web上で拾ったテキストをこそっと見られるようにする俺得Wiki

絡まった糸を解くのって…結構、厄介。
上手く解ける場合もあれば、余計に絡まる事もある。
ここが解けたと思ったら、別の場所で玉結び…、それを直したら次は…
そんな感じで結局は……グッチャグチャ。
嫌になる。何で私はこんな事してるんだろう?
別に私が必死こいて動き回る必要なんて無いよね。
でも…しなきゃ駄目なの。
ここまでややこしくなったのは私のせい。
そして、糸を解いた先に見えるだろう答を見たいから。
その一つが私だったらな……って、はは…亜美ちゃんバカみてぇ。
そんなの、ある訳無いじゃん。端から分かってるし…。
解こうとしている糸の先は、大河と実乃梨ちゃんしか居ないんだもの。
……高須君の探る『糸』の中に『川嶋亜美』は居ない。
だけど『もしかしたら』って想いを馳せてしまう。
入り込む余地なんて無いと解ってても…。
ねぇ、高須君…私も見てよ。
お願い。からかってるんじゃ無いんだよ?
好き………キミに恋してるの。
………諦めきれないよ。



[伝えたい言葉]



薄暗い体育倉庫の中、私と高須君は『居た』
クリスマスパーティーの準備の喧騒も何処か遠くに聞こえる。

『大怪我する前に目を覚ましたら。全部チャラにしなよ。
それで一から始めたらいいじゃん。
…あたしのことも、一から入れてよ』
私はマットの上に寝転がり、彼に背を向けて、そう言った…。
打算があって言った訳じゃない。
ただ私の願望の発露として、唇が勝手に言葉を紡いだだけ。
「な、あ。川嶋…今、何て?」
高須君が私に聞き返す。
戸惑いを隠せて無い声で…。
やっちまったなぁ…あいたたたっ…。
『ごっめ〜ん☆冗談!冗談!本気にしたぁ?高須君の反応マジでウケる。亜美ちゃん腹痛てぇ!』
とか笑って誤魔化そう。
これ以上、糸がこんがらがったら嫌だもん。
朴念仁とアホとドジが右往左往してるの見てたらムカつくし…。
早くスッキリして楽になれば良いのに…、イライラするんだよね、アンタら見てると。
うんうん。そうだ。流石、亜美ちゃん解ってるぅ。
『いつも通り』に言えば良いのだ。
からかっただけ、って…。
「……私も、選択肢の一つに……入れてよ…」
でもね…考えとは真逆の事を、私は言ってしまう。
胎児の様に丸く身体を縮こませて…。

「選択肢って…、あ。……いや、川嶋。そのゴメンな。それは…」
背後から聞こえる申し訳なさそうな高須君の声は、私の心を抉る。「俺…好きな人が居るから、さ…」
苦しい。胸が張り裂けそうな残酷な一言。
こう言われる事なんて解ってた。
でも、本人の口から言われると辛くて…悲しい。
親指の爪をグッと噛んで、零れてしまいそうな涙を堪える。
「…何で駄目なの?大河や実乃梨ちゃんは…良くて、私は…私は駄目な訳?」
適当にお茶を濁せば良いのに…。
もう傷付きたくなんか無いのに…、私は更に深く聞いてしまう。
「ん…その内、俺なんかより、もっと良いヤツが見つかるぜ?川嶋に釣り合うヤツがさ」
と、テンプレートな言葉で、やんわりと断られる。
それ、『優しさ』のつもりで言ってるでしょ?
違うよ『否定』だよ。
『俺はお前が好みじゃない』
そう言っているのと同じだ。
「っ…。何だよ、それ。っん。高須君…って酷いよね」
私は絞る様に紡ぐ。
「私じゃ嫌?そうなら、そうって言ってよ?辛いよ…半端な言葉で生殺しにしないでよ!」
もう抑える事なんか出来なかった。

「お、落着け!川嶋、どうしたんだ!?訳が分からねぇよ」
肩に置かれた手を振りほどいて、私は起き上がった。
「…っ!私だって!私だって訳が分からないわよ!でも…でもっ!」
彼を睨み付けながら、その先を言おうとして、私は正気に戻る。
…落着け、川嶋亜美。
その先は取り返しがつかないよ?
一割にも満たない確率に掛けるなんて無謀だ。
言ったら、ただでさえややこしい関係が更に複雑になる。
私は深呼吸し、一呼吸置いて彼に言った。
「ゴメン…。何でも無い。あはは…今のは忘れて?」
うん…これで良いんだよね?
どうせ、実らないんだ…。
無かった事にしよう。
これ以上は傷付きたく無い…知りたく無いし、見たくない。
「お、うっ。大丈夫か?」
そう高須君が言ったの。
何でだろう?大丈夫に決まってるじゃん。亜美ちゃんは……強いから大丈夫。
でも本当は………。
「…わっけわかんね。高須君が何言ってんのか分かんねぇし」
私は強がりを言う。煙に巻く言葉を…。
「でも…。川嶋、泣いてるし」
は?泣いてる?私が?
何言ってんだ、このチンピラ顔。
この位で泣く訳ねぇ。
……私は強いんだから。

私は頬に指を滑らせる。
あれ?
おかしいなぁ…何だろ?これ…。
ああ、そっか。
私、涙が出てるんだ…。きっとさっき堪えていた涙…だよね?
「あ、あれ?な、何でだろ、な…私、泣いて…。え…う…」
高須君の言っていた事…泣いてるって本当だったんだ。
そう理解した瞬間、私は溢れ出る熱い涙を止められなくなる。
「ぐすっ!ち、違…うっ!悲しくな、んかっない!わ、たしはっ…っふ!泣いてなんかっ!っ…」
違う!違う!辛くなんか無い!
こんな事より辛い事は、もっとあった!
母親の七光だって陰口を叩かれた事

…名前を売る為だからって、枕営業をさせられそうになった事だってある。
それらに比べたら、こんな事…大した事無い!
「ほ、ほら!これ使えよ!」
私に差し延べられたのはハンカチ…。
これが大河や実乃梨ちゃんだったら、ハンカチじゃなくて、優しく抱き締めてあげたりするのかな?
きっとそう。これが私と高須君との距離…。
彼女達との数ヶ月の差…縮まる事の無い絶対の差。
「川嶋。俺が悪かった…。何か酷い事言っちまったみたいだ。悪かった…ゴメンな」

