輸出管理・不拡散 
◆国連安保理決議1540
2004年4月に国連の安全保障理事会がWMD不拡散に関する決議を全会一致で採択した。
国際輸出管理レジームによる兵器関連物資・技術の輸出管理、PSIによるWMD関連物資の移転の阻止活動、国際原子力機関(IAEA)や化学兵器禁止機関(OPCW)による検証・査察の3段階となっている。
2004年4月に国連の安全保障理事会がWMD不拡散に関する決議を全会一致で採択した。
国際輸出管理レジームによる兵器関連物資・技術の輸出管理、PSIによるWMD関連物資の移転の阻止活動、国際原子力機関(IAEA)や化学兵器禁止機関(OPCW)による検証・査察の3段階となっている。
国際輸出管理レジーム
国際輸出管理レジームとは、輸出管理について協調するための枠組みである。兵器やその汎用品・技術の供給能力を持ち、かつ不拡散を支持する国(主に先進国)が参加している。国際条約に拠らず、法的拘束力のない紳士協定に基いている。参加国は、輸出管理の対象となる兵器の開発に用いられる汎用品・技術について合意し、具体的に列挙されたリストに基く国内法の制定によって厳格な輸出管理を実施する(リスト規制)。リストに掲載されていない品目でも、大量破壊兵器の開発・使用に用いられる可能性がある場合は輸出管理の対象となる(キャッチオール規制)。
◆原子力供給国グループ(NSG) −核兵器
1974年のインド核実験によって核拡散の認識が高まり、1978年に原子力供給国グループ(Nuclear Suppliers Group)が設立された。参加国は、原子力専用品・技術の輸出の指針を定めるNSGガイドライン・パート1と、原子力汎用品・技術の輸出の指針を定めるNSGガイドライン・パート2に基いて輸出管理を行う。
� ．僉璽�1リスト(トリガーリスト)に列挙された品目を非核兵器国に輸出する場合、受領国がIAEA保障措置協定を締結していることが条件。輸出の際には受領国に、(a)核爆発目的への不使用の保証、(b)IAEA保障措置の受諾、(c)核物質防護措置の実施、(d)第三国へ再移転の場合は現供給国に与えた保証と同一の保証を当該第三国から取り付けることの4条件を義務付けることになっている。パート1品目はプルトニウム、ウラン等の核物質、再処理プラント、濃縮プラントなど。
�◆．僉璽�2リストに列挙された品目を非核兵器国に輸出する場合、輸出許可手続を作成し、輸出を許可する際には(a)移転の用途及び最終需要者の宣言、(b)核爆発活動、保障措置の適用のない核燃料サイクル活動への不使用の保証を条件とし、(c)核兵器の拡散や核テロへの転用の恐れがある場合は許可すべきでないとされている。パート2品目は産業用機械、重水製造プラントなど。
米国の提案により、インドに対して民生用原子力の協力を行う代わりに、インドは原子炉を段階的にIAEA保障措置の下に置くこととされ、2008年にインドをNSGガイドラインの例外とする合意が採択された。
◆ザンガー委員会(ZC) −核兵器
NPT第3条2に特定の原子力資機材について輸出管理を行うことを規定しているが、一般的な記述に留まる。スイスのザンガー教授の提唱によりザンガー委員会(Zanger Committee)が設立され、1974年に輸出管理の対象となる品目について合意した(ザンガーリスト)。
◆オーストラリア・グループ(AG) −生物・化学兵器
◆ミサイル技術管理レジーム(MTCR) −ミサイル
◆ワッセナー・アレンジメント(WA) −通常兵器
◆原子力供給国グループ(NSG) −核兵器
1974年のインド核実験によって核拡散の認識が高まり、1978年に原子力供給国グループ(Nuclear Suppliers Group)が設立された。参加国は、原子力専用品・技術の輸出の指針を定めるNSGガイドライン・パート1と、原子力汎用品・技術の輸出の指針を定めるNSGガイドライン・パート2に基いて輸出管理を行う。
� ．僉璽�1リスト(トリガーリスト)に列挙された品目を非核兵器国に輸出する場合、受領国がIAEA保障措置協定を締結していることが条件。輸出の際には受領国に、(a)核爆発目的への不使用の保証、(b)IAEA保障措置の受諾、(c)核物質防護措置の実施、(d)第三国へ再移転の場合は現供給国に与えた保証と同一の保証を当該第三国から取り付けることの4条件を義務付けることになっている。パート1品目はプルトニウム、ウラン等の核物質、再処理プラント、濃縮プラントなど。
�◆．僉璽�2リストに列挙された品目を非核兵器国に輸出する場合、輸出許可手続を作成し、輸出を許可する際には(a)移転の用途及び最終需要者の宣言、(b)核爆発活動、保障措置の適用のない核燃料サイクル活動への不使用の保証を条件とし、(c)核兵器の拡散や核テロへの転用の恐れがある場合は許可すべきでないとされている。パート2品目は産業用機械、重水製造プラントなど。
米国の提案により、インドに対して民生用原子力の協力を行う代わりに、インドは原子炉を段階的にIAEA保障措置の下に置くこととされ、2008年にインドをNSGガイドラインの例外とする合意が採択された。
