二国間経済協議 
◆日米経済協議
詳しい内容については、日米構造協議、日米包括経済協議、日米経済協議(2000年代)、日米経済協議(2010年代)を参照。
詳しい内容については、日米構造協議、日米包括経済協議、日米経済協議(2000年代)、日米経済協議(2010年代)を参照。
- 日米円ドル委員会 (Japan-US Yen Dollar Committee、1984年)
- MOSS協議 (Market Oriented Sector Selective Talks、1985年)
- 日米構造協議 (Structural Impediments Initiative、1989~90年)
- 日米間の新たな経済パートナーシップ (1993~2001年)
- 日米包括経済協議 (Japan-US Framework Talks、1993~96年)
- 日米規制緩和対話 (日米間の規制緩和及び競争政策に関する強化されたイニシアティブ、Japan-US Enhanced Initiative on Deregulation and Competition Policy、1997~2001年)
- 成長のための日米経済パートナーシップ (2001~09年)
- 日米間の規制改革及び競争政策に関するイニシアティブ (Japan-US Initiative on Regulatry Reform and Competition Policy)
- 投資イニシアティブ
- 日米経済調和対話 (Japan-US Economic Harmonization Initiative、2011年~現在)
- 日EU規制改革対話 (Japan-EU Regulatory Reform Dialogue、1994~2010年)
年次改革要望書
「年次改革要望書(Annual Reform Recommendations)」とは、規制・競争政策に関する二国間の経済協議において、議論の叩き台として双方によって提出・交換される要望書のこと。日本政府は、米国との二国間経済協議で交換するほか、EUとの経済協議においても同様の主旨の要望書を交換している。本稿では、特に日米間の規制・競争政策に関する二国間協議において交換される要望書を中心に記述する。
要望書は、自国内の産業界から意見を聴取し、相手国に対する要望事項を集約して作成される。要望書自体は条約・二国間合意ではなく、勧告・提案に過ぎないため法的拘束力を持たない。二国間協議では双方の要望書に基いて議論が行われる。協議において合意された事項は、報道機関に公開され、双方がそれぞれ国内法を制定・改廃することによって実現化することとなる。
◆要望書の呼称
「年次改革要望書」という呼称は、国会での小泉龍司衆院議員による質問(2005年)、山田俊男参院議員による質問(2011年)等で使用され、その問題性を指摘する時にしばしば一般に用いられるが、日本政府が公式に使用したことはない。
米国政府は「Submission(服従・提案の意、1994~99年)」「Annual Submission(2000年)」「Annual Reform Recommendations(年次改革勧告の意、2001~08年)」「規制撤廃要望書(1998年)」「規制改革要望書(1999~2001年)」「年次改革要望書(2002~03年)」「米国政府要望書(2004~08年)」という呼称を用い、日本政府は「Submission(1998~2002年)」「Recommendations(推薦・勧告の意、2003~08年)」「〜に関する日本(国)政府の要望事項」という呼称を使用している。
EUは「EU Proposals for Regulatory Reform in Japan(日本の規制改革に関するEU提案)」という呼称を用い、日本政府は「Japan's Proposal For Regulatory Reform Dialogue in EU」「日本側対EU提案書」という呼称を使用している。
（参考：在日米国大使館「U.S.-Japan Regulatory Reform Reports」）
◆年次改革要望書の問題性
要望書は、自国内の産業界から意見を聴取し、相手国に対する要望事項を集約して作成される。要望書自体は条約・二国間合意ではなく、勧告・提案に過ぎないため法的拘束力を持たない。二国間協議では双方の要望書に基いて議論が行われる。協議において合意された事項は、報道機関に公開され、双方がそれぞれ国内法を制定・改廃することによって実現化することとなる。
- 日米包括経済協議での規制緩和及び競争政策作業部会において交換される要望書 1994~95年の2つ
- 日米規制緩和対話において交換される要望書 1998~2000年の3つ
- 日米規制改革イニシアティブにおいて交換される要望書 2001~08年の8つ
- 日米経済調和対話において交換される要望書 2011年の1つ
- 日EU規制改革対話において交換される要望書 2001~08年の8つ
◆要望書の呼称
「年次改革要望書」という呼称は、国会での小泉龍司衆院議員による質問(2005年)、山田俊男参院議員による質問(2011年)等で使用され、その問題性を指摘する時にしばしば一般に用いられるが、日本政府が公式に使用したことはない。
米国政府は「Submission(服従・提案の意、1994~99年)」「Annual Submission(2000年)」「Annual Reform Recommendations(年次改革勧告の意、2001~08年)」「規制撤廃要望書(1998年)」「規制改革要望書(1999~2001年)」「年次改革要望書(2002~03年)」「米国政府要望書(2004~08年)」という呼称を用い、日本政府は「Submission(1998~2002年)」「Recommendations(推薦・勧告の意、2003~08年)」「〜に関する日本(国)政府の要望事項」という呼称を使用している。