そう高須君が言って、私の頭を撫でる。
大河を見守る時の目でさ…。
卑怯だよ…優しくしないでよ。
それが『生殺し』なんだから。
期待させる様な優しさが…私を受け入れてくれる優しさが…。
どうせなら拒絶してよ。
泣いてる私なんか放っておいて…さ。皆で準備なり何なりすれば良いのに…。
高須君なんか…高須君…。
「うっ…うぅ!う…うわぁあああんっっ!」
私は彼の身体に抱き付いて泣きじゃくる。
「おう…」
解ってる…彼が私を突き放さないのは『優しい』からなんだと。
フラれたも同然の男に泣き付いて、傍目だと無様だと思う。
でも今だけは良いよね…高須君に甘えたい。ただ胸を貸してくれているだけで良い。
落ち着いたら『いつもの川嶋亜美』に戻るから。
だけど今は『女の子の川嶋亜美』で居させてね、高須君…。
.
こんなに思いっきり泣いたのは、いつ以来だろう。頭がボーッとする。
「よし…泣きやんだな。ほらハンカチ」
再び差し出されたハンカチを受け取って、目元の涙を拭く。
「ん…ありがとう…」
そう言った後は言葉が続かなくなる…。
私達は沈黙し、ただただ時間だけが過ぎていく。

落ち着いてくると、私はある事に気付く。
もしかして…いや、私は事態を余計に悪化させてしまった…、と。
高須君は気付いてしまったと思う。
私が、彼に抱いている想いを…。
あんな言い方したら、どんなに鈍感なヤツだって気付くだろう。
あの時、自制が効いていたなら…、無い事にしてしまえたら…。
もう無理…頭の中がグチャグチャだよ…最悪。
このまま接点を無くして、疎遠になったら…忘れてくれるかな、ううん。
やっぱり嫌だ…。
他人に嘘は付けても、自分に嘘は、付けないもん。
高須君の事が大好きだから…諦めれないよ。
もう我慢はしない…。
回りくどく
『私の事も見て』
じゃなくてストレートに
『私に目を向けさせて』
みせる。
大河や実乃梨ちゃんと同じスタートじゃなくても、同じ『土俵』には立ってやる。
その上で高須君に…。
だから『お節介』は止める。
「ねぇ、高須君。ちょっとお話しようか?」
「おう。何だ?」
今からの私の行動が、今後の関係にどう影響しようが構わないや。
大河も実乃梨ちゃんも、そして高須君もハッキリしないからいけないんだよ?

高須君に『忘れる事の出来ない』川嶋亜美を刻んであげる。

マットに二人して腰掛けて私は語りかける。
「高須君は好きな娘居るって言ったじゃん。それってさ…実乃梨ちゃん?」
そう言うと、高須君の目元が微かに細くなり、無言のまま私から目を反らす。
私の問いの真意が分からないから、言いたくない…。そんな雰囲気だ。
「…それを聞いてどうするんだよ?」
しばしの沈黙の後、彼が絞り出す様に呟く。
「ん…理由を聞きたい?そうしたら教えてくれるの?」
問いに問いで返し、続けて問う。
正直、立場が逆ならウザくて仕方無いだろう。
別に意地悪とか、からかってやろうと思って言っている訳では無い。
「言わないと駄目なのかよ、誰にも言いたくない事だってあるじゃねぇか」
「……大河には言えて、亜美ちゃんには言えない訳だ。ふぅん」
と、カマを掛けてみたりする。
…絡まった糸は解くより、切って繋いだ方が楽だよね。
「別にそんなのじゃねぇ。…訳を教えてくれよ。じゃないと言えない」
予想通りの答を聞いて、私は高須君の顔を下から覗き込んで見詰める。
あくまでも真剣な目差しで…。
「………高須君の事が好きだから……じゃ理由にならないかなぁ?」

そう。真剣に、自然に…。
目を見開いた高須君から視線を逸らさず、私は続ける。
「もちろん、男の子として…ね。だから気になるじゃん。
その相手が私じゃない事位分かるし、おおよその見当は付いてるけど知りたいな」
一息で言葉を紡いで、私は上目遣いで彼を見ながら、返事を待つ。
「…櫛枝だよ」
しばらく考えた素振りを見せて、彼が紡いだ一言。
分かりきっていた事なのに、本人の口から言われると切ない。
恐らく、素直に言えば私が満足するとか諦めるとか思って言ったのかも知れない。
彼らしくない、割り切った考え。
ひとまず牽制と言った所だろう。
何とかして、この状況から早く抜け出したいという事なのか?
「だから…川嶋と付き合う訳にはいかねぇ。ゴメン」
高須君が申し訳なさそうに私に謝る。
何で謝るの?別に…そう言わせたい訳じゃない。亜美ちゃん嫌な女みたいじゃん。
変な作為が有って聞いたわけでは無いのだ。
しいて言うなら『確認』の為だ。
糸を繋ぐ為の…ね。
良い人を辞めて、自分が求める者を手にする。
それに必要な情報が欲しかったのだ。
予想では無く、明確な事実が無いと…糸は紡げない。

もちろん、それは私なりのやり方でやらせてもらう。
側だけ取り繕った人間だった私の仮面を取り除いて、新しい道を高須君は開いてくれた。
好きになってしまった。
今は好きな人に振り向いて貰おうと、必死で尻尾を振ってキャンキャン啼くチワワ。

私は、大河みたいに彼が守ってやりたいと思わせる存在にはなれない。
実乃梨ちゃんみたいに彼の太陽にもなれない。
なら、私は高須君と対等に並び立つ存在になりたい。
いつだったか…ああ、ストーカーの件の後に同じ事を言ったよね。
「そっか。…うん。ゴメンね、何だか今日は変な事ばかり言ってる」
私は顔を俯かせて深呼吸した後、彼に聞いてみる。
「付き合って…とかは言わない。
でも…それでも高須君の事、好きでいて良い?」
「おうっ、それは…俺が決める事じゃないと思うぞ」
そりゃあ、そうだよね。
他人がどう想おうが勝手っていいたいんだろう。
「でも報われないかもしれないのに、想われているのは心苦しいし、川嶋だっていつか後悔するんじゃないのか?」
つまりは
『勘弁してくれ』
って事だ。
彼がそう思ってなくても、言い方を変えたらそうなる。
穿った見方かもしれない、けど事実。

