帝国の竜神様51

1942年 5月28日 マリアナ諸島 サイパン 某所会議室

 外交交渉を博打に例えるならば、交渉締結および決裂はチップのやり取りでしかなく、長い長い事前準備と相手の手札の考察こそ博打の醍醐味と考えるのならば、この事務交渉こそが主戦場であろう。
 信任状捧呈式のはるか前からこの日の為に日米英は火花を散らしていたのだから。

「問題は、ハルノートの履行にある」
「履行しているではないか。
 むしろ、こちらが聞きたいのは、貴国が関与したにもかかわらず一向に改善に向かわない大陸情勢の事なのだが、本当に貴国で共産党は抑えられるのか?」
「共産主義の総本山たるソ連が首都陥落目前に迫られているのに、共産主義が更に広がると?」
「いえ、国力の乏しいわが国では自国の領土に竜が居座ったまま太平洋を渡って大陸に関与するとは到底できないもので、人事ながら心配なのですよ」
「それは分からないではありませんな。
 何しろ、国際社会にそっぽを向いて大陸を手に入れようと十年近く泥沼の戦争に身をおいた貴国の言葉ですから」
 あしからず言っておくが、これは事務交渉前の挨拶である。
 なお、米国側の主張を皮肉たっぷりに痛罵していたのは帝国交渉団副団長の吉田茂元駐英大使。
 それに対して同じ様な皮肉たっぷりに帝国を罵倒しつくしていたのが米国側全権大使のジョゼフ・パトリック・ケネディ元駐英大使。
 なお、日米の仲介者として中央に座る英国側全権大使のアンソニー・イーデン外相は微笑を浮かべたまま何も言おうとしない。
 なるほど。里が同じなら攻め方も同じになる訳だ。
 吉田とケネディが心温まる挨拶を交わした時には既に一部の参加者を除いて誰もがぐったりとなっていたのだった。
 この舞台の表向きの名分は「竜の提案における日米英合同協議」となっている。
 今回のマリアナの交渉はあくまでマリアナの竜と日米英の交渉であり、その最大の目的は「マリアナ海域の安全な航行の確保」になる。建前では。
 そして、そんなことでこの三国がこんな太平洋ど真ん中に集まるわけがない。
 英国仲介による中断していた日米交渉の再開こそこの交渉の真の議題だった。
 マリアナの竜との交渉は実は既に交渉そのものが終わっている。
 彼女と彼女の眷属たちは「自らの安全」のみを日米英三国に求め、日米英は彼女達の安全を脅かさない。
 ここ、サイパンとグアムにマリアナの竜および眷属に関わる三国合同の領事館を設置して何か問題が起こった時には日米英三カ国で協議する。
 得る物も求める物も少ないローリスク・ローリターンの案がマリアナの竜から撫子経由で提示され三国とも了解したのだった。
 アスリート飛行場に数機の一式陸攻が着陸する。
 東京からすっ飛んできた十数人の交渉団の一行である。
 団長は駐アメリカ合衆国特命全権大使だった野村吉三郎。副団長は吉田茂。
 事態の急進展と現場の暴走に東京の外務省が業を煮やした結果なのだが、外務省の関与できる余地がまた小さい事も事実だったりする。
 何しろ話は海軍の保護下にある竜神様なのだ。
「海軍は戦後を見据えて商売替えでもしたのですかな?
