或る朝

吐き気で目覚めた
家の中は人の気配が無い
寝てる間に皆 僕を置いてどこかに出掛けたんだろう
そんなことよりもう胃がやけに疼いて
洗面所に続く廊下で独り吐いた

僕の口から滑り落ちたのは
見慣れた母親の腕
弟の浅黒い脚

なるほど どおりで胃がつらかったわけだ

戻したらなんだか腹が減って来た
じゃあパンでも焼こうかな
マーガリンは漬物の容器の奥だっけ
あぁ、そうだ、牛乳は切らしてたんだった
今日は麦茶で我慢しよう
何か今日 面白いテレビやるかなぁ…

不意に踏み付けたのはさっきの母親の腕
少し溶けかかって転がっている

これって生ゴミでいいんだっけ?

スレッドNO.38
レスNO.60
作者、なまえはいらない

この作品に対する批評

150 名前: やさしいあくま [髷] 投稿日: 2006/02/02(木) 20:58:45 ID:Qmt/m6+5
>60
中身に入る前に読んだままをそのまま受け入れられるうまさがありました。深読みすると、かかれたまんまである。
吐き捨てたのは母親、弟の存在そのもの。あまりに衝撃的で、吐き出した母親・弟への言葉の比喩は以外にも日常的なものだと思いました。
(日常的なモノのモノがうまく表現できませんでした。あしからず。嫌悪感だとかそういう系だとは思いますが)
B+
2006年02月06日(月) 08:45:42 Modified by teruakiniiduki




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