「私じゃ嫌?」
「嫌…とかじゃない。川嶋は綺麗だし、一緒にいて面白いけど俺なんかじゃ釣り合わない。
それに俺は…櫛枝の事が本気で……」
嫌じゃない…か。
好きでも無いし、嫌いでも無い。
ちょっと仲の良い女友達って感じなのかな?
ちなみに私は男女で友人関係は成立しないと思っている。
一緒に居て、惹かれ合って…それでも『トモダチ』のままだなんて不可能だと。
男のXとYの染色体と、女のX染色体は互いを求め合う様に出来ているのだ。
本能だよ。上手く出来ているよね?
人間だって動物なのだから当たり前、雄は雌を求める。逆も然り。私は高須君に惹かれ、高須君は実乃梨ちゃんに惹かれた。
だから相手と『トモダチ』以上の仲になりたいと願う。
私の現状は片想い。掴もうとしても、高須君は先に進んで並び立てない。
だが唯一、同性の友人関係と同じ様に対等に、かつ瞬時に並び立つ方法があるのだ。
私は高須君の唇に人差し指をあてがって制する。
「全部言わなくても良いよ。高須君は優しいもん。絶対に他人を傷付けれない奴だって…知ってる」
そう。だからこそ私が今から言う事は『いけない事』だと諭されるよ絶対に…。

それが何かって?
それはね…高須君に抱いて貰う事。
私が高須君と対等になるには、男女の関係になるしかない。
極論かな?でも真理だよ。
理性とか倫理は抜きにして…ね。
理由は前述の通り。私達は『生き物』だから…それで察して欲しい。
「高須君…一度しか言わない。すっごい我儘だし、
間違った事だけど…、お願いがあるんだ。聞くだけ聞いて貰えないかな?」
彼の手を握って、私はゆっくり一言一句を噛み締める様に紡ぐ。
「私を………
抱 い て よ

「は、はぁ?」
呆気に取られた風に見える彼の手を更に強く握る。
「お、お前何言って…え?その抱く…って意味解ってんのかよ?」
しどろもどろになりながら高須君が私に聞き返す。
私は軽く頷いて肯定とする。
「そんなの無理に決まってるじゃねぇか!付き合っても無いし、川嶋は絶対に後悔する。
本当に…好きな奴が出来た時に過ちだったって気付く。その時には遅いんだ!」
彼が静かな怒りと哀しみを湛えた瞳で私を諭す。
「後悔なんてしないよ!私は…私は……冗談とかで言ってるんじゃない。
だって高須君の事が好きだから…抱かれたいの」

「っ!…もっと自分の事を大切にしろよ、一度しか無いんだぞ?
それに…俺には重すぎる。
川嶋が好きだって言ってくれても、自分の事で精一杯なんだ
櫛枝しか…考えれない。
だから撤回してくれ。今なら聞かなかった事にするから」
「嘘だ…。自分一人で精一杯だなんて嘘だよ。じゃあ何で大河にはベッタリなのよ?
自分の事だけでいっぱいいっぱいなら、他人の面倒なんて見れる訳無いじゃん。
今、言ったのは建前?…私は蚊帳の外なわけ?」
自分でも何を言っているのか分からない。
まるで彼の心が読めるとばかりにまくし立てて…さ。
てかこれじゃ逆ギレだよ…。
私は大河にも実乃梨ちゃんにも嫉いている。
同じ教室に居て、壊れ物を扱う様に優しく接して貰って…私は放置。
そしてたまに気紛れで優しく接する。
いや、本当は彼が私にも…誰にだって優しく接しているって理解している。
でも比較しちゃう。
『アイツにはあんな風にして、私にはこれだけ?』
些細な違い、それを目敏く見付けて一喜一憂していたのだ。今だってそう。
「大河は関係無いだろ?ともかく無理だ。悪いけど、出来ない。
川嶋にもいつか好きな奴が出来る。そいつに悪いし」

例えば
『実乃梨ちゃんが好きだって言いながら、大河には甘々な保護者面して、私に対しては少し冷たい』
って心にも無い事を考えている。
高須君の言っている事は正論…。
確かにこの先、好きな人が別に出来たとして…少し位は、軽率だったって思うかもしれない。
けど、それでも後悔はしない。
絶対に…。
私はチワワの目で上目遣いに見ながら懇願するの…。
「…高須君の事、諦めれないもん。本当に大好きで焦がれて…」
好きな人に抱かれた事、それを悔やんだりしない。
それは、もし実らない恋だったとしても私の中で輝いて色褪せない。
「私にだって…恋をする権利はある。高須君にも実乃梨ちゃんにだって…皆にあるんだよ?
それを間違いだなんて言わないで…お願い、高須君…私と寝てよ」
そう言って私は待つ。彼の返事を…。
飾らない本心、大人ぶっているけど、私だって…皆と同じだもん。
火遊びで大怪我じゃなく、どうせなら全力でぶつかって大怪我したい。
少しづつ、深めていって仲良くなれたら…
『大怪我して良かった』
って思えるじゃん。
今日、明日…短期間なら大怪我に見えても、長い目で見れば良い結果になるかもしれない。

そう。すぐに結果が見えるものじゃないんだから…。
「……絶対に後悔しないんだな?」
長い沈黙を破って、口を開いた高須君が私に問い掛ける。
「うん。しない」
私は微笑みながら返す。
互いの顔を見詰めながら、触れた手を握り合う。
「気持ちが通うかは分からない。でも…優しくはするから」
まだ手が触れただけじゃん。
でも高須君らしいなぁ。
その言葉は…もう少し後で欲しい…な。
とか、ちょっとだけ心の中で惚けてみる。
「…そこの跳箱の裏。入口からは死角だし、良い感じの隙間だよね。
そこで……ねっ?」
熱を帯びた頬を隠す為に俯いて、繋いだ手をしっかり握り、空いている片手の人差し指で室内の端を指差す。
「お、おうっ!ここでするのかよ。てっきり…別の場所かと」
「うん。"ここで"だよ」
理由を述べるなら
『心変わり防止』
である。
ほら…何だかんだ今の状況ってさ。
場の空気に流されている感も少なからず有るよね?
もちろん私じゃなく、高須君がね。
『川嶋がここまで言うなら良いよな?』
みたいな感じ。
だから、ここで機会を逃すと思い直しちゃう。