 堂々たる帝国の主張と中々の策は我が外務省も見習いたいものですな」
と、開口一番に吉田が出迎えた南雲と井上に嫌味をいってのけるが冷汗をふく南雲に対して井上は堂々としている。
「東京で小人閑居して議論を尽くしても不善を為すばかりで。
 現場としては、もっと早くこちらに起こし頂ければと思うしだい。
 で、東京の皆様の結論はまとまりましたかな?」
 井上の慇懃無礼な切り返しに実にわざとらしく吉田が肩をすくめた。
「まとまっているなら、私らがこんな所に来るわけないでしょうが。
 万一の失敗に備えての首切り要員ですよ。実の所」
「そのぐらいにしたまえ。吉田君」
 本音をぶっちゃける吉田に野村がたしなめたまま話を引き継ぐ。
「実の所、日米交渉そのものに価値があって、今回は向こうの出方を待つだけで構わないと東京は考えているふしがある。
 米国の出方を見てからでも遅くはないと」
 去年の12月にくらべて状況ははるかに帝国にとって良くなっていた。
 帝国は大陸からは満州を除いて撤退し、米国はハワイの竜と交戦中。
 撤退した大陸は国共内戦が勃発。米国の大量の支援ですら国民党は各地で苦戦を続けている。
 そして仲介をしてくれる英国は独逸と死闘中な上、現在の交易のお得意様である。
 外務省の一部には右翼とつるんで、
「マリアナの竜も帝国の庇護下におくべし!」
と息巻いている始末。
 かくて井上が予言して見せた「遅い上に何も決まらず」を見事なまでに行っていた。
「で、野村団長達を送り出したのはどなたで?」
 井上が声を落として核心を訪ねると、吉田は人を食ったようにあっけらかんとその黒幕の名前を口に出した。
「我々は帝国政府の命でここに来ているのだ。
 ならば、最終的な責任は内閣総理大臣が負うものだろう」
 と。
 内閣総理大臣、つまり東条首相の名前が出た瞬間、南雲は意外そうな顔を、井上も吉田と同じく人を食ったような笑みを浮かべた。
「あの人、先は長くないですな。
 けど、その長くない政治生命を使ってここに交渉団を派遣した敬意を払って、なんだかの手土産を持ち帰らねばならんでしょう」
 独逸有利の戦局の中で、あえて急いで交渉する必要性も無いのに、英国仲介で米国と交渉する。
 東条首相の出身母体の陸軍にとってはもはや東条の名前は「裏切り者」になっているだろう。
 そんな状況下で総理を続けられるとは井上も思っていない。
 陸軍の内閣潰しの陸相辞任は東条自身が陸相を兼任している為封じられている。それゆえ陸軍と繋がりのある右翼が東条自身の命を狙う可能性が高かったのだ。
 その危険をあえて晒して交渉団を派遣する東条の背後には対米戦回避を願い、撫子飛来後唯一東条を評価した陛下の強い意志があったに違いない。
「とはいえ、我々は急ぐ必要が無くなった以上、安く帝国を売るつもりも無い。
 今回の交渉は乙姫様と繋ぎがとれて、英米とも戦うつもりはないで十分な気もするが?」
 現場の最高責任者たる南雲が端的な現状認識を口に出す。
 なお、彼は最高責任者ゆえというかだからこそ、今の今まで挨拶と儀礼的行事以外に顔を出しておらず、本来の仕事ができないという日本的悲劇を一身に背負っていたのだった。
 話がそれるがそれもこれも日本の悪しき現場主義の結果に他ならない。
 情けない話だが、南雲が率いる南洋竜捜索艦隊は現場の最上位機関となってしまった為にありとあらゆる案件が持ち込まれ機能不全を起こしていたのだった。
 もちろん彼ら南洋竜捜索艦隊の参謀とて無能ではないが、「必要な時、必要な所に、必要なだけ」という兵給の概念は理解しても、それを行う為の人的戦力まで理解が足りなかった事を誰が責められよう。
 南海のマリアナに索敵用の飛行機の資材を運ぶだけでも、生産は本土で行い、船に積み込んで約一週間かけてマリアナまで持ってくる。
 生産されたはいいが港に運ぶ為の牛が病気になったり、船に積み込む港湾労働者達がストを起こせばマリアナ到着が日単位で狂って行く。
 そして米空軍との維持の張り合いで恐ろしいスピードで消費されてゆくマリアナの物資。
 基地兵給士官は悲鳴をあげ、通信士官はその悲鳴を東京に送り続け、東京は生産工場を怒鳴りつけ、工場は牛を手配し、生産スケジュールを調整し、港は昼夜問わずに物資を船に載せる。
 その全てをマリアナの南洋竜捜索艦隊は把握していた。いや、せざるをえなかったのだ。
 それは後方があまりにも離れている事もあって現場で指揮を取った方が速いという事情もある。
 だが、忘れてはならない。
 この南洋竜捜索艦隊は「現場−ライン」なのであって「スタッフ」ではないのだ。
 維新後、明治政府はプロイセンから参謀と参謀本部という概念を導入したが、現在に至るまで帝国の組織に真の意味での参謀など存在しない。
 あるのは現場だけなのだ。
 結果、軍事活動を目的とした南洋竜捜索艦隊は兵給で紙の海に溺れて東京との政治で破綻し、権限の本来無い井上中将や第四艦隊の参謀までも紙の海にダイブさせたのに、撫子の交渉にすら口を出していなかったなど本末転倒以外の何者でもない。
 なお、この当時の参謀の一人が21世紀の刑事映画を見て、
「事件は現場で起こっているんじゃない。会議室で起こっているの」
 と、言ってのけた女刑事に対して、
「それが言えるという事がどんなに幸せな事か……」
 と、大多数の観客とは違う所で涙したらしい。
 閑話休題。
   
「何故今なのか?
