このウィキの読者になる
更新情報がメールで届きます。
このウィキの読者になる
カテゴリー
最近更新したページ
最新コメント
メニューバーA
ここは自由に編集できるエリアです。
フリーエリア
最新コメント
最近更新したページ
カテゴリー
Menu
ここは自由に編集できるエリアです。

性同一性障害 女性としてステージ復帰

心と体の性が一致しない性同一性障害を抱える太田さくらさん(28)は、一卵性双生児の兄・陽(あきら)さん(28)とデュオ「#SOAR(そあ)」を組み、長崎市を拠点に音楽活動を続けている。さくらさんは約2年前、心の性である女性として生きることを決意し、1年半のブランクを乗り越えて再起を果たした。「これからも一人の女性として、音楽への思いを表現したい」。気持ちを新たにステージに臨んでいる。(向井由布子)

 8月9日夜、長崎市の繁華街に近いライブハウス。さくらさん復帰後、同市で初めての単独ライブを行った。ボーカルとギター担当の陽さんと一緒にステージに上がると、70人のファンで満杯の会場に「さくらーっ。おかえりーっ」の大声援が響いた。キーボードの前ではにかむさくらさんを、スポットライトが照らした。

 本名は洋(ひろし)。宮崎県延岡市で生まれ、幼い頃から体の性に違和感があった。話し方やしぐさのせいで、いじめも受けた。学校の男子トイレは高校卒業まで一度も使えなかった。

 長崎の音楽関係者に誘われて、本格的に音楽活動を始めた2004年以降も、心の苦しみは誰にも明かせないまま。ステージでの自然な立ち振る舞いは、乙女系キャラを演じているように見せた。

 やがて鍵盤に向かう手が震え、汗が噴き出した。小学生の頃から親しんできたピアノの前に座れない。食欲も激減。うつ状態だった。

 「活動を休みたい」。07年春、兄に告げた。その年の1月、大手レコード会社から初めてCDを出したばかりだった。「イケメン双子デュオ」としての活躍を求められ、伸ばした髪を切るよう迫られた。心の性を隠すのはもう限界だった。

 「女性として生きたい」。父・清海さん(58)、母・由美子さん(58)は突然の告白に戸惑った。予感があった陽さんも、言葉はかけられなかった。ただ、家族の思いは一つ。「この子が今、生きていればそれでいい」

 ほどなく、さくらさんは性同一性障害の専門外来へ。古里の両親のもとで静養した。陽さんは再起を信じ、「今まで以上の活動ができる環境を整えて、迎えてあげたい」とソロ活動を続けた。由美子さんが時々、その様子を伝えてくれた。落ち着いた環境で約1年半かけて心と体の安定を取り戻し、今年に入って復帰した。

 「親は、子供にとって一番幸せな生き方を認めてあげることしかできないのですね」。由美子さんは「生」と「性」を巡る家族の葛藤(かっとう)をそう振り返る。

 9日のライブは、予定を超える2時間にわたった。アンコールの前には、陽さんは日頃「相方」と呼ぶことが多いさくらさんを「うちの妹をよろしく」と紹介した。

 「音楽をやめなくてよかった。これからは、この経験を生かして、私の思いを伝えたい」とさくらさんは誓う。
2009年09月08日(火) 18:16:24 Modified by suzukihiromi13

添付ファイル一覧(全1件)
1bbeb49d.jpg (46.15KB)
Uploaded by suzukihiromi13 2009年09月08日(火) 18:16:25



スマートフォン版で見る