『ああ、やっぱり無理だ』
って考えてしまうだろう。
それのポカ除け。
「川嶋は良いのかよ?ここ結構埃があるんだぞ。ほら、そこの端とか隅とか
おおうっ…何という惨劇」
高須君がビシッと数ヵ所を順に指差しながら、口元を歪ませて邪悪な笑みを浮かべる。
『川嶋ぁ、お前の初体験を埃たっぷりでムード無しの場所で台無しにしてやるぜ』
とか…考えているのでは無い。
十中八九、頭の中で高須棒を振るって埃と戦っているのだろう。
「はいはい。惨劇、惨劇…っと。こうしたら運命は覆せるよ」
私は自分のジャージの上を脱いで立ち上がる。
そして、先ほど指差した場所に屈んでジャージを広げて置く。
いやぁ亜美ちゃんって天才?
「ほら、高須君も来てよ」
笑顔で手招きすると高須君が私の横に並ぶ。
「まあ、うん、確かにそうなんだけど根本的な解決にはなってないような」
不本意そうな彼の頬を、両手で撫でながら私はからかってみる。
「あ…、そっかぁ高須君はマットの上でしたかったんだ
入口から丸見えだもんねぇ、亜美ちゃんと繋がってる所を誰かに見せたかったとか。
やだぁ…そんな趣味あったの?」

わざと会話のキャッチボールを止めて、クスクスと笑いながら…ね。
しかも私から誘ったのに、高須君が望んでいる様な口調で…。
「いきなり斜め上に考えたな。それは勘違いだ。そうじゃなくて、埃がだな…」
「野暮な事は言っちゃダァメ…んっ」
私は彼の後頭部に手を回して体重を掛けて抱き付く。
「おうっ!」
尻餅を付いた彼の肩に顎を乗せて甘えた声で囁いてみる。
「優しくしてね。忘れる事なんて出来ない位に…高須君の事をしっかり私に刻んで……」
もちろん私も高須君に刻んであげる。
『川嶋亜美の味』
を…。
男の子は初体験の味を忘れないって聞いた事がある。
だから…忘れる事の出来ない味を覚えさせてあげるね?
大河や実乃梨ちゃん…他の娘とした時に
『川嶋の方が良かったな…』
って思わせる位の『雌の味』を…ね。
胡座をかいた彼の膝の上に座って、背中を胸に預ける。

そして両手を彼の手に添えて胸元に誘導してあげるの…。
「んっ…。ん、う…」
私の胸を手の平に納めた彼が、恐る恐る探る様な手付きで揉み始めた。
インナーのTシャツの上からゆっくりゆっくり…。
互いに一言も発せず、私の抑えた声と衣擦れの音だけ。

「川嶋って良い匂いだな…」
私の首筋に顔を埋めた高須君が、感慨深そうに呟く。
「ふふっ…高い香水使ってるからね…、んっ…は」
「違うぞ、香水じゃなくて、川嶋がだよ。すっげぇ甘い…」
高須君が鼻っ面をグリグリと首筋に押し当てつつ、十指を胸に埋める。
恋人にする様に紡ぐ言葉と、興味津々に私を探る手付き…。
それだけで私の身体は熱を帯び始める。
「ふ…っ、んっ。あ…、ん」
寄せて、上げて、優しく優しく、まるで硬直した筋肉をほぐす様に揉まれる。
自分で揉むのと違い、ちょっとくすぐったい。
でも…身体がねピクンってしちゃう。
…まだ直接触られてもいないのに、気持ち良いの…怖い。
「なぁ…良いよな?」
そんな私の変化を本能で感じ取ったのか、彼がTシャツの端を掴んで聞いてくる。
つまりは直接触りたいのだろう。
私は頷いて微かに身体を震わせる。
演技なんかじゃない…。
期待と怖れ…だよ。
「は…っ、んんっ!くすぐったい…」
Tシャツの端から忍び込み、腹から胸の方に滑る手の感触、
少しづつ下着を押し上げてくる指先…それらの感覚に私は身体を捩らせる。
「っあ…、ふっ!んぅ…」

下着が外れ、大きな手の中で胸が揉まれる。
初めての異性の愛撫は、くすぐったくて、ちょっと痛くて…気持ち良くて、甘く疼く。
「ふあっ…あ。あっ…んっ…んっう」
指先から零れ落ちそうになる胸を掬う様に絶え間なく揉まれて、私は啼く…。
心臓がバクバクと回転数を上げて、レッドゾーンを差す。
『高須君に揉まれてる…スケベな手付きで揉まれてるよう…』
「ひうっ…や…、あふっ!」
高まる興奮が、身体に変化をもたらす。
その変化を見つけた高須君がね…親指の腹で転がす。
硬くなり始めた乳首をクリクリって…切なくさせるの。
「んっ!はあっ…う…!」
ゾクゾクとした震えを伴って、ピリピリと痺れる甘い刺激。
目の前が蕩けてしまう気持ち良さが私の身体を駆ける。
「初めてだから勝手が分からないけど…気持ち良いか?」
「はっ…ん。わ、わかんな…ぁっ…い。はうっ!」
耳元で問い掛ける高須君に、蕩けた声で返事をすると今度は更に強い刺激が走る。
ビクン!って身体が跳ねてしまう。
乳首を摘まれたのだ。
「あ…もしかして痛かった…か?」
「ううん…大丈夫、んあ…」
そう返すと、また摘まれる。