EUは「EU Proposals for Regulatory Reform in Japan(日本の規制改革に関するEU提案)」という呼称を用い、日本政府は「Japan's Proposal For Regulatory Reform Dialogue in EU」「日本側対EU提案書」という呼称を使用している。
（参考：在日米国大使館「U.S.-Japan Regulatory Reform Reports」）
◆年次改革要望書の問題性
もう一つ、アメリカの圧力ということもしばしば取りざたをされます。日米の間に年次改革要望書というものがございまして、毎年秋にアメリカから日本国政府にこれが渡されます。九百人の中央省庁の課長さんにこれが切り分けられまして、一年後のフォローアップに向けてちょっとずつ譲っていく。だるまさんが転んだみたいな形でちょっとずつ譲っていく、数多く。気がつくと、この年次改革要望書の項目はほとんど実現されているわけでございます。日本の近未来を見るには、将来投資のために株を買うならこの年次改革要望書を見ろというふうに言われているぐらい、きちっとこれが反映されている。ここに、保険アジェンダから始まって、今は郵政民営化がきめ細かく、内政干渉と思われるぐらいきめ細かく、米国の要望として書かれているわけでございます。
−小泉龍司(第162回国会、衆議院、郵政民営化に関する特別委員会、2005年5月17日)
−小泉龍司(第162回国会、衆議院、郵政民営化に関する特別委員会、2005年5月17日)
米国の要望事項
日本の規制改革を参照。
日本の要望事項
日本側の要望書は、例えば規制改革イニシアティブでは、正式には「米国政府の規制改革及び競争政策に関する日本政府の要望事項」という。2000~06年の要望書では「米国の規制・制度の中には、依然として、(1)米国特有であり、国際基準に適応していないもの、(2)自由貿易の理念に反するもの、(3)公正な競争を阻害するもの」があるとしてそれらの廃止や改善を求めていた。さらに2007~08年の要望書では、要望事項を次の3つに再編した。
(1)自由貿易の理念にそぐわない規制、公正な競争を阻害しかねない規制･措置の撤廃・改善を求めるもの
(2)物流や領事分野におけるセキュリティ対策のための規制強化が、日米間の円滑な通商関係・人的交流を必要以上に阻害しないよう求めるもの
(3)米国で活動する日本企業の負担となっている州別の規制や国際基準にそぐわない規制を改善するよう求めるもの
◆WTO協定との整合性の確保を求めるもの
� ．潺礇鵐沺疾�裁法 (1999~2004年の要望書) −連邦最高裁違憲判決で停止
�◆�1916年アンチダンピング法 (2003年の要望書) −2001年にAD協定違反確定、2004年廃止
�� 日本製熱延鋼板に対するAD措置 (2003~06年の要望書) −2001年にAD協定違反確定、勧告未履行
�ぁ．弌璽表だ犠鮃燹�(2001~11年の要望書) −2003年にAD協定違反確定、勧告不完全履行
�ァ．汽鵐札奪函Ε譽咼紂次 �2003年にAD協定違反ではないと認定
�Α‥換櫂察璽侫�ード措置 (2003~05年の要望書) −2003年にSG協定違反と認定、同年廃止
�А．璽蹈ぅ鵐亜�(2004~11年の要望書) −2007年にAD協定違反確定、2012年廃止
(1)自由貿易の理念にそぐわない規制、公正な競争を阻害しかねない規制･措置の撤廃・改善を求めるもの
(2)物流や領事分野におけるセキュリティ対策のための規制強化が、日米間の円滑な通商関係・人的交流を必要以上に阻害しないよう求めるもの
(3)米国で活動する日本企業の負担となっている州別の規制や国際基準にそぐわない規制を改善するよう求めるもの
◆WTO協定との整合性の確保を求めるもの
� ．潺礇鵐沺疾�裁法 (1999~2004年の要望書) −連邦最高裁違憲判決で停止
�◆�1916年アンチダンピング法 (2003年の要望書) −2001年にAD協定違反確定、2004年廃止
�� 日本製熱延鋼板に対するAD措置 (2003~06年の要望書) −2001年にAD協定違反確定、勧告未履行
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�ァ．汽鵐札奪函Ε譽咼紂次 �2003年にAD協定違反ではないと認定
�Α‥換櫂察璽侫�ード措置 (2003~05年の要望書) −2003年にSG協定違反と認定、同年廃止
�А．璽蹈ぅ鵐亜�(2004~11年の要望書) −2007年にAD協定違反確定、2012年廃止
参考資料
外務省ホームページ「日米経済:二国間対話」
外務省ホームページ「日EU規制改革対話」
関岡英之『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』文春新書.2004.
関岡英之『奪われる日本』講談社現代新書.2006.
関岡英之『国家の存亡 「平成の開国」が日本を滅ぼす』PHP新書.2011.
外務省ホームページ「日EU規制改革対話」
関岡英之『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』文春新書.2004.
関岡英之『奪われる日本』講談社現代新書.2006.
関岡英之『国家の存亡 「平成の開国」が日本を滅ぼす』PHP新書.2011.
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