名だけだが、第四真祖の存在が発覚したため、勢力間のパワーバランスの崩壊が危惧されている。零菜やイブリスベールのように、真祖の子もその強力な力を一部受け継いでいる。

眷獣(けんじゅう)
宿主の寿命を代償に実体化する異界からの召喚獣。意思を持った魔力の塊で強大な戦闘力を持つ反面、召喚の代償である命の消耗が激しく常人の寿命では一瞬で尽きてしまうため、負の生命力を持つ吸血鬼にしか扱えないとされている。このため吸血鬼最強の種族と呼ばれる。例外として古城が代償を肩代わりしているアスタルテが宿し、血の伴侶である姫柊雪菜が宿していた。

精霊
霊力が濃縮された眷獣と対になる存在。

長老(ワイズマン)
真祖から直接血を与えられた第二世代の吸血鬼。

血の従者
吸血鬼が自らの身体の一部を与えて作り出す、1代限りの擬似吸血鬼。主との相性次第ではかなり強力な従者と化し、主の眷獣を扱うことが可能である。血液や唾液なども体の一部に含まれるため、月齢などの条件が重なったうえで吸血鬼が人間から吸血すれば、相手が血の従者と化す場合もある。肋骨や内臓を移植した場合は確実にその人間が血の従者と化し、与えた主の身体の一部は再生されずに欠落したままとなる。キイとザナのように、男女の関係を伴う場合は「血の伴侶」とも呼ばれる。

匈鬼(きょうき)
眷獣召喚能力を持たない下等な吸血鬼。そのため、戦闘部隊は身体に魔具を埋め込み、戦闘能力を上げていることが多い。暴力的かつ略奪を繰り返してきた歴史ゆえ、純血の吸血鬼からは嫌悪と侮蔑の対象となっている。

獣人(じゅうじん)
獣人形態への変化能力と、それに伴う高い身体能力・再生能力を持つ種族。一部の上位種は高い身体能力とは別にその強大な魔力で魔術を扱い、天使や龍族に匹敵する神獣へ自らを変成させる、「神獣化」という能力を持つ。

巨人族(ギガス)
魔族全体の中でも希少の種族。3メートルもの巨体を持ち、過酷な環境下に適応したために先天的な精霊使いである。それゆえ、作り出す武器は非常に高度なものであり、アルディギア王家の擬似聖剣はそれを参考にしている。

鬼族(オグレス)
希少な種族の一種。外見は人間と大差ないが、筋力が人間より強く、頭に角が生えているのが特徴。差別される傾向が強く、鬼族であることを隠して生活している場合や、魔族特区に流れ着くことが多い。

兵器・武器
雪霞狼(せっかろう)
雪菜が古城監視の任務に就く際、獅子王機関から渡された武器。冬佳が使用していた武器と同じ銘を持つ。“神格振動波駆動術式”と呼ばれる魔力無効化術式を組み込まれた唯一の武装“七式突撃降魔機槍(シュネーヴァルツァー)”の1つであり、対魔族戦(特に対吸血鬼戦)に真価を発揮する。古代の宝槍を核にした高度な金属精錬技術で造られているために量産できず、世界に3本しか存在しないといわれている。非使用時は収縮させてギターケースに収納し、持ち歩いている。阿夜からは「本来あるべき世界に戻しているのではないか」と言われており、闇誓書で作られた魔力・呪力が無効化する世界で唯一使用できた。使い手の霊力を神気へ変換する機能を持っており、過度の使用によって使い手を模造天使へ進化させてしまうという危険性を孕んでいる。

煌華麟(こうかりん)
紗矢華が使用している“六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)”。轟音を出す鳴り鏑矢を使うことで、本来人間では不可能な高密度の呪文詠唱による魔術を発動できる。非使用時はキーボードケースに収納し、持ち歩いている。
畳むと剣に変形して空間切断による白兵戦での攻防が可能になるが、異なる2つの特性を自在に使いこなすのは極めて難しいため、機能を分割した以下の簡易量産モデルが製造されている。これによって特性を自在に使いこなせる反面、分割によって欠落した方の機能については他者のサポートを要するという弱点も持っている。