人差し指と親指で転がされながら…ね。
これ…身体がフワフワしちゃう。
本当に気持ち良いんだ……癖になっちゃいそう。
じゃあ、じゃあ………『下』は、もっと気持ち良いのかなぁ?
試した事なんて無いから分かんない…けど高須君がしてくれたら気持ち良いよ、多分。
それは…あと少し先だろうけど…期待する位は良いよね。
高須君も期待…しちゃってるし。
さっきからお尻に『硬い物』が当たってるんだ…。
これって高須君も乗り気になって…期待してくれているって事だよね?
「あっ!だ…めぇ、そんなに強くしたら…ぁ」
甘えた声で喘ぎ、彼の愛撫を甘受する。
柔らかさを味わう様に揉まれ、もっと啼けと言わんばかりに、
何回も繰り返して強弱を付けて悪戯されて堪らなくなる。
「あふぅっ…!ひぁ…、あっ!ふっ…!」
自分でもビックリする位、甘えきって媚びた声が出てしまう。
作り物じゃない本物の啼き声が…。
「っふ…、たかすくぅん…そ、そこは…っん!……やぁあぁ…」
高須君の右手が腹を滑っていく。
その手がジャージの上から太股を撫でる様子に、私は羞恥を覚えて思わず抑えに掛かる。


ああ、次は…アソコなんだよね?
待って…恥かしいよぅ…高須君。
蕩け始めた思考が一瞬だけヘタレる。
やっぱり…ね、恥かしいじゃん。
体育の授業あったし…その…汗かいたから…汚いよ。
そんな考えも、次の瞬間には霧散してしまった。
太股を撫でられながら乳首を強く転がされて、再び視界がピンクの霞に覆われる。
「おう…やめとくか?」
彼の優しい声を聞いて、制止しようと伸ばしていた手を重ねて、おねだりしてしまう。
「はあは…ぁ、して…。私に…もっと教えて?」
高須君に可愛がって貰って下腹部が熱くなっていく…トロトロに溶けていくの。
身体の奥が熱を帯びて切なくキュウ〜って疼く感覚。
私は自身のスケベな部分を自覚してしまう…。
大河風に言うなら発情期の雌チワワかな?
うん…そうだね。
高須君に愛撫されて……気分が高揚してる…。
初めてなのに…しかも、まだそこに触れられてもいないのに………濡れさせてしまっている。
「んうっ……あっ…。あっあっ」
太股を擦る手が段々と内に伸ばされ…それに比例して閉じていた足が開いていく。
私は『女の本能』に身体の自由を奪われる。


「川嶋、ここ触るぞ」
返事を待たず、胸への愛撫を続けたまま高須君が二枚の薄布の中に手を差し入れる。
一枚はジャージ、もう一枚は下着。その奥の『部分』に向かって、彼が繊細な手付きで進んで来る。
私はされるがまま。高須君に全てを託す。
したいようにして良いんだよ?
断りなんか入れなくても、これは私の望んだ事だから…。
だからもっと…
『私を乱して』
と、彼の頬に自分の頬を擦り付ける。
これは、私の一方通行な愛情表現…。
口付け出来ないキミへの精一杯の求愛だから…大目に見てね?

「ふあぁっ…あっ…」
啼く…。
「んうぅっ…はふっ!」
私は啼く…。
「やぁあ…!あくっ…あっ!」
高須君に可愛がられ、発情しきって甘えた声で啼く…。
初めは恐る恐る、まるで壊れ物を扱う様に、丁寧に秘部を擦られていただけだった。
「はっ!……はっ!あっ!んは!」
でも…徐々に私の『キモチイイ所』を探り当てて、押しては引き…上に下に…更に甘い刺激をくれる様になってきた。
「…川嶋のここ…柔らかい。なっ、指入れてみて良いよな」
私は彼の愛撫を受けて大胆になっていく。
「っふ!いいよ…、っん!いれて…」
いつの間にか、抱き抱えられる体勢が床に寝かせられ、彼の身体の下で甘えていた。
胸を吸われ、舌先でねぶられる。そして…
下着の中で高須君の指が躍る。
「ふあっ…くぅ!う…んっ!」
高須君もやっぱり男の子なんだよね…。
周りと比べて、こういう事への興味をあまり表さなかっただけで、立派に『男の子』だった。
ほら…その証拠に私を…しっかり乱して、無垢な身体を彼の色に染めていってる。
一つの例外を除いて、手順を踏んで…私を切なくさせているの。

「んっ…ん…。…ふあぁっ」
秘部にゆっくり挿入てきた指の予想以上の快感に、私は身体の力が抜けていく…。
彼のジャージの胸元を、しっかり握って『初めての異物感』を受け止める。
「はっうっ…、たかすくぅうん………切ないよぅう」
気持ち良いの…初めて受け入れた指が奥へ奥へと進んで来る毎に…
私の『亜美』をトロトロに溶かして堪らなくさせている。
その快感は、身体の奥から外に向かって抜け出る感じ…かな?
上手く言い表せない。
だから高須君に『切ない』と紡いで、首を反らせて吐息を吐く。
半端に脱がされた下半身に寒さなんか感じない、むしろ暑い。
「ん…じゃあ、こうしたらどうだ?…切なさは消えるか?」
そう言って、膣内を優しく優しく掻き回す高須君。
だぁめ…そうしたら、もっともっと切なくなっちゃうよ?
理由は二つ。
一つ目は御察しの通り、それが気持ち良くてキュンッてなっちゃうから。
二つ目は…
まるで『トモダチ』と戯れ合う様な手付きから、微かに…『愛情』を感じる愛撫に変化している気がする…から。
後者の心理的な要因が重きを占めている。
それは一番嬉しくて……一番辛いこと。