 それは英国という仲介者がいるからに他なりません。
 日米も交渉はまとまらなくてもいいと思っている。
 だが、英国だけは別だ。
 日米の不和、特に日本の枢軸側参戦と米国の欧州不介入は英国の破滅を意味するから是が非でも交渉をまとめたい。
 そして、英国という仲介者がいなかったら、帝国だけでハルノート以上の交渉条件を引き出す事はできない。
 ソ連が追い込まれ、英国の打つ手が悪化している今だからこそ、勝つか負けるか分からないゆえに高い配当が得られる可能性があるのです」
 吉田が断言する。
 吉田も野村も成算なしに無しにここに来た訳ではないらしい。
 英国は間違いなく焦っていた。
 独ソ戦は既にモスクワが焦点となり、クレタは一進一退の上、第二次クレタ海戦で英艦隊が敗北と英国側の出目はあまりにも良くない。
 それをひっくり返すだけの外交的成果(当然、マリアナの竜との交渉成立だけでは足りない)を英国は求めているのであって、だからこそオーストラリアにニュージーランドを招いた上でイーデン外相という大物をマリアナに送り込んできたのだ。
 このチャンスを逃すと次の交渉は英国仲介無しで米国と交渉する事になる。
 またハルノートなんて出されたら、今度こそ帝国は米国と戦う事を決意するだろう。
 吉田が確信を持って南雲に言ってのけた。  
「間違いなくこれは千載一遇のチャンスなのです。
 ここで日米関係を改善しておかないと、いずれ帝国は米国と争う事になる。
 絶対にまとめなければいけません」
 派手な信任状捧呈式をやらかした事もあって、大量の外交官とそれを報道する報道関係者をサイパンに呼び込む事になり、その宿泊先だけでもとうてい愛国丸だけでは処理できなくなっていた。
 信任状を持ち込んだ四カ国はグアムに拠点を作り、交渉そのものはドイツ時代に立てられたサイパンの洋館で行われる事となった。
 銃を持って洋館を警備する兵士に混じって、日本人に化けた黒長耳族の巫女達が薙刀を持って周囲を警戒する。
 その更に外には外国からの報道関係者(中立なのをいい事に本土から独系通信社も来ていた)が陣どって、次々と出入りする日米英豪NZの関係者を乗せた車にフラッシュを浴びせていた。
 これに竜を入れた「太平洋六者協議」と呼ばれるようになるマリアナの竜交渉は英国仲介の日米非公式協議という形でその幕を開ける。
 戦後に判明した事だが、この交渉において日本は野村団長吉田副団長以下十数名の外務省職員によって構成されているのに、オーストラリア・ニュージーランドとも本国に専属班を置いて数十人体制でこの交渉に臨んでいた。
 英国はシドニーに本部を置いて300人体制でロンドンとワシントンの外交官を待機させ、米国にいたってはアメリカ各地の大学に依頼して帝国の文化人類学者に生物学の竜の研究班まで入れると1000人規模の人員を投入していたという。
 もちろん、帝国の外交暗号は傍受済みだったりするのだが、それがかえって混乱を呼ぶ事となったと後に米国関係者は語る。
「我々は日本帝国の外交暗号を全て傍受解析していました。
