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2010年5月に福島荒町の大文字屋本店を訪問した際の記録です(七転納豆より転載)
なお、同社は設備の老朽化に伴い2018年6月に廃業しました。

大文字屋本店@福島市荒町 10.05.09七転

さて、日付は一週間前に戻ります。

福島駅から歩くこと5分くらい。周辺には大きなお寺が並ぶ寺町です。
看板には納豆・こんにゃく製造・販売の文字。そして、大文字屋本店の名が誇らしげに掲げられています。
大文字屋本店@荒町
のれんがかかる右側引き戸を開けると迎えてくれたのは大文字屋さんで飼われている子犬でした。

こちらで扱っている納豆を見せていただけますか。
そうお願いしたところ見せていただいたのがこちら。
大文字屋本店の納豆
今あるのはこれだけなんだけど。
こっち(右側)が国産大豆を使った納豆で、こっち(左側)は中国産。

この大粒は評判いいよ。
と言って「ふくしま大豆ものがたり」を紹介していただく。

納豆に使うには、本当はもうちょっと小さい方がいいんだけど,この品種はどうしても大きいものに偏ってしまう。
でも、スーパーとかでの評判は悪くないよ。

どうやら、福島県北では小粒大豆が納豆の主流のようです。

線路向こうのだいもんじ食品との関係についてもお訊ねしてみました。

うちの祖父の代(昭和11年)に、暖簾分けと言うか、分家というか、太田町の方で(だいもんじ食品が)納豆屋さんを始めた。
昔は一町に一つの納豆屋さんがあったわけだから、別に喧嘩したわけじゃない。

福島市内もね、納豆屋によって味も作りもみんな違う。
だから、その町その町で固い納豆が好きな所もあれば、柔らかい納豆が好きな所もある。

実は、大文字屋斉藤氏は江戸期から続く旧家。
ここでちょっと古地図などご紹介してみましょう。
福島市荒町の古地図
この地図は、福島市役所が第一小学校横にありますので、間違いなく戦前のもの。
で、大文字屋は。。
ありますね!
「町  荒」の中間の下あたりです。

福島荒町の大文字屋本店が廃業するのだという。 18.07.01七転納豆

福島の納豆屋さんを取材しに行ったのはいつだったっけ?

七転ブログで調べてみたら2010年のことでした。

福島駅の駅近エリアには二軒の納豆屋さんがあって、それがだいもんじ食品と大文字屋本店。そのころ、東京で買える福島の納豆といえばひらがな「だいもんじ食品」のほうで、事前に取材させてくださいってお願いして行ったのに現場に伝わってなかったことなど思い出してしまいました。

あん時はね。仕方ないので、線路向こうの荒町の「大文字屋本店」に伺っていろいろお話を聞かせていただいたんです。

その後、だいもんじ食品の斎藤社長ともお知り合いになったり、大文字屋本店の社長さんが実は私のお付き合いのあるデザイナーさんの同級生だったりとか。。いろいろご縁をいただきました。

しかし、なんということでしょう。
大文字本店もついに廃業することになったのだといいます。

これは毎日新聞の記事なのかな?
室の中の空っぽの通い箱が哀しいですね。
荒町大文字本店の室
6月28日夕、福島市荒町の「大文字屋本店」。納豆を発酵させる「室(むろ)」と呼ばれる作業部屋には空のケースが積まれていた。1865年から続けてきた納豆の製造は前日で終わり、50年以上使ってきた豆を蒸す釜やパック詰めの機械も止まったままだ。5代目の斎藤一久社長は「できれば続けたかった」とつぶやいた。

 親族で納豆とこんにゃくを製造してきた。卸先は市内のスーパーや旅館が中心。約10種類を製造し、やわらかめの食感や、経木(きょうぎ)という薄い木の皮で包んだ製品が「昔ながらでいい」と人気だった。

 だが、原発事故後は風評もあって売り上げが半減した。販路の約1割を占めた飯舘村が一時全村避難を強いられ、取引先の小売店が休業したのも響いた。手間ひまかけて1日2000食を生産し、1食100〜130円。大量生産し、輸送技術の向上で販路を広げてきた県外の大手企業の商品と同じ棚に並ぶと価格で見劣りした。

 今年に入ると長年使ってきた釜や室などの設備に傷みが出て、生産量も落ちた。1000万円以上の設備投資が必要になったが、売り上げ向上が見込めず後継者もいない中、斎藤社長は「ここが潮時」と廃業を決めた。

設備の老朽化がきっかけになってしまうのは仕方がありませんが。。
残念です。
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