六式降魔剣・改(ローゼンカヴァリエ・プラス)”
唯里が使用する煌華麟の簡易量産モデルの1つ。剣形態の空間切断の機能のみとなっている。

六式降魔弓・改(フライクーゲル・プラス)”
志緒が使用する煌華麟の簡易量産モデルの1つ。弓形態の大規模魔術発動の機能のみとなっている。

冥餓狼(めいがろう)
別名“零式突撃降魔双槍(ファングツァーン)”。冥駕が制作した武神具で、2本の短槍を無理やり接合したような奇妙な形の黒槍。使い手も含めた周囲の魔力・霊力をすべて無効化するという強力な能力を持つが、両方の同時無効化はできないため、冥駕本人から「失敗作」の烙印を押されている。魔力・霊力を無効化する特性は生きている者には危険であるため、絃神島から持ち出せずに保管されていたが、製作者である冥駕が脱獄時に盗んで自分の得物としている。古城の龍蛇の水銀によって破壊された

ナラクヴェーラ
先史時代の遺跡から発掘され、黒死皇派の残党が盗み出して利用した神々の兵器。外部から操作される無人機だが、「女王(マレカ)」と呼ばれる指揮官は有人機であり、他の機体を制御できる。眷獣に匹敵する攻撃力に加え、外部からの攻撃を学習しての自己進化機能、損傷しても周囲の物質を元素変換で取り込んで補填する自己修復機能により、非常に高い戦闘力を誇る。制御には非常に特殊な言語体系のコマンドを必要とするが、起動コマンド「はじまりの言葉」で一度動き出せば破壊活動を続け、停止コマンドを用いずに止めることはほぼ不可能である。しかし、コマンド解析を行った浅葱が作った自己消滅コマンド「終わりの言葉」を受け、砂と化して消滅した。
“咎の方舟”のカインの武器庫に、飛行型や輸送用などさまざまなタイプがある。

模造天使(エンジェル・フォウ)
人間を人為的に霊的進化させた存在。その名の通り、天使に近しい姿で尋常ならざる力を振るえるが、不安定極まりない。

“賢者の霊血”(ワイズマンズ・ブラッド)
“賢者”の肉体を構成している、自己増殖機能を持つ液体金属。滅ぼすことのできない“賢者”を無力化するためにすべて抜き取られ、封印に成功した。現代でも作成は可能であるが、浅葱の身体を再現するのに大量の金銀や希少金属に加え、水銀900リットルや生贄の霊能力者十数名が必要であり、ニーナの言葉によれば不老不死の対価としてはあまりに失うものが大きすぎるという。

“錬核”(ハードコア)
深紅の宝石によく似た“賢者の霊血”を制御するための魔術触媒。“錬核”に人格を転移させることで、賢者の霊血と融合しても自分の意識を保つことができるようになる。“賢者”を監視するため、ニーナの人格が転移されている。

“偽錬核”(ダミーコア)
“錬核”の能力を不完全ながら再現した劣化品。“錬核”に比べて暴走しやすく、形がいびつで色も濁った黒色となっている。全てで5つ存在し、すべて汞が使用する。

乙型呪装双叉槍(エチエルカーレ)
霧葉の使用する、二叉に分かれた音叉に似た穂先を持つ長槍。魔力を蓄積して任意で放出する能力を持ち、人間には扱えないはずの能力や魔力を自在に使いこなせる。

甲型呪式単槍(フラット)
太史局が保有する個人で使用出来る兵器としては最強と言われている兵器。

レヴィアタン
神々の時代の生体兵器である世界最強の魔獣。全長は約4キロメートルと非常に巨大で、姿は群青色をした蛇に似ており、最新鋭の原子力潜水艦のような胴体に装甲と見分けがつかない半透明の鱗など、兵器にも似ている。また、何万年もの時を経てきたためか、全身はフジツボで覆われて、いくつもの古傷が残っている。常に強力な魔力障壁に覆われ、全身に装備された魔砲やおびただしい数の生体魚雷に対艦ミサイルなど強力な武装を保有している。また、魔力波動で周囲の様子を探ったり、あらゆる物理・精神攻撃に対して耐性をつけることもできる。
なお、本来の気性はおとなしく、海底で何千年もひっそりと暮らしており、近づいてこない限りは害を与えず龍脈に沿って漂い続けていた[注 8]。リリスの力を宿す者のみがコントロール可能。