 その結果、外相名義の『譲歩せよ』と『強行に押せ』という外交電が同時に送られてくる(注 外相名義で外務省の各部局(の背後にいる陸海軍)が勝手に指示を出していた)のを見て皆が首をひねる始末。
 しかも、マリアナ発の電報は決まって『善処する』としか言わず、もしかして傍受がばれているのではと疑ってかかっていましたよ。
 まさか、交渉当日まで日本帝国中枢での意見がまとまっておらず、竜に全交渉を丸投げしているなんて考えた馬鹿なんていませんでした」
 これが『マリアナの奇跡』と呼ばれる日本外交史上に残る大英断を引き出すきっかけになろうとは誰も思っていなかっただろう。
 そして話は本題の日米交渉に戻る。
 さて、ここで問題となるハルノートの要求を見てみる。

1.アメリカと日本は、英中日蘭蘇泰米間の包括的な不可侵条約を提案する
2.仏領印度支那からの日本の即時撤兵
3.日本の中国及び印度支那から即時の撤兵 
4.日米が(日本が支援していた汪兆銘政権を否認して)アメリカの支援する中華民国以外の全ての政府を認めない
5.日本の中国大陸における海外租界と関連権益全ての放棄
6.通商条約再締結のための交渉の開始
7.アメリカによる日本の資産凍結を解除、日本によるアメリカ資産の凍結の解除
8.円ドル為替レート安定に関する協定締結と通貨基金の設立
9.第三国との太平洋地域における平和維持に反する協定の廃棄
10.本協定内容の両国による推進

 帝国側は南雲の意見を代表するように今回の交渉再開に楽観的な見通しを持っていた。
 1は今の流れならば履行は可能だ。何しろこうやって話し合っているのだから。
 2も帝国が履行、4は帝国の足抜けによって汪兆銘政権そのものが崩壊・国民党に吸収されており問題はない。 
 問題は3と5だった。
 5は論外として3が中国(原文China)が、日本の傀儡国とされる満州国を含むかには議論があり、満州国は法律上中国からの租借地であるという歴史があり、帝国側も満州を含んだ中国大陸と考えていた。
 とはいえ、こちらの履行でできる部分はほとんど履行しているからこそ、米国の出方を帝国はうがっていた。
 6・7・8を帝国が履行するか、留保するか、話し合いに出たのだから何がしらの譲歩はあるだろうと帝国側は読んでいたのだった。
 特に7・8を履行してくれると瀕死の帝国経済回復の第一歩となる。
 帝国側は仏印および大陸からの足抜け、戦争不参加をもってハルノートの履行を主張し、米国の経済制裁解除を引き出したかった。
 これに対して米国側はまったく違った主張をする事になる。
 会議室の席について、イーデン全権大使が開会を宣言した途端、米国ケネディ全権大使が発言を求めたのだった。
「米国はハルノートに対する貴国の真摯な履行に対し深く感銘を受けたしだいです。
 これは私個人の提案なのですが、まだ未履行分に替わる解決策をこの場で披露したいのだがいかがか?」
 日本側の沈黙を了解と受け取ったケネディは日本側にとって青天の霹靂となる爆弾を口にした。
「ハルノート9条の条項について米国は帝国―撫子協定の破棄および、9条に違反しない形での修正を要求する」
 ケネディ全権大使のその一言に帝国側派遣団は誰もがついてゆけなかった。
「も、もう一度お聞きしたい?
