江ノ島の磯の生き物 - 飼育方法

江ノ島で磯遊びしてカニや魚を捕まえたは良いけど・・・


お子さんが持って帰りたいとダダこねて、持って帰って来たものの・・・さぁ困った!

ここでは本格的な飼い方ではなく
(本格的な飼育方法を紹介した本やサイトはいっぱいあるので)
「パパの次の休みまで」とか「夏休みの間だけ」といった、
短期間、応急処置的な飼い方を紹介します。

・まぁ、このwikiが必要な人が捕まえられる連中は
この辺くらいだろうと、かな〜りタカをくくった解説です。

海水

まずどの動物も共通で必要なのが「海水」が必要ということ。
手持ちのペットボトルに汲んで帰って来るか、
ホームセンターか熱帯魚屋で「人工海水の素」を買ってくる。
 さまざまなメーカーのものがあり、値段もバラバラだが、
 サンゴを育てる訳ではないので最安値のもので200〜500g程度あれば問題無い。
(イソガニ・イワガニなら最悪にがりを含んだ粗塩(博多の塩、赤穂の塩etc.))
 1Lの水に一袋溶かすとちょうど海水の濃度になる
ように調整された人工海水の素

(SEIYU等スーパーでも見かけるのでビックリ)
長期飼育に使用するには割高

もう1つ必要なのが海水の塩の濃度を測る比重系だ。
プラスチック製(2千円弱)・ガラス製(千円前後)・デジタル式(高価)がある。
まぁ最悪、水1Lに対し人口海水の素35g溶かせばなんとかなる。
でも水は蒸発すると、飼育水の塩分濃度は濃くなるので、
飼育中の海水も時々チェックしなければならないので、購入しておく方が吉。

飼育容器と空気の供給

イソガニとイワガニ、ケフサイソガニは掃除が楽な様に、飼育箱に深さ1cm程海水をいれ、
大きめの石か、小さなプラスチックのザルを入れただけの(別に陸地は不要なんだけど)
シンプルな方がお勧め。(見た目は悪いけど)
しっかり、確実に隙間無く蓋が出来るものがよい。
エアーポンプや濾過器を取り付けるより、1〜2日に1回水換えした方が良い。
というか濾過器やエアーレーション等の機器は入れない方がいい。
その配線やパイプを使って脱走するからだ。


その他のカニ、魚、ヤドカリ、エビは、種と匹数によっては、
水に自然に溶け込む空気だけで飼う事は可能だが、
安全を見るなら、やはり人工的に水に空気を溶け込み易くしてやる方が良い。
一般的なエアーポンプ(金魚のブクブク)は塩が飛沫し、
あたりを塩だらけにして、家具や床を塩で傷めたり、錆びさせたりするので、
ついでに水を綺麗にする外掛けフィルターが取り扱い易くお勧め。
外掛け式濾過はエアレーションもかねる

水槽のサイズより、飼育匹数によって
濾過機のサイズや設置数を決めよう

 うちの場合
7L水槽に18L用を1つ(2cmくらいの魚2~3匹)
35L水槽に57L用を2つ(4cmくらいの魚8~10匹)
 
エアレーションの目安であって濾過は話は別

このシステムでは濾過が不十分なので
飼育数に応じた頻繁な水換えが必要になる
コストパフォーマンス的にはいいんだけどねぇ

魚を飼うのは金をかけるか、手間をかけるか


飼育する容器は大きめが良いに決まっているが、
自分は小さい水槽で飼っているので・・・どうこう言えないf(^^;

水の維持

海水魚を長期飼育するなら、極めなきゃならないが・・・
サンゴや外洋の魚を飼育するのではなければ、
淡水魚のシステムで一応飼える
(但し海水でも使用できると明記されたものに限る)

糞や食べ残しといったゴミをとりのぞく物理濾過、
老廃物から発生する有毒物質を分解する生物濾過、
老廃物から発生する有毒物質を吸着する化学濾過、
老廃物を取り除き、ミネラルを追加する水換えやコンデショナーの添加。

この4つの組み合わせのバランスがとれると、
魚は病気になりにくく長期飼育が可能になる。
本格的にやるには数ヶ月の準備期間とちょっと専門的な知識と資金が必要。

物理濾過、化学濾過を強化して、生物濾過の負担を軽くする方式で、
飼うのが一番簡単で手っ取り早いと思うけど・・・
(初期費用は安いが、維持費がかかる方法である 小型水槽向き)
わかーんなーいって言う人は、大きな水槽に小さな魚を2〜3匹だけ飼っておけば安心。

飼い方

カニ
イワガニ、イソガニは陸によく上がるがその他のカニは陸は不要。
(陸に住むベンケイガニやアカテガニは水は飲み水程度で良い)
脱皮時共食いの危険があるので、基本的に個別飼育が無難である。
魚も上手に捕まえて食べてしまうので、一緒に飼えない。
カニは沢山捕まえてしまったら返しにいこう。
餌はニボシや干しえび、シラス

ヤドカリ
流行のオカヤドカリのように陸には上がらないので、陸地は不要。
オカヤドカリ同様、体の大きさにあった貝殻が必要でコレが大変。
貝殻は何種類か入れておいてやる。

魚・エビ
磯に沢山いて熱帯魚の餌を最初から食べる飼い易い魚は、
なぜか皆気がキツく、種によっては仲間同士殺し合いをする。
多数の飼育は止めた方が無難である。
カニと一緒の入れ物にいれると食べられてしまう事がある。
エビも脱皮の時、魚やエビに食べられてしまうので、単独飼育がおすすめ。

ジャンプして水槽の外に跳ね出るので、鉢底ネット等で隙間の無い上蓋を作る。

飼いきれなくなったら・・・

居た場所に帰すのが鉄則。
死滅回遊魚達はともかく、分類学上は同種であっても、
生息地域が異なっていて、お互いに交流がないような環境では、
遺伝子が全く同等とはいえなくなっている場合がある。
海はつながっている様で区切られているものなのだ。

他所の海に放流すると、水域ごとに異なっている遺伝子が混合してしまう。
全体としてもっていた遺伝的多様性や、
それに起因する環境適応の多様性は失われてしまう。

ちゃんと捕まえた場所で帰そう。