ザザラマギウ
都市国家「シアーテ」で信仰されていた邪神。正体は龍脈の要に位置するシアーテへ蓄積された、膨大なエネルギーの塊。吸血鬼の眷獣同様に膨大なエネルギー自体が意志を持っており、それを制御するためにシアーテの人々が神殿へ龍脈の力を実体化する魔法装置を組み込んだ。さらにザザラマギウの核である卵を体内に宿した“花嫁”と呼ばれる巫女が存在し、卵が力を蓄える前に“花嫁”を殺すことで、龍脈の力の暴走を抑え込んできた。

炎喰蛇(ハウラス)
雫梨が使用する魔剣。元々はロタリンギア教会の一派「聖団」が保有していた秘蹟兵装で、他の魔力を喰らい自らの力を高める能力を持つ。

眷獣弾頭
天部が開発し、カインの手によって異境に封印されていた究極兵器。少女型の人工吸血鬼を弾体に閉じ込め発射。目標の近くで眷獣を暴走させることにより凄まじい破壊をもたらす。

その他
錬金術師(れんきんじゅつし)
物質の組成を自在に操る術者。黄金を生み出すことをはじめ不完全なものを完全なものにすることを目指しており、その究極の目的は人間の限界を超えて“神”に近づくこととされる。

固有堆積時間(パーソナルヒストリー)
ある存在が生み出されてから現在まで経験してきた時間の総和。魔術的には個人や物の歴史そのものである。単なる経過時間とは異なり、感情を伴う思い出の蓄積であるため、冬眠のようにただ眠り続けるだけの時間は含まれない。魔術によって固有堆積時間を奪われると、対象はその時間の分だけ記憶と経験を失い、肉体も退行する。第四真祖以外の真祖が持つ強大な力は、まだ“天部”が存在していた有史以前からの圧倒的な固有堆積時間に起因する。

魔獣
高い魔力や戦闘能力を持つ生物。魔族とは違って人間の観念における異形が多いうえ、人間との意思疎通が難しいことから危険視する人間も多く、虐殺や密猟が後を絶たない。近年では保護活動も活発化しており、ブルーエリジウム内の魔獣庭園は魔獣の研究を通して共存の方法を探るための施設でもある。

龍族(ドラゴン)
魔獣の中では最強の種族。魔獣と魔族の境界線上に分類される珍しさや、高い知能と旧き世代の吸血鬼をも凌駕する戦闘力により、宝物を護る存在といわれている。現在では混沌界域や暗国大陸の奥地にわずかに生息しているとも、すでに絶滅したともいわれるほど、目撃例が少ない。龍の姿から人間の姿へ変身できる。

蜂蛇(ほうだ)
別名:ドローン。神縄湖の黒殻が破られると同時に現れた魔獣。龍と共生しており、全身が鋼色を帯びて極めて硬く、スズメバチに似た頭部とヘビの胴体に翼竜の翼を持つ。1体でも志緒が敵わないほどの戦闘力を持ちながら群れで行動し、神縄湖に待機していた自衛隊を壊走させた。

IX4(ナインフォー)
魔獣のランクにおいてグレードIXの脅威と認定された4体目の魔獣。
吸血鬼の細胞を元に作られており、高い再生能力や同族喰いなど共通点も多い。魔力や霊力に触れると吸収・増殖して巨大化する性質を持つうえ、積極的に吸収しようとするため、短期間で非常に強大な力を持つ。個体のサイズが小さい時はヌエのようなさまざまな生き物を混ぜた見た目だが、巨大化が進むとただ巨大な化け物となる。

20年後の世界
電撃文庫公式海賊本収録の『雪菜√Before/After』『零菜ふたたび/法廷対決』とテレビアニメ版の「暁の帝国篇」で描かれた世界。本編が到達するとされる数ある未来の1つであり、零菜はここから時間転移術式を用いて現在へやってきた。なお、この世界での古城は「暁の帝国」を統べる存在となっており、本編の数年後に雪菜と結ばれて零菜を成しただけでなく、雪菜と同時期に浅葱ら他の女性たちとも結ばれて萌葱ら子供たちをそれぞれ成していることが、前述の短編2つやテレビアニメ版、原作本編第二部の零菜や萌葱の台詞から示唆されている。

雑記



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