だって…それは私に対して情が湧いてきたからだと思うから。
それが苦しいのだ。
確かに嬉しい。
舞い上がってしまいそうな程。
でも…この『触れ合い』が終われば、彼の中から消えてしまう感情なのかも知れないと気付いたから…。
それが心配損で済めば結果良し。
その可能性は半々といった所だろう。
「んっふ…!はあっ…あ!」
こんな事を考えるのは杞憂なのか。
そもそも、こう考えるのは失礼だよね。
彼なりの答を持って、私の願いを聞き入れた結果が今だ。
それはまだ途中で、終わっていない。
そりゃあ欲を言うなら…これで気持ちが通えば良いなって…。
私がこんなネガティブな事を考えていたら、結果は悪い方に転がってしまう。
あ…そっか。分かったよ。なら気持ちが通う様に…彼の中に『情』を刻めれば良いのだ。
そうすれば……私だって見て貰える。
大河や実乃梨ちゃんの様に…見て貰える。
「ふあっ!っくぅ…う!はっ!はっ!」
問題は、どういった方法を使えば良いのか…だ。
彼の後頭部に手を回して抱き寄せる。
甘く疼いて堪らないから…。
そして、まだ足らない。
だから
『…もっと切なくさせてよ』
と耳元で囁く。

「っは!んはぁ!あっ!ひうぅっっっ!!」
彼が小刻みに指先で膣奥をくすぐる。
それと同時に、器用に親指で……クリトリスを転がされる。
高須君に可愛がられて…嬉しくてアソコが泣いている。
くちゅくちゅ…って。
ほら、飛行機が離発着する時って身体がゾワゾワ〜ってするよね?
それに似た感覚が良いの、……癖になってしまいそう。
凄く気持ち良いから、お腹の中がジンジンと熱を帯びて…
『サカリ』
がついちゃうの…。
そうだ………高須君にも、この『ゾワゾワ』を教えてあげよう。
それは高須君に『川嶋亜美への情』を刻める事だと気付いた。
きっと
『川嶋は初めてなのに、こんな事をしてくれるんだ。
…本当に好いてくれているんだ』
と認識してくれる。
「ふっ!ふっ!……っん、たかすくぅん……ここ…んあ…苦しそうだね」
私は喘ぎながら高須君の股間に右手を伸ばす…。
「んっ!か、川嶋…そこは」
手がそこに触れた瞬間、彼がビクッと震える。
熱い……それに凄く硬い…。
わ、わわ…ビクンビクンしてる…。
「さっきから…すっごく我慢してたよね?……高須君にしてあげよっか?」

ジャージにテントを張っている高須君の大事な大事な部分。
その形を確かめる様に、人差し指と親指で隆起した『高須君』を撫でる。
「で、でも…うぅ」
うわずって……期待した声で高須君が啼く。
『して欲しいけど、そんな事をさせて良いのか?』
とか考えているのだろう。
「良いよ。おちんちん…パンパンにしちゃって苦しいんでしょ……
さっきだって亜美ちゃんのお尻にスリスリさせてたし…」
胸の中に彼の頭を抱いて優しく手櫛しながら、甘い声で囁く。
「ねっ?だから…させて」
そう優しく言うと高須君が頷く。
高須君を仰向けに寝かせ、私は彼の足の間に正座して座る。
「う…っ」
手の平で軽くおちんちんを揉むと彼が微かに呻く。
キモチイイんだ…。
じゃあ、もっとしてあげるよ……モミモミ…。
そうして数度、強めに揉みしだいた後…私はジャージを下着ごと膝まで脱がす。
「う…わぁ、…………おっきい、ね」
こんな風になってるんだ。
太さは丁度、人差し指と親指で輪を作った位で長さは…う〜ん、高須君の名誉の為に内緒にしておく。
だが決して…小さい訳では無い筈。うん…比較対象が無いから分かんない。
短いスプレー缶位とだけ言っておく。

「そ、そんなに見るなよ。…恥かしいし」
そう呟く彼を見て、私はちょっとした悪戯を思い付く。
「気にしないの、高須君だって亜美ちゃんの…見たでしょ」
身体を倒して、おちんちんに顔が付きそうな位に近付けて、ジ〜っと見ながら言ってみる。
「…見てねぇよ」
「へぇ〜…」
私は舐める様な視線を通わせながら、おちんちんから目を離さず生返事を返す。
ふふっ…恥かしい?
こんな間近で凝視されて…あれぇ?
何でおちんちんヒクンヒクンさせてるの?
亜美ちゃんは純粋だからわかんなぁ〜い。
……もしかして…高須君ってマゾっ気がある?
あ、だから大河に罵倒され、殴られても、蹴られても一緒に居るの…かな。
恥かしくて痛い事をされて堪らなくなって癖になっちゃってるんだぁ?
『御仕置』と書いて『御褒美』って読みます。
っていう感じ?
…と、罵倒している自分を想像してみる。
でも実際は…自分でも分かる位…顔も身体も熱くほてって無言で見るのが精一杯。
だって見るのなんて初めてだし…高須君の…り、立派だし…。
それでも、何とか伸ばした手で優しく撫でる位なら出来る。

「っん…ふ、う。は…あ」
え〜と…何て言うのか?
竿だっけ?
そこをゆっくり掻いて、
おちんちんの頭の下、窪んだ所をスリスリしてあげると高須君が喘ぐ。
目の前でピクンピクンって跳ねて暴れる姿は、どこか小動物を思い出させる。
「高須君、気持ち良い?痛くない?」
言葉にして三言。
微笑みを浮かべ、愛情を込めて愛撫しながら問う。
「っふ。お、おうっ!」
そう返事を返し、気持ち良さそうに身体を震わせる彼が愛しい。
私が高須君を悦ばせているんだ…。
大河でも実乃梨ちゃんでも無く、この川嶋亜美が…。
嬉しいなぁ…。
だから…更に悦ばせたくなるのは自然な流れだった。
「は…あ。っ!?くあっ!」
私はおちんちんの頭に甘く口付けし、そのままゆっくり口内へと受け入れる。
週刊誌か何かで知った
『恋人同士のスキンシップ』
をしてみるね。
初めは舌や唇で優しく愛撫するとか書いていたけど……いいや。
初っ端から…良い事してあげる。
初めてだから…上手く出来ないかもしれない。
だけど頑張るから…。
「ん…む。くちゅ…ふ、あふ…」
確か、歯を当てない様にして目一杯呑めば良いんだよね?

