大石貞男の『日本茶業発達史』によると、
「明治十年来中国から製法を学んで磚茶を作り、明治十四年より試売をしており、明治末期まで磚茶を製造している。これは当時ロシア、蒙古などへ輸出された。もっとも、日本の製法は、紅茶あるいは緑茶の再製家庭に出る粉末、浮葉、下級紅茶、整枝葉などを蒸して型に入れ圧搾して固めたもので、紅茶を原料とするものを紅磚茶、緑茶を原料とするものを緑磚茶と呼んだ。
この磚茶は静岡県をはじめ、熊本、福岡県などで作られ、明治四十年には熊本、福岡二県で二〇八トン製造されているが、四十三年をもって打ち切られている。」
松崎芳郎氏は『日本のお茶 �気�茶と生産』では、
「磚茶の品質が不評だったこと、ロシアとの商習慣とのギャップなど問題があり、日本茶のロシアへの進出は不成功に終わる。」とし、日本のロシアへの輸出高を別表のように記載している。
松下智氏の『製茶の民族 〜製茶文化の源流〜』によると、
磚茶は、「昭和初期には日本でも造っており、静岡県や宮崎県等では「日本磚茶株式会社」の名のもとに蒙古や旧満州方面に輸出していたこともあった。しかし残念なことに、日本の磚茶は製造技術の不慣れなこともあってか、蒙古や旧満州に着くころには磚茶の内部にかびが繁殖しており、商品に成り得ず、製造は沙汰止みとなったようである。」
また、前掲の『日本茶業発達史』には、
「太平洋戦争に突入してからは北アメリカに対する輸出はまったくとだえたので、磚茶、玉緑茶を蒙古、アフガニスタンなどへ輸出し、これも一時一一七〇トンに達している。」ともある。
さて、宇城市小川町で発見された磚茶の写真を元茶業試験場のＩ先生に写真を見ていただいたところ、間髪を入れずに「ロシア語の文字」と教えていただいた。
確かに「К」「О」「Т」という文字がロシア語に用いられるキリル文字にある。
written by sakataka
「明治十年来中国から製法を学んで磚茶を作り、明治十四年より試売をしており、明治末期まで磚茶を製造している。これは当時ロシア、蒙古などへ輸出された。もっとも、日本の製法は、紅茶あるいは緑茶の再製家庭に出る粉末、浮葉、下級紅茶、整枝葉などを蒸して型に入れ圧搾して固めたもので、紅茶を原料とするものを紅磚茶、緑茶を原料とするものを緑磚茶と呼んだ。
この磚茶は静岡県をはじめ、熊本、福岡県などで作られ、明治四十年には熊本、福岡二県で二〇八トン製造されているが、四十三年をもって打ち切られている。」
松崎芳郎氏は『日本のお茶 �気�茶と生産』では、
「磚茶の品質が不評だったこと、ロシアとの商習慣とのギャップなど問題があり、日本茶のロシアへの進出は不成功に終わる。」とし、日本のロシアへの輸出高を別表のように記載している。
松下智氏の『製茶の民族 〜製茶文化の源流〜』によると、
磚茶は、「昭和初期には日本でも造っており、静岡県や宮崎県等では「日本磚茶株式会社」の名のもとに蒙古や旧満州方面に輸出していたこともあった。しかし残念なことに、日本の磚茶は製造技術の不慣れなこともあってか、蒙古や旧満州に着くころには磚茶の内部にかびが繁殖しており、商品に成り得ず、製造は沙汰止みとなったようである。」
また、前掲の『日本茶業発達史』には、
「太平洋戦争に突入してからは北アメリカに対する輸出はまったくとだえたので、磚茶、玉緑茶を蒙古、アフガニスタンなどへ輸出し、これも一時一一七〇トンに達している。」ともある。
さて、宇城市小川町で発見された磚茶の写真を元茶業試験場のＩ先生に写真を見ていただいたところ、間髪を入れずに「ロシア語の文字」と教えていただいた。
確かに「К」「О」「Т」という文字がロシア語に用いられるキリル文字にある。
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