◆ザンガー委員会(ZC) −核兵器
NPT第3条2に特定の原子力資機材について輸出管理を行うことを規定しているが、一般的な記述に留まる。スイスのザンガー教授の提唱によりザンガー委員会(Zanger Committee)が設立され、1974年に輸出管理の対象となる品目について合意した(ザンガーリスト)。
◆オーストラリア・グループ(AG) −生物・化学兵器
◆ミサイル技術管理レジーム(MTCR) −ミサイル
◆ワッセナー・アレンジメント(WA) −通常兵器
拡散に対する安全保障構想(PSI)
大量破壊兵器(WMD)やミサイルの拡散は、軍備管理条約や輸出管理では十分に防止できていない。そのため、移転や輸送を直接阻止する取り組みとして「拡散に対する安全保障構想(Proliferation Security Initiative)」が米国の提唱で打ち出された。PSIは、国際法・各国国内法の範囲内で、参加国が共同してWMD・ミサイルの移転や輸送を阻止するための措置を検討・実践する取り組みである。
米国は2002年12月に「大量破壊兵器と闘う国家戦略」を発表し、拡散を食い止める包括的なアプローチとして�ヽ隼饗亶魁↓�不拡散、��WMD使用の結果への対処を挙げた。2003年5月には「拡散対抗」の中の「阻止」を具体化したPSIを提唱し、日本を含む10か国に参加を呼びかけた。同年に採択された「阻止原則宣言」はPSIの基本原則を定め、95か国が支持し参加・協力している。
� ．▲Ε肇蝓璽然萋�(呼びかけ)
拡散阻止活動には多くの国の連携が鍵となることから、各国にPSIへの参加・協力を呼びかけている。アジア諸国国防省への情報提供(地域的アウトリーチ)や、便宜置籍船国への乗船協定の締結(機能的アウトリーチ)などを行っている。
�◆〜忙澤盈�
実際にWMDの輸送を阻止する作戦を成功に導くため、陸上、海上、航空での阻止訓練が世界各地域で行われている。日本は2004年に相模湾での「チーム・サムライ04」、2007年に伊豆大島東方海域での「パシフィック・シールド07」を主催した。阻止活動では、偵察・警戒情報の参加国への提供、不審船への立ち入り検査等が行われ、防衛省・海上自衛隊の護衛艦・哨戒機のほか、外務省、警察庁、警視庁、海上保安庁、財務省、税関も参加している。
�� 総会及び専門家会合
PSI参加国の間で局長級の総会、局次長級の専門家会合を行い、阻止訓練の実施計画の策定や法的問題の検討を行っている。
2003年9月にBBCチャイナ号事件が発生し、これによりPSIの有効性が示された。BBCチャイナ号が原子力物資をリビアに向けて輸送する情報をドイツ外務省が入手し、イタリア海軍や米海軍が臨検を行い物資を押収した事件。この事件によってリビアの核開発、カーン・ネットワークが明らかになった。
参考資料：外務省『日本の軍縮・不拡散外交(第五版)』2011
米国は2002年12月に「大量破壊兵器と闘う国家戦略」を発表し、拡散を食い止める包括的なアプローチとして�ヽ隼饗亶魁↓�不拡散、��WMD使用の結果への対処を挙げた。2003年5月には「拡散対抗」の中の「阻止」を具体化したPSIを提唱し、日本を含む10か国に参加を呼びかけた。同年に採択された「阻止原則宣言」はPSIの基本原則を定め、95か国が支持し参加・協力している。
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拡散阻止活動には多くの国の連携が鍵となることから、各国にPSIへの参加・協力を呼びかけている。アジア諸国国防省への情報提供(地域的アウトリーチ)や、便宜置籍船国への乗船協定の締結(機能的アウトリーチ)などを行っている。
�◆〜忙澤盈�
実際にWMDの輸送を阻止する作戦を成功に導くため、陸上、海上、航空での阻止訓練が世界各地域で行われている。日本は2004年に相模湾での「チーム・サムライ04」、2007年に伊豆大島東方海域での「パシフィック・シールド07」を主催した。阻止活動では、偵察・警戒情報の参加国への提供、不審船への立ち入り検査等が行われ、防衛省・海上自衛隊の護衛艦・哨戒機のほか、外務省、警察庁、警視庁、海上保安庁、財務省、税関も参加している。
�� 総会及び専門家会合
PSI参加国の間で局長級の総会、局次長級の専門家会合を行い、阻止訓練の実施計画の策定や法的問題の検討を行っている。
2003年9月にBBCチャイナ号事件が発生し、これによりPSIの有効性が示された。BBCチャイナ号が原子力物資をリビアに向けて輸送する情報をドイツ外務省が入手し、イタリア海軍や米海軍が臨検を行い物資を押収した事件。この事件によってリビアの核開発、カーン・ネットワークが明らかになった。
参考資料：外務省『日本の軍縮・不拡散外交(第五版)』2011
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