 帝国―撫子協定の破棄及び修正ですと?」
 徐々にその意味する所を理解したらしく、震える声で野村団長が確認をとるが、ケネディは即答して見せた。
「そのとおり。
 帝国―撫子協定によってドラゴンレディ撫子は大陸の紛争に介入した。
 米国はハルノート9条に則って、帝国―撫子協定を第三国との太平洋地域における平和維持に反する協定と見なさざるをえない。
 我々はドラゴンレディ撫子の為の特命全権大使であり、彼女を国家に類推する格として遇している以上、彼女および彼女の眷属とその居住地域と権益の保全に関心を持たざるを得ません」
 当然のように言ってのけるケネディだが、そのあとでとってつけたように帝国のハルノート履行の努力を口に出す。
「もちろん、貴国が先の提案について真剣に履行しようとしている努力を我々は無視している訳ではありません。
 ハルノート未履行分に変わる私案として口に出したまでの事。
 貴国が未履行分を履行するのであれば何も問題はないと思うのですが」
 米国側交渉団が席を立つ。
 事態の推移に固まった帝国側交渉団を尻目に追い討ちの一言をかけて彼らは出て行った。
「今すぐ回答を求めるつもりはありません。
 どうぞ、本国とじっくり協議していただきたい。
 太平洋の平和の為にも」
 ドアが閉まった音と共に固まっていた帝国側交渉団は感情を爆発させた。
「何様のつもりだ!米国は!!」
「帝国―撫子協定の破棄だと!
 やつらは我々に死ねと言っているのか!!」
「ハワイを竜に焼かれて西海岸が混乱しているのに助けを請うどころか我々を脅迫するだと!
 思い上がるのもいい加減にしろ!!!」
 野村は困惑したまま事の推移についていけていないが、吉田は中央で笑みを浮かべたままのイーデンに声をかけた。
「何が可笑しいのですかな?
 イーデン全権大使」
「いえ、彼らはよほどミス撫子を恐れているのだなと」
 その一言が吉田の頭の中で何かに引っかかった。
 ゆっくりとハバナ産の最高級葉巻を口に咥え、紫煙の煙を部屋に拡散させながら、イーデンの言葉の意味を考える。
「そういう事か」
 吉田の声に帝国代表団の全ての視線が吉田に集まるが吉田は口を開こうともせずに葉巻を咥えたまま己の結論に間違いが無いか考え続ける。
 米国側は帝国が独逸側にたって参戦する事より、ハワイの竜の側に立って対竜戦に参加する事を極度に恐れていたのだ。
 だからこそ、三国同盟の脱退だけでなく、帝国―撫子協定の破棄を狙っていた。
 もっとも、三国同盟だけでなく帝国―撫子協定の破棄は文字通り英米に屈する帝国の外交的破滅を意味する。
「英国は帝国と米国の交渉の仲介をして頂いているのだが、今の米国提案をどう考えるのか?」
 吉田の言葉にイーデンは教師のように諭す口調で吉田の考えが正解だと告げたのだった。
「彼らにとって、帝国との交渉より竜との交渉がここでの目的ゆえ、まとまらなくても構わないと考えていても不思議ではないでしょう。
 むしろ、帝国―撫子協定の事しか言わなかった事の意味を貴国は考えるべきでは」
 イーデンの言葉に皆がはっとする。
 ハルノート3条と5条については帝国側の履行が難しく、揉めると野村や吉田達が想定していた条項について米国はまったく触れなかった。
 米国はこう迫っているのだった。『大陸を取るか撫子を取るか選べ』と。
「それにかれらも破棄および修正と言っている。
 現状の協定が問題なのであってその修正がミス撫子との間で成立するのであれば問題は無いはず。
 さすがに一度結んだ協定を自国の都合で破棄するなど外交的信義を問われますからな」
 そこから先は自分で考えろといわんばかりの態度でイーデンも席を立った。
「わが国と米国はミス撫子および彼女の眷属について、国を追われた亡命政権扱いでここにきている事を忘れない方がよろしいでしょう。
 その位置づけで、ハルノート1条にミス撫子とマリアナの竜が該当する形になれば英国は米国の説得を惜しまないでしょう。
 本交渉、楽しみに待っています」
 

 帝国の竜神様 51
2008年03月06日(木) 14:58:08 Modified by nadesikononakanohito




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