帝国の竜神様ネタ話

 「有史以来、人類は様々なエネルギーを手にいれ、文明はその力に導かれて歩んできた。
 では、魔法のほどのエネルギーの導く文明の行き先は何でしょうね?」
 スコット博士の問いに、ジョーンズは答えることができなかった。

 発見したのはドーバー海峡を守っていた英空軍のパイロットだった。
「着陸態勢に入る。
 ……ん?
 あんな所に島があったか?
 地図にはないはずだが……にしては、妙にでかい……
 なんだありゃ?」
 その瞬間、ガーゴイルの吐き出した炎に翼が焼かれた。
「翼をやられた!
 化け物だ!
 異世界からやってきた化け物にやられた!!」
 パイロットの悲鳴に管制官も叫ぶ。
「化けものってドラゴンの!!」

 その島の中枢で、誰に聞かれることもない声が姿無き二人の主に向けて紡がれる。

「おはようございます。
 戦闘行動を開始します」

「動けええぇぇぇぇぇ!!!」
 かろうじてガーゴイルを振り切って着陸した英空軍パイロットはおろか、全欧州に向けて主を探す強力なテレパスが発せられる。

「双頭魔竜炉搭載型独立戦闘要塞都市、イースです。
 操作説明を行いますか?マスター?」

Ranar likul viernopal kar
Ranar likul viernopal

Lenar panar virakeral kar
Lenar panar virakeral

Ehnar lakitu luyarpal kar
Ehnar lakitu luyarpal

Luyan henar terarkel kar
Luyan henar terakeral llukaparsi


「ここ、数年で欧州の事情は大きく変わった。
 今、ナチスの戦力は圧倒的よ。
 連合軍は必死の抵抗をしたけど、フランスの降伏まで戦争らしい戦争も起こらなかった。
 大陸欧州がナチスのものになるまであっという間だった」

「イースはもう始動準備に入っているわ。
 イースを動かすことも、そして止めることもシチリアとアイスランドのドラゴンにしかできない。
 このイースを手に入れる者こそ人類最高の権力を手にいるという事よ」

Tiernopar ehlkdu rapardu
Lukarmisi porer tirer lupar
Vierllosa tularsi tumirpar
Ehkulur latu retie marar

Tiernopar ehlkdu rapardu
Lukarmisi porer tirer lupar
Vierllosa tularsi tumirpar
Ehkulur latu retie marar


「目的はこの街か?」
「さぁ」
「ナチスにしてはやり方が荒すぎる。
 指揮官は誰だ?」
「ハイドリヒ元帥」
「お前、SSか!」

Message of the blowing wind
Erasing memories
Stars are the witnesses of our existence
Change is what the world awaits
Could that be peace or war?
The answer no one knows
Trusting the break of dawn
The blue bird flies away


 魔術師学園はその瞬間歓喜と狂気に沸いた。
「魔力震感知!
 ついに発見しました!
 イースです。
 500年の大崩壊後からついにイースが目覚めました!!」
「人類諸国家連合首脳会議を開くように要請しろ。
 進攻軍を編成して、イースを掌握するぞ」

Ranar likul viernopal kar
Ranar likul viernopal
Lenar panar virakeral kar
Lenar panar virakeral
Ehnar lakitu luyarpal kar
Ehnar lakitu luyarpal
Luyan henar terarkel kar
Luyan henar terakeral llukaparsi


「エノラ・ゲイはイース中枢で核爆弾を起爆させるよう命令を受けている。
 必要になれば、ムスカは起爆装置を起動させる。
 そういう命令を受けている」
「イースに行くのか?
 ムスカ。答えてくれ!
 イースに行くんだろ?」
「だったらどうしたというのかね?」
「チャーチルはイースを核で落とすつもりなんだぞ!」

Tiernopar ehlkdu rapardu
Lukarmisi porer tirer lupar
Vierllosa tularsi tumirpar
Ehkulur latu retie marar


 イース中枢で二人の女が裸で巨大な宝珠を抱いて苦しむ。
 竜脈から得られる莫大な地球の魔力の歓喜と、イースを狙うMe 262とP-51と魔術師と飛行戦艦の攻撃の苦痛に常時さらされていたからだった。
 イースはその力の全てを使い万を超えるガーゴイルを開放し、ありとあらゆる魔力砲を空と大地に向けて放ち、ドーバー海峡を火の海に変えた。
「あとは、彼女達にお任せしましょう」
 彼女たちの苦悶を楽しそうかつ傲慢にムスカは言ってのけた。
 事実、今の彼はイースの、ドーバー海峡という地獄の王だった。

Travelling beyond the bounds
We have to take that step
What are we waiting for? It's now or never
Fear to see "The World to Be"
Is why we hesitate
Repeat the same mistake
Hoping to break new ground
The blue bird flies away


「全てのV2をイースに向けよ!」
「しかし、総統!既にイースはドーバー沿岸の基地を破壊しており……」
「ならば残った兵器でなんとしてもイースを破壊してしまうのだ!
 日本を通じてチャーチルがドラゴンと交渉を持ち、あの街が我らに更なる牙を向くまえに!
 英独だけでない!
 欧州が、世界がドラゴンに征服されるぞ!!」

Pa laktu vimaturesi
 pasi lameta vimaturesi
Lanasidu kisaturesi
 makipa sela nitaturesi
Pasira laktu vimaturesi
 pasi lameta vimaturesi
Lanasidu kisaturesi
 makipa sela nitaturesi
Pasila


 公会議に彼女が現れたのはそんな時だった。
 全てに絶望しきって、誰もが見栄と欲と更なる血を欲している事実に教皇以下の面々に厳かにこう告げたのだった。
「私達ドラゴンは、殺された眷属と貴方がた全ての敵意と憎悪について、ここに報復を宣言します」
 と。


「なんでイースにやってきたの!」
「……オーバーロードに何かあったら許さない」
「私達の邪魔さえしなければ攻撃しないわ」
「信用できないな」


「どうせ一度死んだ身だ。
 俺は自分でケリをつける」
「駄目よ!」


「見ろ!
 魔法による地球との完全な結合!
 全てを終わらす破壊の意思を!!」
 ムスカの叫びを無視してジョーンズが宝珠の制御棒を躊躇わずに押し込んだ。
「止まれぇぇぇぇぇええ!!!」

Reaching out to catch the sun
To hold it in our hands
Longing for something strong to hide our weakness


「イースは今、失った都市機能の動力を竜達の魔力によって補っているわ。
 その魔力は竜達の感情によって供給されている。
 つまりイースは、竜達が心を閉ざした時に落ちるの」


「五匹の竜の性能は互角。
 だが、どれかの竜が一歩抜け出す為には一つ欠けているものがある。
 竜達の性能を最大限に引き出すパートナーだ。
 どの竜が抜け出すかは、パートナー次第だ」

Soon the light may disappear
Nothing is meant to last
Yet we believe our world
Searching for happiness
The blue bird flies away


 ガーゴイルを前に鞭でジョーンズが中枢の玉座の間を目指す。
「邪魔だぁぁぁぁ!!」
 同時刻、英国首相官邸は力なくチャーチルが葉巻をくべらせて後悔の言葉を紫煙と共に吐いた。
「ムスカの目的は支配では無く、破壊だ」


「私がいなくなっても……
 必ず、必ずイースを落として……」


帝国の竜神様 ネタ話
2007年09月16日(日) 02:52:05 Modified by hrykkbr028




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