「う…あぁ…か、わしまぁあ…!っくう!」
そして舌先でペロペロって…、あ…良いみたい。
「くちゅっ…ふ、ちゅぱっ…ちゅぱっ」
歯が当たらない様に注意し、優しく抽出を繰り返す。
これが結構難しい。
簡単そうに見えるんだけどね…。
まず、意外と顎が疲れる。
そして上手く舌を動かせない。
あとは手でおちんちんの根元を支えてないと、口の中で暴れて喉に当たりそうになる。

「っんう…。あ…。ちゅっぷ!ちゅっぷ!」
上目遣いで彼の反応を確かめながら、何度も繰り返すと段々とコツが分かってきた。
唇で甘噛み、優しく吸い付き、舌全体を使ってねぶる。
そしておちんちんの先から呑めるギリギリまでのストロークで抽出する。
それらを強弱を付けてランダムに繰り返すと良いみたい。
「っはぁ…。っふ…、どう?気持ち良い?」
時折、こうやって口を離しては高須君に聞いてみる。
『どうして欲しい?』
って意味を含めて。
「お、おうっ!もう少しっ…吸って……、っはぁ」
「んふぅ…、ちゅっ!ちゅくっ!……ちゅぱっちゅぱっ!」
高須君が望む愛撫に合わせて、小刻みに抽出を繰り返して舌先でチロチロ。

良くて堪らないのだろう。
彼が震える手で私の頭を撫でて褒めてくれる。
私も…堪らないよ。
興奮しちゃってアソコの奥がジンジン疼いて…熱いの。
頑張って舐めたら…また高須君は優しく愛撫してくれるかな?
そう考える内に『亜美』の熱い涙が内太股を伝うのを感じ、太股をモジモジと擦り合わせて耐える。
「っ…ひゃっ!あ…うっ!」
急に身体に走った甘い刺激に私は啼いてしまう。
そう。上体を起こした高須君が、乳首を摘まんで転がし始めたから。
「あんっ!んあ!あうぅっ!」
私は愛撫する口を離して啼く。
全身を駆巡る高須君の御褒美の甘さに酔い痴れ、高揚した気持ちに拍車が掛かる。
「は…川嶋もう時間も無いし、そろそろ…」
そう言われ私は身体を引き寄せられ、寝かしつかされる。
「た、かすくん…」
膝小僧に手があてがわれ、左右に足を開かれる。
丁度、私の腰の下に膝を差し入れる形で高須君が割って入った。
狭い跳箱と壁の隙間で二人の身体が重なる…。
「そういや…ゴム持ってねぇや…」
急な事だったから準備なんてしてる筈無い…。
膣内に出さなければ………大丈夫だよね?

「…外に出したら大丈夫だよ。ねっ…そんな事より」
私はおちんちんを掴んで、熱さを湛えた秘部に添える。
怖くないのかって?
ぜっんぜん。
そりゃあ本音を言うなら有るよ。……ほんの少しだけ。
でも大好きな人に『初めて』を捧げるんだもん…。
尊い事だから…頑張れる。
チワワみたいに震えてなんかいられない。
「亜美ちゃんのバージンあげる。…忘れられなくなる位…強く刻んで?」
「おうっ。じゃあ…優しくするから…行くぞ」
その言葉に頷き返し、大きく息を吐く。
「んくっ!!んっっ!ふっ!あぁ…くっっ!!」
数度、おちんちんの先で膣の入口を啄む様に押された後、鈍い痛みが走る。
「あくっっ!!はっ!はっ!っっう!!」
私の身体を女にして貰う痛み…。
膣口から内部へと広がって行く熱さと鈍痛…、私は酸素を求めて口をパクパク開けて喘ぐ。
「っ…は。だ、大丈夫か?ふ…痛いか?」
頬を伝う涙を指で拭ってくれる高須君の手を取って強く繋ぐ。
そして両足を彼の腰に絡ませ力一杯引き寄せる。
「んんっ!!……はぁっ!!はあっ!!」
それは…彼への求愛。
『やめないで…高須君を頂戴?』
そう紡ぐ代わりの求愛行動…。

「うぅっ…は、入っちゃったね…」
彼の背中に手を回して抱き寄せ耳元で囁く。
奥まで貫かれ、絶え間なく襲う痛みを堪えながら頬を擦り合わせる。
熱い…高須君のおちんちん…熱いよう。
彼の大きな背中を撫でて確かめる。
想い人に…高須君に抱かれているんだって…。
気持ちが繋がるかは私の頑張り次第…、私は刻んで貰ったから、次はこちらが刻む番。
「んっう!!ん…あ…っは」
私は彼にしがみついたまま腰を上下に捩らせる。
身体が縮まってしまいそうな痛みを我慢して喘ぎながら…。
「お、おい。無理すんなっ…あ。まだ痛いんだ、ろっ?」
私は彼の身体にしっかり抱き付いて、頬を擦り寄せて喘ぐ事で返事とする。
緩やかな動きで膣肉でおちんちんを絡めとり、互いの熱で溶け合う…。
「ふっう…くうぅっっ。っあぁ!た、かすくぅんっ、ひうっ!!」
高須君も腰をグイグイ押し付けて膣肉を掻き回し始める。
背筋に走るゾクゾクとした震え…痛みに微かに混じった甘い甘い快感…。
優しく、甘く、強く…互いに初めての異性を味わうかの如く、ゆったりと均していく。
「うぅんっんっ。ひっあぁぁ……」

次第に私の啼き声に艶が混り、彼の下で弓なりに身体を反らして夢中になって甘える。
「か、川嶋…もう大丈夫、か?…ふ、う…」
「あはぁ…あ、あと少しっ!ふっ!」
この蕩けて消えてしまいそうな快感…それを感じていたくて私は両足で更に強く寄せる。腰を捻ると膣壁がおちんちんの頭に抉られ…引っ掛かって堪らない。
同時におちんちんが膣内でおっきくなって跳ねるの…。
高須君も蕩けちゃってる…浅く息をしながら身体を震わせている。
「んあ♪…すっご…。アソコがジンジンして…身体の中が熱いっ…はぁんっ…」
私の後頭部に腕を回して腕枕をしてくれた彼が、壊れ物を扱うかの様に優しく抽出を始める。
硬い張り出しが膣壁を擦りながら抜ける…。
微かに残った痛みと、新たに味わう『雄の味』…身体も頭も沸騰してしまいそうな熱を伴った刺激。
「あふぅっ…。は…う!ああぁ…っ」
抜け出るギリギリになると、まだ狭く閉じられた膣肉を掻き分けて拡がる圧迫感。
お腹の中が疼いて微熱を帯びて蕩ける。
「くふうぅんっ!んあっ!あっ!」
そして、私の奥に達したおちんちんの先がコツコツと力強くノックする。

