冬水(ふゆみず)

「冬水(ふゆみず)」

ストーブに遮られた部屋の中で
いつまでも冷たくあり続ける ガラス瓶の中の水。
かたくなに テーブルの上に立ち続けていた。

コップに傾ければ 溢れ出しまた静かにたたづむ。
手に持てば 逆らう事なく水面(みなも)を揺るがす。
手のひらに収まり切り取られた 透明な冬の風景。

糧となる運命を受けて それでもなお冷たく、
飲み干さんとする喉仏に 微かな痛みで逆らった。
少しでも長く透き通っていたいのだと、抗っていた。

…そして君はただの潤いへと姿を変えて。


スレNO.26
レスNO.202
投稿者: 名前など無い。きっと。
ID:U5IMGwP0



この作品への批評

256 :抑揚 ◆YqmVtwkwAs :2005/05/09(月) 17:52:27 ID:YZbhYFek
>>202 D(-21pt)
技術点:8 芸術点:8 面白味:5 読後感:5 抑揚点:3
■技術面 語句の選び方など読ませる詩を書く事に不慣れな印象を受ける
■芸術面 やはり雰囲気を先行し過ぎて、景色を切り取るに留まっている
■面白味 清らかなる景色を想像させるが、そのままでは面白味は無いに等しい
■読後感 内容に伴い透明な印象の作品に仕上がっているが、それだけに3秒後には忘れる
■抑揚評 一番気になったのは語句の選び方、
     声に出して読んでみると分かるのだが読みづらい
     変なところで詰まったり、噛み噛みになったり、
     それは黙読でも同じ状態が起こっていると考えれる
     投稿する前に一度声に出して読んで、少し手を加えてやると
     そういう読みに対する不快感は少なくなると思われる
(以下略)

273 :清掃局の者 ◆6P3vWUZtcI :2005/05/09(月) 22:53:07 ID:CkGBLijr
(前略)
>202
B
(最近の俺の評価、Bから上が詰まっててどうもいけない。こんなにたくさん良い詩が来るとは予想してなかったから、、、
反省。。)
こういった、一つのものをしっかり見つめる詩、好きだ。ただただ物を言葉に変えていくだけの、急ぎ足の作品が多い中で、ほっとするよ。
しかも、表現がとても自然な溶け方をしている。理性から溶け出た感性。それが読者にもよく馴染む。
あなたは感じたままをそのまま言葉にできる人だね。
この雰囲気を纏って、意味深に終行が現れるのだけど、
「君」「ただの潤い」 ―― ここだけ急いだ。最後に慌てた。そう思う。
(以下略)
2005年10月08日(土) 19:10:44 Modified by hon_gwhnf6




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