何回も何回も…子宮口を突かれるの。
その度に私の膣内でおちんちんが跳ねる。
私も…ビクンッてなっちゃうんだ…。
ふふっ…おかしい。二人共、同じ様に喘ぎながら身体を震わせてさ。
…凄く嬉しいよ。
今、私達は一つに溶けているから…。
「ど、どう?亜美ちゃんの中…っん…気持ち良い?」
私は熱に浮かされて汗ばんだ身体を撫でながら問う。
「い、いいぞ。お、おうっ!や、やべぇな…マジですげぇ…よ」
高須君が夢中になって私を貪る。

おちんちんを小刻みに抽出し、腰を打ち付ける。
徐々に速く、強くなる彼の動きに蕩けて正常な判断がつかなくなる。
だから…こう言ってしまった。
「っは!あんっ!キ、キスして?」
私の中の女が欲しがっていて…もう我慢出来なかった。
彼の初めてを貰っても、まだ足りないと貪欲に欲している。
口付けは、せめて高須君の想い人にって…でも一つを手に入れたら、次も欲しくなる。
愛情が込められたスキンシップを…。
もちろん…高須君にとっては今だけの感情だと…擬似恋愛だと分かっていても…。
…欲張りな亜美は高須君の全てが欲しくて堪らない。

反則…かな?
この状況で女の子におねだりされたら、男の子は断れない。
そう分かってるのに…。
「んむっ。…っふ…、あふ」
触れ合った唇を啄まれ、舌先同士が触れる。
それだけで私は高ぶって更に発情してしまう。
甘酸っぱい雄の汗の匂いに鼻をヒクつかせ、頭がボーッとするのを感じる。
口内に侵入して来た舌に絡め取られ、おずおずと自身も真似して絡める。
膣から伝わる甘ったるい快感。
唇で味わう高須君の味。
そして密着した身体が教えてくれる暖かさ。
全てが合わさって、私の身体はフワフワと飛んでしまいそうな気持ちになる。
「くふぅっ!あっ!あっ!!」
高須君が強く腰を打ち付ける。
さっきより奥へと侵入するおちんちんの硬さに私は甘く啼く。
更に強く一打されると私の身体が悲鳴をあげて、跳ねる。
目の前で白い光が爆ぜて消える。
一瞬だけ息が詰まって、疼く膣奥がキュンッと切なさを訴える。
「ひあっ!あっ!あっ!やあぁっ!」
それが連続して休む間も無く続く。
切なさは強い欲求と入れ替わり、私は貪る様に彼に合わせて躍る。
本能に刻まれた雌が勝手に腰を振らせるのだ。
覚えたての甘い疼きを更に味わうために…。

すぐ近くで友人や下級生達が準備をしているのに…私達は『いけない事』をしている。
その羞恥と高須君に抱かれている事実が合わさって、私は淫乱の様に大胆になる。
「ひっ!んんっ!!はっ!はうっ!」
『もっと私を見て。
全部…見て、感じて?
大好きな高須君に知って貰いたいの』
彼の胸板に胸を押し付け、唇を吸う。
唾液と共に舌を潜り込ませておねだりする。
その間も腰を夢中に振って求愛して刻んでいく。
そう高須君の身体に川嶋亜美の味を刻んでいく。
膣壁のヒダの絡み付き、柔らかさ、熱さ…甘えん坊な声、仕草…言い出したらキリが無いけど…。
彼が思い出したら堪らなくなってしまう位に…いっぱい教えてあげる。
私も身体に刻まれたんだから…これで対等に並び立てる。
「っあ!くちゅっ!ちゅっ!んんっ!!んっ!ぴちゅっっ!!」
舌で戯れ合う内に高須君の身体に変化が起きる。
膣内でヒクヒクとおちんちんが跳ね回るのだ。
「あっ!あんっ!くふぅっ!あんっ!!」
荒々しく突き上げられ私は首を反らして息を詰まらせる。
「くうっ!か、かわしまぁ!も、もう我慢出来ね…出そ、うっ!」

私は拘束の手を緩め、上体を上げた高須君に突かれる。
腰を掴まれ、ガツガツとおちんちんで乱打される。
気持ち良い…気持ち良いようっ。く、癖になっちゃう…。
「んあぁっ!!あっ!!あっっ!!ひあうぅっっ!!!」
私の頭の中をストロボの様に光が爆ては消え、目の前が蕩ける。
「ふっ!うぅっ!!ふっ!ふっ!!」
膣内でおちんちんが大きくなったと思った瞬間、一気に引き抜かれる。
「あんっ!」
下腹部から胸まで掛かった熱い飛沫…。
それを感じて理解する。
『高須君が射精…してる』
おちんちんをビクンビクン跳ねさせて熱い体液を吐き出す様を、ボーッとしながら見詰める。
カラカラに渇いた喉で生唾を飲み込み、
事後の高揚感に身体を震わせながら…満たされた気持ちで大きく息を吐く。
.
「よ…いしょっと。んっ。よしっ!」
私は下着を履き直し、乱れた服装を整える。
傍らに落ちている丸まったティッシュをポケットに突っ込んだ後、
髪を軽く手櫛して高須君の側に座る。
「ありがとう高須君。……気持ち良かったよ」
微笑みながら、彼の手を撫でる。
「おうっ。初めてだから必死になっちまった。すまん」

「ん。そんな事言わなくて良いよ」
そう言って私は彼の手を引いて立ち上がる。「あまり遅いと皆に怪しまれるし…行こっ?」
ちょっとだけ痛む腰を手で押さえながら、幸せな気持ちで扉に向かって足を進める。
種は蒔いた。
上手く開花するかは高須君次第。
きっと芽吹く。
それが何かは今は秘密にしておく。
賽は投げられたんだ。
大河…実乃梨ちゃん…アンタらには負けないよ?

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